魔法科高校の攘夷志士   作:カイバーマン。

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本作を書き始めてから今までずっと脳内でシュミレートしていたお話が遂に書けました、もう思い残す事はない……


第四十四訓 合体&団結

蓮蓬の星落下を防ぐ唯一の手段があると手を伸ばしたのは、あろう事か色々とヤバい状態になっている服部であった。

 

一体彼がどの様にして地球を救おうというのかと、宇宙船に乗り組む者達が固唾を飲んで待っていると

 

大画面モニターに映る服部はスッと自分の目の前に置かれている四角い台座に向かって手を置いた。

 

「流行りの物はお好きかね、お嬢さん?」

「は? 何を言うとるんじゃあの小僧は、ん?」

 

意味深な発言をしながら自分に向かって語りかけて来たように見える服部に

 

副艦長の陸奥が目を細めていると、彼女の眼前に置かれている戦艦操作用のモニターからキーンと不可解なノイズが鳴り、画面上に何かが映り出す。

 

何事かと陸奥はこちらにヘラヘラ笑っている服部から顔を逸らして、画面の方へ目をやるとすぐにカッと見開いた。

 

「コイツは……! まさかこげな真似が出来るというんか……!?」

「どうしたんじゃ陸奥、珍しく驚いて……なんじゃそれは? 何かの設計図か?」

「見てわからんのか、こりゃあ相当凄い事ぜよ。あの服部とかいう小僧、どうやらただのエセムスカ大佐ではないらしい、むしろムスカ以上にラピュタを自由自在に操つっちょる」

 

画面に映る複雑な構図がかかれたそれを見て、坂本は理解していない様だが陸奥はどうやらわかっているみたいだ。

 

急いでその設計図らしきモノに手を触れて詳細が書かれたページを開かせると、テキパキと指を動かして操作を進めていく。

 

「わし等の世界の力だけじゃあの星を堕とす事は容易に出来ん、じゃが向こうの世界の力を借りれられれば……」

「おいおいどういう事じゃ陸奥! 一人だけわかったつもりで一体何しとるんじゃ!」

「どうでもいいけどアタシを巻き込むような真似はしないでよね、もう面倒事はごめんだから」

 

後ろで喚いたり文句を言ったりしてる坂本とエリカを無視して黙々と作業を進めていく陸奥。

 

蓮蓬の星はみるみる地球へと迫っている、一刻一秒を争う事態だ。ミスは決して許されない。

 

すると今度は蓮蓬の星が地球へと落ちていく様が見れる大画面用のモニターに映っていた銀時達もまた、何かが動き始めた事を悟った。

 

『おい辰馬、そっちは一体どういう状況なんだ? なんか俺達の服部大佐からなんか貰ったみたいだけどよ』

『坂本! 星がみるみる地球へと迫っているぞ! このままでは真由美殿の地球が!』

『何をしでかすかは知らねぇが、俺は何かを護るって奴はガラじゃねぇ。手を貸すつもりは毛頭ないぜ』

「おまん等次々に喋るな! 今陸奥の奴が集中して何かの作業をしちょる! そこで黙って待っちょれ!」

 

各々勝手に喋り出す銀時、桂、高杉という昔馴染みに慣れた様子で坂本が叫んでいると、陸奥は一呼吸を整えフゥと小さく息を漏らした。

 

「よし、過程による操作方法はしっかりと頭で理解した。こっからは全て賭けの連続じゃ、一回でも負けたらそれで地球だけでなくわし等もまとめてお陀仏、艦長、一世一代の大博打の覚悟はええか?」

「いやこっちは一体何をやるのかさえ聞いてないんじゃけど……え、失敗したらわし等も死ぬってどういう事?」

「今からおまん等全員にいちいち一から説明する暇はこっちにはなか、いいから覚悟だけ決めちょればええ」

 

そう言うと最後に陸奥はピッと目の前のモニターを指で押すと、新たな別の画面が現れる。

 

赤い文字でWARNING!WARNING!と横に流れながら警告を促してくるモニターに向かって、陸奥は颯爽と拳を構える 

 

