たまに入れるネタが滑ったのか?とか、原作にたどり着くのが遅いからか?とか、オリ設定は人を選ぶからか?とか、理由を考えては凹んでいました。
そしたら今日、面白い作品が無いか探そうと日間ランキングを見たら入ってました。本当にありがとうございます。
でもルーキーの定義って何なんでしょうね。
サーベルトと戦うようになってしばらく経ったある日、サーベルトに相談に乗ってもらいたいことがあると言われた。
リーザス村周辺のモンスターと戦いが一段落し、サーベルトたっての希望で以前たどり着け無かったトラペッタの店に入り、軽い食べ物と飲み物を注文する。場所は以前ユリマに案内され覚えた俺が先導した。
飲み物が来た所で話を切り出す。
「相談って?」
「もうじきゼシカの15歳の誕生日なんだ」
素晴らしい情報を教えてくれる。いつかのユリマと初めて会ったとき、無視された事はチャラにしていい。
「それで?」
「何をプレゼントすればいいかなって」
プレゼントか、俺も贈るのは有りかもしれない。
今の俺とゼシカの関係は友人の妹、兄の友人だろう。お土産という名の餌付けは順調だが、高価なプレゼントを贈っても受け取ってもらえない可能性もある。
しかし、誕生日ならどうだろう。多少高価な物でも誕生日なら贈っても不思議では無いはず。
「ゼシカの誕生日か… それで予算は?」
「ラグサットとモンスターを倒すようになって結構稼いだからね、500G位かな」
ちなみにモンスターを倒して得たゴールドは折半にしている。
「奮発するな。それだけあるなら服とか装飾品はどうだ? ヘアバンド150G、皮のドレス380G、絹のローブ420G、金の腕輪350G、スライムピアス400G、金のロザリオ500G。予算内だとこれくらいだな」
「…詳し過ぎないか?」
RTAのチャート作りのために調べまくったからな、大体の情報は頭に入っている。だから引くんじゃない。
「それより、どうするんだ? 俺もゼシカにプレゼント贈りたいから、被るのを避けるためにお前が何を贈るか知りたいんだが」
「ラグサットも贈るのか、何か高い物を贈りそうだな」
「あまり高い物だと受け取ってもらえないかもしれないからな、3000G以内に抑えるよ」
「十分高いだろ。そこまで高いとゼシカの性格だと遠慮すると思うぞ」
マジか、インテリめがね2700Gでゼシカ眼鏡っ娘計画が…
「…銀のかみかざり1450Gやおどりこの服1300Gならどうだ?」
「まだ高いって、僕の予算の約三倍だぞ。それにおどりこの服なんて兄として認められないよ」
半分以上、値段下げたのに… 良い物を贈って長く使ってもらい、使う度に俺を思い出してもらう計画も駄目か。おどりこの服は真っ当な反応なのか、サーベルトがシスコンなのか判断に困る。
「難しいな、しばらくじっくり考えるよ」
まだ猶予はある、今ここで決める必要も無い。飲み物を飲んで少し落ち着いていると、入り口の方から声を掛けられた。
「サーベルトさん、お待たせしました」
ユリマが、こちらのテーブルにやって来る。今日もデートのようだ。今日『も』だ。
「ラグサットと話してたからね、待ってないよ」
「こんにちは、ラグサットさん。何を話していたのですか?」
無視せずに、俺にも挨拶してくれるようになったユリマに説明する。
「サーベルトの妹、ゼシカの誕生日プレゼントを何にするか話してたんだ」
「ゼシカさんの誕生日プレゼントですか」
サーベルトが視線をチラチラと俺に向けてくる。幾度となく一緒にモンスターと戦ったことにより、俺とサーベルトはアイコンタクトで会話することが可能になっていた。
(ユリマさんの誕生日を聞いてくれないか?)
