斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第二話

マインと別れて約十日が経過。

無事に俺は帝都に到着し、あの手この手を使って生活している。

帝都に到着した時に思った第一印象。腐っていた。それだけであった。見るからに市場などは活気で満ちていたが、裏ではそれすらも感じられないほどの闇に包まれていた。住民などを攫っては自分たちの好きなようにする。実験体にしたり薬漬けにしたりなど人の命をおもちゃにしたりなど。市場や住宅街などでそれが噂になっている。なぜこうなったか?それには理由がある、帝都の裏の支配者、オネスト大臣である。

今の帝都の陛下は10歳にも満たない子供である。( ゚Д゚)ケックソガキカヨ

その子供陛下を操り、今の弱肉強食の町となっている。強いものが遊んで暮らし。弱いものが死ぬ。この世界のどこに自由があるのだろうか。

そこに、オネスト大臣率いる帝国に反旗を翻すものが現れた。革命軍である。弱肉強食の帝都の住民を守るために、反旗を翻した。目標は、悪の根源であるオネスト大臣を討つ。

そしてこんな話も聞いた。その革命の要の組織が存在する。それは【ナイトレイド】というらしい。暗殺を得意とする精鋭たちがそろっている革命軍の最強部隊。そいつらが真夜中に帝都での悪を狩る。とのこと。怖い奴らもいるもんだな。

俺も悪さにしたら殺されたり?やべ、ちびりそう……。

 

「考えないようにしよう…。さてと、危険種でも狩りに行くか」

 

今、俺は帝都の掲示板に載ってある依頼を達成して、もらった報酬金で生活している。

この前はタコの危険種を退治してそのタコを食べたところだ。あれおいしかったな~。今度あいつがまた出たらタコ焼きにして食ってやる……。(=゚ω゚)ノキャハ

 

だが、今日見た依頼書にはおかしなものが貼ってあった。

 

 

「首斬りザンク?」

 

載ったある依頼書を手にし小さくつぶやく。誰かはわからないけど報酬金はいいね。今は銃を買うために金がいるしな。

 

というわけで、依頼書を掲示板から千切り、歩き出そうとすると髭のやばいおっさんに声をかけられた。

 

「ちょいとにいちゃん!その依頼書やめときな!首斬りザンクをしらないのか?」

 

「だれぞそれ?」

 

「首切りだよ。元は帝都の処刑場にいたんだけど、毎回毎回首を切りすぎて、やめられなくなったんだとよ。更にはそこで手に入れた帝具を盗んで逃亡。あちこちで首を切っているってさ。危ない奴だからやめとけ」

 

なるほど~。怖い奴だ、ナイトレイドよりやばい奴なんじゃないか?

だが俺は!

 

「なんだかおもしろそうだな!よし!行こう!」

 

「なにぃ!?この馬鹿者がぁ!話を………ってもうおらぬ………」

 

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その日の夜

 

「ふっふっふ……俺を探している奴がいるようだな……愉快愉快。ならばこちらから会いに行ってやろう……愉快愉快」

 

影から顔を出した男。こいつが首斬りザンク。今回のターゲットはみなさん分かるようにリュウである。

 

 

 

その頃。

 

 

「しまった…。あのなんたらザンクがどこから出てくるのか分からないんだった…」

 

なんの計画もなしに始めたおかげで今からどうしたらいいのかわからない状態である。

 

さて、どうしよう……。ザンクを探す手がかりがないからなぁ~。どうしようかな。

 

 

「そこの君。お困りのようだね?」

 

「へ?」

 

「こっちに来て」

 

「え?え?(。´・ω・)?」

 

いきなり美人の女の人に声をかけられた。でも美人な人だからついて行くのが俺なんだよねー!

女性の後に付いて行き、住宅街を抜け、大通りを抜けていくと、大きな広場に到着した。さすがに真夜中だから人は一人も居ない。

 

「あの~、ここ大広場だけど?お姉さん?」

 

「あ~。ここだったら都合がいいのよ。【殺せるからな】」

 

「え?」

 

次に気づいた瞬間、女の人が巨体のおっさんになった。

 

 

「こんばんわ……」

 

 

∑(゚□゚;)ガーン(。□。;)ガーン(;゚□゚)ガーン!!

