これは持論だが、食べる事は生きる事だと思う。
俺は今からいままでの闘いとは比べ物にならないくらいのプレッシャーを感じる死闘(料理対決)に向かう。
食べる事で、なるべく大勢の人に、栄養があって美味しい物を安く食べてもらいたい。それはナイトレイドの全員も一緒である。食べる事は生きることの原動力になる。腹を減っては戦は出来ぬという言葉があるのはみなさんご存知でしょう。意味はご存知かね?あれは腹が減っていては、いい働きができない、というたとえである。俺たちは殺し屋。いついかなる時に襲われるか分からない……。だからこそ食べるのだ!生きていく為の基本は食す事!そして俺はそのナイトレイドの厨房を預かるもの!この前来たばかりのスーさんには負けるものか!どちらがどれだけみんなの腹を満たせるか勝負だぁぁぁぁぁぁぁあぁあ!
これは、人一倍熱い心(変態さ)を持った、一人の少年の戦いである………。
「さぁやってまいりました!ナイトレイド隠れ家開催での第一回!ナイトレイド料理対決~!」ワハハハヽ(´▽`)/ヽ(´▽`)/ヽ(´▽`)/ワハハハ
「実況は!ナイトレイドの美形キャラのこのラバックと!!」
「解説は!ナイトレイドの情熱キャラのタツミがお送りするぜ!!」
「さらにぃ!今回の料理対決には我らナイトレイドの女性キャラたちが審査員をつとめてくれるぅぅぅぅ!」ババーーン!
【審査員】
「冒頭のシリアスはどこに行ったのよ……。」
「速く二人の料理が食べたいぞ(。・`ω´・。)」ジュルリ
「チェルシーはどっちが勝つと思う?私は断然リュウだな」
「そうかしら?私はスーさんが勝つと思うわよ?」
「中々面白い対決になりそうだ」タバコスパ~
「皆さんはすでにお腹をすかしている模様!タツミぃ。今回はどうなると思いますか?」
「そうですね。いつも俺たちはリュウの料理を食べてきてるから初めて食べるスーさんの料理は期待できるな~」
「なるほどぉ。ついでに俺はリュウに少し期待している…。さすがのあいつもガチになっているからな。どんな料理を出すか期待大だ!」
「さすがラバだな。これは面白くなりそうだぜ!」
「その通りだ!さぁいよいよ始まります!俺たちの胃袋を満たしてきたリュウと1000種類の料理のレパートリーを持っているスーさんの両名の登場だぁ!」
すると、厨房の両端の扉が同時に開かれる。そこから出てきたのは何時もより気合が入っているのか自分の大好きな色の黒のエプロンを身に付け、頭には迷彩柄のバンダナをしているリュウと、自分の心臓とも言ってもいいコアの色と一緒の赤のエプロンに身に付けたスーさんこと、スサノオが登場した。
「負けないぜ。スーさん!」
「よく分からないが、主であるナジェンダと審査員全員の胃袋を満たすのは俺だ……。」
二人の間に火花が散る。誰でも見て分かるように二人とも本気だ。
「おぉぉ!まだ始まっていなにのにこの二人の言葉のジャブ!男の俺もテンションが上がってきたぜ!」
「こりゃあとんでもない戦いになるぜ、ラバ!」
二人で鋭く見つめ合い、お互いのダイニングキッチンにつく。
「お互い位置につきましたな。じゃあはじめるぜ!今回のルール説明を…タツミ。頼むぜ」
「分かった。今回のルールの説明をするぜ。制限時間は一時間。審査員五人分の食事を作り評価してもらう。料理の内容は個人の自由だ。どれを作ろうが大丈夫だ。評価でその人の料理が良かったと思うほうの名前を紙に書いてもらう。その名前の多かった方が勝ち。シンプルだろ?」
「ようするに、美味いと言わせたほうが勝ちと言う事か!燃えてきた!」
「了解した」
「じゃルールも分かった事だし、はじめるか!!」
「それでは第一回!ナイトレイド料理対決!ハジメェェェェエ!」
ドジャァァァァン!!
開始のゴングを鳴った瞬間、俺とスーさんは料理に取り掛かった。
(制限時間が一時間あるんだ。ゆっくり下拵えをして今まで以上に美味いもんを作ってやるルルルルルルルルルル!(*▼ω▼)ノ)
「スター・プラチナ!」
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!』
ザシュザシュザシュズバズバズバグチャグチャグチャグチュグチュ!
