ハリーポッター マホウトコロの陰陽師   作:猫舌猫目

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飛行訓練

 そして、授業が始まり2週間後の金曜日。

 午後は授業がない為、生徒達は食堂でのんびりと話していたり、授業の課題を終わらせたり、読書、食事したりとしていた。

 安倍灯葉はロン・ウィーズリー、ハリー・ポッター、ハーマイオニー・グレンジャーと共に食堂で過ごしていた。

 

 そんな時、フクロウが食堂へと入って来る。フクロウは食堂にいる生徒達に郵便物が渡していく。

 その郵便物の中に日刊預言者新聞が混ざっていた。その新聞は2週間の期間、ずっと授業していたせいで、退屈していた生徒達に刺激的なニュースを与える。

 そのニュースはグリンゴッツ銀行に強盗が入ったことが報道されていた。

 

 それを見たハリーは周りにいる灯葉達に話す。

 

「おかしい。713番金庫はハグリットと共に取り出してて、もう何も無いはず」

「そうなんですね」

「何入っていたんだ?」

「さぁ」

 

 安倍は口元を手で隠し、ハリー達に見えないようにニヤリと笑う。

 

「面白い」

 

 この話題は夜まで続かなかった。

 原因は各寮の談話室に貼られていた飛行訓練の時間帯の事で全員の頭はそっちに変わってしまったからだ。

 魔法界ではクィディッチというスポーツが大人気だ。もちろん、ホグワーツ魔法学校でもクィディッチは大人気だ。

 それ故に上級生達、特に各寮代表チームメンバーは下級生に期待している。上手な下級生が入れば、他の寮達に差を広げられると。また、下級生もいずれ自分も代表チームに入り、活躍すると決意していた。

 グリフィンドールはなぜかスリザリンと合同訓練だった。

 

 

 

 時はたち、来週の木曜日。

 今日はグリフィンドール、スリザリン合同の初の飛行訓練。そのせいか、朝から食堂はグリフィンドール、またはスリザリンの場所は一段と騒がしくなっている。すでに飛行している生徒達は周りの生徒達に飛行した時の経験を自慢げに話している。特に青白い顔の少年が自慢気に話している。

 

「あれは去年の事だったかな。僕が箒に乗って空高く飛び上がるとそこに偶然マグルのヘリコプターが迫ってきたんだ。マグルってのはあんなでかい鉄の箱を用意しないと空を飛べない不自由な生き物らしいね。僕はそのヘリコプターを咄嗟に避けた! まさにぶつかる寸前、ギリギリってやつさ。ぶつかるかと思ったかだって? ははっ、まさか。動きが止まって見えたね」

 

 その声は食堂にいる人達にも聞こえる程の大きさで喋っている。他の生徒達は振り返って、声の主を睨もうとするが、青白い顔が喋っているのを見て、嫌な顔をして、食事を再開する。

 それを見ている灯葉は今だに青白い顔の少年を睨んでいるロンに話しかける。

 

「ロン、あの少年が気になりますか?」

「少年ではなくドラコ・マルフォイ。あいつ、クィディッチがうまいっていつも自慢してるけど、口先だけ。それよりも、トウハはどうなの?日本はクィディッチ上手いらしいけど」

「さぁどうでしょう。それよりもネビル。荷物です」

「あ・・あ、ありがとう」

 

 灯葉はネビルに荷物を渡す。ネビルは荷物から何やら白い煙が入っている玉を取り出す。ネビルがその玉を観察してると、中の白い煙が徐々に赤く染まっていく。

 ネビルはその現象に不思議がっていると隣のディーン・トーマスがネビルに言う。

 

「それ、思い出し玉だ。何かを忘れてると赤く染まる」

「けど、何を忘れているかが分からないんだよ」

 

 ネビルは肩をすくめて、玉をローブの中へとしまった。

 食事が終わり、ハリーと灯葉達は飛行訓練へと行く。

 

 飛行訓練は20~30本の箒が地面に整然と並べられており、マダム・フーチの指示で、みんなは箒の横に立つ。

 

「そして、こういうのです。上がれ」

 

 生徒達は一斉に言う。

 

「あがれ!」

 

 右手を箒の上に出して、上がれと唱える。

 しかし、1回目で成功したのはハリー、ドラコ、灯葉の3人だけだ。他の生徒達は箒が上がらず苦戦していた。特に酷かったのはロンだ。箒の柄が顔にぶつかり、鼻を赤くしていた。隣にいたハリー、ハリーの隣にいた灯葉は可笑しかったのか笑ってしまう。

 ロンは誤魔化すかのように当たった部分を掻き、笑うなよとハリー、灯葉にいう。

 

 全員が箒を手にできたところでフーチは言う。

 

 「皆箒を持ったわね。そしたら、またがりなさい。笛で合図したら全員で地面を蹴り浮き上がりなさい。しばらく浮いて、前かがみになって降りて来なさい。良いですね」

 