 

「ぎゃあああああああ!美人のお姉さんがおっさんになったー!」

 

「おっさんよりもこう呼んでくれ…。親しみを込めて、首斬りザンクと!!」

 

名を名乗ったと同時にザンクの腕の裾から剣が飛び出す。

目に入ってきたのは、隙の無い構えと。ザンクの額にくっついている目のようなものだった。

 

「え!?お前がザンク?なんでおっさんがお姉さんに?」

 

「これさ!帝具・スペクテッド。その一つの能力、幻視。幻をみせるのさぁ」

 

(なるほど。さっきのはそれか。あと、その能力の一つって言ったよな?まだあるのか)

 

「ピンポーン!その通り、このスペクテッドには全部で五つの能力がある。中々鋭いね坊や。正解の報酬に干し首やろうか?」

 

「げ、心読まれた…、ってか、干し首もってるの?」

 

「もちろんさだ。なんたって俺のコレクションなんだからな。欲しいか?」

 

「いるかーーーー!」

 

全力拒否。

 

「なんだ要らないのか…。悲しいねぇ!」

 

ザンクが剣を構えたまま、接近してくる。早い…。けど、

 

「行くぜ!必殺!」

 

「空中に飛び上がりそのままファイヤートルネードか?」

 

「なっ………!?」

 

ザンクの宣言通りに、俺は自分で考えていたように空中に飛び上がり、手のひらに溜めたエネルギーをボールにしザンクへと蹴り飛ばす。

ファイヤートルネード。ボールが赤い炎に包まれ、ジャイロ回転をしながら飛んでいくが、ザンクはそれを簡単に避ける。

 

「そっか。こいつ心が読めるんだっけ?」

 

「そうだ。能力の一つ洞視。表情などを見る事で相手の思考が分かってしまうのさ。観察力が鋭いの究極系だなぁ」

 

「やっかいな帝具だな。あとデザインがダサい」

 

だけどホントに困った。心を読まれたら手の討ちようがない。最強のイナイレでも無理なのかぁぁ!

 

「愉快愉快!焦っているな?心を読まれているからどうしようか焦っているな?」

 

「一々心を読みやがって…。ボコボコにしてやる。スター・プラチナ!」

 

今回のスタンドは違う。鋭い速さの攻撃と精密な動きが出来るスタンド。スタンドの色は青や紫など濃い色の姿をしたマッチョのおっさんだ。

 

「次の攻撃は素早いラッシュ攻撃だろ!」

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラ!』

 

スター・プラチナの鋭いラッシュ攻撃。しかしこれも攻撃が読まれているお陰で攻撃を腕の剣で全て防がれてしまった。

 

 

「次はこっちの番だぁ!」

 

ザンクの素早い斬撃。スタンドで幾つかは攻撃を防げたが足や腕に深く傷をつけられた。いくらチートを使えるって言っても、完璧に攻撃を受けれないわけじゃない。

 

「クッ!……意外と痛いなぁ………」

 

「そうだ。斬られるのは痛いもんだろ?大丈夫だ、俺は繊細だからよぉ、程よい具合にしたんだ。痛いだろう?愉快愉快……」

 

「心は読まれている…。なら!考えなきゃいい訳だ!」

 

『スターフィンガー!』

 

「なにっ!?」

 

スタンドの手の人差し指と中指が蛇のように伸びて、ザンクの頬を掠める。

 

「まだまだ!」

 

『オラオラオラオラオラオラ!』

 

「甘い!甘いぞ坊や!」

 

完璧に何も考えずに攻撃したのになぜかは分からないが、ザンクに防御されてしまった。

折角のオラオラが(´・ω・`)しょぼーん

 

「な、なんで?」

 

「スペクテッドの能力の一つ。未来視さ。無心になったとしても俺にはお前の攻撃は防げるのさ!」

 

「そっちの方がチートなような……」

 

「坊や。中々面白い戦い方だ。ただの人間じゃないようだが、名前はなんと言う?」

 

「名前?俺の名前はリュウだ、よろしく頼むぞ」

 

「リュウか。いい名前だぁ、強そうな名前だ。そんなお前に【いいもの】を見せてやろう!」

 

「へ?」

 

 

 

次の瞬間、俺はナニをされたのか分からなかった…。辺り一体がシンと静かになり、空が真っ赤に染まる。そして目の前にはザンクが居たはずなのにその場所にいるはずのない人が現れた。目の前にはザンクの代わりに、俺がまだ生きていたときに片思いをしていた女の子が目の前に立っていた。

 

 

「な、なんで……君が…………」

 

(クックックッ…、びっくりしただろう?これも幻視の一つさ。今お前の目の前にいるのはお前が一番最愛と思っている人間だぁ。一人にしか効かぬが催眠効果は絶大だ。………そして!)