「おぉっと!リュウはいきなり勝負に出たぁ!自分のスタンドのスター・プラチナの素早さと精密な動きで食材を切り落していくぅ!!なにか聞いてはいけないような音をきいたよーな……(ボソッ)」
「リュウは今回は本気だ。よほどナイトレイドの厨房を守りたいんだな」ゲンドウポーズ
「男らしく豪快に料理するリュウと比べてスーさんの状況はぁ!?」
「………………」
トントントングツグツ…。
「おぉ!?リュウとはまさに正反対!豪快な料理をするリュウに比べてスーさんは黙々と調理しているぅ!」
「俺たちはスーさんの料理を食べた事無いからな。どんなものが出来るか検討もつかない……」
「それは俺もだ。ではでは!審査員のみなさんにも聞いてみましょう!!」
「リュウの料理も気になるけどスーさんの料理も気になるわね。ボスがドヤ顔しながら言うんだからそれなりの料理を作ってくれるのよね~」
「マイン。スサノオを甘く見るなよ。その様子だとあいつに胃袋をつかまれるぞ?」ニヤリ
「リュウの料理は今まで食べてきたが、初めて食べるスーさんの料理がとても気になる……。早く食べたい…。早くしてくれないと腹と背中が引っ付くぞ………」
アカメは要するに早く料理が食べたいようだ。
「スーさんの料理姿を見ると意外とそこまで重そうな食べ物じゃなさそうだな。私的には酒を付けてくれると嬉しいだけどな~」
「あ、それ私も!たまにはおいしい酒を飲みながらご飯食べたいよね~」
「どうやら審査員の女性陣は早く食事をしたくて我慢できないご様子!だがご安心ください!残りの時間はあと少しです!お腹を空かせてお待ちください!」
「オラオラオラオラオラオラオラ!」
『オラオラオラオラオラオラオラ!』
ズバズバジュワァ~
「むん!」
ザシュザシュグツグツ!
「一時間なのになんでもう残り時間が少ないの?と思った奴はいるだろうけど、絶対に気にするな。作者の事情だからな。なにかあったら作者に言ってくれ」
作者(ヽ(゚∇゚(゚∇゚(゚∇゚o(゚∇゚)o゚∇゚)゚∇゚)゚∇゚)ノ ニパニパニパッドーモ)
「タツミ?誰に言ってるんだ?」
「あ、いやなんでもないぞ!?」
「そうか。お、ご覧ください皆さん!リュウとスーさんの勢いがラストスパートになっています!もうすぐです!」
残り時間も僅か。俺は今まで得てきた料理知識をこの料理に注ぐ。それはみんなに満足してもらう為でもある。だがそれだけではない、これは俺の相手として戦ってくれているスーさんへの礼儀でもある。おそらく俺より料理の腕と知識を持っているスーさんの方が全てを含めて俺を上回っている。だからこそ!俺の全てをぶつける!この身が滅びようとも!!
(料理対決だよ?)
ピッピッピピー!
「制限時間終了ー!今から審査に移りまーす!審査員もみなさんは食事の準備をしてください!!」
五人分の料理を皿に乗せ審査員の方へと向かう。ここで落とさないよーにしないと……; ̄ロ ̄)オットット皿
「先ずはリュウの料理をいただきましょう!ではリュウ、料理を」
「おうよ。俺の料理は……これだ!」
みんなの前に出したのは………。
「さっぱり煮込みハンバーグと肉の野菜詰め合わせ巻きだ!」
「「「「「お~」」」」」
見た感じは普通のハンバーグとベーコンで野菜を包んだ肉のサラダ巻きである。
ついでに飲み物として特製オレンジジュースだ。(レシピは機密だ…(⌒-⌒))
「見た感じは普通の煮込みハンバーグだけど何処がさっぱりなのよ?」
「それは食べたら分かるぞ。じゃあみなさん、おあがりよ!!」
この世の全ての食材に感謝を込めて……。
「「「「「いただきま~す」」」」」パクッ
お味は……?
「「「「「おいしい!(美味い!)」」」」」
「すごい!このハンバーグ、肉汁が出る位味が濃厚なのにさっぱりしてる!」
「それに味付けがいい。濃いすぎず薄すぎずで私好みだ」モグモグ
「この肉のサラダ巻きもいい。野菜と肉がいい具合に調和して美味い」
「ほんとは酒も欲しかったけどこのオレンジジュース美味いな。料理に合う!」
「リュウの料理ってどんな物なのかなって思ってたけど意外とおいしいね!」
みなさん満足してらっしゃる!これはいけるぞ。
「ねえリュウ。このハンバーグなんでこんなにあっさりしてるの?」
「それは中に豆腐と少しだけレモンを入れたんだ。豆腐を具財で使ってるからハンバーグが柔らかくなるし、レモンを入れたから酸味が出て味がさっぱりするんだ」
「あんたって馬鹿じゃなかったのね……」
「この野郎!これでも頭はいいんだよ!(前の世界では)」川・ε・川 チョームカツクー!!(コギャル風)
「くっ、俺も見ていて腹が減ってきたが、俺はこの実況をやめるわけにはいかない!」
「俺もだラバ。後で貰おうぜ」
「おう!では次行きましょう!スーさんの料理を!」
「お前達、味わって食すがいい!!」
出てきた料理は………。
「え、なにこれ…『真っ黒』……」
「スーさん、これが料理なの?」
「勿論だ。それは特製イカ墨スパゲッティだ!」&レオーネのリクエストでおいちい酒☆
なぜ、特製なのか?それはあの某イカ娘から搾り出した墨であ…………。
作者(嘘だからなーー!絶対違うからなーー!9
「スーさん…、これホントに大丈夫なのよね?」
「大丈夫だ。味はちゃんと保障する」
「なにやら気になる食べ物!!見たところ黒いスパゲッティ!では審査員もみなさんお願いします!!」
「「「「「い、いただきます」」」」」パクッ
お~あ~じ~は~?