 生徒達は箒にまたがり、フーチが笛を吹く。まず浮き上がったのはネビルだ。

 しかし、ネビルは制御出来ていないのか、箒に振り回されている。城壁にぶつかり、最終的には銅像が持っている剣にローブが刺さってしまう。

 生徒達とフーチは急いでネビルの元へと向かう。しかし、重力には逆らえず、ネビルは落ちていく。

 

 フーチはネビルに杖を向けて、魔法を放とうとする。しかし、魔法よりも早い何かがフーチの傍を通る。それは人の姿をした紙だ。紙はネビルの落下地点にきた時、煙に包まれた。落下するネビルはその煙に包まれて、姿が見えなくなる。

 

 煙が徐々に晴れていき、ネビルの姿が見えてくる。

 ネビルは地面に落下していなく、おかっぱ頭の質素な服を着た子供がネビルをお姫様だっこしてキャッチしていた。

 ネビルは地面に落下すると思ったのか体は震えて目を瞑っている。

 子供は今だに目を瞑っているネビルに声をかける。

 

「大丈夫?お兄ちゃん?」

「水玄 助かりました」

「アベの魔法ですか!?ネビル。体はどうですか。ああ、手首が折れてる。大丈夫よ、しっかりしなさい。医務室に行きましょう。他のみなさんは地面に足を付けて待っていなさい! もし飛ぼうものなら、クィディッチのクを言う前にホグワーツから出て行ってもらいます」

 

 フーチは子供からネビルを引き取り、医務室へと向かう。グリフィンドールの生徒達は心配そうにしているが、スリザリンはネビルの箒の飛びかたを見て笑っている。

特に笑っていたのがマルフォイだ。

 マルフォイは笑いを堪える為、下を向いていたが何かを見つけたのか、見つけたものを拾う。拾った物をグリフィンドールに見せつけて、喋る。

 

「おい、見ろよ。この玉を見れば、あんな無様な落ち方で、子供にお姫様だっこされる姿を思い出すだろうに」

 

その喋り方に腹立ったのか、ハリーはマルフォイに詰め寄る。

 

「返せよ。マルフォイ」

 

マルフォイは箒にまたがり、空中に浮かぶ。浮かんだまま、ハリーを見下ろして言う。

 

「嫌だね。あいつに探させる」

 

マルフォイは高度を高くして、ハリーを挑発する。

ハリーは挑発に乗ってしまい、箒にまたがる。ハーマイオニーはハリーを止める。

 

「待って!!飛んだら退学よ!ハリー!トウハも何か言って」

「いいんじゃないですか。男子は元気が一番です。そうですよね。水玄」

「うん。それにしても。青白い顔のお兄ちゃん。すごい!」

「はっは。そうだろう。中々わかるじゃないか」

「そういう問題じゃないわよ!」

 

 

 水玄と呼ばれた子供は空を飛んでいるマルフォイに向かって、目を輝かせて、手を振っていた。

 マルフォイは褒められて気分が良さそうだ。灯葉はその水玄の後ろから肩に手を置いて、ハリーの様子を見ていた。

 ハーマイオニーはそんな水玄と灯葉を怒鳴る。

 ハーマイオニーが灯葉達に怒鳴る合間にマルフォイは空高く上がっていく。ハリーはマルフォイを追いかける為に箒で飛んでいく。

 

「もう知らない!」

「あのお兄ちゃんもすごい!乗せてもらえないかな?」

「そうですね。載せてもらうように頼んでみましょうか」

「やった!」

「だから!そういうのは後でしょ!退学させられるわよ!」

「まぁ今は2人の様子を見ましょう」

 

 マルフォイは思い出し玉を思い切り投げる。思い出し玉は放物線を描いて、城の壁に当たろうとする。しかし、ハリーは体を屈めて、マルフォイの横を風のように横切り、飛び出していく。思い出し玉が城の壁に当たろうとする瞬間、ハリーは城の壁に当たらないように速度を急に緩めつつ、箒の穂先が壁に当たるか当たらないかの所で思い出し玉を片手でキャッチする。

 水玄はそれまでの様子を見ていたのか、灯葉にハリーの様子を話す。

 

「すごい!あのお兄ちゃん。片手でキャッチだよ!」

「初めてなのにすごいですね。やっぱりただの人では無さそうですね・・・・」

 

 ハリーは思い出し玉を持っている手を高く上げて、グリフィンドールの生徒の元へ戻っていく。グリフィンドールの生徒はハリーを歓喜の声を上げながら迎える。

 しかし、それを偶然目撃していたマクゴナガル先生が現れてハリーを連れて行ってしまう。

 

 スリザリンの生徒達はハリーの処遇について、何やら盛り上がっている。

 

「これでポッターは退学になるぞ!!!」

 

 それを聞いた水玄は心配そうに安倍を見上げる。

 

「灯葉お姉ちゃん・・・」

「大丈夫でしょ。見事な箒技術でしたし。それに何だか嬉しそうでしたね」

 

 後日、ホグワーツで初めての最年少シーカーが誕生したニュースがホグワーツ中に届いた。

 

 

 

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