ガールズ&パンツァーIF ~迷い込んだ少年の話~ 作:人間界のボコ
イーブイかわいすぎてやばいですw
それでは始まります。
パンツァーフォー!
※今回もキャラ崩壊注意です
戦車道を嗜む者たちの中において、西住という名を知らないものはいないだろう。
西住流―戦車道では最も有名かつ強力な流派とされる。日本で最古の流派としても知られる。現在の家元は西住しほ―まほ・みほの母―であり、後継者候補としてまほの名がすでに挙がっている。
西住流の戦闘は短期決戦を好む。圧倒的な火力と統率のとれた陣形で勝負を決するのだ。これはとてもシンプルな戦術だがその実、応用が利くため強力な戦術でもある。
だが、この戦術のみで西住流に数多の勝利をもたらしてきたわけではない。掲げる勝利至上主義の下、日夜血の滲むような鍛錬に明け暮れる。そんなストイックさと強力な戦術が合わさることにより、西住流の勝利ひいては地位を絶対的なものにしてきたのである。
『撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し』 鉄の掟を鋼の心に刻み、今日も戦う。
「まるで悪い夢をみているようだなあ」
Ⅱ号戦車F型の操縦席に座る陸は目の前の光景にそう言葉をこぼした。
ちぎっては投げちぎっては投げといった感じに次々と相手を蹴散らしていく戦車が一両。
「陸良い子にしてるんだぞ。お姉ちゃんがすぐに迎えにいくからな!」
ヤンデレの女の子がするような恍惚のポーズとる美少女―西住まほ若干9歳。
まほと同乗する者たちは、陸たちと同じ2年で戦車道の経験も浅いはずなのだが、まほの指揮によるものなのか、普段より遥かに高い能力を引き出されていた。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
大量の戦車がわらわらと集まっている中、そんなことを地でいくような華麗な動きで相手を翻弄し一両また一両と白旗のオブジェを作り上げていた。
今回の試合では戦力差がでないように全てⅡ号戦車F型が使われているが、どうもそれが仇になったらしい。土俵が同じでは 化け物 を相手にすることなど到底できっこないのである。
「まいったねこりゃあ。とりあえず撤退しつつ森の中に入る?」
「うーん、そうだね。ここままだと良い的になるだけだし。エリカちゃん、当たらなくてもいいから進行を遅らせるように砲撃してくれる?りく君は全力で森の中へ。今のタイミングなら砲塔が旋回しても他の戦車が影になって攻撃できないはず!」
「「りょうかい!(了解した)」」
「・・・・・・ほかの人たちを盾にするみたいでちょっと気が進まないけど、りく君のためだもん仕方ないよね?(ボソッ」
陸たちに聞こえないくらいの小声でそう呟いたみほの目は昏く淀んでいた。
何度も言うようであるがこの少女8歳である。
クラッチペダルを踏み、ギアをローに入れる。そこから順番に後段に入れていき、6段目に固定、アクセルベタ踏みの最高速で駆け抜ける。
「いけぇっ!超音速の貴公子!!」
どこかで聞いたようなセリフを口にする陸。
と、ここで予想外の出来事が起こる。
「え!?あれ先輩のⅡ号戦車だよね!?」
砲塔から様子を伺っていたエリカは異常な光景を目の当たりにする。
一両の軽戦車がどこぞの走り屋よろしくドリフトでいくつもの砲撃を躱し、超信地旋回にて他戦車を出し抜き一発の砲撃で確実に仕留めていく。
そして向かうは―
「こっち向かってきてれぅぅぅ!?」
中途半端なやよいちゃんのモノマネやめてくれませんかねえ。
「あんな無茶な動きしてたら普通履帯外れんじゃないの!?」
「お姉ちゃんだから!」
納得。お姉ちゃんなら仕方ない。
「りく君、単調な動きだとお姉ちゃんに読まれちゃうから、左右にジグザグする動きも入れて!」
キューポラから顔を出し、後方の様子を確認しながら指示を出すみほ。
そのとき後ろのⅡ号戦車のキューポラから顔を出した姉のまほと目があう。
二人は揃って厳しい目をしており互いを睨むように見つめていた。
(りく君のためにお姉ちゃんに勝つんだ、絶対に!)
