-翌日-
目が覚めるとアジトの自室の窓から眩しい日差しが差し込んでいた。今回の夢はおっぱいの谷間で死ぬ夢をみた。俺この頃こればっかりだな。さて、起きたならみんなの飯を作らないと・・・。
だが、覚醒しかけた俺に向かって拳が飛んできた。
「起きろーーー!リュウ!」
レオーネの獣化した拳が俺の腹に深くめり込んだ。
ドォォォン!!
「グホエァ!!」
その拳の一撃で俺の目は完全に覚め、あまりの痛さでベットで悶えていた。
「レオーネ!朝からいきなりなんだよ!」
「いやぁ、呼んでも中々起きないからさ。此処は思いっきりドォン!と」
「普通の姿ならまだしも!獣化してる姿でやるな!俺を殺す気か!!」
「リュウって死ぬの?」
「俺をなんだと思ってやがるこんにゃろう・・・・・・・・・・・・」
「そりゃあ・・・・・・優しくて、強くて、飯を作るのが上手い、私達の仲間だろ?」
「レオーネ・・・・・・・・・・・・」
嬉しい・・・。レオーネがここまで思ってくれるなんて、あれ?目から水が・・・・・・(涙です)。
「後は、バケモノってことかな?(笑)」
「俺の感動を返せ・・・・・・・・・」
ま、こんなやり取りが出来るような存在になれたという事として許してやろう。
「・・・・・・・・・・・・・・でさ」
「ん~?」
「なんで俺の上に跨って馬乗りしてるの?」
俺はベットで仰向けで寝ている状態。そしてレオーネが俺に跨って馬乗りの状態である。ふむ。お尻も柔らかいな・・・・・・。
「サービスだよサービス!」
「うむ。感無量である」
いやマジでだよ。こんな美人のお姉さんが俺の上に馬乗りになってるんだぜ?これで嬉しくないという奴の方がおかしい。
「もっとも・・・・・・・・・・・・?」
「へ?」
レオーネの顔が近づいてき、体と体が密着するくらい、二人の距離が近くなってきた。
「この先のこともしてもいいけど・・・・・・・・・?」
「は、はぁ!?朝から飲んでんのか!?冗談はやめろよ!」
「冗談じゃないよ?少しくらい・・・・・・・・・・・・いいだろ?」
レオーネの唇がどんどん近付いてくる。金色の髪が揺れ、うっすら赤みを帯びた柔らかそうな唇が俺の唇に向かって近付いてくる。レオーネは誰もがみてもわかる美しい女性だ。その立派なスタイルも、獣化したことによって変わったその姿も。その全てが俺の目を奪っていく。
こ、これは色々とやばい!俺の貞操が奪われるぅぅぅぅ!!あ、でもレオーネなら良いかな?いいやダメだ!いくら仲間とはいえ、これは好きな奴とやる行為だぁぁぁああ!(俺はレオーネを仲間として好きだからな?)
「猫騙し!!」
パァァン!!
「わぁ!?」
レオーネの目の前でおもいっきり両手を合わせた猫騙し。さすがのレオーネもびっくりしたのかベットから崩れ落ちる。
「まったく、朝からからかうなよな」
「あっはっはっは!いや~やりすぎたかな?悪かったよ。スーさんが朝飯作ってるらしいから早く来いよ」
獣化を解いたレオーネは一足先に食卓へと走っていった。
「やれやれだぜ・・・・・・」
「朝から楽しんでるね。リュウ」
気付いたらチェルシーが俺の部屋の椅子に座ってた。
「ギャァアアアアアア!びっくりしたぁぁあああ!!」
思わず尻餅をつく俺。
「い、いつから?」
「レオーネに殴られたところから」
最初からじゃねえかああああああああ!!
「まさか、隠れてたのか?」
「本当は私が先にリュウを起こしにきたんだけど、中々起きないからどうしようかって考えてたらレオーネが来たのよ。どうなるかと思って壁に変化してたわけ」
「見てたなら止めろよな・・・・・・。まったく」
(あんたも・・・もっと早くレオーネを止めなさいよ・・・。人の気も知らないで・・・・・・リュウの馬鹿)
「ん?なんか言ったか?」
「何でもないわよ虫」
「虫!?俺虫なの!?」
「早く降りて来なさいよ。朝ごはん冷めちゃうから」
お前は俺の母ちゃんか・・・・・・。
「まったく・・・・・・本当に馬鹿なんだから・・・・・・」ボソ
チェルシーの部屋を出て行くときに言った言葉は、俺の耳には届かなかった。
(-_?)ナンダッテ?