 

「どれほど強かろうが、最愛のものに手を掛ける事など不可能!愛しき者の幻影を見ながら死ね!リュウ!!」

 

接近し俺の首を撥ねようとしてくるザンク幻影の中では女の子の姿となっている。こいつの中では完璧な勝利だと確信していた。誰もがそう思うほどであった。しかし……。

 

『オラァ!』

 

「ぐへぁ!?」

 

幻影として見せられた者を殴り飛ばした。

 

「な、何故だ!一番愛する者が見えたはずだ!それなのに何故ぇ!!」

 

「ザンク…。お前はとんでもないことをした…。今俺に見えた女の子。それはこの世にはいない筈の俺の学校で俺が好きになった女の子だったんだよ!可愛いかった。だから告白した…、そしたらあの子はこう言った!」

 

【顔がブサメンすぎて無理】

 

「ぢくじょーーー!ブサメンで悪かったな!でも普通なんだよ俺の顔はぁ!顔だけで判断しやがって!あの子のお陰で三日は涙で枕をを濡らしてたんだよぉ!」

 

地面に拳をガンガンと打ちつけながら泣き喚く俺。ヤバイ、思い出したら涙が…(血涙)

 

「ザンクぅ!お前はやってはいけない事をした!俺の怒りは限界に達したぁ!憤怒の炎だぁ!」

 

俺の回りから真っ赤の憤怒の炎が燃え上がる。こいつには罰を下してやるぅぅぅ!

 

 

「ブッコロス!」

 

「貴様にできるかぁ!俺には帝具がある。お前の心と未来が読めるんだぞぉ!」

 

「だったら俺の凄い十八番を見せてやる!」

 

足を開き仁王立ちし、左手を腰に当て右手でザンクを指差す。

 

「次のお前の台詞は、今すぐお前を殺して、俺の干し首コレクションに入れてやる!。だ!!」

 

「今すぐお前を殺して、俺の干し首コレクションに入れてやる!………はっ!?」

 

これが俺の十八番。相手の先を読み、心で思ったことを当てる事だ。

 

「ナニッ!?なぜ俺の言葉がっ!?」

 

「そこは前略中略後略!冷酷残忍!その俺が貴様を倒すぜ!」

 

「ぬうあああ!死んでたまるかぁ!

 

ザンクが怒りの咆哮を上げながら突進してくる。剣を構え、俺を八つ裂きにしようと殺気が飛んでくる。

 

(先に殺す!未来が見える俺の方が有利!)

 

だが、そんなザンクの行動も役には立たなかった。どうして?それは攻撃をしようと動きはじめた瞬間に、もう攻撃はされていた。

 

「死ねぇぇぇぇ!リュウ!」

 

 

「スター・プラチナ!ザ・ワールド!」

 

 

時が止まった。

 

 

 

 

リュウ以外の全ての動きを持つものの動きが止まった。時間を、時を止めたのだ。今からの数秒はリュウだけの時間である。

 

「ぶちかますぜ!」

 

『オラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ……

 

オラァッ!!』

 

 

スタープラチナから繰り出された渾身のラッシュ攻撃。その繰り出されたパンチはザンクの体中に命中した。顔面、胸、腕、腰、足。体の五体全てに直撃した。

 

 

「てめぇは俺を怒らした」

 

「グヘァァァァァッ!!」

 

時を止めた時間。僅かに四秒ほどであったがザンクの体中に蓄積されたダメージはそのときが動き出した瞬間に一気に体中に襲い掛かった。

体中から血が噴き出し、腕や足の骨が粉砕骨折し、その体は遥か高くまでに吹っ飛ばされた。

 

落っこちたザンクはもう動く事はなく、血だけが地面に広がった。

 

ここであの台詞!

 

「てめぇの敗因はたった一つだぜ、ザンク。たった一つのシンプルな答えだ。

 

てめぇは俺を……怒らせた……」

 

 

キマッタァァ━━━(((((゚(゚(゚(((゚∀゚)))゚)゚)゚)))))━━━!!!!!!

 

 

「グハッ……クックックッ……。何が起こったか知らないが……これで…、俺が殺してきた奴ら……からの……うめき声がぁ……聞こえなくて済む……。愉快…愉快………

 

ありがとな………リュウ…。」

 

 

 

 

それっきり、ザンクが動く事は無かった。

スタンドを体に仕舞い込んだ後、俺はザンクに敬礼をした後、背を向けて帝都の住宅街へと歩き始めた。

 

 

その後、ザンクの帝具はナイトレイドに回収され、亡骸は葬られた。

この戦いを見た人は、影でリュウをこう呼ぶようになった。

 

 

【悪を破壊する戦士、デストロイヤー】と…。




今回、ジョジョネタが多かったような…。

ま、いいか!

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