アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜 作:ドラソードP
幸子の笑顔増えろ……増えろ……
第10話〈プロデュース3日目〉
カワイイボクとカワイイ衣装
ああ、結局昨日の夜も寝れなかった。
ここの所幸子の担当になってから、気持ちよく寝て、朝起きれた試しが無い。あの昨日の不思議な出来事、そのことを考えていたらなんだか目が覚めてしまい、結局数時間しか寝れなかったのだ。しかし、それでも時間は平等で、残酷な物である。こちらの都合なんて考えずに、それがどうしたと一方的に朝を押し付けてくるのだからな。
俺はもう慣れた動きで仕事部屋に入る。部屋に幸子の姿は無く、まだ来ていないようだ。荷物を置き、デスクに座るとまずはスケジュール帳を開く。
さて、今日の最初の予定は幸子の宣材写真の撮影だ。一応プロフィールに使う、ちょっとした写真だけは撮ってあるらしいのだが、今度の初見せライブのポスターに使う写真や、彼女のアイドルとしての宣伝用の写真などはまだ撮っていないようだ。どちらもこれからアイドル活動をしていく上で、非常に重要になっていくので、早めに撮っておかなければな。
と、スケジュール確認のついでにデスク周りの簡単な掃除をしていた所、ドアの開く音と共に、自称美少女の小さなシルエットが入ってきた。
「おはようございまーす!」
「ああ幸子、おはよう」
その姿は服装こそ少し違うが、他は相変わらずの不審者スタイルだ。あと、よく見ると鞄にはちゃんと例のキーホルダーがついており、俺はなんだか頭痛がしてくる。
「やはり、夢じゃなかったのか……?」
「どうしたんですか、プロデューサーさん? もしかしてカワイイボクに会えたのが嬉しすぎて、色々と夢と現実の区別がつかなくなりました?」
「いや、違うんだ。色々あってな……」
「そうですか……はいはい、ついにカワイイボクがプロデューサーさんの夢の中に……ってあれ? 違うんですか?」
幸子はなんだか調子を狂わされたように、こっちを見ている。
「ん……ああ、気にしなくて良いぞ? 幸子はいつも通りカワイイ、カワイイぞうんうん」
「なんか本心じゃないですねえ……まあ、カワイイって言ってくれただけでも嬉しいですけど!」
幸子のプラス思考と、立ち直りの速さは本当に世界一だと思う。ウサイン・ボルトも真っ青だ。恐らく、これが彼女が彼女らしく居られる秘訣なのかもしれない。
「さて、それじゃあ早速今日の予定だ。今日の最初の予定はまず写真撮影、そしてそれからはまたレッスンって感じかな」
「フフーン! ついにカワイイボクの、最高にカワイイ宣伝写真を撮る時が来ましたか!」
幸子は写真撮影と聞いて、待ってましたとばかりに満面のドヤ顔を披露する。いや、まだドヤる時間には早い気がするんだが……写真撮影の前からドヤ顔をしてどうする。本番でやれ。
「それでプロデューサーさん、写真撮影のテーマとかはあるんですか?」
「ああ、一応だけどな。今回のテーマはズバリ『シンデレラになったあなた』というテーマで撮っていくらしい。テーマ自体はシンプルなものだが、しかし実際、この写真が八月二十日のライブやその後のファン獲得に大きく影響してくるからな。期待してるぞ、幸子」
「シンデレラになったボク、ですか……そんなの、世界一カワイイシンデレラに決まっていますよ! どんなに薄汚れていてもカワイイボクなら、カワイ過ぎて物語が破綻しちゃいますけどね!」
「あのなぁ……まあいいよ、はいはい。本番もそのままの勢いで頼むな」
内心、テーマからして色々と心配でしかなかった。終始幸子のドヤ顔が続くとか、カメラマンさんに色々と申し訳なくなってくる。ドヤ顔過多で、カメラが割れるんじゃないか?
