素晴らしい世界かもしれないが不死人には物足りない   作:みーと

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投稿が遅いのは噂だけで出ないブラボ2とか20周年なのに制作されないAC新作のせい。

つまりフロムが悪い。



第12話

 

 

 

 

「俺は悲しい。今まで共に依頼をこなし、あまつさえ魔王軍の幹部を相手取った間柄だというのに」

 

酒場のテーブルにつき、寂しそうな雰囲気を出しながらアルトリウスがこぼした。

 

無茶いうな。それを聞いたカズマ一行の内心が一致した。常時全身鎧で身体を隠し、声だって鎧越しにくぐもっていた。それなのに鎧を脱いだ姿で判別できるか。

 

 

 

しかし見れば見るほど、アルトリウスは不思議な雰囲気がある。鎧で隠されていた彼は若い。20代半ばだろうか。少なくとも30代には見えない。なのになぜだろう、老成している。そう感じた。まるで枯れ果てた老人のような気さえする。

 

無論その感覚は正しい。形こそ若けれど、もはや数えることすら億劫になるほど時を過ごした。不死になって幾星霜、何度も死んでは蘇ってきた。人として必要なものを多分に垂れ流し、人に不必要な暗い意志を宿して、明けない夜を彷徨っていた。ありとあらゆるモノを喰らった。家畜を喰らった、獣を喰らった、魔を喰らった、神を喰らった、そして人を喰らった。

 

アルトリウスは確かに個である。彼は彼だけの思考を行うことができ、彼だけの感情を発露させる精神がある。しかして、彼は群。1にして億を超える魂の集合。無限の魂の器である。彼という存在は単一の意識に支配されど、無数の魂によって構成されている。

 

彼は若く見える。老いて見える。男に見える。けれど何処か女性めいている。美しい。いや醜悪だ。人に見える。違うあれは獣だ。聖人に思える。なんと邪悪か。神々しい。禍々しい。

 

彼は万華鏡、覗いた者によって如何様にも見える。

彼は万華鏡、覗いた時によって幾らでも変わって見える。

 

数多の魂が溶け落ちた混沌の坩堝である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宴も盛り上がり、カズマ一行も思い思いに酒を飲み、料理を食らう。だが日本人であり、最近はひもじい思いをすることが多いカズマ少年はこの宴会費が気になるらしい。

 

「なぁ、アルトリウスさん。折角の討伐褒賞をこんなことに使っていいのか?いや、勿論奢ってもらう側だから有り難いんだけどさ」

 

カズマの疑問もアルトリウスにとっては些細なもの。金の使い道に困る彼には問題ない。

 

「なに、金など貯まるばかりでな。こんなことでもしなければ減らんのだ」

 

「こんな事に使うくらいだったら全額私に寄付してください。私の爆裂魔法をよりスペシャルにするために杖とかマジックアイテムを揃えます」

 

だったらまずはその口一杯に詰め込み、テーブル一杯に並べた食糧を返却してもらおうか。

 

本当に爆裂魔法に対する執着は凄まじいものだな。そんなに爆裂魔法を強化したいなら竜印でも与えてやろうか。まぁ、それには己の扱う『魔術』を習得してもらう必要があるが。ちなみにこの世界の者達がソウルを操れるのかは不明だ。

 

「このアクア様に対してお酒とか奉納しても良いのよ。貴方に素晴らしい加護を授けましょう!」

 

ほう、この世界の神は酒を捧げよと申すのか。それは随分と平和な捧げ物じゃないか。かつて己の主は愚かな神敵の耳を欲していた。穢れた指と、愚かな守人を滅ぼしては耳を千切って集めたものだ。なぜ守人の耳は狩る前は普通なのに終わると2つ重なっているのか、永遠に謎。そして自分が逆に闇霊に狩られると二枚舌になるのかも謎。俺の舌は1枚だぞ。

 

今、この世界では誓約を交わしていない。授けてもらえる加護の如何によっては誓約者となるのも吝かではない。

 

「アクア嬢、加護とは一体どんなものだ?」

 

水の女神らしい彼女は浄化の力にも優れる。祝福系の武器のようにアンデッド系に対する特攻だろうか。それともシンプルに水を操れるのだろうか。氷は操れど、水は扱ったことがない。

 

「この麗しの女神様に仕えること自体が名誉なことだけど、加護を授けるって言ったし....ちょっと考えておくわ」

 

考えてなかったのか。

 

「それならばアルトリウス殿、エリス教会への寄付などどうだろう。教会が豊かになり、設備や食糧を充実させれば不幸な者達を救う事が出きる。きっとエリス様も貴方の行いを認め、ご加護を授けてくれるはずだ」

 

身を乗り出したダクネス嬢が言う。

 

そのエリス様は君の隣で酒を飲んでるが?と思うのは心の中だけ。お忍びの休暇を邪魔する気はない。エリスの名前が出て、若干キョドってるクリス嬢を眺めながら考える。

 

確かに祭祀場(仮)ではソウル関連は特に何も出来ないかぼたん(仮)な彼女だが、呪いの浄化をしてもらった恩を返し、これから暗い穴を塞ぐ手伝いをしてもらう礼もしなければならない。彼女が望むのであれば、使徒として働くことに異論はない。

 

貴女はどう考えているとクリス嬢に視線で伝えれば、なんとも言えない表情だ。

 

(正直、貴方に信者として働いてもらうと録な事にならなそうで)

 

失礼な。神様ぱわーで直接こちらに語りかけてきた彼女に憤慨する。こちとら神敵屠って幾万年、超ベテランの罪人殺すマンだぞ。復讐なら任せろ。

 

(それが怖いんですよ!なんですか神敵殺すマンって!?というか復讐?!)

 

ロスリックではなんか違ったが本来己らは復讐者である。青い瞳は罪人の在りかを示し、そこへと至る道を造るのだ。

 

(はぁ.....もういいです、理解しようとするだけ無駄って分かってますから)

 

で、どうだろう?今なら適当に加護くれるだけで誓約を交わそう。運のステを上げてくれるだけでもいい。アイテムマラソンが多少は楽になりそうだ。

 

使徒になった暁には俺は貴女の剣となり敵を屠り、貴女の盾となり災厄を絶とう。

少し話に聞いただけだが、魔族生かすなというのが教えなのだろう?...俺なら魔族を絶滅させられるぞ?一匹残らず根絶やしに出来るぞ?ついでに神に仇なす不敬者も断罪してやれるぞ?そして其奴らの耳を捧げよう。

 

(耳なんて捧げられても困ります!!魔族に関しても流石に貴方に滅ぼされるのは可哀想です...)

 

馬鹿な、敵対者にまで情けをかけるとは....貴公、正気か。敵は敵、ただ一片の容赦もなく擦り潰すものだろう?かといってトゲの奴のように痛ぶるのは違うと思うが。

奴のような例を考えれば必殺を狙い、なるべく痛みもなく敵を滅ぼす俺はかなり優しいのでは...。

 

(それはないです)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とエリスとアルトリウスは会話しているが当然端から見れば二人とも無言である。時折、視線が交錯するがその程度。高度に会話が成立してるなど誰も思わない。

 

「わ、私...話しかけたのに完全に無視されてる...ぁぁ!こういうのも中々....いぃ...」

 

恍惚の表情で悶える聖騎士がいたとかいないとか。

 

 

 

 




ACの新作か、ブラボの続編出たら起こして。
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