「今更言うのもなんじゃが、この成功率はほぼゼロに近い、それでも艦長、おまんは一口この賭けに乗る気はあるか?」 

「あたぼうよ! 成功率なんてものはただの目安じゃ! 後はわし等の勇気で補えればいい!!」

「それでこそウチの船の艦長じゃ、それじゃあ始めるぞ」

「だけどお願いだから一体何をやるのかだけは教えてくれない!? ねぇちょっと!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

坂本からの返事を聞き終えると陸奥は早速モニターに向かって拳を振り下ろす。

 

どういうつもりだと慌てている坂本をよそに彼女は叫び声を上げながら

 

「ファイナルフュージョン!!! 承認!!!」

 

力強く叫ぶと共に陸奥が拳を画面上に叩きつけると

 

突然周りからゴゴゴゴゴ! 不穏な音が

 

この感じもしや……辺りから何かが動き出す音を聞きながら坂本は陸奥が何をやったのか悟った。

 

「ええちょい待て! 陸奥! おまんまさかアレをまた!」

「なになになに!? どゆことコレ!? なんかアタシ等の乗ってる船がおかしくなってんだけど! アンタ一体何をしでかしたのよ!!」

 

”一度経験している”坂本と違い、初めて体験する現象にエリカはとち狂ったように喚いていると

 

大画面モニターに映る銀時と桂も何か大騒ぎしているらしい。

高杉は一人冷静だ、後ろで縛られているあずさは別だが

 

どうやらこちらの船だけでなく、彼等の乗る船もまた何か起きているみたいだ。

 

『オイィィィィィィィ!! お前等まさかまたアレやる気か!? ふざけんなこちとらまだ心の準備が!!」

『何一人でわかったつもりで叫んでるですか、私やお兄様にもちゃんとわかるよう説明して下さい』

『うるせぇいいからさっさとどこかにしがみ付け! さもねぇと体をあちこちぶつけんぞ!』

 

よくわからない深雪に対して目の前にあった椅子にしがみ付きながら叫ぶ銀時

 

『坂本、もしやこれは俺が以前体験できなかったアレをやる気なのか……? フ、面白そうではないか』

『桂さん、さっきからお三方でアレアレ言ってますけどアレってなんですか?』

『アレはアレだ、アレをアレするアレであってアレよアレよとアレになって……要するにアレだ』

『なるほど……アレね!!』

 

この状況になってもなお、電波を放ちまくる桂と真由美

 

『おい坂本、コイツはどういう事だ、俺が乗る船も何かおかしな事が起きてるぞ、オメェの船は一体何を隠して持ってやがったんだ』

『んー! ぷわー! 高杉さん凄く揺れてます! 私達一体どうなっちゃうんですかー!』

『安心しろ、お前は俺の手でキッチリ始末しておいてやらぁ』

『ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』

 

状況がわからずモニター越しに坂本に問いかける高杉と、その後ろで悲鳴を上げるあずさ。

 

以上、各々のメンバーがそれぞれの反応をし終えた後

 

坂本辰馬率いる、快援隊の船々が

 

坂本が乗っている主船、快臨丸を筆頭に

 

 

今、動き出す。

 

 

【前奏~~~~~♪】

 

「あ、あのーすみません、揺れ激しくなってるんですけど大丈夫なんですか?」

「大丈夫じゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

【バルスバルスバルスバルス! 吹き出物~~~クロスゼェェェェェェェト!!】

 

深雪が徐々に何やら不穏な感じに頬を引きつらせながら銀時に尋ねていると

 

彼等が乗っている船が突如ガチャン!と音を立てて激しく変形を始める。

 

【商いあるとこどこへ~でも、異世界飛び越えやってくる~~!!(ポポポポーン!)】

 

「ちょっとぉ! なんかアタシ等の船変形し始めてない!? てかうぷ! 揺れすぎ……」

「陸奥ぅ! おまんまだわしの船にこないなモン搭載させたままだったんかぁ!? おえ!」

 

高速で姿形を変え、坂本達が乗る船は”とあるモノ”の胸部へと変わり出す。

 

その衝撃で思わず吐きかけるエリカと坂本を尻目に、周りに漂う船達も

 

【お金の臭いをかぎ~つけ~て、企画を~立ち上げやってくる~~~!!(締めは打ち上げ~~!)】

 

