斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第十六話

俺たちが帝都から姿を消して約二ヶ月。個々の能力を上げる為の修行を行っている。

だがそんな時、その帝都でとある出来事が起こっていた。それは………。

 

 

 

 

 

 

新型危険種の出没である。

 

 

 

 

-帝都から数キロ地点にある民家-

 

 

「ここ最近、帝都付近で新型危険種が多く出現しているって話だ……」

 

猟銃に弾を込めている男と、食器を洗っている女性。この二人がここに住んでいる。

 

「お前、絶対一人で出歩くなよ」

 

「えぇ、分かっていますよ」

 

 

ドォン!ドォン!バコォン!!

 

 

瞬間、扉が蹴破られる。そこから出てきたのは人の形をしている危険種が入り込んできた。そう、この危険種が今帝都付近で出現している危険種である。どこから出てきたのか、どこからやってきたのは誰も知らない。

 

 

 

「!?」

 

ドォンドォン!

 

猟銃を構え発砲。

 

 

「ギュゥアオ!」

 

ブン!ズボァ!

 

「へ?」

 

危険種の腕が男の胴体を貫く。傷口から大量の血が噴出し危険種は男を外に放り投げる。

 

「はっ……あぁぁぁ!」

 

女性は腰をぬかし、尻餅をつく。目の前で夫が死んだことのショックで頭の中が真っ白になり考えることが出来なくなった。

 

 

「イヤ……イヤァァァァァアア!」

 

「ギャァアァア!」

 

その太い腕が女性に襲い掛かる………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「飛天御剣流・九頭龍閃!!」

 

ズドドドドドドドドド!!

 

「グ……ガァ……ア……」

 

ドサァ。

 

 

女性に襲い掛かろうとしていた危険種、全てが地面に鈍い音を立てながら倒れた。

 

 

 

「え……?」

 

女性が顔を上げる。そこに居たのは黒の服と黒の刀を身に付けたナイトレイドのメンバーの一人、デストロイヤーことリュウである。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、貴方は?」

 

「趣味でヒーローをやっている者です☆」

 

「はい?」

 

「さて後はこの人を………」

 

胴体を貫かれた男の遺体を持ち上げる。

 

「しゅ…主人に何を!!

 

「大丈夫ですよ。見ててください…」

 

「あ……がは……」

 

(よかった。まだ息はある。あの刀を使ってもいいけど大丈夫だろ)

 

「クレイジー・ダイヤモンド!」

 

『ドラァ!』

 

拳が男の人に直撃。すると危険種に負わされた傷が塞がる。

 

 

「よしこれでおっけい!!」

 

「う…あれ?おれは………」

 

「あ、あなた!!」

 

涙を流して主人に抱きつく女性。リア充バクハツシロ……。

 

 

「では俺はこのへんで…しゃらばにゃり!!」

 

噛んじまった……。

 

 

 

この後、この二人の間には元気な男の子が生まれたとかなんとか。

 

 

 

 

(あの危険種はなんなんだ…?一応ボスに報告しておくか)

 

 

そこから少し離れた場所で俺の戦いを見ていたものがいた。

 

 

「あれがむちゃくちゃ強いって噂のデストロイヤーか?確かに強いな」

 

その男はフードを深く被っていて顔が分からない。ただ一ついえる事は……。

 

 

「もうちょっとおもちゃで遊んでてもらうぜ」

 

新たな『闇』が迫ってきていた。

 

 

 

___________________________________________

 

 

イェーガーズside

 

「ここの所、新型危険種の出現が多くないか?」

 

「そうですね。またイェーガーズにもまた依頼が来るでしょう」

 

ウェイブとランは疲れを癒すために帝都を散歩していて、近くの喫茶店で軽く食事を取っていた。

 

「しっかしあいつらはなんなんだろうな。行き成り出てきて人や家畜の牛や豚を食べてるって話だけど……」

 

「来たと言うより、誰かに連れてこられたではないでしょうか?」

 

「え?どうゆう事だよ?」

 

