アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜 作:ドラソードP
別に森久保のボイス実装で喜んでスクショ撮りまくっていたからとか、テラリアのアプデが来たからやり込んでいたからとか会社見学に行っていたとかそういうことは……ふ、ふふーん!
第14話
カワイイボクとゲリラ豪雨
後半のレッスンは予定通り始まり、今の所特に問題は無く、順調に行われて行った。幸子も、あのエクステを着けた少女こと飛鳥も、共に熱心にレッスンを受けている。
「はい! リズム良く! 1、2、3、4、1、2、3、4……良くなったぞ! はいその調子!」
幸子もそろそろ体が慣れてきたのか、先程の様なずっこけは無くなりなかなか快調そうだ。今までは表情も険しいものだったが、程よくほぐれた感じがある。
因みに、レッスンを受けている幸子をよく見ると、何やら動作の合間合間に、いちいちこちらを見てドヤ顔をしてくる。もしかして幸子は、ボクはこれだけ出来ているんだ、と俺に見せつけているつもりなのだろうか。そんな幸子の姿を見ていると、なんだか子供の学芸会を見に来た親の気分になってくる。
と、こうしてレッスンは順調に進んでいき、このままいけば何事もなく、無事に終わるだろうと思われていた。だが、そんなことを考えていた矢先、ついに事件は起きた。
俺は時間の割になんだか、外が暗くなってきたなと思い、窓の外を見る。すると、空があれよあれよで曇り暗くなっていたのだ。今朝の天気予報では雨の予定など全く無かったのだが、雲の感じからしてどうやら、この時期恒例のあの大雨が来そうな雰囲気だ。
「プロデューサーさん! 外の様子なんて見ていないで、カワイイボクを見ていてください!」
幸子の声に気が付き、俺は幸子の方を再び見る。どうやら新しい動きにレッスンは入っていったようで、いつのまにか動きはダンスらしいダンスになってきていた。
「さあプロデューサーさん! ボクのカワイイダンスに見とれてください!」
そう言って幸子がポーズをキメようとした瞬間、突然辺りに爆発音に近い何かが響き渡り、目の前が真っ白になった。
「ふぎゃああ!?」
幸子は驚きその場ですってんころり、尻もちを着くようにして転んでしまった。飛鳥やトレーナーさんも、突然の光と音に動きを中断して外を見る。
「裁きの雷……か。フッ、これはどうやら、ボクのあまりにも酷い踊りに、神を怒らせでもしてしまったのかな?」
雷が鳴ってから数十秒後、途端に外では大雨が振り始めた。そうだ、夏になると呼んでもいないのに突然来る、例のアレことゲリラ豪雨だ。しかし、ゲリラをするのはアイドルの仕事だろ、いい加減にしろ。
「た、助けてえ……プロデューサーさん……」
そのか弱い声を聞き、俺は窓の外からすぐさまに幸子の方へ視線を戻す。すると彼女は、頭を抱えた状態でその場にうずくまっていた。俺はそんな彼女の方にすぐさま駆け寄る。
「どうした幸子? 足でも捻ったか?」
「プロデューサーさん……プロデューサーさん!!」
幸子は泣きそうにながら、その場にうずくまって動けなくなっている。突然の雷に驚いた拍子に、何か大きなケガでもしてしまったのか、と一瞬最悪の事態を考えてしまったが、すぐにそれが違うことがわかった。
「ふぎゃあああ!?」
再び辺りに雷が鳴り響く。幸子は雷が落ちた瞬間、その場で震えあがり、今にも泣き出しそうになってしまう。ああ、なるほど。どうやら話の全貌が見えてきた。
つまり幸子は、雷が大の苦手だったのだ。
外ではこうしている間にも、益々雨と雷の勢いが激しくなってきた。まるで嵐か、大粒の雨粒が窓に叩きつけるように吹き付け、雷が戦闘機の爆撃音の様な激しい音を打ち鳴らす。幸子はそんな雷が落ちる音を聞く度に、小動物の様に震えて悲鳴をあげる。