「「「「「おいしい!(美味い)!」」」」」
「どんなとんでもない料理かと思ったけど凄く美味しい!!」
「黒いからお腹に悪いかと思っていたが、柔らかくて腹に簡単に滑り込んでいく……」
「これは、病み付きになるくらいだ。凄く好みの味だ」
「しかもスーさんの出してくれた酒に凄く合う!!」
「ほんと!これは仕事終わりだったら疲れ取れそうだよ!」
エエエエエエエエエエエエエエエエ!?なんだか皆さんの食べた時の表情が俺より明るいんですけどぉぉぉ!?何故だ!酒か!酒のせいか!おのれぇぇ!オレンジジュースより勝っているとでもいうのかぁぁ!!(人それぞれだ)
「両名の食事も済んだところで!審査と行きましょう!!審査員の皆さんは美味しかった方の名前を手元のホワイトボードに書いてください!!」
「リュウとスーさんは後ろを向いててくれ」
言われたとおり俺とスーさんは後ろを向いた。
(大丈夫だ。落ち着け……。俺は全てを出し切った。雨の日も風の日も雪の日も嵐の日も危険種との戦いの日も(?)。俺は全力で料理に情熱を注いできた。信じろ!勝つのは俺だァァァァァアァァァア!┌|゚□゚;|┐
「審査員全員書き終えま
した!両名、後ろを振り向いてください!」
後ろを勢い良く振り向くと。
【スーさん】
【スーさん】
【スーさん】
【スーさん】
【スーさん】
「勝者!スゥゥゥゥゥゥゥさんんんんん!」
「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!????」
なぜだぁぁぁああ!俺の料理は完璧に『美味く』できてたはずなのにぃぃぃぃ!
なぜ俺が負けるのだーーー!
拳を握り、目から大粒の涙を流しながら床を殴り続ける。
「キコクカコケキククケコカカウケカケカケケキコクケカカクカケキカケコケコカカ!!!」
「リュウーー!落ち着け!」
「もう戦いは終わったんだ!楽になれ!(お疲れ様と言う意味で)」
作者(縁起でもない……)
--------------------☆しばらくお待ちください☆--------------------
「なんで誰も俺の名前を書いてくれなかったんだ………」チーン
「いや、お前のも美味かったぞリュウ?」
アカメが俺の頭を優しく撫でてくれる。嬉しい……。
「でもなー。なんだか違うんだよな」
レオーネの言葉が気になる。違う……?
「私もそれは思ったわ。なんだが何時ものリュウの料理とは違う気がしたのよね」
「ドユコトヨ」
「それならスサノオに聞いたほうがいいな。スサノオ」
「分かった」
ナジェンダの後ろにいたスサノオが俺の目の前に来る。
「リュウ、お前の料理は食べさせてもらった。確かに美味い。もしかしたら俺より美味いかもしれない…だが、それだけだ」
それだけ?
「お前は美味く作ることしか考えなかったか?」
「あ……」
そうだ。俺は勝負でスーさん勝つために作る料理を出来る限り美味くしようと考えてた。
「料理を作るものとして……大事な事は何だ?」
大事な事……?
「それは……料理に対する愛情と食べてもらう者に対する気持ちだ!!」
「なっ!?」
「料理人足る者、いついかなる時でも食べてもらう者のことを考えなくてどうする!!」
ズキッ
スーさんの言葉が俺の心に突き刺さる。
「確かに美味くさせるのは大事だ。だが食べてもらう者のことを考えていなくては、いくら美味いものを考えてもダメだ。その人のことを考え、つくり、美味くし、それでこそいい料理人だ。だが他の者から聞いた話では今回の料理はいつものお前らしい料理では無いらしいぞ。いつも通りの料理も、人を思う気持ちのこもった料理すら作れない奴が、料理人の聖域である厨房を守るには100年早い!!!!」ドォォン!
「!!」
スーさんの言うとおりだ。俺は料理を美味くすることしか考えてなかった。おそらく、いや、確信できる。俺はこの作った料理に、メンバー全員のことを考えた気持ちも愛情も入っていなかった。俺は馬鹿野郎だった。
「スーさん…。俺、目が覚めたよ。これからは!みんなの事を考えて料理するよ!!」
「うむ。わかったのならそれでいい」
力強く握る握手。この時に言葉は要らない。そこには男同士での友情、無言の歌があった。
「素晴らしい!これぞ男同士の友情!美形キャラこと、私ラバック!涙が止まりません!!」
「俺もだラバ!これぞ友情だ!」
お前らまだ実況と解説してたのかよ………。
「よぉし気を取り直して!今からチェルシーとスーさんの歓迎会を始める!リュウ!みんなの料理を作ってこい!!今度はしくじるなよ!」
「お、おうよ!!」
それから数分後。
「では皆さん!新しく入ったチェルシーちゃんとスーさんのナイトレイドの介入を祝して……!」
カンパーイ!
「「「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」」」
この時が俺にとってこの世界に来て一番楽しかった時間だった。