アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜   作:ドラソードP

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今日、ガチャを引いたらSSRが出ました。
はい、しきにゃんでした。
幸子は、幸子はまだなんですか!!


第22話 自称・カワイイボクと自称・カワイくないもりくぼ

第22話

自称・カワイイボクと自称・カワイくないもりくぼ

 

 

 部屋には沈黙が流れる。

 部屋には新しく、幸子の同期の一人である森久保乃々が加わったが、彼女が自分から話を振ってこないためになんだかお互いにやりずらい空気が漂っている。なんというか彼女は幸子とも、飛鳥ともまた違った雰囲気で、今までの二人とのやり取りみたいな物が通用しない。

 とりあえず俺はこのままじゃいけないと思い、逃避行の美少女こと乃々に声をかける。

「あー……まあ色々ドタバタしていたし、それにとりあえず今日も暑いし、喉が乾いただろう。うちのドリンクはセルフ式だ、冷蔵庫から好きに取っていくとよい」

「いえ、もりくぼは勝手に入り込んできただけなので大丈夫です……お心遣いだけありがとうございます」

「そんな遠慮しなくていいんですよ? 乃々さん。ここはカワイイボクとプロデューサーさんのお城の一室なんです。こんな感じで、好き勝手に飲み物なんかも飲んじゃって良いんですよ?」

 そう言いながら幸子は冷蔵庫の方へと向かい扉を開ける。すると冷蔵庫の中身を見た幸子は、驚愕の声をあげた。

「ちょっ……ちょっとプロデューサーさん! なんで冷蔵庫の中身缶コーヒーしか無いんですか!! 幾ら何でもラインナップ少なすぎですよ!! カワイイボク達をカフェイン中毒にでもする気ですか!!」

「酷い言い様だな……いや、でも幸子はいつも自分で水筒持ってきているからいいじゃないか」

「そもそもここはボクとプロデューサーさんの共同の仕事部屋なんです! 少しはボクの為や、乃々さんみたいな急な来客の為に、気を効かせてお茶かジュースくらいは置いていてください!」

 幸子の説教が突然始まる。

 なんだかんだ幸子は、自分の関わる事以外には常識人で、意外にも礼儀や他人を思いやる気持ち的な物は無くはないみたいだ。まあ、幸子は両親からも愛情を込めて育てられているらしいし、その両親の教育により良くも悪くも今の幸子ありといった感じなのだろうか。

「いや……もりくぼは本当に大丈夫です。空気の様にお気になさらず……」

「乃々さんも引き下がらないでください! プロデューサーさんを甘やかしちゃうと、すぐに調子に乗ってしまうので」

「すぐ調子に乗るのは幸子の方じゃ……?」

「なんか言いました? プロデューサーさん」

「言ってません」

「とにかく、乃々さんはもっと自分に自信を持ってですね……」

 幸子は説教の対象を、俺から乃々の方へと向ける。内容は自分に自信を持てだとか、アイドルなんだからしっかりして下さいだとか、ボクはカワイイですけど乃々さんもそこそこカワイイだとか……待て、途中からただの自慢になっていないか? まあそれでも俺以外の人のことを気にかけるなんて、幸子にしては珍しいな。

「まあその辺にしといてやれ幸子。幸子がカワイイのは俺もちゃんとわかっているから……」

「プロデューサーさんは少し黙っていてください! ボクは乃々さんの事を思って言ってあげているんです!」

 俺は幸子に言葉を遮られてしまう。

 なんだか今のテンションの幸子には頭が上がらない。カワイイという言葉に反応しない辺り、熱でもあるのかと一瞬疑ったが、そんなわけでも無さそうだ。

「ともかくですよ、なんで乃々さんは逃げていたんですか? というかそもそもあの太陽みたいに暑苦しい人は誰なんですか? プロデューサーさんじゃなくても色々とつっこみどころ満載です! 詳しく聞かせてもらえないことには、カワイくて優しいボクでも流石に何も動けませんよ!」

 なんか俺がいつもツッコミ役、みたいになっているのはつっこむべきだろうか。まあ実際否定はできないが。

「それは……えーっと……そのー……」

「ま、まあそうだな。俺も先程から気になっていたんだが、君が逃げていた人は一体誰なんだ? 別に嫌なら無理に、とまでは言わないが折角乗りかかった船だ。よければ相談にでも乗るよ?」

「あの……もりくぼで……良いです」

 そう言うと彼女は、恐る恐るとでも言った様子で真相を語り始めた。

「さっきの声が大きい人は、一応もりくぼのプロデューサーで……今日はアイドルの特訓で体力を鍛えるために十キロマラソンをするだとか、人見知りを克服して根性を鍛えるために、いきなりゲリラライブをするだとか、もりくぼには到底むーりぃなことを一方的に言われて……嫌になって逃げ出してきたわけんですけど……」

「やっぱり、あの人が乃々さんのプロデューサーなんですか……薄々話の流れからしてそんな気はしていましたが、本物を見たのは初めてです」

「ほう、マラソンにゲリラライブとは、なかなかに熱血なプロデューサーさんだな……そりゃあ君みたいな子には辛かろうな」

 いや、恐らくこの子じゃなくてもそれは辛い。ゲリラライブはまだしも、十キロマラソンなんて高校のマラソン大会で初めて走る距離だぞ? それを新人アイドルであり、恐らく幸子と同い年ぐらいであろうこの子に走らせるプロデューサーは鬼か、教官か、あるいは鬼軍曹か?