「ちょっとぉ! 他の船も変形し始めてるんだけどぉ!? アタシ達の船一体どうなっちゃってる訳ぇ!?」

 

【カイエ~~~ン! 未だ奇跡の泣き土下座だ~~!!(鉄板の上でこんがりと!)】

 

「じゃあドロー2とチューナーのスキップ使ってシンクロ出ししますね」

「シンクロ!? 真由美殿本当にそんなのあるのか!? なんか俺達の世界のUNOと色々と次元が!! ていうかもはや別のカードゲームに!」

 

【カイエ~~~ン! 股間のキャノンをぶっ放せ~~~!!(イヤ~~ン!!)】

 

「ヅラァ! お前何この状況でUNOなんてやってんだコラァ!! いい加減マジ殺すぞ!!」

「なんか天と地が逆さまになってるんですけど!? 本当にコレ大丈夫なんですか私達!?」

 

【ふ~た~つの世界が合わさって~~~!! どでかい!! 商談つかみとれ~~!!】

 

「グルグルグルグル……高杉さぁ~ん、どうなってるんですかコレ~……」

「どういうこったこりゃ……なんでこの船、右足みたいになってんだ」

 

あずさと高杉が乗ってる船は巨大な右足となり、銀時と深雪が乗っている船が右腕、桂と真由美が乗っているのが左腕と変形してしまった。

 

【ふ~た~つのアホが合わさって~~~!! 巨大な! 悪も滅ぼせ~~!!】

 

そして左足もまた完成し、5つのパーツとなった船達が徐々に中心に引き寄せられるかのように集まり

 

接続部にしっかりと合わせながら一つ一つ組み合わっていく

 

【カイカイカイカイ!! カイエーン! カイエーン!! カイエーン!!!】

 

全てのパーツがガッチリとハマった途端、一つの集合体となったそれは胸部から頭部らしきものを出すと

 

胸の部分に現れたネクタイをしっかりと首に巻きつけた。

 

【真・宇宙超商船隊!!(ロボ!!) カイエ~ン!!! クロスオーバー!!!】

 

5つの船が変形し合わさった、その真なる姿は

 

まさかの巨大な人型を為した巨大ロボットであったのだ。

 

銀時達が中で大騒ぎしている中で、遂に正体を現したその巨大ロボットに

 

完成するまで中で散々あちらこちらに頭や体を打っていた者達は、モニターから見えるその姿に驚愕を露にする。

 

「「「「「なんなんだこの巨大ロボは!!」」」」」

「驚くのはまだ早か……! 更にここから!!」

 

驚きの声が聞こえる中、陸奥は一人平静の状態で次なるサプライズに待ち構える。

 

すると完成したと思われるロボに対し、難十体ものの複数体が物凄いスピードで急接近していく。

 

それはあの……

 

「おい! ラピュタのロボがこっち向かって飛んで来てるぞ!! どういう事だオイ! 味方の筈だろ!」

「あなただけを敵と見定めて攻撃しに来たんじゃないですか? ロボットさん、敵はここにいますよ」

「誰が敵だコラ!」

 

あの奇抜な見た目をしたラピュタのロボット兵達がワラワラと巨大ロボに集合してきた。

 

一体どういう事だと体を伏せた状態で銀時と深雪は顔を合わせる。

 

「あのロボットが俺を殺しに来る訳ねぇだろ! テレビで放送する度に毎回観てるぐらいラピュタ好きなんだぞこっちは! もう何度も観てるのにいつもラスト間近で「俺を置いてかないでくれ!」って悲しい心境に陥るぐらい感情移入出来んだぞこっちは!!」

「いえそんな事クソどうでもいいので、さっさとあのロボットさんにバルスされて下さい」

 

半ば日常と化している喧嘩腰のやり取りを二人で済ませていると

 

そのロボット兵が巨大ロボに接近した瞬間、彼等は皆、身体を丸めて変形し、また別の姿へと成り代わる。

 

「陸奥ぅ! ラピュタのロボット共が体を変形させてわし等のロボの身体にどんどん装着されとるぞ! あちらさんのロボットでこない真似なんてしたらそろそろ怒られるんじゃなか!? 白髭のおっさんに怒られるぞ!」 