「少し前に大臣から隊長とあの危険種を捕獲しろとの命令だありまして、隊長の帝具で氷付けにしたあと調べた結果………あの危険種は『人間』だったんですよ」

 

 

「は!?」

 

「おそらくドクターの実験体だったのだと思います。それも帝具を使っての」

 

「あのオカマ………まじかよ………」

 

「ある場所に隠していたのでしょうけどそれが逃げ出したのではないでしょうか?」

 

「逃げ出した?それはないんじゃ……」

 

「はい。ここからは私の考えなのですが、逃げ出したというより…『誰かに解き放たれた』じゃないかと」

 

「解き放たれた?」

 

「おそらく第三者の帝具使いかも………」

 

「ナイトレイドも面倒なのにまだ来るのかよ。やれやれだぜ……」

 

「ナイトレイドも面倒ですよ。あのデストロイヤーが入ったという話しですし」

 

「くそっ…。一度戦った事あるけど俺らと同等くらいの力だった。いや、もしかしたらそれ以上かもな」

 

「大丈夫ですよ。ウェイブは強いですし、私達にはエスデス隊長が付いていますから」

 

「だ、だよな!これからも俺たちが一層頑張らないとな!!」

 

「はい。あとウェイブ。一つ言いたいことがあります………」

 

ランの表情が少し変わった。

 

「ラン?」

 

 

 

 

 

 

 

「クロメさんにケーキ食べられてますよ?」ニコッ

 

「え!?」

 

テーブルに目を向けると目の前においてあったケーキの乗った皿が消えており、横を向くと皿に乗っていたケーキを頬張って食べているクロメがいた。

 

 

「あああああああああ!!クロメ!俺のケーキ!!」

 

「だってウェイブ喋ってばっかで食べなかったから要らないのかなって思って………」

 

「だからって人の奴をたべるんじゃねえよ!しかも全部食べやがって!!」

 

「だって美味しそうだったから………」モグモグ

 

クロメさんに美味しく食べられました☆

 

 

 

 

 

「俺の……ケーキ……」ガックリ

 

 

 

その後、ランから半分ケーキを貰ったウェイブであった。ヨカッタナー

___________________________________________

 

 

 

ナイトレイドside

 

 

危険種討伐の依頼がナイトレイドにやってき、俺たちは新しいアジトへと帰還してきた。見た目はもちろん前のアジトとそっくり。しかも温泉付きだ!あ……また変な事すると斬り落とされる……((((゜ロ゜)))ガタガタブルブル

そして戻ってきて早々帝都付近で出現している危険種の排除することになった。メンバーはアカメとマイン。タツミとラバック。レオーネとスーさん。俺とチェルシーである。ボスはお留守番(^^♪

 

 

その日の夜、俺たち二人はフェクマ(フェイクマウンテン)辺りを散策していた。

 

 

「暗すぎだろフェクマ…。絶対ここ出るだろ……」

 

「あれ?リュウってオバケ無理なの?」

 

「居ないって思いたいけど本能がそう思ってないんだよ…。お陰でマジで存在するって思い込むようになっちまった……」

 

「男の子だからそういうのがすきなのかと思ってた」アメパクッ

 

「偏見だそれは。俺だってオバケ怖いんだよ!」

 

「強いくせに……」

 

「強いは関係ないだろ!!」

 

「まるで子供みたい」クスッ

 

「へーへー、俺は子供ですよー」

 

「アハハッ!」

 

リュウとのちょっとした言い合い。私はそれでも凄く楽しいと思った。リュウはナイトレイドのメンバーとは少し違うきがする。根本的というのではなく、なぜかそう思わせるような人物だった。殺し屋とは思えない無垢さ。馬鹿やってるけどやる時はやるその性格。見た事もない能力をもっているその力。すべてが不思議だった。いまでも分からない。なんであんなに胸が熱くなってくるのだろう…。私はそれが知りたい。リュウと一緒にいればそれが分かるはず。

 

 

「でもねリュウ?」

 

「ん?」

 

チェルシーは手で顔を隠す。

 

