アジトでの戦いが始まるほんの少し前。
「いやな予感がするな。これは少し急いだ方がいいな」
ナイトレイドのボス。ナジェンダは焦っていた。それは革命軍にある帝具の占いの結果を聞いたからである。ある方角であるメンバー達が帝都の人間の攻撃を受けているという話を聞いたのだ。思い当たるそのあるメンバーはナイトレイドのメンバー。その帝都の人間とはおそらく革命軍の人間から聞いたイエーガーズの人間だろう。それにしかもその人間はおそらく帝具使い。帝具使い同士が戦えばどちらかが死ぬ。これ以上仲間を失わないためにも急がなくてはならない。でもあいつらが負けるとは考えられなかった。その理由は帝具使いでもないのに帝具使いに勝った実績があるリュウである。どの帝具も例外はない。必ずどちらかが死ぬ。今までそうであったのだ。だがリュウの登場によってその掟はなくなってきているのだ。リュウがいれば、帝具使いには負けることはないはずだ。あいつの力。今はまだ断言できないがナイトレイドを含んだ革命軍の兵士の中でも一番強いのはおそらくリュウだ。色々な見たこともない能力。どんな事態でも対応できるあの臨機応変の動き。あのナイトレイドの切り札であるアカメと同等、いや、それ以上の速さ。これは革命軍にとって大きなプラスになったのだ。でもそれでも焦る。この戦いで死なないなんて可能性は100%ではないのだ。リュウが死ぬ可能性もあるのだ。
「誰も死なせはしない。それに『新しい戦力』のお披露目もあるしな。
ナジェンダが乗っているのは特級危険種のエアマンタ。空を飛ぶエイの危険種である。革命軍本部から借りたものだ。特級危険種を飼いならして乗り物にするなんてなーんてスタイリッシュ!!←
おっとあぶないあぶない(汗)
乗っている人数は3人。ナジェンダと他2名。その正体は!!……乞うご期待!なんちゃって(^^)
一人はナジェンダの………と、あの女性である。
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「おらおらぁ!汚物は消毒だぁぁぁぁぁあ!!」
完全虚化しているおれは襲ってくる強化兵たちを斬り刻んだり吹き飛ばしたりなど!粉砕!玉砕!大喝采!である(@^^)/
「ウオオオァァァア!」
「叫ぶなぁぁぁあ!虚閃!」
仮面についてある角から放たれた真っ赤な閃光。その光は一直線に進んでいき、直線上にいた強化兵たちはチリも残らず消しとんだ。
「ギャハハハハハハハハ!ほらもっと来いよぉ!全力でだぁ!」
「「「「ヴオアアアアアアアアア!」」」」
ドカァァン!ドーーン!
「あいつ容赦ないねぇ」
「何かいやなことでも…は!私がアジトの食糧を全部食べたからか!」
「いや、それはないと思うぞアカメちゃん」
「ただただ暴れてるだけでしょ。ほら私たちも動く!」
「そうだ!いつまでもリュウにばっかり活躍させていられるか!」
リュウを含めたナイトレイドの攻撃により、強化兵は次々となぎ倒されていき、等々数百人まで数が減っていた。
だが、突然危機が舞い降りた。
「よし!数が減ってきた!このまま乗りきるぜ!」
「あぁ…………っ!?」
その瞬間、おれの言葉を返してきたアカメの体がゆっくりと地面に倒れた。
「アカメ!?」
アカメだけではなかった。俺とタツミ以外のメンバーが地面に倒れてしまった。
「おいみんなどうしたんだ!」
「体が………急にっ………ウゴカナイ…………」
「この感じ……船のときと似たような………」
「ちが……これ……は……毒………か」
スタイシッシュside
「デストロイヤー、インクルシオ以外、敵面に効いています。スタイリッシュさま」
「ふふん。奥の手その1。スタイリッシュ特性の麻痺毒よ!」
「さすがスタイリッシュさま!敵にばれずに毒を簡単に撒き散らすなんて!そこに痺れます憧れます!」
「仕方ないのよぉ!味方がこんなにもやられてるんですもの!」キラーン!
「さすがはスタイリッシュさま!」
「お優しい!」
「しかも無臭で私にも優しい毒です!」プシュー!
ナイトレイドside
俺とタツミ以外がダウンしてしまった今、すこし状況がやばいな。みんなを守りながらもこの数を相手にするのは少し骨だ。
「タツミ!俺とお前しか動けないんだ!みんなを守るぞ!」
「言われなくても!」
俺は天鎖斬月を構え、タツミは拳を構えファインティングポーズをとる。
だが、そんな必要はなかった。それはなぜか?『そらから落ちてきた男に助けられたのだから』。
ドカァァァァァァン!