そして次の瞬間、再び巨大な雷が落ちると共に突然建部屋の電気が消えた。部屋は途端に夜の様に暗くなり、周囲には幸子の悲鳴がこだまする。
「怖いよぉ……暗いよぉ……」
なんと、ゲリラ豪雨の雷によりついにブレーカーも落ちてしまった。流石のこの事態に、レッスンは一時中断となってしまう。
「ぷ、プロデューサーさん……か、雷は……雷だけはやめて下さい!!」
「いや、俺が雷を起こしているわけじゃないからな?」
すると幸子は、俺の足元に這いずって来て足にしがみついてきた。
「こ、怖い……怖い……」
幸子は怯えた子犬の様な目でこちらを見てくる。
しかし、雷が苦手なのはわかったが、いつものドヤ顔や自慢げな態度が消える程とは、一体幸子はどれほど雷が嫌いなのだろうか。しかし、そんな幸子を尻目に雨と雷は一向に止む気配を見せない。俺はとりあえず幸子を落ち着かせるために、彼女を椅子まで連れてくると横に座らせた。
幸子は、俺の腕に顔を埋めて状態で震えている。俺は幸子を抱き抱えると、部屋の隅のベンチへと連れて行き、ひとまずは座らせて落ち着かせることにした。
「プロデューサーさん……助けてぇ……」
「大丈夫、俺ならここに居る。雷なんてすぐに止むだろ」
幸子は未だ、俺の体に顔を埋めるような形で抱きついており、とにかくそのままの体勢で動く様子がない。正直怯える幸子は可哀想ではあったが、同時にその怯える姿が妙に愛嬌があって、可愛くも見えてしまう。なんだか彼女と一緒に居ると、母性みたいな何かに目覚めてしまいそうだな。幸子と出会ってからといい、彼女のあらゆる行為が俺の中の何かを揺さぶり、新たな属性に目覚めさせる。
さて、それからしばらくして、と言っても五分から十分程か。すぐに建物の電気は復旧し、更にそれから数十分もすれば雨と雷はすっかり止んでしまった。隣の幸子の悲鳴も気づけば収まり、事態が終息したことに俺は色々とほっとして、胸をなでおろす。
時計を見ると、時刻はもうレッスンが終わる五時を過ぎており、どうやらレッスンもこの流れで終わりのようだ。
「幸子? 大丈夫か?」
俺は隣の幸子に声をかける、しかし反応が無い。そこでよく耳を済ませてみた。すると、微かに幸子の寝息が聞こえてきた。先程まで怯えきっていた幸子の表情は、今は非常に安心しきった表情になっており、俺の腕に抱きつき心地よさそうに眠っている。
「……まあ、慣れない環境で疲れているのもあったからな」
俺は幸子を起こすため、声をかけようとした。だがすぐにトレーナーさんに呼び止められる。そしてトレーナーさんはこちらを見て笑うと、一言だけ言った。
「しばらくはそのままにしおいて上げてください。ここなら次のレッスン時間までしばらく時間があります。私共の方なら気にしないでもらって大丈夫ですから」
気がつけば、あれだけ真っ暗だった空は嘘のように晴れ渡っている。そして窓の向こうを見ると、空には綺麗な虹がかかっていた。
「プロデューサー……さん……ありがとう……ございました」
「ん? どうした?」
しかし、その後幸子から返事は帰ってくる事は無かった。
今のは果たして寝言だったのか、幸子の本心だったのか、それを知る術は俺には無い。だけど、その感謝の言葉はどちらにしても、嬉しいものだったのは確かだ。
森久保のボイス聞きました。
自分の想像していた声で涙が出ました。
次回はよしのんの声を聴ける鼓膜が僕に実装されます。
楽しみです。
実際森久保の声には感動していました。
この流れでこの小説でも森久保を表に出していけたらと思います。
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