アイドルマスターシンデレラガールズ 〜自称天使の存在証明〜   作:ドラソードP

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第44話 カワイイボクとroute泊まり

第44話〈プロデュース12日目〉

カワイイボクとroute泊まり

 

 

 その日は朝から特に何も無かった。

 いつも通り俺は書類整理をして、幸子はレッスンに向かう。そして昼飯を食べ、午後が来て、定時になり、また今日もいつも通り一日のプロデュースは終わる筈だった。

 

 

 

 

 超大型台風が接近している事だけを、除いてはな。

 

 

 

 

「ダメみたいですね」

 

「これは……たまげたな」

 

 外では打ち付けるような激しい雨と、猛烈な突風が吹いている。俺達はこの歴史的暴風雨により、帰ろうにも帰れない状態になり、立ち往生していた。

 

 そもそも事の発端は、今日上陸する予定になっていた超大型台風である。

 数十年ぶりに観測史上最大クラスの台風が見事東京に上陸することになり、その影響であらゆる交通機関が止まってしまい、帰る手段が無くなってしまったのだ。

 おまけに、その台風のピークが夕方から夜中にかけて、ということでもう俺達としては万策尽きてしまった次第なのである。

 

「これ、今日中には帰られなさそうか……?」

 

「話だと、他の部署とかはもう泊まりの準備をしているとか言ってましたねえ」

 

「ということはこのままだと、うちらもプロダクションに泊まりルート確定かな」

 

「346プロで……お泊まり会……!!」

 

 幸子は一人で目を輝かせている。まあ俺としても別に家に帰った所で何も無いし、ライブも近づいている今ならむしろ都合が良いと思っていた。

 

「とりあえず、そっちは親御さんとかにはちゃんと連絡しておけよ? 別に俺の方は一人暮らしだから何も問題ないけど」

 

「勿論分かってますよ! じゃあ、ちょっと待っててください!」

 

 そう言うと幸子は携帯を取り出し連絡をする。

 

「……あーもしもし、ママ? 今日やっぱり台風の影響で電車が止まっちゃって……」

 

 それから数分も話すと幸子はすぐに通話を切ってしまった。恐らく返事と幸子の表情からして、多分幸子も多分泊まって良いということになったのだろうか。

 

「ボクも泊まって良いって話になりました!」

 

「わかったが、なんで泊まり決定でテンションが高くなるんだ……?」

 

 幸子はまるで、友達の家でお泊まり会をやる時の子供みたいなテンションだ。家に帰れなくて心配だとか、台風が怖いとかといった雰囲気は全くない。

 

「フフーン! だって普段できない貴重な体験じゃないですか! それにプロデューサーさんともいつもより長く話せるわけですし」

 

「いや、俺はこの時間を有意義に使って、普通にライブ関連のことについて何かやろうと……」

 

「もしかしてプロデューサーさん、せっかくのお泊まりだというのに、今日の夜も仕事をやろうとしていませんか? やらせませんよ! 絶対に!」

 

「仕事をやれって言ったりやるなって言ったりお前なんなんだ……」

 

 どうやら幸子のこの調子だと作業をやらせてもらえなさそうだ。今夜は間違いなく長い夜になるな、俺はそう即座に思った。

 

「それじゃあ仮に、何かをやるとして何をやるっていうんだ?」

 

「それは勿論、お泊まりといったら知り合いを集めてのガールズトーク、つまり女子会ですよ!」

 

「いや、俺男だから既にガールズトークではないというツッコミをしたいのだが」

 

「こ、細かいことは良いんですよ!」

 

「それに、仮にそのガールズトークとやらをするとして、メンバー俺と飛鳥と乃々位しか居ないじゃないか」

 

「それはー……えーっと……」

 

 確かに、いざ皆で集まろうとしても四人しか居ない。というかそもそも集まって何をしようというのだろうか。まさか本当にガールズトークだけで時間を潰す気か?