音のした方向に目をやると、どでかいハンマーを装備したハンサムな髭の生やしたお兄さんが立っていた。
その男はハンマーを持ち上げ強化兵たちを睨みつける。
そして空から。
「さぁ目の前の敵を駆逐しろ。スサノオ」
「わかった」
空を見上げると我らがナイトレイドのボス。
「あぁ!ナジェンダさーん!」
「ボス!帰ってきたのか!」
「ナイスタイミングだぜ!」
エアマンタに乗ったナジェンダが黒のマントを翻しながらこちらに優しく微笑みかけてきた。おぉ、今のしぐさに俺もドキッとしちまったぞ。
そしてスサノオと呼ばれた男は白いハンマー。いや棍棒を構え強化兵たちに向って走り出し次々と始末していく。その棍棒からは鋭利な刃が飛び出しまるで扇風機のようにグルグルと回りだしミキサーのような状態になる。その棍棒に触れた強化兵たちは斬り刻まれ、ミンチとなる。しかも攻撃にまったくの無駄がない。攻撃していくにつれ、強化兵は全員死んでいた。
「や、やべえな」
「すげぇ」
俺とタツミは感動とかっこいいと思う歓喜の声しか出なかった。あざやかに攻撃するのはまるで舞のような動き。スバラシイ!
すると、倒れていた強化兵の死骸が急に膨れ上がり、爆散した。スサノオもそれに巻き込まれ黒色の煙に包みこまれる。
「ほっほっほ!特性の人間爆弾よ!これで一丁上がりね!」
黒の煙が晴れてき、左手と右の横腹が吹き飛んだスサノオが姿を現した。俺が驚いたのはここからだ。そのスサノオの吹き飛んだ腕や横腹が、みるみると体の肉が膨れ上がり元の姿に戻る。言葉の通り再生だ。
「あの助っ人!生物型の帝具!帝具人間です!」
生物帝具:簡単に言うと、オートで動く自立式の帝具。セリューのヘカトンケイルと似ているが、違うとしたら、スサノオ動物ではなく人間、人間の形をした帝具である。
「スサノオ!南東の崖に敵だ!逃がさずつぶせ!」
「わかった!」
「はっ!ここがばれました!」
「仕方ないわね!ここは一旦逃げるわよ!」
回れ右した後スタイリッシュは偵察隊の3人を置いてその場から逃げようとする。
(生物型にはどくなんか効かないわ!コアを壊すかあいつを動かしている使い手をどうにかしないと!)
だが、簡単には逃げれない。
「逃がすかよ!月牙天衝!」
遠くにいる敵に向かってはなった斬撃。それはスタイリッシュたちの方まで飛んでいきその場にあった崖に直撃しその崖は跡形もなく吹き飛んだ。
「なかなか逃がしてくれないらしいわね!」
地面に当たった斬撃はスタイリッシュたちに当たるよりも襲ってきた爆風によって当たり所が悪かったのか地面に転んでしまう。その隙を狙いスサノオと俺はは距離を詰め、スタイリッシュの目の前に立つ。
「ご安心くださいスタイリッシュ様!」
「我々は将棋でいう金や銀!必ずお守りします!」
(いやいや!無理でしょこの状況!!偵察隊のあんたらが勝てる訳ないわ!こうなったら………)
スタイリッシュは懐から紫色の液体が入った注射器を取り出す。
「奥の手その二!危険種一発!これしかないようね!!」
注射器の中身をを右腕に注入する。すると…………。
「ス、スタイリッシュ………様?」
スタイリッシュが注射器を打って数秒で体に異変が起こった。体の節々が大きく膨れ上がっていき、歪な体の構造になっていく。
「来た!キタキタキタァ!これぞ究極のスタイリッシュゥ!!!」
(おいおい進撃の○○かよ…。でかすぎワロタwww
体の大きさが40メートルくらいになり、その巨人の体の頭の部分はマッチョとなったスタイリッシュが体を上半身だけだして装着されている。
「あたし自らが危険種となることでぇ!お前達全員を吹き飛ばーーーす!!」
スタイリッシュ、人間やめました)^o^(
「おお…。美しい……」
「さすがはスタイリッシュさま……(ガシッ)え?」
「貴方たちはあたしの貴重な栄養よぉ!ひとつになりましょおぅ!」
巨人の体の腹部部分が千と千○の○○しの顔無しみたいに大きな口が開き、目と鼻の両名を口に入れ、『喰らった』。
グチュ・・・バキバキッ・・・ブチィ・・・・・・。
「あぁ……いやぁっ!」
耳はその光景を目の当たりに全力疾走で逃げ出すが、その巨大な手に見事に捕まり、大きな口の中に入り見事に養分となりました☆
「いいわぁ!♥栄養のある肉を豪快に食してぇ…レベルアーーーップ!」
元の普通の巨人の体からまたまた歪な姿へと変貌していき、まさに完全なる完璧な怪物の巨人となった。(肉食べたから頭が出来ました★!)
