第二クトゥルフ神話『男の娘だらけのGo for broke!!』 作:カロライナ
「ユキ!!」
「ミカンお兄ちゃん!」
「あぁ、良かった。よかった。死んだものかと・・・・。」
「ミカンお兄ちゃんも、サクラ漢姉ちゃんと同じこと言ってる。」
地下1階にいるミカンは存分に泣き叫び、2階にいるサクラ、ユキ、モミジの3人は十分に抱き着き終わると4人はまるで惹かれあう様に玄関前に集まった。
死んでいると思っていたミカンもユキの姿を見て、目を丸くし、血濡れたショットガンを地面に落す。そして無事に生きて再開することができたことに関して、大いに喜び合った。
「それで、この後はどうしよっか。」
「外に出るにしても紫色の障壁が邪魔して出られないんだよね~。ミカン兄の銃でなんとかならないの~?」
「その件なんだけど・・・一度試したんだけどね?」
「ショットガンでも紫色の障壁が邪魔して、窓も扉も開かないんだ。」
4人は玄関前で手を口に当てながら、考える素振をする。その姿は姿や髪色は全く異なるものの仕草が類似しており何処か兄弟姉妹のように見せる様子が窺えた。そんな時である。突然としてユキのお腹が鳴った。考え込むのを一旦止め、互いに顔を見合わせサクラ、ミカン、モミジの3人はユキの方を見た。
「・・・・・・・お腹・・・減っちゃった。」
ユキは口に当てていた手を後頭部に持ってくると、掻き上げるように手を動かし恥ずかしそうに後ろ髪を掻き、照れた。その様子にミカンは溜息を吐きながらも、どこか仕方ないなと優しい諦めの表情を見せ、サクラは出るための方法とは別の事を考える為、瞳を閉じ何かを考え始めた。最後にモミジはそんな兄の姿を見て、色っぽい視線を向けると、にこやかにユキへ向けて微笑みかけた。
「それじゃあ、現状考えても仕方ないから夕飯・・・・夜食にしましょうかしら?」
「サクラ兄貴?!」
「だって伊上を殺した時、隣のフランケンシュタインも伊上が死ぬのと同時に崩れたんでしょ? だったら、それは伊上が動かしていて伊上が死んだから、それも動かなくなったと考えるのが妥当じゃない? それと兄貴じゃない。サクラ漢姉と呼びなさい。」
説得
サクラ70→76【失敗】
サクラが考えるのを止め、ドヤ顔で3人に対し夜食の提案をする。その提案に対し、ミカンが驚きの表情を作りサクラを見つめるが、サクラは動じず1階の玄関前に合流した時に話しあったことをミカンに説得するように話し、自分の事をサクラ漢姉と呼ぶようにと本人は至って真面目な冗談を話すことができるようになってきた。
ミカンはその説得に納得が行かなかったものの、お腹を空かせ、合流するまでの間ずっと死んでいると思っていた弟に我慢しろと強く言い出すことができず。自分にショットガンもある事だし、大丈夫だろうと言い聞かせてサクラの案を呑んだ。
4人は早速、厨房に足を運ぶ。途中にある不審者の死体は4人で力を合わせ、地下の階段へと放り投げた。本来であれば、こんな事はしなかっただろう。しかし4人は心身ともにも疲れ、真面な判断は困難になっていた。とりあえず、奇妙な物を排除できたことを普通に喜んだ。
厨房にはサクラの作った料理が冷めた状態で4人分、置かれたままになっていた。そのうちの味噌汁は全ての中身を鍋に戻すと火を掛け、再加熱し暖かいスープへ元の状態へ戻す。初めは肉料理を作っていたサクラだが、死体や正当防衛とはいえ伊上を殺したミカンの事を想い7時間前に作っていた料理と同じものを作り始め手短に完成させた。
サクラが料理している間はミカンが入口周辺を銃片手に警戒を怠らず、その間ユキとモミジは仲良く2人で談笑をしながらサクラの料理ができるのを待った。
深夜02:30分にもなろうかという時、サクラの料理が完成し、4人とも決して扉に背後を見せず扉が見える位置に座って厨房で食事を摂った。美味しい料理が4人の傷付いた心を癒していった。
「ふぁぁぁ~・・・。」
「ふぁ・・・。」
「サクラ漢姉・・・ちゃん。ユキとモミジが眠そうなのだけど、どうしよう。2階の・・・比較的無傷な部屋使う?」
「そうね。もうじき03:00だもの、2人は眠たくなるわよね。」
食事も済ませ、厨房でサクラがもしもの為の明日の朝食の仕込みをしていると、モミジが大きな口を開いて欠伸をした。欠伸は隣のユキにも連鎖する。そんな様子を見たミカンは、決して出入口である扉に向けて背を向けることなく後ろ歩きでサクラに近づくと、大きな欠伸を上げて眠たそうにしている2人の様子を小声で報告した。サクラはその様子を聞くと仕込みをしながらもクスリと笑いミカンの提案に対して頷いた。
「ユキ、モミジ寝るなら寝室に行こう?」
「ぇ・・・。」
「もちろん、用心には用心を重ねて兄弟で固まって入口はタンスで封鎖して寝るから大丈夫よ。もうちょっとで仕込が終わるから、終わったら行きましょ。」
「ぅん~・・・。」
説得
サクラ70→63【成功】
ミカンの誘いにユキは、うつらうつらさせながらも兄の言葉に疑問を抱いた声を上げた。そんな細い声にサクラもミカンに加勢するように不安定な安全性を説明し、寝ぼけて半ば真面な思考ができていないユキとモミジを言いくるめる。
サクラは明日の分の白米を炊飯ジャーにセットすると、2人を誘導するようにショットガンを持ったミカンが先頭。その後ろを、モミジとユキがついて行く。サクラは最後尾で、後方からの奇襲を警戒しつつ部屋まで移動してきた。ユキの寝室は扉が崩壊し、目の前には醜悪な死体が転がっていたためその部屋から一番離れたサクラの部屋で今夜は寝泊まりすることとなった。各部屋の荷物を一か所に集め、様々な部屋から布団と毛布をかき集めてくる。就寝前の手洗いを済ませ、再び4人がかりでタンスをバリケード代わりに建てるとミカン、ユキ、モミジは川の字になって集めてきた布団の上に寝転がり、そのまま夢の中へと落ちて行った。