(自分で聞けよ)
(それが出来たら苦労はしない)
(ヘタレめ、貸し一つな)
(ヘタレではないが、恩に着る)
サーベルトは普段周囲の目を気にせずイチャつく癖に、肝心な所でヘタレる。なので、未だに正式には付き合ってない。
「ちなみにユリマの誕生日はいつなんだ?」
「私の誕生日ですか? 3ヶ月後ですね」
「その時になったら誕生日プレゼントを贈りますよ。受け取って頂けますか?」
「はい、楽しみにしてますね」
「ユリマさん…」
「サーベルトさん…」
店の中だろうと二人の世界を作り出す、置き去りにされる俺も慣れたものだ。
ウェイトレスさんが注文した食べ物を持って来てくれたので、食べることにした。ウェイトレスさんら店の人達も、見慣れたようで特に気にした様子はない。流石プロ。
「ユリマにも聞いてみたらどうだ? 女性からの意見は参考になると思うぞ」
食べながらタイミングを計り提案した。そして、サーベルトにアイコンタクトでアドバイスする。
(ゼシカのプレゼントの相談と同時に、ユリマのプレゼントの参考にするんだ)
(助かる)
「プレゼントですか… やっぱり服とか装飾品でしょうか。可愛い物とかも嫌いな女性は少ないと思います」
(成る程、可愛い物か)
「でも、大切な人に貰えたら何でも嬉しいと思います」
そう言ってサーベルトを見る。また二人の世界に入りそうなので、とっとと食事を終えて店を出た。料金? サーベルトの奢り(強制)です。
(可愛い物か…)
プレゼントの事を考えながらトラペッタの町を散歩していると閃いた。
(可愛い物あったよ、キトンシールドだ。しかも、値段は非売品だからゼシカも分からない筈)
キトンシールドは猫が描かれた盾で女性にも装備出来、耐性は無いが序盤では結構強い盾だ。盾として使わなくても、壁に掛けておけば飾りにもなるだろう。
(問題は入手方法だが、確か剣士像の洞窟にあった筈。だけど、一人で取りに行くのはきついな)
剣士像の洞窟はククールが仲間になった後、ミーティア姫がゲルダに売られるイベントで行くことになるダンジョンだ。今の実力では厳しい。
(トルネコさんなら何処かから仕入れられないだろうか?)
モリー師匠の仕事も一段落しているかもしれないし、ライアンさんにサーベルトの事も頼みたい。
(よし、取り敢えずバトルロード格闘場に行ってみよう。居なかったら言伝てを頼もう)
「バトルロード格闘場へ」
キメラのつばさを使い、バトルロード格闘場に飛んだ。
中に入るとマリーさんが出迎えてくれた。
「久し振りね、ラグサットちゃん。モリーちゃんに会いに来たの?」
「お久し振りです、マリーさん。実戦経験も積んだし、モリー師匠に報告したいと思いまして」
「モリーちゃんなら、地下に居るわよ」
「他の二人は居ますか?」
「居るわよ。多分モリーちゃんと一緒に居るんじゃないかしら」
「ありがとうございます。それでは地下に行ってみますね」
マリーさんと別れ、地下に向かう。階段を降りる度に熱気が強くなっていく、格闘場に着くと熱気と歓声がもの凄い。モリー師匠を探すとライアンさんとトルネコさんと一緒に観戦している。
(三人揃っているとは丁度良い)
三人に近付いていくとモリー師匠が気付いた。
「おぉ、ラグサットか。久し振りだな、実戦はどうだった?」
「お久し振りです、師匠。ライアンさんに、トルネコさんも。実戦は「待て」」
実戦の報告をしようとしたら遮られた。不思議に思っていると、モリー師匠が話し出す。
「直接体に聞こう。先に訓練場に行ってなさい、用事を済ませたら向かう」
モリー師匠が恐ろしい事を言い始めた、ここに帰って来たと実感できる。
「どれ程成長したか見せてもらおうか。失望させるなよ」
ライアンさんが笑って言う。失望させたら何をされるのだろう? もし機嫌を損ねたら、生け贄を捧げて許してもらおう。
「私も楽しみです。体を温めてすぐに戦えるようにしておきなさい」
トルネコさんも乗り気だ、すぐにでも始めたいらしい。
訓練場に向かい、魔法の袋から装備を出して身に付け、体を温めていると三人がやってきた。
「では、儂からだな。早速始めよう」
モリー師匠が前に出る。全員と戦うことになるらしい、拒否権は無い。
今までの俺とは違うと意気込んでいると、見事にへし折られた。多少なりとも強くなっていた筈なのに、今までと大差が無い。
「新しく特技を身に付けたか、良い特技だ。しかし、避けられると隙が大きいと覚えておけ」
かまいたちを避けられ殴られる。
「モンスターの中にも武器を装備し、特技を使ってくるモンスターも居る。そういったときの対処も覚えるんだ」
剣や槍を使った特技を使ってくるライアンさん。理屈は分かりますが、はやぶさの剣・改ではやぶさ斬りをしてくるモンスターは居ないと思います。
「装備や道具の中には、戦闘中に使用すると特別な効果を発揮するものがあります。こんな風にね」
せいぎのそろばんを使われニフラムと同じように光に包まれる。流石に消え去らないだろと考えていると、炎に焼かれた。せいぎのそろばんを目眩ましに使い、はじゃのつるぎを使われたようだ。勉強になる使い方だが、口で教えてほしかった。
「モンスターも当然呪文を使ってくるわ。それも経験しておきましょ」
マリーさんも修行をつけてくれる。様々な呪文で攻撃されるのはいいんだが、「あのオヤジ、嫌らしい目で見て来ないでよね」とか言われながら攻撃されていると、修行にかこつけてストレス解消しているようにしか思えない。
何周かして訓練場にボロ雑巾のように横たわっていると、休憩終了の声と同時にモリー師匠がベホイミを掛けてくれる。師匠には休憩しているように見えたのだろうか。
今の俺のレベルではベホイミ一回で全回復するので、修行、ボロ雑巾、ベホイミ、修行のループが繰り返される、これが俺の日常だ。
強くなるために修行しているのだが、サーベルトを巻き込み少しは楽になりたいと思ってしまう俺を、誰が攻められよう。苦楽を共にしてこその友人だろう?
