アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜   作:ドラソードP

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ライブ落ちました。
ショックで思考回路止まって執筆できてませんでしたすいません。


第19話 カワイイボクと束の間の死闘

第19話

カワイイボクと束の間の死闘

 

 

「さあ、次はプロデューサーの番だよ」

 ババ抜きはなんというか、楽しいと言う言葉とはだいぶ離れた雰囲気で回っていく。楽しみながら皆でワイワイ、というより沈黙しきった状態で、黙々と進められていく感じだ。まるで各自、自らの一番大切なものでも賭けているのか、とでも言いたくような目つきをしている。

「じゃあ……いくぞ」

 飛鳥と俺は完全に真顔の状態で表情を悟られまいとカードを抜いていく。まるでこのババ抜きに人生を賭けて居るような真剣さだ。

 まあそれもそうか。飛鳥は俺の醜態をモロに見ているんだ。そりゃあ本気になるのもわかる。

「うわっ、ババかよ……勘弁してくれ」

 一方幸子だけは唯一相変わらずのドヤ顔で、一人だけ純粋にババ抜きを楽しんでいるように見えなくもない。ただ、俺たちの真剣な雰囲気を察してかあまり話したりこそはしないが。

「フフーン! ババを貰ってくれてありがとうございますね! プロデューサーさん!」

「罰ゲームは嫌だ……罰ゲームは嫌だ……」

「大丈夫かい? 顔が真っ青だよ?」

 飛鳥は案の定この手の賭け事には強いのか、どんどん手札を捨てていっていた。それになんだか、あの幸子に毎回毎回狙った様にババを送り付けている様にも見える。幸子本人はこの事に気が付いていないようだが、これは果たしてこれは飛鳥の運が良いのか、それとも幸子の運が極端に悪いのか、はたまた幸子の行動を分析してトランプを配置しているのか、飛鳥風に言うならばこれは神のみぞ知る、というやつなのだろうか。

「それじゃあ飛鳥さん! いきますよ!」

 幸子は俺にババを擦り付けられ、安心しきって上機嫌になっている。特に悩みもせずにさっさと抜いてしまう。

「フフーン! 残り二枚です!」

「流石、名前が示す通りの『幸』ある子だね……」

「その通りです! パパとママが付けてくれた大切な名前ですからね! ボクはカワイイくて頭がいいだけじゃなくて、愛にも恵まれている……まさに、ボクがボクな理由ですよ!」

 だが、幸子がそんな幸子理論を言っている間に飛鳥も残り一枚で、状況次第ではすぐにでも上がれる状況だ。

 現状だと俺は三枚、なおかつババあり、状況的にビリだ。このままババを飛鳥に送り付けられなかったら間違いなく再び罰ゲーム確定だろう。

「さあ、ボクのターンだ。引かせてもらうよ、プロデューサー。枚数的にこれが運命の引きになるね」

 俺は脳をフル回転させて飛鳥の引きの傾向やクセを思い出す。そして、見えないところでカードをシャッフルし傾向が一番多かった右側にババを配置する。

「さあ、いくよ」

 汗が頬をつたい垂れていく。恐らくここまで緊張したのは346プロの入社試験以来だ。

「悩むところだね……流石にこの状況では、ボクも慎重にならざるをえない」

「生憎、俺も罰ゲームはもう嫌なんでな。なーに、仮に罰ゲームになったとしても見てるのは俺達だけだ。一応俺も口は口は堅いぞ?」

「遠慮しておくよ。何故か、それはボクはこれで上がらせてもらうからだ」

 飛鳥と俺の間に闘志の火花が散る。

 己の恥を賭けた戦い、お互いに今は敵同士だ。

「さあ、選びたまえ」

「わかった、ボクは決めたよ」

 俺は必死に目で念を送った。ジョーカー……ジョーカー……ただそれだけを思い浮かべ飛鳥の目を強く見つめる。

 だが次の瞬間、飛鳥は驚きの行動に出た。

「目を……つぶった!?」

「決めたよ、次の一手は運命の女神に任せよう。考え過ぎの邪念でババを引くよりも、運に任せた方が単純明快だ」

 予定が狂う。こうなってしまったら最終的に確率の問題だ。単純計算で向こうがジョーカーを当てる確率は三分の一、約33.333……%、決して高くは無い数字だ。

 飛鳥は深呼吸をすると俺の手札へと手を伸ばす。俺もこうなったら、と目をつぶると飛鳥に対してただ純粋に意識を送り続ける。さあ伸ばせ……右側のカードに……地雷に手を伸ばせ……!! ただそれだけ、俺は念を送り続ける。