「あのいかにもなヘンテコな見た目のロボットが……アタシ等のロボットに似合う外見をした装着物に変形していってるわ、なんか言っててますます訳わからなくなってきたんだけど……」

 

ロボット兵達は色・姿形を変え、様々な接合部となって次々に巨大ロボへと装着されていき。

 

するとみるみる巨大ロボが膨れ上がる様に大きくなっていき、遂には蓮蓬の星にも負けないぐらい超巨大なロボへと成り代わっていく。

 

そして陸奥が静かに目を瞑り、閉じていた口をゆっくりと開いた。

 

「これぞ二つの地球、いや二つの宇宙の最後に希望……」

 

全身を完全武装し、更なるパワーアップを遂げた超巨大ロボは、地球へと落下を続ける蓮蓬の星の前で静かにたたずみ……

 

 

 

 

 

「真・宇宙超商船隊鉄侍!! 『カイエーン・CO(クロスオーバー)』じゃあ!!!」

「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

珍しく大きな声を上げながら新たなるロボットの名、カイエーン・COと叫ぶ陸奥に背後からエリカが負けじと叫んだ。

 

「なんで商船が合体ロボになるのかはこの際ツッコまないけど! なんでラピュタのロボット兵を普通に取り入れて更なるパワーアップ出来んのよ!!」

「クロスオーバーSSの醍醐味ぜよ、度重なる戦いの果てに二つの世界のモンが結束力を強め、新たなる境地を見出したのじゃ」

 

エリカの正論に対し陸奥は冷静に返しながらカッと目を強く見開く

 

「これぞ『銀魂』と『天空の城ラピュタ』が生み出した究極のコラボレーションじゃ!!!」

「『魔法科高校の劣等生』どこ行ったぁぁぁぁ!? アタシ等の作品じゃなくてなに余所のデカいモンの所に浮気してんだコラァ!!」

 

テンション高めで叫ぶ陸奥であるが、明らか自分達を置いてけぼりにしている事にエリカが異議を唱えだすも

 

陸奥は無視して一人、モニターに映る蓮蓬の星を静かに見据える。

 

「アレを止めるにはもうこの手しかなか、コレが正真正銘最後の戦い、そしておまん等には戦いの終止符を打つ立役者となってもらうぜよ」

「へ? どゆ事?」

「陸奥、おまんまさか……」

「そのまさかぜよ」

 

首を傾げるエリカと、何かを察した坂本に対して振り返ると、意味ありげな視線を送りながら、陸奥はピッと操作画面を人差し指で押す。

 

すると坂本とエリカの立っていた場所の床が突然消失し、代わりにちょうど二人分入るぐらいの穴が出来上がり……

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

二人揃って上に向かって手を伸ばして叫びながら暗闇の底へと落ちていく。

 

それを見届けた後、陸奥は「よし」と呟きながら背後の巨大モニターに映る銀時達の方へ振り返り

 

「それじゃあおまん等も行ってこい」

『は!? まさか私達も穴に落とす気なんですか!?』

『いいって俺達はもう! 四葉真夜倒したの俺達なんだから今回は休みで!』

『なんだか楽しいことが起きそうですね、今こそ革命の時ですね桂さん』

『フッフッフ、機は熟した。コレを機に幕府打倒の鍵を手に入れるのだ』

『あ~あの~……まさか私と高杉さんも……』

『おいいい加減にしろ、何度も言ってるが俺はお前等も地球も助ける気なんざこれっぽっちも……』

 

深雪、銀時。

真由美、桂。

あずさ、高杉。

 

三組のコンビがモニター越しで抗議してきたりほくそ笑みを浮かべて来るものの

 

陸奥は気にせず再度ボタンを押し……

 

「つべこべ言わずに行ってこんかいバカ共」

『『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』』

『あら、思ったより深いわね』

『このままだと落下の衝撃の可能性が、真由美殿、俺の背中に回れ』

『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

『全部カタ着いたら今度はテメェ等まとめて斬ってやる……』

 

呆気なくそのまま坂本とエリカの時と同様に、深い穴底へとボッシュートさせてしまった。

 

 

