もしどら! ~もしもドライグが見目麗しい幼女だったら?~ 作:ボストーク
なんとなく出来上がってしまったので、本日二度目の投降です(^^
内容は……アーシアの件の教会サイドからの解釈と、新キャラ(?)の登場って感じでしょうか?
世に数多ある悲惨の出来事のうち、どういう訳か一定の割合で滑稽な要素が入ることがある。
よく言われる、「喜劇的な悲劇、悲劇的な喜劇」という奴である。
アーシア・アルジェントの常人に比べればめちゃんこ長い人生(?)の中に起きた事件のいくつかには、多分にその要素が含まれていたのである。
どういうことかと言えば……例えば、
『実は彼女が教会から逃げ出す必要は、
というのはどうだろうか?
どういうことかと言えば……
「アーシア様が悪魔に治療する
「ちっげーよ! アーシア様の治癒は”聖なる力”だぞっ! 悪魔にかければ大ダメージ必須! 最初からわかっててらしたんだよっ!!」
「さすが我らが聖女様!!」
「アーシアちゃんの”性なる力”……ハァハァ」
「修道騎士さん、こっちです!」
「さあ来い! 異端審問会が君を待っている!」
「オンオン!」
とまあこんな調子。
『アーシア様は悪魔を癒すフリして死に掛けの悪魔にトドメ刺そうとした』
『実はその怪我してた悪魔は冥界の超大物、名門アスタロト家の跡取り』
『さすがアーシア様、狙ったチャンスは逃さない!』
という感じに落ち着いた。
ぶっちゃけ、彼女の”
むしろ議論は癒しの力がダメージを与えたのか、あるいは治癒反転を使ったのかで行われたくらいだ。
聖職者たちの彼女への信頼度が伺えるエピソードだった。
しかし、
「じゃあなんで、アーシア様はお逃げなさったんだ……?」
「えっと……聖女様が
「いや、あるいは……相手が悪魔とはいえ、聖女様が命を奪おうとしたから異端審問会にかけられると思ったから……?」
「「「「「大変だぁーーーっ!!? 早く探して、誤解を解かないとっ!!」」」」」
***
とまあこんな感じで教会追放とか破門から真反対の結論となった訳なのだ。
いわゆる『勘違い系』のスタートである。
ちなみに、『「シスター・アルジェント、一体何を!?』と声をかけるファインプレー(?)をやらかした聖職者は、
「「「テメェ、”げっぺ”! なんでアーシア様が悪魔をコロコロするまでお声がけ自重しなかったんだよっ!!」」」
とんだとばっちりである。
周囲からの顰蹙を買って1階級下がり、さらにその悪魔がアーシア出奔の混乱をついて逃走を図りまんまと逃げおおせたためにもう1階級下がり、さらにその逃がした悪魔が超大物アスタロトの嫡男であることが判明したために更に1階級下がった。
哀れ高位聖職者から、中位聖職者の仲間入りを果すに三階級特降である。
ただフォローするわけではないが……あれだけ瀕死の重傷、止め刺される一歩手前までいって脱走して生き延びたディオドラ・アスタロトの方をむしろ誉めるべきかもしれない。
腐っても流石は上級悪魔と言ったところか?
比喩でなく中身が腐ってそうだが。
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当然のように彼女が所属する大管区は上へ下への大騒ぎとなった。
むしろ騒ぎはそこで収まらず、すぐに
『邪魔さえ入らなければ確実に将来を有望視されている名門上級悪魔を
事態を重く見た時の法王は、全ての関係者にこう発令した言われている。
『我が声を聞く全ての聖職者に告げる! 奇跡の聖女を探し出し、失われし神の栄光と祝福を再び我らが手にっ!!』
……このシーンに合うBGMって賛美歌や聖歌ではなく、もしかして”愛おぼ(オリジナルver)”じゃないだろうか?
