「それで? 何か情報はつかめたのかナンバー2?」
深夜2時を少し回ったころだった。輸送用コンテナがやや乱雑に置かれた埠頭には、時折どこからか漏れてくる光以外何もなかった。
こんな暗がりにも関わらず、サングラスをかけているスキンヘッドの男は、右目から頬にかけて深い傷が窺える。もっとも今更そんなことを口にするものは、この集団の中には一人もいなかったのだが。
「それがさぁ~、まったくわかんないんだよねぇ~。あ、いや、怒んないでねぇ~、やる気がないわけじゃないんだよぉ」
ナンバー2と呼びかけられた気の抜けたしゃべり方をする男は、短く切り揃えられた金色の髪の毛に翡翠色した瞳を持っている。白Tシャツにジーンズというラフな格好に、大きなヘッドフォンをしている彼は、
「だいたいさぁ~、新しい情報にたどり着けるくらいのデータがこっちにはないじゃん? ほら、0も『一ドルの秘宝』としか言ってなかったしぃ、そんなものあるかどうかすら信じにくいんだよねぇ~」
と付け加えた。
ナンバー2は軽く舌打ちすると、持っていた葉巻をふかし始めた。黒のスーツを纏い葉巻をふかす彼はこれ以上ないほど様になっているのだが、腰につけている日本刀が、月に照らされ妖しく瞬いている。
「ねーねー、リリィはもう帰りたいかなーって思うよ? これ以上話しても無駄だなーって思うし、リリィ海のにおい嫌いだと思うから、いいでしょー?」
はーい! と大きく手を挙げて、小柄な少女は愚痴を溢し始めた。ゴスロリファッションに大きなティディベアを抱えており、眠たそうに何度も目を擦っている。
ともすれば、小学生と見間違えられそうな彼女は、三人の中で、最も異質な存在といってもいいだろう。ただ年齢自体は二十を超えていて子ども扱いされると手に付けられないほど大暴れしてしまうのだが。
リリィというのは本名ではない。ナンバー4という呼び方がかわいくないため、彼女が自分で決めた名前である。自分で決めたといっても、由来はちゃんとしたところからきていて、彼女が戦場に出たとき、一度として傷を負ったことがないため、汚されていない=純潔というやや強引な解釈のもとリリィとなった。
「そうだな。ナンバー2とナンバー4もう帰っていいぞ。3と5は待っても来んだろうからな。また会った時に斬るとしよう」
スキンヘッドの男――ナンバー1がそう言うと、ナンバー4と呼ばれたリリィが少しムッとした表情を浮かべたもののあまりに眠たかったのか、次の瞬間には三人は姿を消していた。
無音に包まれた埠頭には、少し赤みの差した月明かりが降り注いでいた。
自分の文章力のなさに驚きを隠せないんですが、これから頑張ろうと思います。
ゆっくりですが更新していきたいと思うので、よろしくお願いします。
あと、感想とか聞かせてください!
天之助