斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第二十八話

大聖堂での戦いから数日。俺達ナイトレイドは南から回り込み帝都にある住処へと戻っていた。俺たちがもしあの場所で戦っていれば死んでいたのかもしれない。それなのにスーさんが囮になって俺達を逃がしてくれた。自分の身を犠牲にして・・・・・・。スーさんが生かしてくれたこの命。大事に使う。

 

 

ナイトレイドではアカメとラバックが全治六ヶ月の重症。ナジェンダは三回の奥の手を使用し生命力が著しく減ってきていた。タツミとマインは軽傷。レオーネは帝具で回復しているため治療はいらない。いつもなら俺がクレイジーダイヤモンドで治すのだが皆と一緒に逃げるために大勢の敵勢力と戦い怪我を負った。少しの間スタンドを出せない状態だった。この原因は勿論敵勢力でもあるがあいつ・・・ビャッコである。あいつの攻撃が体の芯にまで届いて骨が何本も折れていた。レーオネまでとは行かないが回復力には自信がある。全治数週間といったところか。ボスの命令で今回の戦いの傷を癒す事になった。

 

 

「大丈夫?リュウ」

 

「大丈夫だけど、やっぱり体が痛いな・・・」

 

「今は治療に専念して、一応任務は終了したんだし」

 

「一応な・・・・・・。スーさんが死んじまって悲しいけど、悲しんでいられない。今は先に行く事を考える」

 

「そうだね・・・。だからこそ今は休んでて」

 

ベットで寝ている俺をチェルシーがずっと看病してくれていた。いい彼女をもったなと思う俺氏。全国の非リア充君達。恨むなよ?

 

 

「チェルシーは怪我は大丈夫なのか?」

 

「少し怪我したくらいだから大丈夫。それよりリュウの方が心配だよ」

 

「俺より自分の心配をしろよな・・・・・・」

 

「イヤだよ・・・・・・」

 

「え?」

 

「自分が死ぬより・・・・・・リュウに死んで欲しくないもん・・・・・・」

 

俺の右手を強く握り締め顔を伏せるチェルシー。以前ならこんな表情見せなかったのに・・・・・・。

 

「言っただろ。俺は死なないから」

 

「約束・・・破ったら斬りおとすから」

 

「死んでたら斬りおとすもクソもないだろ・・・・・・」

 

「それもそうだね・・・ふふっ・・・」

 

今は体を休める時、しっかりと休ませて次の戦いへ挑もう。

 

 

 

 

だが、俺達が休んでいる時に帝都で大きな動きがあった。

 

三ヶ月後、なにやら『大臣の息子が帰ってきたとか』。しかも帝具使いを連れてきてだ。そしてチームを結成。名前は秘密警察『ワイルドハンド』。表向きは帝都に仇名す賊を殺すってのが建前だがそうじゃなかった。大臣の息子だという地位を利用し帝都の町の人を殺している残虐極まりない連中である。

 

俺は一人で帝都に偵察に向かった。

 

 

 

「そのワイルドなんとかって何処にいるんだよ・・・・・・」

 

高い場所から辺りを見渡すと、遠くの方から少し騒ぎが・・・・・・。

 

 

「貴様らをこれ以上野放しにはしておけん!我ら皇拳寺師範代が相手をしてやる!」

 

ワイルドハンドらしき一味を数十名いる皇拳寺の師範代たちが取り囲んだ。遠くから見ても分かる。実力差が圧倒的過ぎる。けどここで姿を現したらまた面倒な事が起こりそうだ。俺は押さえきれない怒りを押さえつけじっと見守っていた。

 

 

数分後。簡単に鎮圧され近くの店で無銭飲食をしており、その後にイェーガーズが到着。色々もめているらしいけど気にしない。ワイルドハンドの持っている帝具がなんなのか分かったので俺はアジトへ引き返した。

 

 

 

___________________________________________

 

 

「リーダーのシュラ。帝具はシャンバラ。能力は空間操作」

 

