自由なチート暇人   作:sakuya-syu

9 / 71
そろそろ原作を始めようと思うけど、原作見てないから間違いがあるかも・・・


第08話

 翌日からリアとユークリウッドも修行についてくることになった。今朝になって突然、

「私はおねーさんだからシュウ君を守らないと」

 と言い出して、勝手について来た。確かに、前の世界(別々の世界だが)で考えても年上だが、今では一つしか違わない。ユークリウッドは一人でいても暇だからついて来ただけだ。

 

 修行場について結界を張る。ここに着く前にあの公園を通った時、真紅が、

『あの子はもういないな。大丈夫だったのかな』

 と独り言を言っていたが気にしない。やることはやった、あとは少女次第。なので、もう忘れることにした。

「すごい、魔法使いみたーい」

 結界を張ると、そんな呑気なことを言うリア。自分も魔法使いだというのを忘れているのだろうか。だとしたら、ぬけている。この自称お姉さんは今まで訓練をしたことがないのか。ちなみにユークリウッドは木の下で座って、持参のお茶を飲んでいる。

「シュウ君、修行ってどんなことするの?」

 そんなことを考えていると、声をかけられる。

「・・・座禅」

「へ?」

「座禅だ。座って、精神統一することだ」

「えっと、それだけ?」

「・・・詳しくは駄バイスに聞け」

 そう言って、鷲はラピスをリアに放り投げる。

「わわっ」

 彼女はそれを慌てて受け止める。

<主様!私は駄バイスではありません!他のデバイスと比べたらすごい高性能なんですよ!もう少し丁寧に扱ってください!>

 しかし、鷲はすでに座禅をしてそれを聞き流した。

<うう、主様~>

「まあまあ、シュウ君も悪気があるわけじゃないと思うから」

 いじけるラピスをリアはなだめる。

<でも、最初の一回以来、私のことを名前で呼んでくれないんですよ?>

「それは、きっと恥ずかしいんだよ」

<うう、そうでしょうか?>

「うん、きっとそうだよ」

<ならそう考えときます>

「うん、物事は明るいほうに考えた方が楽しいよ。それで、どうして座禅なの?」

<それは―>

 ラピスは座禅の意味をリアに説明する。

 

<というわけです>

「そうなんだー」

 それを聞き終えたリアは自分に何かできないか考えた。しかし、考えは浮かばず、結局、ユークリウッドと見守るだけになってしまった。

 

 一方、座禅を組んでいる鷲に昨日とは違う気配を感じた。何かの声が聞こえるのだ。

 ―じゅ・・・を、し・・・いか?

「・・・・・・」

 ―呪文を、知りたいか?

 次ははっきり聞こえた。そして、その声と共に鷲は意識を失った。

 

 

「う、ん」

 目を覚ました鷲が見たのは先ほどの修行場ではなかった。そこは空は黒く、月の光だけがあり、大地は荒野だった。ただ、荒野のいたるところに黒い結晶がいくつもあった。

「・・・・・・」

 ―こっちへ来い

 そんな声が聞こえて来た。鷲は声がした方へと歩き出す。

 しばらく歩くとそこには、巨大な黒い竜がいた。その竜は全身に鎖が巻かれており、その背中には十字架が突き刺さっていた。

「・・・・・・」

 そして、よく見ると十字架には何かが磔にされている。それがなんなのか見えるまで歩くと鷲は目を見開いた。

 

 そこには、真紅が磔にされていたのだ。

 

「!!」

 それを認識すると同時に彼は走り出す。

(なぜ、ここに真紅がいる!)

 しかし、竜のそばまで来ると、何かに行く先を阻まれる。

「なんだ、これは!」

 結界だった。

「ちっ」

 舌打ちをした鷲はそれを思いっきり殴った。

「があっ」

 それでも結界は壊れず、鷲が吹き飛ばされた。

《無駄だ》

「あ?」

 突然聞こえた声に目を細める鷲。その視線の先には鎖で縛られた黒竜がいた。

《それはお前には壊せぬ》

「てめえか、俺を呼んだのは」

《そうだ》

「まあいい、真紅を返してもらうぞ」

《フッ》

 鷲の言葉に鼻で笑って返す黒竜。

「・・・なにがおかしい」

《いや、なに。いつもの貴様らしくないと思ってな》

「どういう意味だ」

《この少女を返したら、その後どうなるのかわかっているのか?》

「・・・・・・」

 確かに、自分らしくなかった。真紅を解放する、それがどのような意味を持つのか。

「ちっ、なんで俺を呼んだ」

《貴様は察しが良くて助かるな》

「いいから、呼んだ理由を言え」

《貴様は呪文を知りたいのだろ?》

「それがどうした、てめえが教えてくれるのか」

《ああ、条件があるがな》

「・・・別にてめえに教えてもらわずとも自分で見つけるさ」

 まさか本当に知っているとは思ってなかった鷲は軽く動揺した。しかし、それを表には出さず、いつものように軽口で返した。

《それは無理だな》

「なんだと?」

 自分には見つけることができない、と言われたようで言葉に怒気を含んだ。

《別に見つけることができないというわけではない》

「どういう意味だ」

《貴様が呪文を見つけようが、俺が拒否すれば貴様に呪文は使えん》

「・・・てめえ」

 鷲は憎々しげに黒竜を睨む。

《だから、条件付きで使わせてやる》

「・・・条件は」

 その返答に黒竜はにやりと笑う。

《俺を暴れさせろ》

「いやだね」

 しかし、鷲はそれを即答で拒否した。

《それは交渉決裂と見ていいのか?》

「暴れさせろって表でってことだろ?そしたら俺も含めて、全員死ぬ。俺が呪文を知ってもどちらにしても使えねえじゃねえか」

 この黒竜の封印を何らかの方法で解いたら、真っ先に俺と真紅を殺して表に出て、破壊の限りを尽くすだろう。そうすれば、何も意味がない。

《ふん、やはり貴様は賢いな》

「そりゃどーも」

《今まではほとんどこれで暴れれたんだがな》

「そいつらがバカなだけだろ」

《まあな。ならば違う条件で使わせてやる》

「今度はまともな条件なんだろうな」

《ああ、至って簡単だ》

 黒竜がそう言うと目の前に、騎士甲冑を着た黒い騎士と鷲の前に黒い刀があらわれた。

《それは俺の分身だ。封印のせいで大した力はないがここで暴れる分にはいいだろう》

「つまり、こいつと戦って勝てばいいんだな?」

《そうだ。そうすれば呪文を使わせてやる。ただし、お前が負けたら、俺は表に出て、暴れさせてもらう》

「ハイリスク、ローリターンってか」

《ならば、俺の力も一部やろう》

「・・・それでいいぜ。ルールは?」

《純粋に剣と体術だけの勝負だ》

「単純明快だな」

 言って鷲は、刀を構える。

《さあ、俺を楽しませろ!》

「いくぜ」

 そして二人は互いに一気に距離を詰めた。

 




呪文が出るのはまだ先だと思います。
さて、どんな呪文にしようか・・・。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。