 だが、そんな中俺の本能は負けを確信していた。相手はあの飛鳥だ、いくら俺でも百パーセント勝てる自信は無い。

 俺は腹を括り再び罰ゲームを受ける覚悟をする。

 心臓が高鳴る。呼吸は荒れる。汗が噴き出す。そして次の瞬間、そっと手からカードが引き抜かれる感触を確認した。

 俺は一呼吸あけて飛鳥の方を見る。しかし目を開けて見た飛鳥の反応は予想していたそれとは違った。

「……やられたね、どうやら運命の女神はプロデューサーに着いていた様だ」

 カードを見て飛鳥はやれやれと溜息をする。俺はすぐさま手元を確認する、するとそこにあるはずだったジョーカーがそこには無い。

「やった……」

 そうだ、飛鳥が抜き取ったのはジョーカー、つまり飛鳥はババを抜き取ったのだ。

「やった……俺はやったぞッ!!  やった!!」

「プロデューサーさん、子供っぽいですよ……」

「シャアッ!! シャアオラァッ!!」

 俺は小学生の様なテンションではしゃぐ。そしてそれを幸子が冷めたい目で眺めている。

 たかがババ抜きでここまで熱くなるとは思っていなかったが俺は今、これまでに無いほどの達成感を感じている。

 手札が二枚、つまりは次に幸子の手札を抜いて手札を捨てられれば、飛鳥が最後の一枚を抜いて勝ちが確定する訳だ。

「ちぇっ、またプロデューサーさんの罰ゲームを見れると思っていたのに。少し残念です。さあもう早くやっちゃって下さいプロデューサーさん」

 幸子は俺の罰ゲームを見れないと確信し、かなーり嫌そうな顔をして残りの手札を差し出してくる。

 俺はそんな幸子に微笑みかけ、ゆっくりとカードを一枚抜き取った。

「チェックメイトだ幸子、飛鳥」

 俺は抜き取ったカードと手札の一枚を捨てる。

「さあ幸子、飛鳥のカードを引くんだ」

「ほ、ほほーん……」

 この後俺は一番抜けし、そして幸子が無事にババを抜いて最下位になったのは言わなくてもわかるだろう。幸子がババを抜いた瞬間の唖然とした表情を今でもちゃんと覚えている。

 俺はババ抜き最強の座を取り戻した。憎きポーカーフェイス……いや、ドーヤーフェイスを打ち倒し、俺は勝者の椅子に座っている。

 ともかく、こうして罰ゲームを賭けた死闘は幸子の敗北で膜を閉じた。気が付くと時間は割と結構な感じで経っており、昼の十一時を回っていた。楽しい時間が過ぎるのは早いというのは本当の話だ。

 なんというか、久しぶりに楽しかった。こうして誰かと遊ぶなんてことは本当に高校以来だったからな。最近は仕事、仕事の連続で忘れていたがたまには息抜きも必要なんだな、と幸子にまた勉強させて貰った。

 と、いい感じに話が終わりそうだが俺はそう簡単にまだ話を閉じるつもりは無い。

 俺は顔を逃げようとする幸子の方へ向ける。

「さあ、幸子」

「ふぇっ!?」

「罰ゲームの、時間だ」

 俺は、満面の笑みで幸子に言い放った。

 




お久しぶりです。
よしのんにボイス追加されて喜んでいたらこれですよ「」
BD……BDが発売されたら絶対に買いますよ!!

と、暫く間が開きましたがお気に入りが一気に伸びて驚きました。
正直最近はプレッシャーもすごく感じてくるようになってきて一層内容に悩んだりもしてますw
そんな時は幸子を眺めて、声を聞いて頑張ることにしています。

とりあえず長くなりましたが次回もまた空いてしまう可能性があります。
まあその時は……デレステで幸子を補給してくださいw

文章の改行や空白

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