 まあとりあえずなるほど、さっきの声の印象とこの子の言う像が重なりあって乃々のプロデューサー、まあ以下森久保Pとしよう。その人の人間性が段々見えてきた。

 多分話を聞いた限り悪い人ではないだろうとは思うがまあ……明らかに会社側の人選ミスだな。この子には背負う運命が少し重そうだ。逃げだしたくなるのもわかる。

「それで赫々然々色々な過程があって、ここに逃げて来たら空き部屋じゃなくなっており幸子と俺が居た、と」

「まったくもってその通りです……まあ居た人が知っている人だっただけに随分とマシでしたけど……」

 乃々はすぐにでも消えてしまいそうな声で、こちらの質問に答えていく。俺は辛かったろうな、と心の底から同情する。

「別にいいことじゃないですか! 乃々さんのプロデューサーさんが厳しいのは乃々さんをちゃんと思ってくれているからですよ! ボクのプロデューサーさんなんてレッスンとかはトレーナーさんに任せて仕事なんてゼロですからねぇ……?」

 幸子はチラッチラッとこちらを見てくる。俺は少しむっときたため、先程から俺が仕事をしていないみたいに言う幸子をギャフンと言わせるべく、少しいじわるをする。

「そっかー、じゃあ上に言って乃々ちゃんのプロデューサーと変わってもらおうか? 幸子もその方が良さそうだもんなあ、乃々ちゃんもその方が良いだろう?」

「そ、そんな! べべっ別にぼぼボクはそんな事を思って言ったわけじゃ……ただ……ボクはただ、そろそろプロデューサーさんと一緒にアイドルのお仕事をしたいかなーって思って……いたたけですよ……それに……」

 最後の方は小声になってしまっていて良く聞き取れなかったが、なんだかんだ焦る幸子がカワイかったので許すことにした。

 単純かもしれないが、別に幸子が本当に俺の事を嫌いじゃないのはわかっている。俺はそんな少しだけ恥ずかしがる幸子の頭を軽く撫でる。

「悪い、今のは俺のいじわるだ。俺は約束したからな、ちゃんと幸子はトップアイドルにしてやるから安心してくれ」

「だからやめてくださいよ……プロデューサーさん! くすぐったいですってば……」

 俺は前から幸子に湧く感情が何なのか気になっていたが、なんだかもう少しでわかって来そうだ。だが、まだ言葉ではそれが何なのかまでは表せないが。

「ま、まあなんです? 話は脱線しましたけど、乃々さんも辛いからって何でも辛いことから逃げたりなんかしちゃいけませんよ! いつかは乃々さんにもボクや飛鳥さんと並ぶ、ライバルになってもらうつもりなんですから!」

 幸子は乃々や飛鳥を巻き込んで、一方的にライバル発言をし話を進めていく。とはいえ、幸子もなかなかいいことも言っていたが、しかし乃々も引き下がらない。

「別に、もりくぼはアイドルになりたくてなったわけじゃ……」

「あー!! わかりました!! 乃々さんがそんなに意地を張るならボクにも考えがあります!!」

 そう言うと幸子は俺の仕事机の椅子を取りソファの前に置く。そして幸子はソファに座ると乃々に椅子に来るように指示した。

「こうなったらカワイイボクに良い案があります!」

 果たして幸子は何を始めるというのか、幸子の笑みは大体マズイ兆候だ。

 俺は幸子が変なことをしないかただ祈る事しかできなかった。




ここ最近は幸子要素があまり書ける話がなくて自分的にも正直幸欠で息ができなくて苦しい毎日です。

あとみなさんには色々と謝りたいです。
「幸子主人公の小説なのに幸子だんだん薄くなっているじゃないか!」
「飛鳥(森久保)のキャラが違うじゃないか!」
幸子が少し少ないのはここで森久保や飛鳥を出しておくことが後の展開にかなり重要になってくるので必要なのです。
そして飛鳥や森久保についてはキャラ崩壊をさせないように今は慎重になっているために現状キャラを出し切れていません。
このあたりは改善していきたいので読者の皆さんには時間がかかってしまうかも知れませんが、よろしくお願いします。

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