「なんだよ…あれ………」
「気持ち悪い・・・・・・怪獣じゃないっ……」
タツミとマインの口から出された言葉。まさにその通りだ。大きさは60メートルと大きくなり、右腕に堅そうな装甲を装着しており、頭の部分がなにかしらの液体が入った物を被っており、背中には大きなチューブが右腕に繋がっていた。
「でも、まだまだこの大きさでは足りないわ。あの【至高の帝具】には届きそうに無い……。さらなる高みにたつ為にももっと大きくならなくっちゃあ!そのためにも貴方達もいただくわぁ!」
俺とスサノオに向かってその巨大な腕を伸ばしてくる。
「むっ……」
「キモ博士にまけるかぁ!」
振ってきた巨大な腕に向かって俺は高速回転しながら自ら向かっていった。
「悪魔風脚(ディアブルジャンブ)………」
右足が体の高速回転によって真っ赤に光りだす。
「画竜点睛(フランバージュ)ショットォ!!」
繰出した蹴りは巨大な腕の手のひらに直撃。
ゴォォン!
だが、
「か、堅てぇえ!?」
「甘いわよぉ!!」
足をつかまれ、そのまま持ち上げられ地面におもいっきり叩きつけられる。
ドガァアアン!
「ぐごべはぁ!?」
なんちゅう声だよ…。
「ぬぅん!」
スサノオも自分の棍棒で攻撃するが、効果は今ひとつのようだ。
「はっはっは!どうしたのよ生物帝具!もっと攻めてきてもいいのよぉ!!」
俺は無視かい!!
「「リュウ!」」
見ると、インクルシオのタツミにおんぶされているアカメの二人が登場。
「ナニそれ?二人羽降り?フラフラなあんたたちはぁ!潰れチャイナサァい!」
タツミはその攻撃を全部避け、アカメの村雨で攻撃するが。
ガキィン!
「っ!」
「無駄よォ!一斬必殺の村雨でも刃が通らなければ意味はなぁい!いい加減あきらめることねぇ!!」
村雨は少しでも傷を付ければそいつは終わりだが、傷が付けれなければ確かに意味が無い。
「くそっ」
「どうすれば………」
今の戦力ではスタイリッシュに攻撃を与えることは出来ない・・・。と思っていたその時。
ドキュゥン!
「んん!?はっ!?」
巨人の頭を貫通した光の光弾。発射されたほうを向くと、エアマンタに乗ったナジェンダとパンプキンを構えたマインがいた。
「このぉ!」
ドキュゥゥン!
放たれた光弾を防ごうとするが、その今のピンチによって引き上げられた威力を【防ぐ事は出来ずにバランスを崩す。
「いまだ!タツミとイケメンさん!あいつの攻撃を防いでくれ!!」
「む?」
「えぇ!?リュウどうすんだよ!」
「本気でいく。切り札を使うぜ」
バランスを崩したスタイリッシュへ走り出す俺とタツミとスサノオ。
「くっ!まだまだよお!」
両腕が俺たちに向かって伸びてくるが、その攻撃も軽くタツミとスサノオに止められる。
「デストロイヤーー!」
頭の部分から針のくっ付いた触手を俺に伸ばしてくる。今の俺にはそんなもの効かない。
手に持っている天鎖斬月を握りなおし伸びてきた触手を全て粉々に斬り落としていく。さすがはスピードは伊達ではないな。
「必殺マジシリーズ…………」
刀を捨て、右手を力強く握り。
「マジ殴り!」
ドオオオオォォォォォォォォォォォン!
巨人の体に直撃したパンチ。その威力は絶大。直撃した瞬間、スタイリッシュの頸から下の本体の体と巨人の上半身から上が………。
【消えた】
「あ……貴方は……何者なのよ……」
ズゥゥン………。
下半身だけとなった巨人はそのままゆっくりと地面に倒れ、頸だけのスタイリッシュは地面にコロコロと転がり、アジトの近くにある谷へと落ちていった。
「ナイトレイドのデストロイヤー。リュウだぞ★」キラーン