アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜 作:ドラソードP
自分も便乗してガチャ引きましたが(主は無課金勢)出るのは全部白い封筒です。
どうか自分が出ない分、日本中のプロデューサーさんにSSR幸子が出るようにとお祈りします。
第7話
カワイイボクと初レッスン
さて、それから三時間ほど経っただろうか。時間は丁度昼時だ。
幸子のプロデュースについて色々な事を書類にまとめたり、仕事を探していたところ、部屋にはレッスンに行っていた幸子が、クタクタになって帰ってきた。
「どういうことですか! ボクはアイドルのレッスンが、こんなにハードだなんて聞いていませんよ!」
幸子は横で俺に文句を言ってくる。なんというか、ウサギみたいにぴょんぴょん飛び跳ねながら訴えてくる姿は……さながらウサギだ。
飛び跳ね幸子……なるほど、悪くない。採用だ。
「あのなぁ……そもそも、新米アイドルがレッスンを避けて通れると思うのか?」
「ボクは最初から完璧なので、レッスンなんて必要無いんですよ! プロデューサーさん!」
そう言い、多分今日覚えたばかりなのであろうステップを得意げに披露する。
「ほら、プロデューサーさん見てください! ボクの華麗でカワイイステップを……ってふぎゃーっ!!」
幸子は華麗にポーズをキメようとして、その場で派手に転ぶ。その転ぶ様はいかにもどんがらがっしゃーん、といった感じの派手な転び方だ。正直幸子は、ドジっ子キャラとは違う気がするのだが。
「……はぁ、大丈夫か? 幸子」
「ふ、ふふーん……ぼぼっボクはべっべ別にダンスができない訳じゃないです! い、今のは床が悪いだけです!」
「そうかぁ?」
俺はそんな床に転び、座り込んでしまった幸子に手を差し出した。幸子はそんな俺の手を掴むと、すぐにその場へ起き上がる。なんというか、持ち上げた幸子の身体は思っていた以上に軽く、少しだけ彼女の健康が心配になった。
「な、なんです? その目は。ボクの言ってることが信用できないって言うんですか?」
「さあな。まあ、少なくとも今のは見事な踊りだったよ」
と、俺はなんだかそんな幸子の様子を見ていたら、少し彼女をいじりたくなってきた。なんというか、彼女のこういった姿を見ると、俺の中のS成分に火がついてしまいそうだ。
「そうだな……じゃあダンスが得意って言うなら、歌の方とかはどうなんだ?」
「歌なら任せてください! ボクのカワイイ声で、ファンも、プロデューサーさんも、みんなカワイイボクの虜にしてあげます!」
そう言うと幸子は、今度は得意げに歌を歌い始めた。歌は346プロのアイドル全般のテーマ? と言うかお決まりになっている『お願い!シンデレラ』だろうか。
俺はその幸子の歌声を聞く。また幸子がミスるのをいじって遊んでやろうと思っていたが、以外とその歌声は良いものだった。以外と? いや、もしかしたら歌声はかなり良かったかもしれない。別に特別物凄く歌がうまいとか、そういったわけでは無いのだが、なんというかその歌声にはよくわからない魅力があり、聞いていると癒される、と表現した方が良いだろうか。彼女の強気? な性格とは違い繊細でか弱い、そして優しい歌声だった。
気がつくと俺は、幸子の歌を放心状態でフルコーラス聞いていた。
「フフーン! どうですかプロデューサーさん? 聴き入っていたみたいですけど。ボクのカワイくて、カワイイ歌声は!」
「……いや良かった、良かったぞ。思っていた以上に良かった。やるじゃないか」
「ボクの声はみんなを魅力しますからね! ボクはダンスも、歌も、そして勿論見た目も万能なんですよ!」
流石は自分の色々な事を自慢するだけあり、才能や素質は一般アイドルよりは多少でも高いと見て良いのだろうか。確かにダンスはあまり得意では無いように見えたが、それもこれも今日はまだプロデュース二日目なんだ。現時点での歌声やビジュアルを考慮して考えて考えてみると、恐らくこれからレッスンや実践を経験していけば、充分トップアイドルになるのは可能な話かもしれない。
「一昔前に流行った、歌路線の清純派アイドルか……それの再興というのも、インパクトとしては充分かもな」
幸子はまだ自慢げにこちらを見てくる。実際歌は悪くなかったし、今回のは珍しく普通に褒められることだ。
「プロデューサーさん?」
「なんだ?」
「別にもっとボクを褒めてくれても構わないんですよ?」
「構わないもなにも、素直に歌がうまいと褒めてって言えば良いだろう……」
「それじゃあ意味が無いんです! プロデューサーさんの意思で言ってもらわなければ!」
なんだそのこだわりは。それにそのことを言ってしまったら、その意味が結局無くなるんじゃないだろうか。まさか天然か? 今度は天然属性なのか? 天然採れたて幸子だと言うのか?