(陸と私の邪魔をするなら、いくらみほでも容赦はしない)
ついにまほの駆る戦車が陸たちに追いつく。
舞台は最初の森へ移る。
先に森の中へ入った陸たちは、木々を上手く盾として利用し、砲撃を避けていた。
「ミスったな。こうも木が多いと簡単には砲塔を旋回させらんないぞ。」
ただ今回使用しているのがⅡ号戦車でよかったとも思った。
小型であるためちょっとでもひらけた場所に出られれば旋回も十分可能であるし、小回りもきくので機動性にすぐれている。これによりまほの猛攻もなんとか凌いでいる状況であった。
「ただ砲塔が180度回りきる時間を考えるとなあ。俺らもあれやるしかないか」
素早く反撃に移りたいと思っていた陸はある結論に辿りつく。
「みほ!エリカ!超信地旋回、俺らもやるぞ!この先のひらけた場所でまほさんが砲撃してきたら、それが合図だ。超信地旋回してエリカが仕留める!どうだ?」
中央と左右のレバーとフットペダルをせわしなく操作しながら提案する。陸の運転で 木々の間を縫うように走行する。
「うん、わたしもそれしかないと思う。エリカちゃんも大丈夫?」
「いけるよ、絶対に仕留めてあげる!」
笑顔?で答えるエリカには闘志が宿っていた。ヤる気満々といった面である。
エリカは車長としての素質を買われていたが砲手としての才能もあった。プライドも高く、同学年の人たち(まほもいるが)なんかに負けられないという想いが彼女を一層奮起させた。
(陸との付き合いはエリカが一番長いんだから!エリカがいちばん仲良いの!絶対にまほ先輩にあげない、もちろんみほにもっ!)
動機はいささか不純ではあったが、彼を想う気持ちが彼女を強くする。
「よし、抜けた!準備は大丈夫か?」
「まかせて」
ドオオオオオン
まほの戦車からの砲撃が近くに弾着する。
「りく君お願い!」
「いっくぞおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
シフトレバーで一段階減速させた後、左右の履帯を逆方向に動かす。急速に方向転換した陸たちのⅡ号戦車。ギアを最大に入れそのまま前進する。
「エリカちゃん今!」
「狙い撃つわよ!」
みほの指示があるより早くエリカは動いていた。
マズルはまほ車に向いている。
風と戦車の揺れを考慮してエリカは撃った。
「回避された!?なんだあの動き曲芸かよ!?」
切り株のようになっている段差を利用して車体右半分を一時的に持ち上げて砲弾を躱す。左履帯のみで走行して突っ込んでくる。
勢いそのままにマズル部分へ車体を降ろし砲塔を潰す。
着地した後、信地旋回にてマズルを陸たちに向けた。ゼロ距離砲撃にて試合が終了するかと思われたそのとき―
ピンポンパンポーン♪
「3年5組 西住まほさん、3年5組 西住まほさん、お母様からお電話が入っています。至急職員室まできてください。3分で来いとのことです!」
ピンポンパンポーン♪
放送が流れる。
携帯電話・スマホ等の持ち込みは原則禁止のため、用があるときは職員室にある電話を介して連絡が来るのである。
「助かった・・・・・・のか?」
結局みほチームとまほチームは引き分けという形で勝負がついた。
両者不完全燃焼な幕切れとなったが、陸にとっては首の皮一枚つながった結果となった。正直うれしかった。
ちなみに先ほどの電話では、まほが学校で暴走していた件についてしほよりお咎めを受けた。
これにより、ちょっとばかりまほが大人しくなったのであった。
めでたし、めでたし。
戦車の知識なんて皆無に近いので試合描写が難しいのです。
オチも無理やり感が・・・
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