「順調に成長しているようだな、ラグサット」
「あぁ、拙者も安心したぞ」
「技だけでなく、機転も利くようになりましたね」
「スッキリしたわ」
師匠達は色々な意味で満足してくれたようだ。そこでここに来た他の目的を果たすことにした、まずはトルネコさんからだ。
「トルネコさん、キトンシールドを手に入れられますか?」
「ええ、当然です。しかしキトンシールドですか… 女性に贈るプレゼントですかな?」
「ええ、まぁ。今一緒に戦っている仲間の妹さんの誕生日が近いらしく、私も知らない仲ではないので何か贈ろうと」
「「成る程ねぇ…」」
トルネコさんとマリーさんはニヤついている。伊達に妻帯者と大人の女性では無いようだ、こちらの事情を見透かしている。
「分かりました、すぐに用意しましょう。ラグサットとは言えちゃんとゴールドは貰いますよ」
「分かってますよ、幾らになります?」
「キトンシールドは引き取りが550Gですからね。普通の商品ならその倍の1100Gなんですが、あまり出回らない物は更にプラスするんです。しかしラグサットの応援も兼ねて、きっかり1000Gで売りますよ」
「ありがとうございます、トルネコさん」
「いえいえ、今後ともご贔屓に」
1000Gなら万が一値段を知られても何とかなる筈。駄目ならサーベルトにもフォローさせよう。
「にしても仲間が出来たか。どんな奴だ?」
ライアンさんがサーベルトに興味を持ったようだ。渡りに船と話を持ち掛けてみる。
「サーベルトという名前で同い年です。武器スキルはメインに剣スキル「連れて来なさい」…とヤリスキル「今すぐ連れて来なさい」 …でもあまり鍛えて無い「私が鍛えよう」後はオノスキルですね。固有スキルはリーダーです」
かなり食い付いてきた、張り切って剣と槍を準備している。こちらが頼む前に弟子入りが決定したようだ。
(まさかここまで食い付いて来るとは…)
「師匠、ライアンさん何かあったのですか?」
小声で師匠に尋ねると、師匠も小声で答えてくれた。
「うむ。ライアンの武器スキルは剣とヤリと打撃なんだが、剣と槍が主体で打撃は鍛えて無くてな。ラグサットに教えられないと嘆いておったのだ。なぜラグサットに剣スキルが無いのかとな」
「色々な事を教えて貰ってますけどね」
「それでもだ。そこに剣スキルとヤリスキルを持った若者が、ラグサットの仲間だと聞いたらな… 向こうは大丈夫なのか?」
「それは大丈夫です、いや今日は無理でしょうが。サーベルトの住むリーザス村は戦闘を教えられる人間が居ないので、むしろ向こうから頼まれてましたから。それもあってここに来たんですよ」
「成る程な。ライアン、弟子が来るのは明日だそうだ」
「何だと? まぁいい、今日は明日からの修行をどうするか考えよう」
ライアンさんはとても良い笑顔をしている。
「一人増えるのですか、私も頑張りますかな」
「元気のある子だといいわね」
(良かったな、サーベルト。ライアンさん達張り切ってるよ、希望通り強くなれるよ、もう逃げられないけど。…しかしこれで少しは楽になるな)
「それなら儂は、今まで以上にラグサットに修行をつけるとしよう」
人の夢と書いて儚い、そんな事を思い出していた。
ライアンのスキルは剣、ヤリ、打撃。
固有スキルはイメージは出来てるのですが、うまい表現が見つからないのでまだ保留。
勇者探しを10年くらい続けてたので意思の強さをイメージして、頑固、一徹、貫徹とかそんな感じ。