アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜 作:ドラソードP
第18話
カワイイボクとトランプpart2
こうしてメンバーに新たに飛鳥が加わり、再びババ抜きが行われることになった。
正直飛鳥が果たしてどれ程の実力者かはわからないが、雰囲気からしてこの手の物はかなり得意そうだ。充分に警戒しなければ。
「さあ、始めようか」
「シャッフルは俺がするぞ」
俺はカードの束をシャッフルし各自に配っていく。何故か先程までとは違い、皆表情が本気だ。いや、それもそうか。俺のあんな醜態を見たあとで、そうそう力を抜く事はできないな。
「では、順番を決めるぞ。ジャンケンで勝ち抜け順だ、良いな?」
「構わないよ?」
「プロデューサーさんにまかせます!」
場に沈黙が訪れる。ババ抜きにおいて先行を取れるのはアドバンテージが大きい。できれば一番最初で勝ちたい所だ。
「行くぞ……」
俺は呼吸を整える。
「せーの……ジャンケンポン!!」
全員の手が目の前に出される。
俺はパー、幸子もパー、飛鳥もパー、つまりあいこだ。
「やるな……」
「ぐぬぬ……あいこですか……」
「やれやれ、もう一回か」
再びの沈黙、全員が呼吸を整える。
あの幸子ですら表情が先程までとは違い目がマジだ。
「行くぞ……ジャンケンポン!!」
俺はパー、幸子はグー、飛鳥はパーだ。
「よっしゃ! まずは一歩だ」
「べべっ別にわざと負けてあげたんですよ! か、カワイイボクが先行を取っちゃうと強過ぎるから……」
「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうとしようか」
次のジャンケンの手次第で恐らく順番が決まるであろう。俺は今まで以上に集中し相手の次の手を予測する。
しかし、次の瞬間不意に飛鳥が口を開いた。
「……ボクは次もパーを出すよ」
心理戦!? まさか、ババ抜きの順番決めのジャンケンで飛鳥は心理戦を仕掛けてくるというのか!?
「……まったく、やれやれだな」
……どうやら、俺はババ抜きを舐めていた様だ。少し相手の手が読める程度でババ抜きが得意などとは、ババ抜きの神への冒涜だな。わかった、俺も本気を出そう。このババ抜きの一戦に、飛鳥の本気に俺の全てのババ抜きパワーを持ってしてかかろう。それがババ抜きへの、飛鳥への礼儀というものだ。
「パーを出す、か。わかった、その賭けに乗らせてもらおう」
おかしいな、エアコンや扇風機が動いているはずなのに汗が垂れてくる。気のせいか手元も落ち着かない。見る人によっちゃたかがババ抜き程度に何本気になってるの? と言われかねないだろうが、俺にも俺なりのプライドがある。
「じゃあ、いくぞ」
「ああ、果たしてジャンケンに勝つのはプロデューサーか、それともボクか、楽しませて貰うよ」
「ジャンケン……」
果たして勝つのは俺か、飛鳥か、ババ抜きの神よ……俺に力を!!
「ポン!!」
飛鳥はグー、俺はチョキだ。
「かかったね、プロデューサー」
「一本とられたか……俺の負けだよ飛鳥」
ああ、俺の負けだ。潔く認めるしか無い。俺の単純な性格を読んだ、飛鳥の勝ちだ。
「カワイイボクをすっぽかして何言ってるんですかプロデューサーさん、まだ本番にすら入っていませんよ」
「あ、そうか。これババ抜きの試合だったな」
幸子に言われ、俺は我に返る。そうだ、これはそもそもババ抜きの戦いだ。ジャンケン大会ではない。
「と、なるとババ抜きの順番は飛鳥、俺、幸子の順番てやってく感じになるのかな?」
「ああ、そうだね」
「ぼ、ボクを最後に回したこと、後悔させてあげますよ!!」
こうして八月の上旬、ここ346プロの幸子と俺の仕事部屋にて、ババ抜き最強王者が決まろうとしていた。
敗者に待ち受けるは屈辱の罰ゲーム、勝者に贈られるはババ抜き最強の称号。
戦いは今、これよりここにて始まる……!!
話の区切りが良かったのでまだ次に続きます。
次回こそ正真正銘本当のトランプ決戦です。
ちなみにトランプ編が終わった辺りからライブに向けての話がメインになってくるのでちゃんと話がアイドルしてくると思います。
文章の改行や空白
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