斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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長い間投稿できなくて申し訳ありませんでした。
こちらの方であんな事やこんな事をしておりまして(笑)
これからまた投稿を再開していきます!


第二十五話

セリュー&羅刹四鬼との戦いから数日。遂に大聖堂までのトンネルが掘り終えた。

ボリック暗殺の時は来た。それはエスデス率いるイェーガーズとの全面対決も戦いが始まりでもある。

 

 

 

「今日は月に一度ある祈りを捧げる日だ。これを機会に攻め込むぞ」

 

「派手にでたね。流石にこの日に攻め込まれるとは思って無いだろうしね」

 

「でもイェーガーズはそれくらい予想してそうだがな」

 

「だが相手にはするな。引っかき回して生き残る。今回はチームを二つに分ける」

 

「え?二つ?」

 

「先ず、トンネルから大聖堂に潜入して陽動を行うチームに私、スサノオ、タツミ、レオーネ、チェルシーだ」

 

「そのメンバーを選んだ理由は?」

 

「回復力と防御力のあるチームという理由もあるし、個々の力が強いメンバーともいえる」

 

スーさんとナジェンダの二人での攻撃。奥の手を使ったパワーアップも期待できる。レオーネの獣と化した姿での身体能力の高さ。タツミのインクルシオの姿を消しながらのトリッキーな攻撃。姿を変えるチェルシーの臨機応変な動き。確かに個々の力が強いな・・・・・・。

 

 

「残りのメンバーは空中からの強襲チームだ。アカメ、ラバック、マイン、リュウ。頼むぞ」

 

「アイサー!」

 

「了解した」

 

「任せときなさい」

 

「期待にこたえて見せます!」

 

 

全員気合充分。全員完璧なコンディションで挑める。後は全力で挑むのみ。

 

 

 

 

「全員!席に着け!」

 

スーさんの声に反応した俺達はコンマ0.2秒で席に着いた。俺たち人間か?

 

 

「今日の俺は本気も本気!覚悟はいいな、お前達!!」

 

 

「「「「「「「ウォォォォォォォォ!」」」」」」」

 

スーさんの手を見るとお盆の上に大量の料理が。ま、まさかソレハ!

 

 

「ナジェンダには塩ラーメン麺固め。鳥のうまみと塩のキレに自信ありだ!」メェェン!

 

「おぉ!」

 

「マインにはイチゴパフェ!隠し味もいれてある!」パフェェ!

 

「あら♡」

 

「ラバックには鮮度の高いボッカイ海老の造り!」ギョカイッ!

 

「わお!」

 

「レオーネにはおでんと評価の高い地酒の冷酒!」サケェェェ!

 

「きゃーー!」

 

「アカメにはあらん限りの肉料理だ!俺秘伝のタレで煮込んである!」ニクゥゥ!

 

「わ♡」

 

「チェルシーには特製チーズケーキだ!じっくり時間を掛けて作った一品だ!」チーズゥゥ!

 

「やった!」

 

「リュウには神戸牛のステーキだ!俺も一口食べたがあまりの美味さに全部食べそうだったぞ!」ステーキィィ!

 

「だから少しだけ切った跡があるのかよ!ってかなんで神戸牛しってるの!?しかもなんであるの!?」

 

「作者のおすそ分けだ」

 

「把握」

 

作者「(・ω<) てへぺろ」

 

「タツミは何でもいいと言ったので、特製スサノオランチだ!」オコサマァァ!

 

「え!?これってお子様ランチじゃ・・・・・・」

 

「プッ」

 

こらマイン笑うんじゃない。(o ̄ー ̄o) ムフフ

 

 

「各々の好物をスサノオに作ってもらった。存分に食べて鋭気を養って・・・・・・・・・」

 

 

 

ガツガツガツガツガツガツガツガツガツ!!!

 

「・・・・・・と言っている前に食べているな。元気で結構」

 

 

 

 

ンン~~~!オイジィィィィィィ!

