やはり俺がチート部隊の隊長をするのは間違っている 作:サラリーマン
会議が終わってから風呂に入りUNOやトランプで一通り遊んでから俺たちは布団に入った。女子はボーダー組と総武高組で別れているらしいが男子はボーダー組も総武高組もまとめて一部屋だ。そして俺の隣には戸塚が………寝れるわけねえだろうが!寝顔やばいし、時々寝言で俺の名前呼んでくるんだぞ!まぁそんなわけで夜の散歩にしゃれ込んでいます。適当にふらっと歩きたどり着いた開けたところにあった丸太に座って満天の星空を見上げる。千葉では見ることのできない星空に俺が感動しているとパキッという枝の折れたような音が響いた。…熊?トリガーって持ってきてたっけ?そもそもトリガーって熊に有効なのか?ああ、ユイを残して死にたくないなぁ
楓子 「ハチさん?」
どうやら枝を折ったのは熊ではなく楓子さんだったようだ
八幡 「こんばんは、楓子さん」
楓子 「ええ、こんばんはハチさん。眠れなくてここに?」
八幡 「そうです。楓子さんもですか?」
楓子 「はい。隣、座っても?」
八幡 「もちろん」
俺は少し横に移動し楓子さんが座れるスペースを作り、そこに楓子さんが座る。しばらく二人で星空を眺めていたが楓子さんが口を開いた。
楓子 「ユイちゃん、ういういにくっついて寝ていましたよ。写真ありますけど見ます?」
八幡 「見たいです」
楓子さんがスマホで撮った写真を見せてくれた。謡とユイがくっついて寝ている。まるで
八幡 「まるで姉妹みたいですね」
楓子 「みたいじゃなくて姉妹ですよ。ユイちゃんの家族が見つかるまでですけどねパパさん?」
八幡 「やめてください。楓子さんに言われるとすごい恥ずかしいです。」
楓子 「ハチさんは明日大丈夫ですか?ユイちゃんと別れることになりますけど」
八幡 「ユイにとってそれが一番良い事だと分かってますから覚悟はしてます」
覚悟というのは少し大げさかもしれないが俺にとってはそんな感じなのだ。
楓子 「そうですか…そろそろ戻りましょうか明日もいろいろありますしね」
八幡 「そうですね」
俺と楓子さんはまずは女子のロッジを目指す。もうすぐにロッジというところで
楓子 「明日の朝走るのなら一緒に走りませんか?」
八幡 「了解です。時間はどうします?」
楓子 「汗の始末とかの時間も考えて30分前にやめるとして…5時半でどうでしょう」
八幡 「わかりました。場所は…俺がそっち行きましょうか?」
楓子 「お願いします。じゃあまた明日の5時半に。おやすみなさい」
八幡 「おやすみなさい楓子さん」
それから自分のロッジに戻り布団に入った。散歩をしたおかげか割とすぐに眠ることができた
***
まだ少し薄暗い5時半少し前。ジャージに着替えた俺は女子のロッジの前まで来ていた。別に女子の寝顔とか見に来たわけじゃないよ。まあもしそんなことしようものなら楓子さんに殺されるけどな。ランニングの約束をしていた楓子さんをストレッチをしながら待つ。ちょうど5時半になると楓子さんが出てきた。
八幡 「おはようございます。楓子さん」
楓子 「おはようございます、ハチさん。それではいきましょうか」
それから二人で走り始めた。しばらく走っていると前に人影が見えた。
楓子 「ハチさんあの人って」
八幡 「たぶん戸塚ですね。おーい戸塚ー!」
俺が前を走っていた戸塚に声をかける。
戸塚 「あ、おはよ八幡!おはようございます倉崎先輩!」
楓子 「おはようございます戸塚さん」
八幡 「おはよう戸塚。戸塚もランニングか?」
戸塚 「うん。僕もあれから朝はランニングするようにしてるんだ。八幡は倉崎先輩と二人で走ってるの?」
八幡 「ああそうだぞ」
戸塚 「もしよかったら僕も一緒に走っていい?」
八幡 「もちろんいいぞ。いいですよね楓子さん」
楓子 「ええ。それではいきましょう」
それから三人でまた走り始めた。それからおよそ30分。
楓子 「そろそろ終わりにしましょうか」
