素晴らしい世界かもしれないが不死人には物足りない   作:みーと

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ちなみにこの作品設定はダクソ3準拠ですのであしからず。



第7話

 

 

 

とりあえずエリスに呪いを解いてもらったアルトリウスは篝火を用いて、拠点としている宿屋の一室に戻っていた。

流石に篝火である。幾つかの場所が自動で登録されるようになっており、アクセルの街の門外…謂わゆる初期リスと宿屋の2つが登録されていた。初期リスではキャベツとの死闘を終えた冒険者達が残っている可能性があるので、宿屋に帰って来た。

 

まずアルトリウスは鎧を脱ぎ、姿見を覗いた。

見事に肉体は生前の健康的な姿に戻っている。久しく見ていなかった己の姿に言い表せない懐かしさを覚え、清々しい気分になる。亡者の身体は見ているだけで不快感があったのだ。流石に人外過ぎる見た目は自分の身体であろうと忌避感がある。

人としての姿の良さを改めて認識し、同時に呪いを溜めないように出来るだけ死ぬ事は避けようとアルトリウスは固く誓うのだった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

アルトリウスに気づいためぐみんが席を立ち、近寄ってくる。

 

「アルトリウス、何処に行っていたんですか?キャベツ狩りの途中から姿が見えませんでしたが」

 

人に死んでいたのを見られていないか、その確認も含めてアルトリウスはギルドを訪れていた。もしも己が死ぬ姿を見た者がいたならば、最悪一生眠ってもらう必要もあるのだ。アルトリウスは注意深く周りを観察し、不審な視線を向ける者はいないかと探す。緊急クエストの報酬で殆どの冒険者達が打ち上げのような事をしに、集まっているのは幸いだったか。

アルトリウスは端的に言って元の世界、すなわちロスリックには帰りたくなかった。文字どおり世紀末、滅びゆく絶望の世界に好んで存在したいなどと思う者は相当な破綻者だろう。少なくともアルトリウスはあんな世界はごめんだと思っていた。かつての己ならば仕方ないと割り切り、世界の終わりまで放浪を続けただろうが、この世界を知ってしまったからには帰れない。何処でも住めば都などと言うが、やはり都に住めるならばそちらの方が良い。今まで何度も絶望に屈しそうになった己が最期に辿り着いた理想郷とでも思えば、軽くお伽話が作れそうである。

 

返事もせずに辺りをキョロキョロと見回すアルトリウスを不審に思ったのか、めぐみんが訝しむようにもう一度声をかけた。

 

「アルトリウス、どうしました?」

 

何度も無視をするのも悪いかとめぐみんに視線を戻す。ざっと確認しただけだが、目撃者はいなそうだ。余計な気を遣わなくて済みそうだと安堵した。アルトリウスはこの世界に来て、平穏を守る為ならば神すら屠るのを厭わない。だからと言って必要以上に痛みを与える事も、殺す事も好まない。己はイカれた『ダークレイス』共とは違うのだ。トゲの騎士カークのようなサイコパスではない。

 

「なんでもないさ、めぐみん嬢。ところで収穫はどうだった?」

 

そう問いかけると、

 

「ま、まぁまぁでしたよ」

 

なにやら歯切れが悪い。

だがそこは察せる男、アルトリウス。どうせ爆裂魔法をぶっ放してキャベツを粉微塵にしたのだろうと当たりをつけた。しかし、貧乏だった幼女が躊躇いなくメニュー片手に、ウェイターを呼んでいたからにはそこそこ稼いだのだろう。

 

4人掛けのテーブルに座り、談笑するカズマ少年達を横目に見る。互いが互いの健闘を讃えているらしい。ちらりと聞こえてきた花鳥風月とは何か非常に気になる。味方の士気を上げ、なおかつ野菜を保存するらしい。一体どんな魔法だろうか。今度見せてもらおう。

 

「俺は全く稼いでいないからな、めぐみん嬢を馬鹿に出来るわけもない」

 

当然、死んだアルトリウスは報酬などない。幾らかは捕らえたが死んだからには逃走しただろう。むしろ、これから落としたソウルを拾いに行かなければならない。どうやら一般人には見えないらしいので急ぐ必要もないかと思うが、アクアならば見える可能性がある。さっさと回収したい。エリスの様に思慮に富んでいるならともかく、あのポンコツ女神様には知られると面倒だ。

 

「意外です。キャベツ相手にも無双していたのかと思ってました」

 

むしろキャベツが無双だった。

こちらの攻撃を巧みに躱し、盾の隙間を潜り抜け、直接ボディに一撃を決める。決して低くはない強靭度だが、ああも連続で受けてはどうしようもない。繰り返すが不死人は敵に囲まれたら基本死ぬのだ。あとは初見のボスとか初見殺しの罠とか。

 

「おーい、めぐみん!飯が冷めるぞ……ってアルトリウスさん」

 