「シュラは面倒だな。あの帝具を使われたらどこに飛んでいくか分からない・・・・・・」

 

俺はいま偵察で得た情報をアカメとレオーネに報告している。

 

「他のメンバーの能力は?」

 

「まずはイゾウって奴だ。帝具は持ってないけどその剣捌きはアカメに匹敵するかもしれない。ま、アカメなら大丈夫だろ」

 

「誰が来ても葬るだけだ」

 

「さすが私の親友!頼りがいがあるね~!」

 

「く・・・苦しい・・・・・・」

 

おぉ・・・。アカメがレオーネの胸に挟まってる・・・。いつも俺がやられてるけど見る側に変わったら相当・・・エロいな・・・・・・。

 

「リュウ。顔がだらしなくなっているぞ。チェルシーを呼ぶか?」

 

「え!?」

 

「チェルシー!リュウがアカメに鼻の下伸ばしてるぞー!」

 

「おいぃぃぃぃぃいいい!!」

 

「後でお仕置きしとくから大丈夫ー!」

 

なんでお前も返事してんだよーー!

 

「不幸だ・・・・・・・・・」

 

「あはははははは!アカメは誰にもあげないからな!」

 

「私は誰のものでもないぞ?」

 

この野郎・・・・・・。まあ今回は見逃してやろう。

 

「で、次は女のドロテアだ。帝具はアブゾデック。他者の血を吸い込んである程度のパワーアップや怪我の治療ができるらしい」

 

「まるで吸血鬼だな」

 

「血とは美味いものなのか?」

 

「そこで食い意地は張らなくて良いぞアカメ」

 

血って鉄みたいな味するらしいから吸いたくは無いな。

 

「次はコスミナ。帝具はヘヴィプレッシャー。マイク型の帝具で出した声を介して出た音が超音波として発せられる。その音を浴びた奴の骨はヒビがいくか粉々になるらしい」

 

「音か~。面倒だなそれ。リュウどうにかできないの?」

 

「なぜ俺に聞く・・・。一応対応手段あるけど」

 

「あるならそいつよろしくね。私は肉弾戦したいから」

 

「肉弾戦できる奴1人も居なかったような・・・・・・」

 

「ええええ!?まあ気にせずやるか」

 

「単純・・・」

 

まさに単純。レオーネは戦闘馬鹿だからな。

 

「次は細い体のエンシン。帝具はシャムシール。曲刀の帝具で真空の刃を飛ばす」

 

「リュウの技みたいだな」

 

「だがこいつがめんどうなんだよな。夜の月の形によって刀の威力が変わるらしい」

 

「どれくらいかわからないの?」

 

「偵察が昼ごろだからな~。けど弱点はある。攻撃した後大きな隙ができる。アカメはそこを狙ってくれ」

 

「了解した」

 

「最後は巨漢な男のチャンプ。帝具はダイリーガー。六つの玉に分かれている帝具で1つ1つに能力が付与しているらしい」

 

「これがワイルドハンドの戦力か。でも今はエスデスが居ないから攻めるなら今だな」

 

「俺もそれは思った。でだ、皆動けない中、今回は俺たち三人で動こうと思う」

 

「私は構わないよ。久しぶりに暴れたくてウズウズしてるんだ」

 

「だとよ。どうする?ボス代行?」

 

アカメに視線を移すと手を顎に当てて考えるがすぐに返事は返ってきた。

 

「やるぞ」

 

やっぱりな。

 

「おう!」

 

「暴れるか!」

 

 

無関係の人達を殺したりおもちゃにしている奴らを俺たちが許しておく訳が無い。

 

 

 

 

 

 

「今回の標的は非道の限りを尽くすワイルドハンド一味!葬るぞ!!」

 

 

「「了解!!」」




今回も読んでいただきありがとうございました。今は別の小説を投稿していましてこちらも更新に時間がかかると思います。ここで打ち切りはしないのでよろしくお願いします!!

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