八幡 「戸塚大丈夫か?」
戸塚 「ハァハァ…うん大丈夫ハァ」
途中から参加した戸塚の息はすごいきれていた。
戸塚 「二人ともすごいね。全然息がきれなくて」
しばらく歩いて乱れていた呼吸を整えた戸塚。
八幡 「もう長いこと走っているからな」
楓子 「私はここで失礼します」
いつの間にか女子のロッジの前に着いていた。
楓子 「二人とも汗の始末はしっかりしてくださいね。お疲れ様」
戸塚 「お疲れさまでした!」
八幡 「お疲れさまでした。戸塚行こうぜ」
楓子さんに見送られ俺たちは女子のロッジを後にした。
***
朝食を食べ終え、キャンプファイヤーの準備も終わりとうとうユイを警察署に連れて行く時間になった。
鶴見 「四埜宮さんは助手席に、比企谷君とユイちゃんは後部座席に。比企谷君、チャイルドシートはないからユイちゃんを頼んだわよ」
八幡 「もちろんです。いざとなったらトリガー使ってでもユイにけがはさせません」
鶴見 「頼もしいわね。それじゃあ行きましょうか」
俺たちは一番近い警察署に向かった
***
いきなりだが結論を言おう!ユイをうちで預かることになりました!拍手!流れ図で説明すると
警察署に着く
→事情を説明し捜索願の確認をする
→捜索願で出ていない
→ひとまず施設に預けることに
→ユイが泣く
→対応してくれた刑事さんが提案
→ユイを預かることに!
こんな感じだ。刑事さんに電話番号を教え、もし俺に直接つながらなかった時のために俺が最も長時間いるであろうボーダーとその次に長い時間居るであろう総武高の番号も教え、俺たちは警察署を後にした。
今はその車の中。ユイと謡は寝ているようでこの車で起きているのは運転手である鶴見先生と俺だけだ。
鶴見 「よかったわね。比企谷君。ユイちゃんと離れ離れにならなくて」
八幡 「よかったんですかね?やっぱり施設に預けた方がユイにとって良かったんじゃ
鶴見 「そんなことないと思うわ。本当の親が見つからなかった今無理やり引き離して不安にさせるよりも安心できる比企谷君たちの近くにいる方が私はいいと思うけどな」
八幡 「そうですかね?」
鶴見 「そうよ。さあこの話はもう終わり!次はそうだな…比企谷君はどうすれば留美ちゃんを助けられると思う?」
八幡 「やっぱり自分の娘は心配ですか?」
鶴見 「そうそう!あの子自分のことはなんにも…え!気づいてたの!?」
いやー半信半疑だったからカマかけといてよかった。
八幡 「ことあるごとに心配そうな目で見てたのに気づいてたんで。名字も同じですし」
鶴見 「そう…さっきも言ったけどあの子なんにも自分のことは話してくれなくてね。それでこの林間学校のこと聞いたらすごい嫌そうな顔をしたから平塚先生に無理言って一緒に連れてきてもらったの。それで…」
八幡 「この状況を知った、と」
鶴見 「比企谷君なんとかできないかな?」
八幡 「…一つ案はあります。けど俺の案はあくまできっかけを作るだけ。あとは努力次第です。それでもいいなら聞きますか?」
鶴見 「うん。聞かせて」
八幡 「それは―――
***
昨日ユイを寝かせていた部屋で鶴見親子を待つ。さっき鶴見先生に話した案を鶴見に伝えるために。
鶴見 「比企谷君連れてきたわ」
八幡 「ありがとうございます」
留美 「八幡何の用?お母さんにこんなとこまで連れてこさせて」
先生はもう俺に親子だとばれてることを伝えていたみたいだ
八幡 「鶴見
留美 「留美。お母さんと同じだから留美でいいよ八幡」
八幡 「んじゃあルミルミ
留美 「八幡キモイ」
八幡 「…留美、みじめなのは嫌か?」
留美 「…うん」
八幡 「俺には現状を変えられるかもしれない案がある。この案は鶴見先生にも話してあってお前が望むならそれでいいと言ってる。聞きたいか?」
留美 「もったいぶらずに教えて八幡」
八幡 「留美、ボーダーに入らないか?」
そう俺が考えたのは留美をボーダーに入れることだ。海老名さんが言っていた別のコミュニティを作るという案を参考にさせてもらった
