第二クトゥルフ神話『男の娘だらけのGo for broke!!』 作:カロライナ
「こんな吹雪の中、一体どうなされたのですか。」
「この先に秘境の温泉があるって聞いたので~家族全員で旅行に出かけたんですけど、道に迷っちゃったみたいで~。ね~?」
「途中で車は止まっちゃいますし、危うく凍死か、一酸化炭素中毒で死ぬところでした。」
「・・・家族・・・。それは大変でしたね。まさか、こんな吹雪いてしまうなんて思ってもなかったでしょう。今日はもう遅いですし、吹雪が止むまで・・・とは言わずどうぞ一晩止まって行って下さい。」
男は家族と言った点に、やや突っかかりを覚えながらも、まったりとしたモミジとユキに対し、ここまでたどり着いたことを労いスリッパを4足取り出し玄関に並べた。そして「空き部屋があるので、ついて来てください」と一言残すと全員が上がり切るまで 廊下で立ち止まり準備ができるのを待った。
屋敷の中は正面奥に大きな柱があり、入り口側に左右1つずつの部屋の扉とその左右の扉の奥に2階へとのぼる階段が、また左右に1つずつ。そして その奥には更に左右に2つずつの部屋の扉が見えた。
4人が屋敷の中に入って行くと男は、4人を案内するかのように左側の階段へ歩いて行った。
「あぁ、自己紹介がまだでしたね。私は
「わたしは春風 モミジって言います~。」
「ボクは春風 ユキです。」
「ユキさんにモミジさんですね。それにしても、手際よく自分の身体に積もった雪を振り払い、寒がっているお兄さんやお母様にバスタオルを掛けてあげるなんて、よく出来た優しい弟妹さんですね。」
一度は2階の階段へ向けて歩き出すものの、思い出したかのように呟き4人に向けて振り返ると男は伊上と名乗った。それに続くようにモミジやユキも自己紹介を交わす。伊上はサクラやミカンにも視線を移すが、まだ震えている2人を確認するとユキとモミジの対応の速さを2人に羨ましがるように褒めた。
「えっと、サクラ兄は――」
「・・・・!!」
モミジとユキが自己紹介を先に済まし、自分たちの寒さでまだ話す事の出来ない兄をモミジが紹介しようとした時だった。口を開く前に素早い動きでユキがモミジの口を押える。その様子に伊上はキョトンとした顔に陥り目を丸くする。
「な、なにするの~。ユキにぃ・・・。」
「モミジ、サクラお兄ちゃんは。お母さんって事にした方が良くない? ミカンお兄ちゃんはボク達の長男って事にして。」
「え、でも~。」
「よく考えるんだ。もし、ここで『全員兄弟です。』なんで言ったらサクラお兄ちゃんは猛吹雪の中でも女装をしているド変態ってことになってしまう。・・・それは今後のボク達が屋敷で過ごす間、なかで居づらい環境を作り出してしまうんじゃないかな。」
「た、たしかに・・・。」
「サクラお兄ちゃんは、お母さん。ミカンお兄ちゃんはボク達の兄。いいね?」
「おっけっけ~。」
「あ、あのー・・・?」
伊上の居る前で、伊上には聞こえない声の大きさで内緒話を始めた。何か言いたくない事があったのかな? と伊上は不安そうな心配そうな表情を作ると2人の内緒話が終わるまで大人しく待った。
「えっと、ごめんなさ~い。ユキ兄が、お母さんの実年齢は話しちゃダメってわたしに伝えて来て~。」
「お母さんは見かけによらず、その・・・結構 歳が・・・ね?」
「....。いいえ、お気になさらず。誰にだって話してはいけない事、話したくない事はありますから。」
「うん、お母さんの名前は春風 サクラって言います~。」
「こっちのお兄ちゃんは春風 ミカンという名前です・・・。」
「サクラさんにミカンさんですね。」
シークレット
??→??【??】
伊上はユキとモミジの顔をみると、はにかみながらそれ以上は問い詰めなかった。
その後、館を祖父から譲り受けた話や、こういった館に住むなんてオカルト作家らしいでしょう? などと言った世間話を交わしながら部屋まで案内された。
2階には部屋が6つあり1階と同じような間取りで構成されていた。
「あちらにある角部屋以外であれば、どうぞご自由にお部屋を使ってくださって結構ですよ。あと、これは個人的なお願いになるのですがあちらの角部屋には入らないようにお願いいたします。あの部屋は私の私室となっていますので。」
「わかりました~。ありがとうございます~。」
「それから、厨房にある食材はご自由にお使いください。私はあなた方が来られる前に早めの軽食を済ませましたので、夕食は放ってくださって構いません。それでは、締切も近いので私はこの辺りで失礼しますね。」
伊上はホテルの従業員のように4人に向けて1礼すると、私室の方へ帰って行った。
同じようにユキとモミジも礼を返し、伊上が部屋に入るまで見送る。
シークレットダイス
??→??
サクラHP10→11
ミカンHP8→9
【後書き】
今更ながら、使用しているダイスアプリを紹介。
携帯のアプリになりますが、『ダイスふる』を使ってキャラクターの技能値の
成功/失敗は判断しています。手軽に振ることができるので結構重宝しています。