斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第十五話

各々、修行が終わり隠れ家に全員集合する。

 

「この周囲の危険種はスムーズに討伐できるようになってきたな」

 

「色んなタイプの奴が攻撃してくるから気が抜けないぜ」

 

「いいじゃん。その方が面白い」

 

間違いない。

 

「ここは空気も薄い。過酷な環境での実戦、結構レベルアップしたんじゃないのか?」

 

「確かに……手ごたえは感じるわね」

 

この隠れ家に来てからの実戦、確かに全員今までよりレベルアップしている。自分の持っている帝具の扱いも慣れていき、どんな時でも臨機応変に対応できるようになってきた。

 

「チェルシー」

 

「んー?」

 

「どうだ?ナイトレイドのみんなを一ヶ月みて」

 

「うん。強いね…、前私がいたチームよりも強い。特にリュウとアカメちゃんは頭一つ飛び出てるくらいに強い」

 

「まじでか!!」

 

(よぉし!認めさせたわ!!)

 

俺の横で満面の笑みを浮かべながらガッツポーズするマイン。お前…チェルシーとなにかあったのか?

 

「でも………」

 

チェルシーの声色が重くなった。

 

 

 

 

「強いからって生き延びられる訳じゃない…。昔の報告書は読ませてもらったけど、シェーレやブラート、殉職したこの二人、人間としては好感持てるけど………………………殺し屋としては『失格』だと思う……」

 

 

「「「!?」」」

 

チェルシーはアカメと同じくらい仕事をこなしている殺し屋のプロ。俺やタツミなどのまだ経験不足の奴らになら言っても何も言い返せない。だけど、俺たちに色々教えてくれたあの二人をとやかくいわれたくねえ!!

 

「みんなも甘いところをどうにかしないと、これから先、命がいくつあっても足りないんじゃない?」

 

そういい残し、チェルシーは隠れ家の屋敷の方へと踵を返す………が。

 

 

 

「おい待てよ…」

 

チェルシーの肩を掴み此方に振り向かせる。

 

「なによ…」

 

「確かに俺たちはまだ弱いところもある。チェルシーが言うように甘いところもあると思う。でも、今あの二人をとやかく言うのは関係ないだろ?」

 

 

「そうね。あの二人は関係ないのかもね。でもあの二人が死んだのは自分の甘さが問題だったんじゃない?」

 

「なんだと?」

 

「シェーレの時は確か帝都警備隊で今はイェーガーズにいるセリューって子にやられたんだよね?それってさマインがやられている時にそれを庇って死んだんでしょ?ブラートの時もそうよ。三獣士との戦いでタツミのやられているのを守りながら戦って死んだだよね?」

 

「何が言いたい……」

 

 

 

「まだ分からないの?それは二人の優しさなのかも知れないけど、その優しさで自分の甘さを呼んで死を招きいれたんじゃない!」

 

「!!」

 

シェーレにブラート。この二人は最高の人間だった。シェーレは誰にでも優しく接してくれた人。ブラートは熱い気持ちで厳しく修行をしてくれたけど、戦いの後での報告で傷が無いかなどきに掛けてくれた優しい奴だった。なのに……。

 

 

「仲間で……強くて……そして!優しかった二人を馬鹿に済んじゃねーーー!」

 

 

拳を握り締めチェルシーへと襲い掛かる。

 

「マズイ!みんなリュウを止めろ!!」

 

「わ、分かった!止まれリュウ!」

 

 

「大丈夫だよ」

 

咥えていた棒の付いた飴を出し、向かってくるリュウを前にして無防備の状態で突っ立っている。

 

「この野郎!!」

 

握り締めた拳をチェルシーに向かって振りかざすした……が。

 

バシィン!

 

「え?」

 

俺の攻撃を避け、更に追い討ちで俺のスキだらけの足を自分の足で足払いをする。

 

「はぁ!」

 

ガシッ!ドォォン!

 

「ぐへぁあ!?」

 

そのまま俺の頭を鷲づかみにし地面に叩きつける。

 

 

「く……くそっ……」

 

「ほら、ここも甘いところだよ。リュウの能力は強いけどそれだけ。殺し屋ならいついかなる時でも冷静に判断しないと……」

 

「!」

 

少し細長い針を俺の眉間に突きつける。

 

「こうゆう風に殺されるよ?」

 

それを言い残したチェルシーは屋敷へと入っていった。

 

 

「くそっ……………」

 

 

____________________________________________

 

 

―その日の夜―

 

俺とタツミとラバックはマインの緊急招集により、屋敷の前に集合となった。

 

「で。話ってなんだよマイン」

 

「あんた達は平気なの?シェーレやブラートのことあんなふうに言われて。特にあんたよリュウ!あんなにボコボコにされて悔しくないの!?」

 

