斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第十一話

チームスタイリッシュ突入の数分前。

 

 

 

「ふぁぁ~、寝すぎちゃってたのか……」

 

よ、レオーネ姐さんだよ。今日はマインの怪我が治ったことを祝ってリュウの飯食べながらドンチャン騒ぎしててみんな寝ちまってたんだ。今回は飲みすぎかな?まぁ私は中々酔わないけどな!

 

「風呂でも入るか……」

 

ここも片付けないとな~。辺りに酒のビンや食器が散乱してるしみんな地べたで死んでるし…。タツミなんか白目向いてるからな。

 

ふみっ

 

「んぐぁぁ!鼻がぁぁあ!」

 

「あ、悪いリュウ!見てなかった」

 

地べたで倒れてたリュウの顔面を間違えて踏んじまった!全然下見てなかったから気配すら感じてなかった!少し気抜きすぎかな私達。

 

「鼻がぁぁぁあああ!ぐおぉぉぉお……」

 

鼻押さえながら悶えてる…。なんか芋虫みたいな動きだな…。

 

 

「ま、気にせず風呂いくか!!」

 

リュウ放置!!

 

 

 

 

 

-露天風呂ー

 

「まだねむ……」

 

目を擦りながら湯船の湯を手で掬い上げ顔に掛ける。

 

「ふぅ!気持ちいい『ポチャ』ぽちゃ?」

 

水面を見つめると、まぁ勿論私の顔が映ってるよな?………と思ってたんだけど…。

 

 

「(ニヤリッ)」

 

「っ!?」

 

見つめてると大きなハット帽を被った男が水面から飛び出してきて私の顔に向かってナイフを突き刺してきた。

 

ブスッ!

 

 

「ぎひひ!やりましてぜスタイリッシュ様!このトローマが一人仕留めましたぜぇ!」

 

 

 

スタイリッシュside

 

「引き続き任務を続行します。とのことですスタイリッシュ様」

 

「盗聴ご苦労様、耳。ようやくアジトに潜りこめたようね……」

 

 

「さぁ!チームスタイリッシュ!熱く激しく攻撃開始よ!!」

 

 

 

「「「「ヴオオオオオオオオオオ!」」」」

 

ドカァァァン!

 

 

 

 

ナイトレイドside

 

 

「こんな時に敵襲かよ!」

 

レオーネに踏まれてた俺は先ほどの爆発音で目が覚め外に出ようと廊下を走っている。鼻がすんごい痛いんすけど!!

 

(まさか尾行?あのウェイブって奴と戦った時か!だがあいつは気絶さしたはずだ。それらしき気配は無かったのに)

 

兎に角今はここから脱出して外に………。

 

 

「ウゥゥゥ………」

 

「なんか出てきたぞ………」

 

廊下の影からへんてこりんな仮面をつけ露出度の高い服をきた男が出てきた。お前男の癖にそれはないだろ~。レオタードの短い版か?

 

 

「ウオォォォ!」

 

「うるせぇぇぇぇえ!無回転ヤクザキィィィック!」

 

ぬ○孫で出てきた一子相伝の技。無回転のキックである。

 

バコォン!

 

蹴りは見事に顔面に直撃し、頸が90度回転し後ろ向きになる。あれだ。体は前向いて顔は後ろを向いている。頸の骨大丈夫か??

 

 

「ケッザマァ(/ロ゜)/」

 

だが。

 

「ヌググ………」

 

グリリ……ゴキンッ!

 

「お前マジか!頸元に戻すってバケモノか!」

 

バケモノが言うんじゃない。

 

ウルセェ!

 

 

「ウオオオオ!」

 

「いい加減くたばれこんにゃろー!連続普通のパンチ!」

 

ドドドドドン!

 

「ブゲァァ!」

 

ドサッ

 

 

「一昨日きやがれ!」

 

敵のミンチ肉の完成です!

 

 

「さてとこれで外…に………でれ………るぅ?」

 

奥から何十体もの兵士達が出てきた。しかもなんで四足歩行!?

 

「「「「ウゥゥ………」」」」

 

「…………………………………………………よし」

 

 

ここで俺が取る方法は。

 

 

「あーばよとっつあぁん!」

 

「「「「ヴオオオオオオ!」」」」

 

 

「イヤァアアアアアアアアアアアアア!」

 

 

ε=┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐ヴオオ!ε=ε=ε=ε=ε=ヾ(;゚ロ゚)ノ ニイヤー!!

 

本日から発売。ゲーム「リュウ!アジトから逃げろ」地上最凶の強化兵たちから逃げ切れ!

値段は定価1800円だ。

 

んなクソゲーいるかぁぁぁ!あと四足歩行で追いかけてくるなぁぁぁぁぁあ!!

 

それからは、俺と強化兵たちとのアジト内での壮絶な逃走劇が繰り広げられた。

 

 

___________________________________________

 

 

「うおおお!」

 

「グゲァ!」

 

「ゴハァ!」

 

「ブゲァ!」

 

ドドドドドン!

