アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜   作:ドラソードP

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デレマス公式さん幸子のスピンオフ作ってください何でもしますから!


第20話 カワイイボクと罰ゲーム

第20話

カワイイボクと罰ゲーム

 

 

「さあ、四つん這いになれ幸子」

「えっ」

「キミは一体いきなり何を言いだすんだ」

「諦めろ幸子。さあ早くやりたまえ。harry!! harry!! harry!!」

 俺は先程幸子にやられた事を未だに根に持っており、仕返しできるとなったや否や、一転攻勢を仕掛ける。

「ぷっ、プロデューサーさん? 今日は一日ワンちゃんでしたよね?」

「そうだ、だから俺は許そう」

 俺はそう言い、幸子に微笑みかける。

「だが飛鳥は許すかな!!」

 そう、今回は飛鳥が居るのだ。俺と違い、幸子と同じ立場で意見のできる心強い味方が。まさか、飛鳥が居ることがこんな形で役立つとは思いもしなかった。

「飛鳥は罰ゲームが嫌だから、俺たちと全力で戦ったんだよな?」

「ああ、そうだ」

「なら、負けて罰ゲームを受けないのはフェアじゃない」

「なっ……そ、そそそっそんなの卑怯ですよ!!」

「負けて罰ゲームを受けようとしない卑怯者はどこのどいつじゃい!!」

 俺は抵抗を続ける幸子に一転攻勢を仕掛ける。俺の言葉に反論できなくなった幸子は悔しい表情をしながら黙ることしかできなかった。

「ぐぬ……し、仕方ないですねえ……ボクは約束事はちゃんと守る子ですから、プロデューサーさんの言う事を聞いてあげますよ!」

 幸子は悔しげな表情をしながらその場で四つん這いになる。良いぞ、俺はその表情を待っていた。

「まったく、プロデューサーは悪魔か何かなのかい?」

「むしろ、悪い小悪魔を懲らしめる、閻魔大王とでも呼んで貰いたいものだな」

「さ、さあ四つん這いになりましたよ! も、もう満足ですよね! ね!! ね!! プロデューサーさん!!」

 幸子は本当に恥ずかしいのか声を大にして訴えてくる。だが俺もここで引き下がるような聖人みたいなプロデューサーじゃない。何しろ俺は閻魔様だ。つまり、ちょっと調子に乗ってる感じな幸子に喝を入れないとな。

「どうしよっかなあ? でもなあ……俺はちゃーんと幸子の罰ゲームを全力でやり遂げたんだけどなあー?」

「そ、それは……え、えーっと……」

 幸子は更に弱気になり、小さく縮こまっていく。俺はそんな幸子を見て調子に乗ってしまい、気が付くと先程の自分の醜態なぞ忘れて、幸子を徹底的にいじり倒す気になっていた。

「さあ、回るんだ! その場で! そして言うんだ! ワンと!」

 幸子はどんどん小さくなっていく。

 いつものグレートデーンの様に大きな態度なんてそこには無く、代わりにあるのは雨の中ダンボールの中で震える、子犬の様な姿になった幸子だけだった。

「……わかりました、わかりましたよ。プロデューサーさんがそんなにボクの子犬姿を見たいなら……やりますよ……」

 と、幸子は一言小声で漏らす。

 なんだかんだ飛鳥も期待しているのかずっと幸子の方を眺めている。

 そして幸子は遂に、その場でゆっくりと回り始めた。

「……ワン」

 幸子は昔何かのコマーシャルで見たチワワの様な、消え入りそうな姿でじっとこちらを見つめてくる。その目は俺を見つめ視線を外さない。まるで今にも泣き出しそうな表情で、今までのドヤ顔なんてそこには微塵も無かった。

 別に、悪い事をしたという訳でもないのに、なんだか果てしなく大きな罪悪感に襲われ、笑いたくても笑えない状態になってしまった。

「……これは……なんなんだ、この感覚は」

「それは、罪悪感だよ。今の彼女は神々が創り出した、人々の良心に対して直接揺さぶりかける、精神干渉兵器そのものなのさ」

 俺達はそんな飛鳥の言葉通り、なんとも言えない気持ちに襲われる。悔しがる幸子の姿がカワイイような、自分がやってしまった行為に罪悪感を覚えるような、謎の優越感に溺れるような、とにかく様々な感情が頭の中をグルグルと駆け巡る。

「……ほら!! ちゃんとやりましたよ!! カワイイボクが頑張ったんですから、プロデューサーさんも飛鳥さんももっと反応して下さい!!」

「あ、ああカワいかったぞ!」

「まるで子犬か、いや天使か」

「なんで真剣に罰ゲームをやったのに、こういう時に限って二人とも真面目な反応をするんですか!! もっと笑ったり茶化したりして下さいよ!!」

 幸子はその場で怒ってまた飛び跳ね幸子になる。しかしその反応だとまさに芸人みたいだと思うのだが……

「なんか本当に、俺の中の幸子が若手芸人みたいなイメージになってきているんだが……」

「ボクは何事に対しても全力なだけなんですー! たとえ笑いを取るためだとしても、ボクは一切の出し惜しみをしないだけなんですよ!! 何回でも言っていきますけど、ボクは完璧カワイイアイドルであって、完璧カワイイ芸人じゃないんですからね!!」

「いや、そのこだわる辺りとかがもう芸人っぽいんだよな」

 芸人という言葉に反応して、幸子は急に早口で話し始める。幸子は芸人という言葉を聞く度に過剰反応して反論するが、なにかトラウマでもあるのだろうか。まさか芸人に親を殺されたとかか? いやまさかな、一体俺は何を考えているのか。芸人に親を殺されたとか、小学生並の発想をする自分が悲しくなる。