「そ、そりゃあ悔しいけど……」

 

少し頭を冷やしてから言われた事を考えると、なんとなく分かってきた。確かに俺たちは甘いし弱い。しっかりとしないと本当に命がいくつあっても足りないような状態になる。俺たちは殺し屋。いつ殺されえもおかしくないんだ。

 

「俺も…兄貴の事をとやかくいわれたくねえよ…」

 

「ならチェルシーをギャフンと言わせて、お前だって隙だらけだぜ!って笑ってやりなさい!そして!ショックを受けているところに!アタシがとどめをさして勝利宣言!!完ッ璧!!」

 

 

「「「……………」」」

 

ナニイッテンダコイツ…。

 

「お前と組むとロクな事にならん気が……」

 

あぁ、そうか。タツミはマインとの初任務の時にパンプキンの攻撃を受けて頭が大変な事になったらしいな……。

 

禿げたらしい…。ププッ

 

「なによ。当然あんた達はアタシの味方でしょ?そうよね?」

 

すんごい上から目線だな……。

 

「分かった分かったよ…。でもどうやってギャフンと言わせるんだよ」

 

「そこはラバとリュウで考えなさい。アタシは自分のを考えるから」ガチャ

 

マインは踵を返し屋敷へ向かい扉を開ける。

 

「いいわね!今夜決行するわよ!ギャフンだからね!!」バタンッ!

 

 

 

「相変わらず強引だね……」

 

その気持ち分かるぞラバ…。

 

「ギャフンと言ってもどうするよ……」

 

「そうだな~……俺たちも帝具を使ってなにか………………」

 

ピコーンッ!

 

「あぁ!閃いた!俺閃いちゃったわ!!」

 

「「おぉ!!」」

 

 

 

 

―温泉にて―

 

現在チェルシーが入浴のお時間。服を着てても分かる中々のおっぱい。そんな素晴らしい武器を持っているチェルシーが自分の体を露とし湯に浸かっている。こんなの見ていたら我慢できな………。

 

作者「これ以上やると18禁小説になるヤメナサイ」

 

なんだこの野郎。チート使いに張り合うきか?

 

作者「お前は私には勝てない」

 

減らず口を!!ワンパン……。

 

作者「踏み潰す」

 

ドォン!

 

へぶらぁ!?プチ

 

作者「作者権限には勝てないのだよ」

 

何故だ!チート使いの俺が!

 

作者「坊やだからさwww」

 

くそ作者め…。

 

作者「はやく話し進めないと君のピーを……アンナコトヤコンナコトニ」

 

スイマセンススメマス。

 

 

 

 

ケプコンケプコンッ。話を戻そう。今はチェルシーの入浴の時間。この時を俺たちは有効活用する!!

チェルシーから少し離れた岩の後ろに隠れているのが……。

 

 

(まさかこんな事になるとは……)

 

透明化したインクルシオ。今回の作戦は透明化を利用して入浴中のチェルシーの頭に風呂桶をかぶせるわけだ。

 

確かにこれは驚くな……。

 

 

(あんまり見るのも悪いしサクッと終わらせるか…。あ……でもちょっとは見たいな……)

 

葛藤する思春期の少年。

 

(ふ~…よし!)

 

近くに落ちてあった風呂桶を拾い、音でばれぬ様に抜き足差し足で近付く。

ここで気づいた事が一つ。

傍から見たら風呂桶だけが動いているように見えるんだよな……。怖すぎだろ…。

*注意*オバケではありません。

 

 

残り数メートル。あと少しで風呂桶を被せれれる。

 

その時……。

 

バシャアッ!

 

「ふぅ……」

 

 

そこから出てきたのは…………。

 

 

あ……アーーーーーーーーッ!男かよぉ!!

 

「そこにいるんだろ?分かるぞ……」

 

ゲッ!バレテル!仕方ない……。

 

渋々とインクルシオの透明化を解く。

 

 

「げ…スーさん……なんでばれたの?」

 

「インクルシオは姿を消せるがそれだけだ。気配や存在感までは消せない…。この事を忘れるな…じゃないと死ぬぞ?」

 

「……………」

 

シュゥゥゥ………。

 

インクルシオの鎧を解いて出てくるタツミ。

 

「うん……」

 

 

「ふん………『隙あり』」

 

ポコンッ

 

スーさんの軽いチョップを頭に受けるが俺はいきなりスーさんの声が変わったことに驚いた。

 

「え……えぇ!?」

 

ドロォン

 

「にゃははは。実は私でーした」

 

「なっ!?」

 

大きな煙が飛び出し、中からバスタオルを巻いたチェルシーが出てきた。

自分の帝具・ガイアファンデーションで姿を変えていたのだ。

 