するとしばらくして今まで映っていた銀時達が消えると

 

今度はまた別の画像が陸奥の前に現れる。

 

『あだ!』

『ぐえ!』

 

まずは最初に落ちて行ったエリカと坂本が見える視点のモニター

 

『いづ! こ、腰を打ちま……ぐっはぁ!!』

『あ、悪い』

 

続いて落下した衝撃でまた腰を痛めしてしまった深雪の背中に勢い良く落ちる銀時達が見えるモニター

 

『っと、華麗に着地成功ね』

『真由美殿、俺は背中に乗れと合図した筈なのだが? 何故に俺の腕に抱き抱えられる体制に?』

 

上機嫌な様子の真由美と、何故か彼女をお嬢様抱っこの態勢で持ち抱えている桂がストンと落ちてくるのが見えたモニター。

 

『うう~こんな狭い所で高杉さんと二人っきりなんて……』

『こんなガキとセットで落としやがって……後で覚えてろよ』

 

既に着地していた不安そうに周りを見渡すあずさと、こちらに目を細めて殺意を募らせる高杉がいるモニター。

 

新たに現れた4つのモニターをそれぞれ確認しながら、陸奥はコクリと縦に頷いて見せた。

 

「よし、全員問題なくコックピットに搭乗出来たみたいじゃな」

『コ、コックピット……? どういう事ですか?』

 

腰をさすりながら既にダメージを背負ってる状態の深雪に、陸奥はすぐに返事をする。

 

「超巨大ロボ、カイエーン・COはデカくなった分操作性も難しい。左腕、右腕、左足、右足とそれぞれの部位を操作するには、担当のモン同士で上手く結束して動かさないかん」

『てことはなんじゃ? まさか今回はそれぞれバラバラで操作するんでなくて、二人で一つの部位を操らなきゃロボは動かんっちゅう事か?』

「新たな力を得たカイエーンを操作するには、おまん等がいかに強いシンクロ率を持っているかが鍵なんじゃ」

『シンクロ!? 真由美殿がUNOで使っていたシンクロ出しの事か!? そうかアレは伏線だったのか!』

『ヅラ、テメェは黙ってろ、永遠に』

 

坂本が驚いてる中、いつも通りのボケをする桂に銀時がモニター越しで冷たく言い放ちつつ、陸奥の方へと死んだ魚の様な目を向ける。

 

『要するに俺とコイツが上手く連携して動かしゃ良いって事か? 瞬間、心重ねればいいって事か?」

「長く体交換してたおまん等なら楽勝じゃろ? シンジとアスカみたいに決めて来い」

『いや絶対無理なんだけど、俺アスカよりリツコさん派なんで』

『私もこんな男と共闘するのはもうこりごりです、お兄様にチェンジして下さい』

「互いの身体をくまなく知っちょる関係のクセして何を弱音吐いとるんじゃ』

『体はゆだねても心までは売りません』

『俺達肉体だけの関係なんで』

「こないな生々しい主人公とヒロインでええのかほんに」

 

物凄く嫌がりながら互いに目を合わせて早速睨み合う銀時と深雪。

 

そんな二人に対して陸奥はため息を放ちながら重大な話を始める

 

「蓮蓬の星はもう間もなくわし等の方へと落ちてくる、残り時間にするとおよそ5分ぜよ、つまり5分以内に互いの心を重ねてシンクロし、カイエーンCOを動かして落下を防ぐ。それがおまん等の最後の仕事となる」

 

 

 

 

 

 

 

「異世界の相棒との最後の大仕事、ここでキッチリ終わらせて最後ぐらいビシッと綺麗にお別れを済ませるぜよ」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ! ゆっくりと迫って来る蓮蓬の星を見上げながら陸奥はモニターに映る者達にそう呟くのであった。

 

 

蓮蓬の星衝突まで残り5分

 

最後の最後に異世界の者同士の結束力が

 

巨大ロボによって今試される。

 

 

 

 

 

 

 




原作の銀魂の方も終わりそうですね、いざ終わりが近いとわかるとやっぱり寂しいもんです

その寂しさ引きずって原作終わってもまだまだ自分は銀魂SSを書いていくんだなぁと思います。

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