しかし、事態が事態だけに一般信徒を動員できないので、世界最大宗派とはいえ情報学的な
そこでバチカンは、苦渋の選択ながら背に腹は変えられず秘密厳守が可能な”
さて、そんな状況の中……一人の少女が欧州ならどこにでもあるような地方都市の裏路地を歩いていた。
フードを深く被り、全身をマントで覆い隠すような姿の……一昔前なら、旅の修道者のような格好だった。
こんな姿では彼女が誰かを特定するのは難しいかもしれないが、フードから零れる長く立派なオレンジ色の”ツインテール”の髪がが
欧州の街は日本人には小奇麗な印象があるが、観光スポットなどの一部を除いてはそんなことはない。
むしろゴミの分別や収集、清掃局/ゴミ回収車などの行政サービスが日本ほど整ってる国はむしろ稀で、外国人観光客が日本を訪れると、観光地でもない普通の街の清潔さに驚くというのは比較的よく聞く話だ。
彼女が歩くのもそんな”欧州では一般的な清潔度”の裏路地だった。
こんな治安組織の目が届かないような……文字通りの”日陰な場所”だけにガラが悪い連中にも一度ならず囲まれたが、「”神の思し召し(物理)”で丁重にお帰りいただき、ついでに”
帰りにまた、それも人数を増やして囲まれるかもしれないが……それもまた悪くは無い。
”神の愛(物理)”も彼女の体力と精神力が続く限り無限なのだ。
相手の意思とは
ついでに天に召される(というかチンピラーズの所業から考えて「地獄に落ちるだろう」と彼女は考えてるようだが)魂も出るだろうが……それは、『誰に喧嘩を売ったのか? 何に戦いに挑んだのか?』を理解できてない頭と所業が悪いだけだ。
少なくとも少女はそう割り切っていた。
***
「ここか……」
少女が足を止めたのは、それこそどこにでもあるような古びた雑居ビル……ツインテールの少女は、携帯端末で住所を確認し、密室になるエレベーターを避け階段を上っていく。
情報どおりなら、このビルの一室がお目当ての人物のオフィス兼住居になってる筈だったが……
【セルゼン商会】
そのなんの飾り気も味気も無い、申し訳程度に掲げられてる小さな真鍮のプレートに少女はホッと安堵の息を漏らす。
(フリード……やっぱり生きてたんだぁ……)
フードの奥にある素顔は良く見えないが、なんとなくその表情は『たかが
「まっ、
彼女は軽やかな声で呟くと、徐に呼び出しブザーを押したのだった。
…
……
………反応は無い。
「ちょっと! なんで出ないのよ!」
決して気が長い方ではない少女はイラッと来たような表情になると、
”ドンドンドン!”
ブザーではなく今度はドアを直接叩き始め、
「ちょっとフリード! 居るならさっさと出てきなさいよ! この”イリナ”様がわざわざこんな冴えない事務所にまで来てやったんだからねっ!!」
そしてもう一度、大きく息を吸うと……
「コラーッ!! ”フリードリッヒ・アクセル・フォン・セルゼン”!! 早く出てこないとこのドア斬り倒すわよ!!」
皆様、ご愛読ありがとうございました。
前触れなくイリナ初登場の回は、いかがだったでしょうか?
実は……
フリード→イッセーを知ってる(友人?)
イリナ→イッセーの幼馴染
でも二人はイッセーが共通の友人であることを知らなかったりして(^^
まさに原作ブレイクな人間関係ですが、どうやら二人は元同僚だったみたいですよ?
それにしても聖職者お歴々のリアクション、どこかで見たような?(棒
あっ、ちなみに”この世界”のフリード君の正式なフルネーム”フリードリッヒ・アクセル・フォン・セルゼン”の元ネタは、マリー・アントワネットの愛人として知られるスウェーデン貴族”ハンス・アクセル・フォン・フェルセン”だったりして(笑
次回はフリードご本人登場か?
それでは皆様、また次回でお会いしましょう!