「というわけでプロデューサーさん、撮影は何時からですか?」
「一応、撮影はこのあと十時三十分からだ。今はまだ九時過ぎだけど、一応現場の様子見とか衣装合わせとかもあるし、早めに部屋を出るぞ」
「ついに、カワイイボクのカワイイ衣装が見られるんですねえ……感激です」
「いや、まだ幸子専用の衣装とかは決まってないから、プロダクションにある貸し出し衣装での間に合わせになるけどな」
「ちぇっ、まだボク専用の衣装は無いんですか……」
幸子は貸し出しの衣装と聞き、少し残念そうにしている。しかしそう残念がられても、まだ幸子には歌う曲とか、そもそもアイドルとしての方向性すら何も決まっていないのだから、専用衣装なんてまだまだ先の話になると思うのだが……
「まあ良いです、ボクは衣装なんかでカワイさが決まるような、安いアイドルなんかじゃありませんからね! 丁度それを証明する、いい機会じゃありませんか!」
「ほう、たまにはいい事言うじゃないか幸子」
「たまにはじゃありません! ボクが言った事は、本当なら聖典にまとめてもらってもいいくらいです!」
聖典幸子、つまりは日めくりカレンダーのことか。本人もそんなに期待しているなら、いつか本当に商品化させてやってもいい気がするんだがな。発売されたら家族や親戚に、俺の担当アイドルだって幸子顔負けのドヤ顔して回れるのに。
「まあとりあえず、そんなこんなだ。ひと休憩挟んだら時間もないし、さっさと下見に行くぞ」
「わかりました!」
さて、ともかくこうして俺達は部屋を出ると、写真撮影が行われるスタジオに下見に向かった。正直一つの会社に撮影スタジオがあるってのも、本当に大きい規模の会社だなと思う。
実際、自分は機会が全くなかったので入ったことは無いが、スタジオ以外にもここに所属しているアイドル用のエステや、大浴場などもあると聞く。まあ話によると、346プロは昔から映画業界等で有名な会社だったんだ。これくらいの施設や予算があっても、なんらおかしくはないか。
「しかし、スタジオに来るのも久しぶりだな……」
「あれ? プロデューサーさんは、ボクが初めてのプロデュースだったんじゃないんですか?」
「いや、そうなんだけどさ。よく、入社一年目の新米社員の頃は、アシスタントとか雑用で来ることが割とあったからね。それでもここ一年になってからは、来る機会も減ったが」
「プロデューサーさんの下積み時代ですか……ちょっと見れなくて、残念ですねえ」
なぜ、そんなに俺の下積み時代に幸子が興味を持つのか気になるものだが、今はそんな事を気にしている場合では無かった。
「とりあえず、下見はざっとで良いぞ。もう少ししたら、すぐに衣装部屋に行くからな」
「はーい!」
というわけで、俺達は今度は早々にスタジオを後にし、衣装部屋にへと向かった。そこには歴代の様々なアイドルが着てきた衣装や、今は使われていない衣装、他共有で使われている衣装など様々な衣装が並べられている。
幸子はそんな部屋を見るなりすぐに興奮し、部屋中を隈無く見渡していた。
「ボクも……いよいよカワイイお姫様に、本当になれるんですね!!」
「ああ、それにちょうど良かったな。今回幸子に着てもらうのはお願い!シンデレラの衣装だ。まさに、その名の通りのお姫様だぞ」
しかし、幸子には既に俺の声は届いていなかった。目を輝かせて、それこそ生まれて初めておもちゃ屋に来た子供みたいな、そんな無邪気な目をしながら様々な衣装を手に取り、回っている。
「この衣装はすこし露出が激しくて、ファンやプロデューサーさんには刺激が強すぎますねえ……」
「おい、あんまり衣装に触って壊したりするなよ。案外装飾品とかは外れやすいからな」
「ふむふむ、この衣装はボクの溢れるようなカワイさを最大限に生かせていませんねえ……ふーん」
幸子は独り言を言いながら、部屋の中を歩き回っている。そこにはもう、彼女だけの空間が広がっており、幸子ワールド全開とでも呼べる状況だ。
「あー、幸子? そろそろサイズの測定とかもあるからな? とりあえず衣装を見て回るのは、その後にしてくれ」
そう俺が言うと、幸子はようやく衣装からその手を離し、俺の元へ嫌々戻ってくる。
「まっ、今はまだ着れる衣装は少ないかもしれないが、その内有名になれば必然的に着れる衣装も色々増えるよ。それこそ、専用の衣装だって遠い話じゃない。だからその為にもまずは、目の前の仕事を先に片付けようぜ」
「……そうですね。確かに、プロデューサーさんの言うことにも一理あります。それに、お楽しみは最後まで取っておいた方がいいですもんね!」
「よろしい!」
さて、そうこう言っている間に部屋には衣装合わせをやる為に、スタッフが到着する。
「というわけでそろそろ時間だ。幸子の衣装姿、楽しみにしておくよ」
「フフーン! でも、くれぐれも測定中やお着替え中は、いくらカワイイからって絶対に覗かないでくださいよ? しばらく幸子はお預けです!」
「……多少引っかかるワードはあったが……勿論だ。俺は担当アイドルの裸を見て喜ぶ様な、変態プロデューサーじゃないからな」
というわけで、俺は早々に部屋を出てスタジオの中にある控え室にへと向かった。
どうやらその担当の話によると、どうやら測定にはしばらく時間がかかるとのことらしい。俺は外でコーヒーでも飲みながらリラックスして待っている事にした。
果たして幸子の写真撮影はどうなるのか、実に楽しみな物である。
推薦来ないかな……お気に入り100行かないかな……(遠い夢)
僕が幸子に惚れた原因の一つに幸子の満面の笑みがありました。
正直武内Pが笑顔ですって答えるの凄くわかります。
因みにアニメ2期から見始めた勢(因みに2期は4週ほど見てる)なので一期はあまり詳しくありません。
現在再放送で一期を見て感動を覚えています。
でもやっぱり幸子可愛い。
幸子P増えろ……増えろ……
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