「そうだな……これは笑う門には『幸子』来たる、と言った感じかな」

「幸子、飛鳥に座布団一枚あげて」

「だからボクをすっぽかしていきなり笑点を始めるのはやめてください!! ボクが持ってくるのは座布団じゃなくて、沢山のファンですよ!!」

 そう言いながらちゃんとつっこんでくれるあたりやっぱり幸子なのかな、と思う。何だかんだそういった小さい気配りができる、こういう所が幸子はカワイらしい。しかし持ってくるのは座布団じゃなくて沢山のファンとは、その返しのツッコミセンスの良さに、逆に座布団をあげたくなる。

「……フフッ、幸子。キミはやっぱり面白いよ……」

 と不意に飛鳥が笑い始める。何だか本当に楽しそうに笑い始めるもので、俺も飛鳥につられてなんだか笑い始めてしまう。何が楽しいのかはわからないがとにかく笑いがこみ上げてきたのだ。

「な、何がおかしいんですかプロデューサーさんも飛鳥さんも! 今度こそボクは真面目な事を言っているんですよ!」

「いやいや、すまない幸子。ボクはあまりこういった人の輪には参加したことが無かったからね。ただ、色々と斬新で面白かっただけなんだ」

「ん、なんだ? 飛鳥は友人同士とかでこういった事をしたことが無かったのか?」

「まあね。別に知り合いが居ないとか、そういった事は無かったのだけど、最近になってからはこの通りでね。ありふれた日常より未知のセカイを追い求める様になってからは、こういった友人とかとの戯れはしなくなったのかな」

 何となくだが、飛鳥が言う事がよくわかる。俺も丁度飛鳥くらいの時になると、いつもやっていた普通の事が嫌になってきた時期があった。なんと言うかもっと子供の知らない世界を知りたい、もっと違う世界を見たい、子供に見られたくない、そう思う様になったからだ。まあ今となっては本当にささやかな抵抗だったんだな、と思えるが、彼女は今まさにそれに悩み、葛藤している様に見える。

 ああ、青春って良いよな。もう社会人になると青春なんて出来ないし、もう一度学生に戻りたくなってくる。

「いつもの日常にも新たな世界や発見は存在する、そう教わるいい機会だった。ボクも久しぶりに童心に戻れて良かったよ、キミ達のお陰だ」

「別に俺達はただ遊んでいただけだ。まあ飛鳥に何か良い事となったのならば、俺達としても良かったよ」

「ちょっとプロデューサーさん! なに話をいい感じにして終わろうとしているんですか! そもそも今日は元々プロデューサさんがボクの言うことを何でも聞いてくれるって言うから、トランプをしていただけじゃないですか!」

「ああ……そういや今日の方針はそうだったな……で、次は幸子は何をしたいんだ?」

「ボクはもうお腹が空きました!! 早くお弁当を食べましょうよプロデューサーさん!」

 そういえば時刻はもう昼時だ。俺もトランプに集中していて気が付かなかったが、なんだか時計を見たら腹が急に減ってきた。

「良かったら、飛鳥もこの後何も無いなら一緒に昼飯を食べていくか? 別に俺なら構わんが。幸子も別に構わないよな?」

「ぷ、プロデューサーさんが言うなら仕方ありませんねえ。ボクは寛大ですから別に居て構いませんよ? ただし、飛鳥さんにはお弁当の中身は分けてあげませんけど!」

「その点なら気にしないでもらっていい。丁度、購買で買ってきた物があるからね」

 そう言うと飛鳥はフフッと笑いを浮かべる。

「それじゃあ二人のお言葉に甘えさせてもらうとして、ボクも一緒させてもらうよ」

 飛鳥の言葉に俺と幸子は頷く。なんだかんだ飛鳥の存在を幸子は悪く思っていないらしく、そんな二人を見て安心感を覚える。

「それから飛鳥さん!」

「なんだい?」

「もし、そのー……べ、別に来たいんだったら、いつでもここに来ても良いんですよ? ボクは別に構わないので!」

「そこはまた来てね、だろ幸子。本当に素直なのか素直じゃないのかわからんな幸子は……」

「う、うるさいですねえ! ボクは本当ならプロデューサーさんとふたりっきりの方が良いんですけど!!」

「やっぱり、キミ達はお似合いだな……フフッ……」

 かくしてトランプ大会は終わり、穏やかな食事の時間が始まった。しかし幸子は飛鳥が居るというのに平気でまた「あーんして下さい! プロデューサーさん!」なんてやるものだからまた勘違いされないか胃が痛くなる。

 ともかく、こうして新たに幸子だけでなく飛鳥との絆を深めることもできた。気が付くと最初二人から始まったプロデュースは五日間も経っており、その間にトレーナーさんやカメラマンさん、そして飛鳥等の人と知り合った。まあ、まだまだアイドル活動と呼べるものには遥かに遠いものだが、何だかんだ乗り切れているんだなと思う。

 来週の初見せライブ(仮)、この調子ならうまく乗り切れそうだなと俺は少し安心した。




最近、復刻ガチャに向け石を貯めてる毎日の筆者です。

実は自分は小説を最後に見たのは4年前、SSに限っては読んだことがないと言う凄い状況で文を書いています。
高校生になってからというもの文章を読む時間が無くて、その割に書いているので良く内容が滅茶苦茶になっているのです。
今度暇があったらまた小説とか読んでいきたいものですね。

文章の改行や空白

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