それから何日かして、僕は体を動かせるようになった。
で、僕は一番最初に出会った騎士さんに、高い山は無いかと聞いたんだ。
騎士さんに連れて行ってもらって、ここは山頂。
断崖絶壁のがけっぷちに僕は立ってる。
僕は一度決めた事を途中で辞めたりはしない。
だから死ぬと決めた時から、僕の人生は終わっている。
さよなら優しい騎士さん、看護師さん。
次に僕が見たのは、絶望を顔いっぱいに歪めた騎士さんが、崖の上から僕を見下ろしていた所だった。
やっと死ねる。あのおかしな天使が僕を生き返らせたりするから、二度も死ななきゃならなくなった。
まぁ…次の人生に期待するね。
中に浮く感覚だ。
僕はうまく死ねたかな?
不思議と体は痛く無い。死ぬってこんな感じなんだ。
あぁ…眠くなってきた。
オヤスミ…
「…!…イ!アイ!アイ・ノット!」
どこかで聞いた声だ。ついさっきまで聞いていた声。
うっすらと目を開けてみる。
あ…あの騎士さんだ。まさか後を追ってきたとか?
「騎士さんも死んじゃったの?」
「いや…アイが、崖下から飛んできたんだ…まるで天使のように羽ばたいて…」
「いや…そんなはずは無いよ…人間が飛べるわけ…『できますよー。この私の力を使えばね♪』この声は天使さん?」
「天使だって!?君は天使の声が聞こえるのか?!」
「は、はい…」
「そうか。君はその一族だったのか。」
「?」
「ドミニオン家。代々、天使の声が聞こえだと言われている貴族さ。
だが、数百年前に科学革命があってから、消息を絶っているな。」
「科学革命?」
「神を崇拝するのではなく、自分たちが科学を使って神になろうというふざけた手段が、暴動を起こしたのよ♪」
看護師さんだ。
その後、興味本位で色々教えてもらった後、ふと思った事を口に出してしまった。
「結局、僕は死ねなかったんだ…」
「なんだって?」
「死にたかったのに、死ねなかった。」
その言葉を言い終わるや否や、部屋に鋭い音と、僕の右頰に痛みが走った。
「バカな事を言うんじゃ無い!」
怒鳴られた。騎士さんは目にいっぱい涙をためていた。
「え?」
僕は困惑しちゃったんだ。
「騎士さんはね「辞めろ」…科学革命で両親と自分の右腕、左足を亡くしたの「辞めろォ!」」
騎士さんが看護師さんの近くの壁を左手で殴ったんだ。
「あなたは優しいのね。右で殴れば私を黙らせることができたのに♪」
「くそっ!」
騎士さんが悪態をつきながら部屋を出て行った。
そういえば僕はまだこの二人の名前を知らない。
「おねーさん達はなんていう名前なの?」
「私?私はね、メディック・コースターよ♪」
「騎士さんは?」
「グルーヴ・セイバー」
…騎士さんの名前を口に出す瞬間、看護師さん…メディックさんはとても辛そいうな顔をしていた…
次回、グルーヴさんの過去編