第二クトゥルフ神話『男の娘だらけのGo for broke!!』 作:カロライナ
「ぅ・・・ん・・・・・・・。」
「・・・目が覚めたかしら?」
明朝、真っ先に目が覚めたのはユキであった。隣で寝ているミカンとモミジを起こさないようにして、離床し背伸びをする。
部屋の扉を塞いだタンス前では、サクラが軽く目の下にクマを作り、肩にはミカンのショットガンを寄りかからせ、やや眠たそうに欠伸をしながら目を擦り既に起きていた。
「おはよ・・・・。もしかして、サクラお兄ちゃん・・・一晩中起きていたの?」
「えぇ。いくら伊上を倒したからと言っても、やっぱり油断はできないと思ってね。何もしなかった私が見守ることにしたのよ。あと、サクラ漢姉ちゃんね。」
ユキは壁側とは反対で寝ているミカンを踏まないように細心の注意を払って跨ぐと眠たそうにしているサクラの近くに寄っていった。
サクラは昨晩の間に化粧を落としたのか、素っぴんの顔であったがそれでもApp17の猛威を奮い 眠たそうにしている顔も可愛らしい表情であった。
「えっ。漢姉ちゃんだって、色々行動して疲れていたんじゃないの? ボクは気絶していて直接的なことは何も知らないけど、モミジから色々聞いたよ? サクラ姉は兄弟の安否確認のために部屋を駆け回り、索敵をして、料理も作り、2回も本に埋もれたって。」
「えぇ、でもそれだけだから・・・・。その間、ミカンはこの銃を使って一番辛い役を承っていたし・・・モミジはユキの応急手当とこの館から脱出するための手段を考えていて疲れていそうだったから・・・。」
「だったら、ボクを起こして交代してくれればよかったのに・・・自衛隊でも、交代睡眠の訓練はしているからできたから・・・。」
「いいのよ、いいの。ユキは外の不審者と今は治ったと言っても怪我していたし、何よりもあの2人に挟まれてユキだけ起こすなんて器用なこと漢姉ちゃんにできるわけないじゃない。」
ユキは心配と困惑が混じったような表情でサクラを見たあと、心配そうな声色で兄の行動を労った。それに対しサクラは、なんともないような表情を作り眼こそ疲れが溜まった様子であるが口元はニッコリと優しい笑顔を作り出す。サクラの自分を顧みない行動にユキは自分も使って欲しい趣旨を伝えるものの、それをサクラ声は出さないものの笑いながら、しかしどこか乾いたような笑いで返すと2人に視線を移した。2人はユキの寝ていた中央に寄り添う形で側臥位を保ち穏やかな表情で睡眠していた。
「でも・・・。」
「それじゃ、ユキ。そんなに漢姉ちゃんを想ってくれるなら、もし館から出られたあと運転を任せても良いかしら? 漢姉ちゃん、その間に休むから。」
「・・・うん。わかった・・・!」
「ぁわっ。そんな大きな声を出したら・・・。」
「ん・・・・。ぁぁ・・・起きたんだね・・・サクラ兄ちゃん・・・ユキ・・・おはよう。」
「・・・・ッ‼ ユキにぃが居な・・・っ!! 居た。おはよ〜。」
しかし、それでも俯き申し訳なさそうにするユキに対し サクラは代わりの提案を指し示した。それは、運転の代理であり 降り積もった雪がまだ溶けていないにも関わらず あまり運転が得意ではないミカンやモミジには荷が重いこともあり、サラリーマン時代に運転慣れしているサクラと自衛隊で訓練しているユキであればまさに適材適所な得意分野てあった。
ユキはサクラの提案に俯いた顔を上げ、元気よく返事をする。その声はそれなりに大きく、室内に入れば聞こえるような大きな声であった。サクラはその声に焦りを持ちながら、静止するものの既に時遅し。モゾモゾと身体をまったり動かしながら、ミカンとモミジの2人が布団の中から身体を起こした。
若干、モミジが隣で寝ていたユキが居ないことに対し取り乱しかけたが、すぐにその両目で存在を確認すると可愛らしく片手で擦り、ゆっくりとしたいつもの様子で朝の挨拶を交わした。
【後書き】
お気付きになられた方も居られるでしょうが、Episode0にて
モデルキャラの追加を行いました。
ちょっと『男の娘だらけのGo for broke!!』で出てきている探索者は
モデルの元ネタが“刺激的(?)”だったので、安全そうな似たキャラに差し替えました。
【予告】
投稿時間!? 死んだはずじゃぁ・・・。