「タツミの気配が近付いてくるのを感じてたからさ。逆に驚かせてやろうと思ったわけ」

 

「で、変身して待ち構えていたと……」

 

「そのとーり!騙しは私の得意技。そんな私を騙そうなんて10年はやーい」

 

おもいっきり騙された…。まさかスーさんに化けているとは…。でも…。

 

 

 

 

「騙されたのはどっちかな?」

 

「え?」

 

ドロン

 

タツミの周りからまたまた煙が上がり、そこから出てきたのは……。

 

 

「10年なんて要らなかったな。簡単に騙せたぜ」

 

リュウである。

 

「え!?タツミじゃなくてリュウ?でもインクルシオ付けてたのに……」

 

「俺の能力はなんでもできる。タツミのインクルシオを真似することもな。はっはっはっ!」

 

そう、相手が騙しの天才ならそれは騙し返してやろうと思い、俺が風呂桶を被せる役を自主的に志願したのだ。まぁ、スーさんだったのは俺もビックリしたけどな

 

 

?「騙しの手品だ!!」

 

 

「これは一本取られたわね…。やるじゃんリュウ」

 

「そりゃどーも。あとチェルシー…、さっきはいきなり殴りかかっちゃって…ごめん…」

 

「へ?」

 

「チェルシーの言われた事は的確だった。確かに俺たちは甘さが残ってる。それをこれからは何とかしていくよ」

 

 

 

「へぇー…物分りいいじゃない、後さっきのことは怒ってないよ。私も怒りすぎたと思ったしね」

 

「ごめんな。でも……なんであそこまでみんなにキツく言ったんだ?もうちょっと優しく言ってくれてもよかったんじゃ……」

 

 

「それには理由があるんだ………」

 

チェルシーの顔の表情がいきなり暗くなる。

 

「私はさ…ついこの間、仕事から帰ってきたらチームが全滅、なんて経験したからね……」

 

腰まで伸びた髪を翻しながら悲しく、そしてポツリと呟いた…。

 

 

「ここの連中にはそうなって欲しくないわけよ……」

 

 

『みんなも甘いところをどうにかしないと、これから先、命がいくつあっても足りないんじゃない?』

 

(そっか……)

 

あの時言ったのは、みんなの事を思ってだった。チェルシーはチームの仲間が全滅したという経験をした。それは普通なら耐えられない出来事である。悲しみで一度はどん底まで落ちたチェルシーだがなんとか立ち直り、ナイトレイドへとやってきた。呟いた言葉にどれだけの感情が詰められているのか。俺はすぐに分かった。彼女は人一倍厳しいが、人一倍優しくて、人一倍辛いのだ。

 

 

(なんだ………)

 

「チェルシーも優しい奴じゃないか!」ニコッ

 

「ッ………///」ドキッ

 

 

するとチェルシーは風呂桶で湯船のお湯を汲み……。

 

 

バッシャァァ!

 

「違うわよ!」

 

「ほぶぅ!?」

 

いきなりの事で避ける事が出来なかった…。あーあ…服が……ビチョビチョ…。

 

「私の精神衛生上の問題ね。あ、今度入浴してる時に侵入してきたら切り落すから覚悟してね?」シャキンシャキン

 

左手の指でハサミの真似をするチェルシー。あれ……背後にジェイ○ンがたってるような?しかもなんか聞いた事にある台詞をきいたよーな!!!

 

ここで俺の最強の神技。人生で最初で最後の業のお披露目である。

 

地面に膝を着き正座の形を作り、両手を三角の形に。そして頭は地面に着くように。

 

そう!これぞ俺の神技の!

 

 

DO☆GE☆ZA☆!

 

 

 

 

 

「スイマセンッでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁアアアアアアアアアア!!!」

 

 

俺の生きていての人生で最初で最後の本気の土下座である。

 

 

 

それから俺は約三時間ほどの拷問&説教を受けました。ある意味でエスデス将軍より上のドSだぞこの人……。

 

 

 

 

―チェルシー自室―

 

 

「ふぅ……」

 

寝巻きに着替え、ベットに腰を下ろすチェルシー。先ほどの出来事を思い出していると、一つだけ心に残っている言葉があった。

 

 

『チェルシーも優しい奴じゃないか!』ニコッ

 

ドキッ…

 

 

「なんなんだろ……この胸の痛み……」

 

手を胸に当て横になるチェルシー。

 

 

 

「リュウ……………」

 

今チェルシーが持っている胸の熱い痛み。これに気付くのはそう遠くない事なのかもしれない………。




今回も読んでいただきありがとうございます!
そして新しく評価をしてくださった


佐海実央さん


ありがとうございます!!

これからも書いていくのでよろしくお願いします!!



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