食事を終えた時、メンバー全員集めてナジェンダからイェーガーズとの対決の説明を聞いていた。
「先ほど偵察隊から連絡が来た。エスデスとイェーガーズ全員、帝都を出発してこちらに向かってきているという情報があった。今回の標的はボルスとクロメ、この二人を消せば上出来だ。そこでチームを分ける。クロメとボルスを迎え撃つ、私、スサノオ、タツミ、アカメ、マイン、レオーネ、ラバック、チェルシーの8人と、エスデスを食い止めるリュウだ」
「えぇぇ!?エスデス止めるの俺だけ!?」
「といっても一時的にだ。ある程度の時間エスデスをとめる事が出来れば完璧だ。お前のどんな事にも対応できるお前の力が必要だ。危険な任務だが、やってくれるか?」
「俺にしかできないならやってやる!皆の役に立ちたいからな」
「頼んだぞ。足止めはある程度でいいからな?」
「アラホラサッサー!」ケイレイ
「先ずはあいつらをおびき寄せる必要がある。エスデスの進行速度を考えれば、私達の足跡の聞き込みがあったとしても明日の午後にはこちらに付く。そこでマインとアカメ。お前達二人はさりげなく人目についてくれ。顔がばれて居ない奴らは体力の温存だ。」
「「「「「「「「了解!!!」」」」」」」」
イェーガーズSIDE
-ロマリー街道沿い-
「ナジェンダは東へ、アカメは南へ、ここへきてやつらは二手に分かれたと目撃されている」
「東にいけば、安寧道の息がかかるキョロク。南にいけば反乱軍の息がかかる都市。どちらにしてもキナ臭いですね」
「急いでいけば追いつきますよ!行きましょう!」
「まぁ待て、ナイトレイドは帝都の賊、地方までは手配書が回って居ないので油断しているところを追跡され、あげく二手に分かれたという目撃がされてある。都合が良すぎるな」
「はい。高確率で罠だと思います。わざと人目に付いたのでは?」
「私達を帝都からおびき寄せて倒そうと?」
「ナジェンダはそういう奴だ。燃える心でクールに戦う」
「てことは追うと危ないですね」
「いや、この機会は逃さん。今まで巧妙に隠れてきたナイトレイドがご丁寧に姿を現してきたんだ。罠を覚悟した上でそれごと叩き潰す。私とセリューとランはナジェンダを追う。クロメとウェイブとボルスはアカメを追え」
「(お姉ちゃん・・・・・・・・・)(ニヤリ)」
「常に周囲を警戒しておけ。相手があまりにも多数が待ち伏せていたら退却して構わん。ガンガン攻めるが特攻しろというわけではない。帝都に仇名す最後の賊だ。確実に追い詰め、仕留めて見せろ!!!」
「「「「「了解!」」」」」
-それから約4時間-
エスデス達はボスの名につられ東へと歩を進めていた。
「セリュー。敵と遭遇するまで力みすぎるなよ?」
「はい!大丈夫です!でも、この頃私ばっかり心配してくれますが、何か私に至らない所がありましたか?」
「お前の面倒は私が見ると決めたんだ。それを忘れるなよ?」
「は、はい隊長!!」
(流石隊長・・・。セリューさんを元気付け士気を鼓舞するとは、中々の人物ですね)
「ですが隊長。さすがにもう付いてもいいと思います。少しおかしいのではないでしょうか?」
「それは私も思っていた。こちらがフェイクであちらが本命かもしれん。一度引き返すか・・・・・・・・・・・・」
エスデス達は乗っている馬の方向を変え、来た道を引き返そうとしたその時。
「中々勘がいいな。エスデス!!!」
ドォォォォォォォン!!!
後ろから聞こえた爆発音が耳に入り、三人は後ろを振り向く。そこに居たのは顔を虚の仮面で隠し、黒い服に身を包んだリュウが立っていた。
「デストロイヤーか!」
「コロ!アイツを捕食しろ!!」
『ギュァアアアアア!』
セリューの帝具。ヘカトンケイルがさっきまでの小さな可愛い姿から巨体の獣の姿に変身し、その巨大な口をあけ、リュウに襲い掛かる。だが・・・・・・・・・・・・・・・。
「スタープラチナ!」
『オラァッ!』
ドガァァン!
『ギュウァアア!?』
コロの巨大な口での攻撃を躱し、その胸に渾身の右ストレートが炸裂する。その拳が直撃したコロは、地面をゴロゴロと転がり近くにある小さな岩山に直撃した。
「コロ!!」
(アイツ!シェーレを殺した・・・・・・セリュー・ユビキタス!)
アイツがシェーレを殺した。マインからはそう聞いていた。今回はエスデスの足止めが任務だが、どうやらそれを守れそうになさそうだった。今俺が感じている怒りは、『今までよりも上回っている』!!!だが、作戦を台無しにするわけには行かない。ここは耐えて、足止めに専念するんだ・・・。ごめんよ。シェーレ・・・・・・。
スタープラチナを消し、背中に携えていた身の丈を超える大刀、元の形から姿が変わった、新『斬月』を構える。
「さぁ!!戦いの始まりだ!!!」
今回も読んでいただきありがとうございます!
これからも頑張って書いていきます!!
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