 

インクルシオを装着したタツミがアジトの外で強化兵相手に一人で戦っていた。

 

「数が多いけど…そこまで強くねぇ!!」

 

次々と襲い掛かってきた強化兵達のの急所を狙い、次々と薙ぎ倒していく。

 

 

「ほぉ…それが帝具インクルシオか」

 

「?」

 

声を掛けられた方向を見ると、体中が普通の人間とは比べ物にはならないほどの肉体をもったおっさんが出てきた。ムキムキだな。ガチムチ?

 

「よぉ鎧のにいちゃん。お前の相手はこのカクサンらしいぜ」

 

「っ!」

 

タツミは出てきた男よりもすぐに目に入ってきた【とある帝具】が目に入った。

 

「その帝具は!」

 

「へっへっいいだろう。【万物両断エクスタス】。ご機嫌な俺の帝具さ。

 

そう、その男が持っていたのは俺たちのメンバーで、戦死した女性、シェーレの持っていた帝具である。あのセリューとの戦いで帝国側に回収されたのだろう。

 

「それは…てめぇのじゃねえ!!」

 

腰に差してあった自分の愛剣を引き抜き、大きく踏み込んだ後、カクサンに向かって剣を振り下ろす……が。

 

ガシャァァン!

 

カクサンの肉体に直撃した瞬間、刀身が粉々に砕け散った。

 

「ふん!肉を切らせて骨を断つ!」

 

エクスタスを大きく開いて、タツミを捉えた瞬間にそのハサミの刀身を勢い良く閉じる。

 

「くっ!」

 

一瞬早く気付いたタツミは、体を大きく捻りその攻撃を回避する。しかし、刃の部分が右腕を掠め少し大きめに切り傷だ出来る。

 

「いい反応だ。切り落としたと思ったのに」

 

そのままタツミはカクサンの背後まで飛び、右腕を押さえながら着地する。

 

「折角堅い鎧を持ってるのに、可哀想になぁ。こっちはこの世の全ての物を切断できる。防御力なんか無視だ無視!」

 

「くそっ…………」

 

 

スタイリッシュside

 

「予想通り、インクルシオに対して優勢です」

 

「計算通りね。相性がいい相手にぶつければこちら側が有利に事を進めれるわ」

 

「ただ、歩兵が随分倒されてます。雑音が多すぎて正確な情報が分かりませんが……深刻な被害かと」

 

「悲しい犠牲ね………」

 

 

 

 

ニヤリ

 

(なぁんてね。兵隊なんかいくらでも替えが効くっての。元々こいつらは罪人。罪の減刑と引き換えにあたしと契約をした『つもり』でいるマヌケ達。本当は死ぬまで……実験体だけどね!)

 

そう、今ナイトレイドが戦っているの兵隊も、スタイリッシュの護衛として連れてきた偵察隊のこの三人も罪人である。スタイリッシュ、中々のゲス野郎だな。

 

 

タツミside

 

 

「それを返せよ!シェーレのだ!!」

 

カクサンの持っているエクスタスの取っ手の部分を掴む。

 

「ああ?誰だよそいつは!!」

 

バコン!

 

エクスタスを持っていたタツミを回し蹴りで吹き飛ばすが、当たり所が軽かったのか見事に受身を取られてしまう。

 

「そんなに死にたいなら望みどおり……切り刻んでやるよ!」

 

「くっ!やられてなんかいられるか!うおおお!」

 

すぐに立ち上がりカクサンに向かって走り出す。

 

「馬鹿がぁ!その体真っ二つにしてやるよ!」

 

エクスタスを構え、走ってきたタツミに向かって大きく横に薙ぎ払う。

 

「いまだ!」

 

横に薙ぎ払ってきたエクスタスが直撃する瞬間、その下をスライディングで回避しカクサンぬ向かって走りだす。

 

「何ッ!?」

 

「だぁ!」

 

顎に向かってアッパーカット。

 

「ぐぉぁっ」

 

そして

 

「だぁぁ!」

 

体を捻り、踵での回し蹴りをカクサンの顳顬(こめかみ)に直撃させる。

 

「ぐぉあ!!」

 

顎を揺らす具合のアッパーカット。追撃での顳顬への回し蹴り。いくら頑強な奴でもさすがに脳が揺れるのはどうにも出来ないよなぁ!

 

「この野郎……っ」

 

「とどめだ!」

 

拳を握り、最後の渾身の一撃を喰らわせようと再接近するタツミ。

 

「馬鹿が!奥の手!エクス………」

 

「マズイ!」

 

 

その時、

 

 

「タツミ。避けなさい!」

 

言葉を聞いたタツミは少しだけ体をずらす。タツミの顔のほんの数センチ横から一筋の光の一閃が駆ける。

その光はタツミを通り過ぎ、カクサンの顔面に直撃し、顔面が消し飛んだ。

 

「マイン………」

 

「情け無いわね。そんな奴一人で倒しなさいよ。シェーレの帝具使ってた奴なんだから」

 

「わ、悪かったよ」

 

マインはパンプキンを地面に置き、倒れていたカクサンの死体の近くで落ちていた帝具エクスタスを拾う。

 

「うっ……ぐすっ………」

 

エクスタスを力強く抱きしめ、目から大粒の涙を流す。

 

「おかえり……シェーレ」

 

シェーレの心の帰還である。

 

 

 

 

その近くの木の陰で……。

 

 

「キヒヒッ。可愛い可愛いお嬢さん……」

 

先ほどレオーネに不意打ちしたハット帽を被った男、トローマである。

 

目標はマイン。

 

 

 

「後ろががら空きなんだよぉぉぉぉぉ!」

 

持っていた少し丸みの帯びたナイフを構え、マインの死角を狙い、攻撃を仕掛ける。

 

だが。

 

ドカァァン!