 

 

___________________________________________

 

 

 

各々メンバーが戦いの準備をしている時、俺は一人外に出て夜風に当たっていた。

 

「いよいよか・・・・・・」

 

流石の俺も緊張しているのか奮えが止まらない。怖くは無い。負けるわけにはいかないからな。

 

 

「リュウ」

 

振り向くと準備が出来たのかチェルシーが立っていた。

 

 

「チェルシー・・・。絶対に無理はするなよ」

 

「しないよ。リュウを放って死ぬわけにはいかないしね」

 

「違いない。俺も簡単には死なないさ。チェルシーとはまだあんな事やこんな事したいからな」

 

「ば、馬鹿なこと言わなくてもいいの!!」バシッ!

 

「いてっ」

 

背中にキツイ一発。ぐぬぬ・・・・・・。

 

「絶対に死なないでよ?私だって・・・・・・リュウとはまだして無い事いっぱいあるから」

 

「例えばどんな事?」ニヤニヤ

 

「斬り落とすわよ?」

 

「何をっ!?」

 

無意識に股間を押さえる俺氏。本能的に危機を察知した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もし・・・・・・だよ?リュウ」

 

「ん?」

 

「もし・・・・・・今回の戦いで、私が死んでも・・・・・・私の事わ「やめろ」・・・え?」

 

「やめろ。俺もお前も死ぬわけにはいかないし死ぬつもりも無い!俺は死なないから!俺がお前を守るから!!」

 

「リュウ・・・・・・」

 

「俺は絶対に死なないから!お前を置いて死なねぇから!それにお前も死なせないから!」

 

「っ!うん・・・」

 

「一体どうしたんだよ。チェルシーがそんな事言うなんて・・・」

 

「ごめん・・・。最近さ、夢を見るんだ。怖い夢・・・・・・」

 

「怖い夢?」

 

「リュウが私の目の前で殺されるっていう夢・・・。リュウが・・・・・・『リュウ』に殺されてるって夢」

 

「俺が俺に殺される??」

 

またへんてこりんな夢だな。

 

「夢だから信じてないよ。そんな事が起こるなんて絶対にないし。でもずっと一緒の夢見てるからさ。怖いんだよ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「大丈夫だよ。所詮は夢だからさ。ほら!気合入れないと、今からの任務に支障がでるよ!」

 

「お・・・おう」

 

チェルシーは先ほどの暗くなった表情ではなく笑っていた・・・・・・が、俺はその表情が作り笑いにしか見えなかった。痩せ我慢なのか知らないが無理矢理その表情にしているのが簡単に分かった。

 

 

 

 

 

「チェルシー」

 

「?」

 

「俺はお前に誓う!例え自分の身に危険が襲ってこようが俺は絶対にお前を守る!絶対に死なせない。俺は絶対に死なないから!」

 

「リュウ・・・・・・うん!」

 

 

チェルシーの顔を見て宣言する。死ぬつもりなど毛頭ない。ナイトレイドの皆やチェルシーと一緒に帰るんだ。

 

 

「リュウー!準備できたぞ!出発だ!」

 

声のしたほうを見るとタツミ達メンバー全員が準備を整えていた。

皆の顔を見ると、伝わってくる。全員の覚悟が、これからの戦いへの勇気が。

 

 

 

「ナイトレイド!出動だ!!」

 

 

 

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

 

 

 

 

二つのチームに分かれ、帝都へと向かった。

 

 

 

 

__________________________________________

 

 

 

俺達強襲チームは危険種のエアマンタに乗って上空から帝都へと向かっていた。

 

 

「いやぁそれにしてもリュウとチェルシーのラブラブには見飽きたね」

 

「もっとお前の前でいちゃついてもいいんだぞラバ?」ニヤニヤ

 

「この野郎!俺には縁がない行為をお前がしやがって!この場でゴロジデヤル!」

 

「アガガガガ!シヌシヌ!」ブクブク

 

クローステイルを俺の頸に巻きつけまじで俺を殺す気で締め上げてくる。

 

 

「アンタ達なに馬鹿なことしてんのよ!そろそろ着んだから気合いれなさいよ!」

 

 

「そんな事言ってタツミと一緒にいてデレデレしてるのは誰なんですかね~マインさん?」プププ

 

「よーく分かったわリュウ。アンタは今此処で蜂の巣にしてやるわ」

 

「パンプキンの銃口を眉間に当てて怖い事言うんじゃねえよ!」ガタガタブルブル

 

このパンプキンのおかげでタツミの頭がハゲたってこと知ってるんだからな!