「やっぱりプロデューサーさんには、もっとカワイイボクのことを、ボク以上に知ってもらわなきゃいけませんねえ……それこそ、プロデューサーさん自身のこと以上に!」
「いや、ボクのことをボク以上にって、本当に何を言ってんだ……」
次々と出てくる謎単語に困惑しかできない俺。しかし幸子は、そんなことはお構い無しに話を続けていく。
「うーん、それじゃあそうですねえ。例えばボクは今、何を考えているでしょう? カワイイボクのプロデューサーさんなら、答えるのは余裕ですよねえ! ねえ?」
幸子が詰め寄ってくる。とにかく近い、幸子の顔がすぐそこにある。口を開けば問題発言製造機だが、実際本当に美少女の為、こうやって詰め寄られるとなんだかやりづらい。
「あー……なんだろうなあ?」
そう考えていると、不意に誰かの腹の音が鳴るのが聞こえた。
「あっ……」
そして数秒の間を置いた後、幸子が顔を赤らめる。
「……ッ!!」
「ん、幸子?」
部屋にいるのは俺と幸子だけだ。今のは俺の腹の音じゃない。
俺は視線を幸子の方から部屋にかけられた時計にへと移す。時刻は十三時と少しだ。
「あー……幸子、もしかしてお腹が空い――」
「あー!! プロデューサーさん!! 今のは聞かなかったことにしてください!!」
しかし幸子は次の瞬間、俺の言葉を遮るように叫び声をあげると、後ろに飛び上がるように下がった。
「べべべ別に、ぼぼボクはお腹がす、空いてなんて、空いてなんていませんから!!」
すごくわかりやすい反応だ。つまり幸子は、腹が減っていると言いたかったのだろうな。確かに考えてみれば、彼女は朝から三時間もそのキツいダンスレッスンをしていたんだ。そりゃ腹も減るだろう。
「さ、さあぷ、プロデューサーさん! !! 早く答えてください!!」
「……いやだから、お腹が空いてるんだ――」
その時、また腹の音が周りに響き渡った。ああ、今度は俺の腹の音だ。
「……飯、食うか。幸子」
「……そうですね、プロデューサーさん」
辺りに広がる謎の沈黙。そして再びの間の後、お互いに笑いが込み上げてくる。
結局、俺たちは仲が悪いわけじゃない。彼女とこうして笑いあってみると、それがよく分かる。
正直な所、こんなに早く担当アイドルと打ち解けられるとは思っていなかった。昨日までの俺の予想ではまだ、数週間から数ヶ月は互いに敬語で、多分仕事以外の話なんてろくにできないのだろうなと。でも、幸子はそんな俺の不安を吹き飛ばすかの様に、言い方を変えればそんなこと知るかとでも言いたいように積極的に接してきてくれる。もしかしたら案外、この二人は悪い組み合わせでもないのかもしれないな。
さて、というわけでそろそろ時間は昼時だ。タイミングも良いし、幸子とふたりで、しばらく飯休憩にでもしようか。
このお話では感想や指摘、応援メッセージなどまだまだ募集しております。
まだまだ未熟な点もありますが幸子に腹パンする暇があるなら皆さん応援してください。
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