 

「んぼおぁ!」

 

「よくもやったなこの野郎ーーー!」

 

ライオネルを装備したレオーネのとび蹴りが顔面に直撃。

 

 

「いきなりナイフなんか投げつけやがって!うっかりしばらく意識が飛んじゃったじゃねえか!」

 

「「あぁ………(汗)」」

 

タツミとマインがお互い汗と小さなため息に似た言葉がでた。

この二人がこの時同じ事を考えた。

 

((あ…こいつ終わりだな(ね)))

 

 

ガシッ…ググググ……。

 

ぶっ飛んだトローマの頸を両手で鷲づかみし持ち上げ、頸を思いっきり締め付ける。

 

 

「く、苦しい……タスケテェ……」

 

「私はなぁ!奇襲するのは好きだけど、されるのは大嫌いなんだよ!丈夫に強化されてるっぽいがその分楽に死ねると思うなよ……」

 

ググググ……。

 

「んぐぐぐ……ギヒッ!シャァアア!」

 

その瞬間、履いていた靴の先から小さなナイフが飛び出し、レオーネの顔に向かって突き刺す。

 

ブゥン!ガキィン!

 

「なっ!?こいつ!さっきもこうやって防いで!」

 

レオーネの顔に向かって襲ってきたナイフは、レオーネの獣化した時に頑強になった牙によって止められた。

本物の真剣白歯取り?

 

「ふぅん!!」

 

「ごべぁああ!」

 

地面に向かって叩き付ける。

 

「ふぅ~。奇襲の一発目で貰った一撃が効いた効いた~。あ、ヤベ!一撃で倒しちゃった!」

 

叩きつけられたトローマさん。一瞬で死にました★

 

「姐さん?今の大丈夫?」

 

「さっきは不覚を取っちまったけど、変身した私は治癒力も高まっているからこれくらいならな!!」

 

右手で左腕を掴んでのガッツポーズ。カッコエエ

 

「みんな無事か?」

 

寝巻きを来たアカメと普段着を来たラバックがアジトから出てきた。

 

「おお!」

 

「これで全員集合ね」

 

「いや、一人忘れてるような………」

 

「まさかリュウは………っ」

 

 

はいその通り。一名忘れてらっしゃいます.

 

 

 

 

「じゃまだどけぇえぇ!月牙天衝ォォ!!」

 

一つの黒い斬撃がアジトにの内部から飛んできた。

 

 

ドッカァァァァァン!

 

アジト半壊。

 

 

「ヒャッハァァァァアア!汚物は消毒ダァァァァ!」

 

はい、白○護になりかけてるリュウです。ちなみに虚の仮面は装備済みです。(完全虚化の。角生えてます)

 

(((((あぁ……あいつが死ぬわけないか……)))))

 

 

「さぁみんな!俺にアツマレェェ!」

 

「イヤ。お前が最後だから……しかもアジト壊したし」

 

「一番ドベよあんた。アジトボロボロじゃない」

 

「リュウが最後だったな。アジト、また変えないとな」

 

「もっと早く来なよリュウ。アジト壊す必要は無いと思うけど……」

 

「お前が死ぬなんか想像できねぇ………あとアジト壊すなよ」

 

あれぇ?かなり歓迎されて無いご様子………(゜-゜)しかも俺の心配よりアジトに心配!?(・ε・`)スネチャウ

 

 

 

 

「「「グオォォォアアァァァァアア!」」」

 

ババンッ!

 

またまた森から強化兵達出現。今で何体目よぉ~。

一瞬にして俺たちを取り囲んだ。

 

「まだ残りが居やがったか」

 

「でもこいつらで糸に反応してる敵は全部だぜ」

 

「他にも回りに匂いも無いしね」

 

「よぉぉぉし!みんな集合したんだし!一気に潰そうぜ!!(゚∀三゚三∀゚) ウホー!」

 

 

「「「「「あぁ!(おう!・えぇ!)」」」」」

 

 

「イッッッッツ!パーーーーリィーーーー!٩(๑òωó๑)۶」

 

 

 

「「「ヴォォォォォォォォ!」」」

 

 

 

_________________________________________

 

 

「くっ……。カクサンもトローマもやられました……。歩兵もごっそり減っています」

 

「意外とやるわねぇ。ちょっとびっくりしたけど、これはむしろ好都合よ」

 

 

 

「どいつもこいつも実験材料にしてあげる!あたしの奥の手でね!!」パチーン☆

 

その奥の手の行動は、すでに始まっていたのだ。


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