 

「あまりマインを刺激するなリュウ。タツミとイチャイチャできて嬉しがっているんだ」

 

「ちょっとアカメ!変なこと言てんじゃないわよ!」

 

顔真っ赤ですぜ?マイン殿。

 

「ま、今回も期待してるぜマイン」

 

「ふんっ!任せなさいよ。なんたって私は射撃の・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天才。と言いたかったのは誰でも分かったであろう。だがその言葉は掻き消されてしまった。それはなぜか?

 

 

 

『6時の方向から飛んできた空を飛べる帝具持ちの高速移動により発生した巨大な風を斬る爆音によって掻き消されたのだ』

 

 

 

 

「なっ!?」

 

「上空からの奇襲。どうやらこちらの読み勝ちですね。しかし私という帝具使いという存在を知りながら領域である上空から攻撃を仕掛けてくるとは・・・『愚作』ですね」

 

 

マスティマを所持しているイェーガーズのランが奇襲を仕掛けてきた。

 

 

 

「はぁ!」

 

背中の翼から鋭利の羽根を飛ばしてくる。

 

ズドドドド!

 

 

「しまった!」

 

羽根が狙っていたのは俺達ではなく乗っていたエアマンタだった。エアマンタの胴体に直撃し俺達はそのまま地上に落下した。

 

 

「うぉぉぉぉああ!?」

 

「マズイ!今のでエアマンタが即死しちまったぞ!」

 

 

エアマンタに捕まった状態で落下する。だがそれくらいでランの攻撃は止まらない。

 

 

 

「ふん!」

 

追い討ちをかけるようにまた羽根を飛ばしてくる。

 

 

「このピンチは逃さない!」

 

マインがパンプキンを構えランに反撃する。今のピンチにより威力が数倍にあがり飛んできた羽根をビームにより掻き消され、ランの脇腹に直撃する。

 

 

 

 

「くっ・・・・・・」

 

 

(あの帝具・・・意外と厄介ですね・・・・・・)

 

ランはそのまま俺達と距離をとりはなれた場所に着陸する。

 

 

 

 

 

「なんとか撃退かな?」

 

「らしいな・・・」

 

「そんな事よりこの状況どうするのよぉぉぉ!」

 

「俺に任せとけよ」

 

ラバがクローステイルを使ってなにやら巨大なナニかを作りだす。

 

それは、

 

 

 

「即席のマットだ!」

 

クローステイルで作ったエアマンタを多い被せるほどのマットを作りそのまま地面に落下する。

 

 

ドスゥゥン!

 

 

落下の衝撃を死んだエアマンタが吸ってくれた。アザマス。

 

「ありがとう・・・・・・」

 

「今までありがとね」

 

おぉ・・・。お嬢様の二人がエアマンタに対して悲しみの表情。

 

 

 

「よし。今すぐ大聖堂に向かおう」

 

「おうよ!」

 

 

だが、そう簡単に事は進まない。

 

 

 

「いかせねーよ・・・・・・」

 

 

 

目の前を見るとイェーガーズの帝具使い。

 

 

「お前らの相手はこの俺だ」

 

ウェイブが立っていた。

 

 

「イェーガーズ!」

 

「やるのね?標的ではないとはいえ4対1よ」

 

 

「こいよ殺し屋共。ランにまでダメージ与えやがって・・・もうこれ以上仲間を失うのはごめんだ。もう誰一人傷つけさせはしねぇ・・・・・・!」

 

 

そして手に持っていた帝具を地面に突き刺し怒りの咆哮をあげる。

 

 

 

 

「グラン!シャリオォォォォォォォォォォォオ!」

 

インクルシオと同じタイプの帝具。グランシャリオを装着する。

 

 

 

「ボルスさんとセリューとコロの仇・・・。そしてクロメの怪我のケジメ・・・つけさせてもらうぜ!!」

 

隙のない構えを取り俺達4人を睨みつける。見ただけで分かる。以前戦ったよりもパワーアップしている。

 

 

「ふん!いくら強いかも知れないからって4人を相手に出来るわけないでしょ!」

 

「標的ではないがここで葬る」

 

此方も戦闘体勢に移るが、俺はそれを制止させた。

 