「オバケってのはね………」

 

そしてその手を顔から離すと………。

 

 

 

 

 

「イガイトチカクニイルンダヨ?」

 

髑髏の顔をしたチェルシーがいた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!?????(゜Д゜)」

 

 

リュウ。人生最大の叫び声である。

 

 

 

「アハハハハハハハハ!リュウビビり過ぎでしょ!!www」

 

 

「ガフゴフ………」ピクピク

 

あまりにの驚きに泡吹いて痙攣しております。

 

 

 

★しばらくお待ちください★

 

 

 

「チェルシー……この野郎……」

 

「もう怒んないでよ。飴あげるからさ」

 

「しゃーなしだぞ………」アメパク

 

 

 

それからしばらくして……。

 

「中々でないな危険種。寝てんのか?」

 

「もしかしたらイェーガーズが狩り尽くしたのかもしれないよ?」

 

「それもそうかもな。ちょっと頂上まで見てくるよ」

 

「気をつけてよ。なにかあってもすぐ戻る事!!分かった?」

 

「はいはい分かってるよ。んじゃいってくる」

 

凄いジャーンプ!★

 

 

ドォォン!

 

 

 

垂直飛び結果・約1000メートル。

 

チーターメェ…。

 

 

 

 

 

-頂上-

 

「ほい到着!見た感じいなさそうだな」

 

辺りを見渡しても人の気配も危険種の気配もゼロ。どうやら本当にいなかったようだな。んじゃ速いとこ退散してチェルシーと合流するか。

 

 

そう思い、頂上から飛び降りようとしたその時。

 

 

ドオオオオオオオン!

 

 

「へ!?」

 

背後からとんでもない爆発音がし、そちらに振り向いた。

 

俺はこの場で思った。こんなトコに来るんじゃなかったと……。

 

 

振り向いたそこに居たのは、俺に恋した帝国最強のドSの将軍。

みなさんご存知の………。

 

 

 

「少しモヤモヤしていたときに危険種を発見だ。新しい拷問を試して……………………………………え?」

 

 

 

エスデス将軍だ。

 

 

 

「ハァアァァァァアアア!!?Σ(|li゜Д゜ノ)」

 

(エスデスゥ!?」

 

「リュウ………!」

 

 

(な、なんでエスデスがここに!?ってか空から急降下とか予測できるわけねえだろーーー!!)

 

 

ズシンッスジンッ……。

 

 

「「ん?」」

 

 

近くの岩陰から四足歩行している例の新型危険種が顔をだしてきた。

 

 

 

「てめえら今頃かぁぁぁぁぁぁあ!?」

 

(あ、でも逆ナイスタイミングかも?どさくさにまぎれて逃げる事も………)

 

 

だが、そんな事考える出家で無駄であった。

 

 

 

「ふんっ!!」

 

 

ジャキィーーーーーン!!

 

 

コンマ一秒でエスデスが危険種を切り刻んだからだ…。

 

 

 

(あ…無理だ……)

 

一瞬で諦めたリュウ。

 

 

「ガ……グガァ………」

 

辛うじて生きていた危険種一匹がエスデスに近付いていくが。

 

 

 

「っ!!」ギロリッ

 

 

ブッスゥ!!

 

 

「ギャアアアアアア!?」

 

履いていた長いヒールの付いた靴で危険種の頭に突き刺してグリグリと押し込んでいる。。

 

痛そぅ……(汗)

 

「邪魔をするな……………………」グリグリグリグリ

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!イマノコノヒトハマジヤバイ!!

 

「…………」チラッ

 

「ほえ?」

 

「夢ではないのだな?再開できる日を楽しみにしていたぞ……リュウ!」

 

 

 

 

(いや……本当に夢であってほしいんすけど……)

 

 

「ぎゃあああああああ!!!」グリグリグリ

 

 

(あと早くトドメさしてあげてやってくれぇ…………)

 

 

 

 

-その頃のチェルシー-

 

 

「遅いなぁ~……リュウ………」ポツン




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