離席していためぐみんにカズマが声をかける。どうやらアルトリウスにも気づいたらしい。やはりまだ若干引き気味なカズマに対して、申し訳ない気持ちになる。

 

「おぉ、アルトリウス殿ではないか!私のクルセイダーとしての実力はみてくれたか?貴方のパーティーの盾役として是非とも使ってほしい!」

 

盾として使って欲しければ“岩のような”ハベルくらいに硬くなってから来い、と言いたいアルトリウスは抑える。そもそもハベルと言ったところで通じるわけもない。闇や状態異常への耐性があるのならば狼騎士の大盾と持ち替えてやってもいいかなどとは思った。それはパーティーの盾役ではなく、己の盾なのだが、あまり気にしない。

 

「ふむ、ダクネス嬢、勘違いしていないか?俺とカズマ少年達は同じパーティーではないぞ」

 

「え、そうなのか?一緒にいるし、めぐみんもカズマ達と混ざっていたから、てっきり同じパーティーなのかと……」

 

「私とアルトリウス、カズマとアクアという組み合わせです」

 

そう、これは2つのパーティーが合同でクエストをこなしているだけに過ぎない。

 

「ならば、一緒にしてしまえば良いじゃないか。皆、仲も良いのだし、前衛のアルトリウス殿と私、後衛のアクアとめぐみん、そして少しくらい援護してくれれば良いカズマ。バランスの良いパーティーでもある」

 

「おい、俺の扱い雑過ぎやしないか」

 

最弱職と言われるカズマ少年が物申す。

しかし、仕方もないだろう。スキルをなんでも覚えられるのが強みな冒険者は割と魅力的だと個人的には思うが、一般人からすればハズレも良いところである。ロードランやドラングレイグ、ロスリックにもそういう特化型ではなく万能型が存在していたが、やはり器用貧乏と忌避される事は多かった。だが、己は知っている。器用貧乏ではない万能型を。すべてのステータスが99の化け物達を。あれこそまさになんでもこなすキチガイ共である。つまりカズマ少年だけに限らず、冒険者はあの高みへと至れれば文字どおりの最強である。人間には無理なのだろうが。ソウルさえあればガンガンレベルの上がる不死人と一緒にしてはいけなかったか。

 

「私はアルトリウスが入るなら参加しますよ。私とアルトリウスは一蓮托生、もはや滅びの時までその道を違う事はないのですから」

 

何、告白?死ぬまで一緒に居ようね、的なプロポーズなの?

 

「俺としてはアルトリウスさんみたいに普通に強い人が参加してくれるのは嬉しい………ちょっとスプラッターなのは勘弁してほしいけど」

 

「私もまだ恩を返せてないし、その意味も含めて参加してくれると嬉しいわね。なによりカズマと2人じゃ、ろくにモンスターも狩れないもの」

 

まさかの痛烈なラブコールの連発である。アルトリウス、いや名前を亡くした不死人史上最高レベルのモテ期である。人生に3度はあるなどと聞くが、よもや人として死んでから体験する事になるとは思わなんだ。

 

「皆もこう言ってるんだ!是非とも参加して欲しい!」

 

アルトリウスは思案する。

このパーティーに参加するメリットとデメリットを。

メリットと言えば、精々見た目の麗しい女性陣が目の保養になるのと、数を狩るクエストの効率化、なにより死ぬ確率が減る。デメリットは圧倒的な心労。肉体は死なないが、心が死ぬ。黄金の国、ウーラシールを深淵の闇から救った後に遭遇した灰色の大狼シフとの戦いくらい心が死ぬ。

 

だが、仕方ないか。

先にも言ったが変態とは絡み付かれた時点で詰みなのだ。もう自分に逃げ道はないだろう。

 

「分かった、参加しようじゃないか。改めてよろしく頼む、カズマ少年、アクア嬢」

 

改めて挨拶として右手を差し出す。

 

「よろしく、アルトリウスさん」

 

「よろしくね!」

 

順にカズマとアクア、両名と握手をする。

 

「うむ、実に良い。よし、では新たなパーティーの結成を祝して今夜は呑み明かそうじゃないか!」

 

ダクネス嬢が音頭を取り、酒を注文する。勿論、お子様なめぐみんはジュースである。

 

「ところでダクネス嬢、なぜ君はパーティーメンバーかのように振舞っているんだ?君は参加してないだろう」

 

「え゛!?」

 

だってカズマとアルトリウスのパーティーを1つにしただけだもの。

 

 

 

 





DLCはまだ来ないのか!フロムェ…ッ!秋まで遠い(待てない。

ところで僕はACとかも好きなんだが、新作可能性あるよみたいなインタビュー記事を見てテンション上げてるのは秘密。ACfaのホワイトグリント推し、アナトリアの傭兵はカッコ良い。アンサングとかステイシスのスタイリッシュなデザインも嫌いじゃないよ。でもACVDとかのゴテゴテしたメカ感も捨てがたい。
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