 

「いや、ここは俺がいこう」

 

「リュウ!?」

 

「お前本気か!」

 

「ここで俺達がこいつを倒すのも一つの手かもしれないが、それじゃあ大聖堂に向かっているチームが心配だ。皆はあっちの方を支援してやってくれ」

 

 

 

「リュウ・・・分かった。マイン、ラバック。先に進もう」

 

「お、おう!」

 

「リュウ!負けるんじゃないわよ!」

 

「任せとけ」

 

 

三人は俺達の横を通り大聖堂に向かう。

 

「行かせるわけ無いだろ!」

 

ウェイブの拳がラバを捉え攻撃してくる。だが、

 

 

「やらせるか!」

 

ドゴォォォォオン!

 

ウェイブの拳を片手で受け止めた。

 

「なに!?」

 

「お前にも誰も死なせたくないという信念があるのも分からなくも無い。だが、俺もお前と同じで、ナイトレイドの皆をやらせるわけにもいかないんだよ!!」

 

「くっ!」

 

 

 

「リュウ!」

 

「いいから早く行け!あいつらを支援にしてやってくれ!」

 

「分かった!死ぬなよ!」

 

「死んだら骨は拾ってあげるわよ」

 

「勝手に殺すんじゃねえよ!」

 

 

そういい残しアカメ、ラバック、マインは大聖堂へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

「デストロイヤー・・・・・・」

 

「悪いなウェイブ。少しの間俺の相手になってもらうぜ」

 

左腕にまるで龍の嗅ぎ爪のような赤い籠手が出現する。

 

 

「バランス・ブレイク!」

 

『Welsh Dragon Balance Breker!!』

 

籠手の手の甲の部分にある宝玉から赤色の光が放たれる。眩い光が無くなったその場所にいたのは赤い鎧に身を包んだリュウが立っていた。

 

 

 

 

『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)!』

 

 

 

「赤い鎧!?帝具か!」

 

「説明する必要は無い。あいつらの追撃はさせねえ!」

 

 

お互いが対峙するように構える俺とウェイブ。仲間を殺させないお互いの信念。その信念が籠もった二人の拳が・・・・・・。

 

 

 

「「うおぉぉぉぉ!」」

 

 

交差した。

 

 

 

ドガァァァアァアン!

 

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

 

「エ、エスデス将軍!イェーガーズは一体何をしているのだ!」

 

「黙れ。羅刹四鬼に遊ばせてナイトレイドを甘く見るからだ」

 

焦りきったボリックは玉座から飛び降りエスデスの前で手をつく。

 

「わ、私を守れ!それが大臣の命令・・・・・・ぐわ!」

 

「ふん。だが命令は命令だ。お前の身柄は私が守る・・・。お前はここから一歩も動くな・・・・・・」

 

「う・・・・・・うん・・・・・・」

 

履いていた靴でボリックの顔を踏みつける。こわ・・・・・・。

 

 

「心配するな。こちらには大臣から送り込まれた切り札がある」

 

エスデスの背後には見知らぬ人物が立っていた。だが何かしらのオーラを漂わせていた。

 

「エスデス将軍?そこにいる人物は?」

 

「あぁ・・・。私もこれをみて驚いた。大臣の奴、とんでもない事をしてくれたものだ。デストロイヤーという名前は知っているな?」

 

「えぇ・・・。ナイトレイドに所属している殺し屋の・・・・・・・・・」

 

「少し前の戦闘でそいつから能力を奪う事に成功してな。その能力を大臣に渡したらこいつがやってきたんだ」

 

「どういう・・・・・・ことですかな?」

 

「くくく・・・。ナイトレイドの連中、これは驚くぞ・・・。なにせ『仲間が攻撃してくるとは思わないだろうしな』」

 

「なか・・・・・・ま?」

 

 

 

 

この前の戦闘で奪取したデストロイヤーの能力。奪取に使った勾玉を大臣に渡した後にこいつを渡された。そこで大臣はこう言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エスデス将軍。この人物を貴方に任せます。あのデストロイヤーの能力を植えつけた実験体です。はっきり言いましょう。この人物は【デストロイヤー】本人と言っても過言ではありません!!存分に使って!奴らに死を!!』


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