 

「べ、別に人数なんてそんなに居なくて良いんですよ! お泊まり会なんてそんなものですから!」

 

「まあ、幸子がそこまで言うなら別に止める理由も無いが……」

 

「わかりました! それじゃあ皆さんを呼んできますね!」

 

「待て、今からか?」

 

「こうしている間にも時間は過ぎているんです! 貴重な時間を無駄にしないためにも、とりあえず急げですよ!」

 

 そう言うと幸子は有無を言わさぬ勢いで部屋を飛び出して行ってしまった。

 

「やれやれだ……」

 

 さて、更にそれから数十分程、俺がソファで幸子が帰ってくるのを待っていると、急に扉が開いた。

 

「ただいまです! プロデューサーさん!」

 

「邪魔をするよ」

 

「あの〜……えーっと……お邪魔します……」

 

「やっほー! プロデューサー!」

 

「……待て、なんか一人多くないか?」

 

 幸子の後に続く様に部屋に飛鳥、乃々、そして何故か当然の様に美嘉が立っていた。

 

「あれ? もしかしてダメだった感じ? なんか廊下で幸子ちゃん見かけて声をかけたら、部屋でお泊まり会とガールズトークをやるって言うから着いてきたんだけど」

 

「別に構わんが……美嘉に限らず、皆各自のプロデューサーに許可は貰ってきたのか?」

 

「ボクかい? ああ、ボクなら勿論ノン、プロブレムだ」

 

「もりくぼも……一応」

 

「アタシの方はもち大丈夫〜」

 

「ほら、プロデューサーさん! 早く初めますよ!」

 

 そう幸子が言うと後ろに続くメンバーが入ってくる。

 

「しかしこの部屋もそこそこ広いと思っていたが、数人増えただけで狭く感じるな」

 

「だから言ったじゃないですか、これ位の人数でちょうど良いって」

 

 考えてみればこの部屋には俺を含めて今五人も居る。今まで最大でも三人までしか入ったことが無かったせいか、少し狭く感じた。

 

「とりあえずまあ……立ち話もアレだろうし、簡易的だが小さいテーブルのようなものを二つ用意しておくぞ。ソファに座るなり、テーブルの周りに集まるなり、皆自由にしてくれ」

 

「流石ボクのプロデューサーさん、有能です!」

 

「それじゃあ、プロデューサーのお言葉に甘えさせて貰うとして……」

 

 俺と幸子はソファ、美嘉と飛鳥はテーブルの前、そして乃々は流れる様な動作でデスクの下に向かった。

 

「乃々はやっぱりそこが定位置なのか……」

 

「別に、皆さんと居るのが嫌という訳ではないんですけど……ここがなんだか落ち着くというか……」

 

「ま、まあ別に構わないよ。皆楽な体勢で、十分にリラックスしてくれ」

 

 というわけで幸子の女子会……まあ幸子会とでも言っておくか。幸子会のメンバーがこうして部屋に揃った。

と、言っても俺の顔見知りしか居ない訳だが……

 

「さて、皆さん揃いましたしどんどん始めていくとしましょう!」

 

「ああ、始めようか」

 

「ガールズトークなんて……初めてですけど……」

 

「大丈夫大丈夫、えーっと……森久保乃々ちゃんだっけ? そんな堅苦しい物じゃないからさ」

 

 普段個々に会っていたアイドル達が、こうして一つの部屋に集まるとなんだか色々と面白い。なんだかんだ俺もこの後このメンバーがどうなっていくか、少し気になっていたりする。

 

 果たして幸子主催の女子会で何が起きるのか、というかそもそも無事に終わることができるのか。荒れ狂う台風の中、ここ346プロにて。本日一日限りのアイドル女子会、開催である。




作者は男子会しかやったことがありません。
集まってゲームやって、おしまい! そんな感じのざっくりした学生時代でした。
女子会って一体何をしているんだろう……

という訳で唐突な台風お泊まり話です。
なんだか幸子会というと、どうもリアクション芸人の大先輩を思い出すネーミング……あれかな? 幸子が押さないで! 絶対に! みたいな感じに熱湯風呂にドボン……

次回、女子会続きですが、外伝のフランちゃんや記念回の続きも同時進行のため少し遅くなりそうです

文章の改行や空白

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