留美 「私がボーダー…」
鶴見 「比企谷君が言ったように私は留美が入りたいというなら私は止めないよ。」
留美 「八幡変えられるかもしれないってどういうこと?」
八幡 「俺にできるのはきっかけを作るだけ。ボーダーに入って新しい人間関係を築けるかは留美の努力次第ってことだ」
留美 「…お母さん、私ボーダーに入りたい!」
鶴見 「わかったわ。比企谷君次の試験っていつ?」
八幡 「ちょうど今月に入隊試験があります。申込期限がもうすぐだと思うんで林間学校(これ)が終わったらすぐに申し込みをお願いします」
『プルル プルル』
八幡 「少し失礼します」
鶴見親子に確認を取り電話に出る。電話をかけてきたのは那須だ
八幡 「どうした那須」
那須 『比企谷君!葉山君と雪ノ下さんが昨日言ってたことやろうとしてるの!すぐに戻ってきて!』
八幡 「楓子さんたちは?!」
那須 『楓子さんは謡ちゃんとユイちゃんとどこかに行ってるの!』
楓子さんがいたら何とかしてくれると思ったが…
八幡 「わかったすぐに行く!俺が行くまで葉山たちを止めといてくれ!」
那須 『うん!』
鶴見 「比企谷君どうしたの?」
電話が切れると同時に鶴見先生が聞いてきた
八幡 「葉山と雪ノ下が昨日の案を実行しようとしてます。」
鶴見 「何で!倉崎さんはそこにいないの!?」
八幡 「いないみたいです。急いで向かいましょう」
現場に向かいに向かいながら留美に説明する。説明が進むにつれて留美の顔は真っ青になっていた。最後に俺はこう締めくくった。
八幡 「自分を変える一歩目だ。勇気をもって踏み出せよ」
***
留美 「もう私にかかわらないでください私のために何かしようとしないでください。迷惑です」
留美を連れて那須たちの下へ行き留美が葉山と雪ノ下に言い放った
八幡 「ということだ。本人が嫌がってるのにそれをするのはいじめと同じだぞ」
葉山 「留美ちゃんは本当に解決しなくていいと思ってるのかい?」
八幡 「それでいいって言ってんだろうが。ちゃんと耳ついてんのか?」
雪ノ下 「そんなんじゃ強くなれないわ!」
八幡 「そもそも強くなろうとしてないし、どんな強さを求めてんのかわからないやつに自分の一方的な考えを押し付けんなよ。あんまおいたがすぎるようなら陽乃さんに言いつけんぞ」
雪ノ下 「なっ!?姉さんは関係ないでしょ!」
八幡 「陽乃さんに頼まれてんだよ。お前が何かしでかしそうになったら報告しろって」
まあ嘘だけどな。けどほんとに何かしでかすようなら報告したほうがいいかもな。雪ノ下家の名を傷つけるわけにもいかないし雪斗さん(雪ノ下父)も陽子さんも(雪ノ下母)いい人だし…
閑話休題。悔しそうな表情のままその場を去る雪ノ下と雪ノ下についていく由比ヶ浜。念のために葉山と雪ノ下には見張りをつけておきたいが…三浦と海老名さんがうなずいてくれ、三浦は葉山に、海老名さんは雪ノ下たちの方に向かってくれた。
那須 「ねえ比企谷君。比企谷君のことだからもう解決してるんじゃないの?」
八幡 「そうだった。こいつボーダーに入るから」
「「「えええーーー!」」」
その場にいた人たちの声が森中に響き渡った
***
夜に開催されたキャンプファイヤーも肝試しも特に大過なく過ぎ去りいろいろあったこのバイトもあとは帰るのみとなった。
平塚 「全員お疲れさん。終わったからと言って家に帰るまで気を抜かないように。ボーダー組の迎えはもうすぐ着くと連絡があったので少し待っていてくれ。総武組は車に乗り込んでくれ!」
総武高からのボランティア組がそれぞれ車に乗り込み出発した。それと入れ替わるように行きと同じ諏訪さんと沢村さんが到着し、俺たちも車に乗り込んだ。ユイは俺の膝の上に座りそのことで俺は散々いじられ、2泊3日のバイトが終了した
次はララポに連れて行こうと思ってるんですが大型商業施設に行った記憶がほぼないボッチのサラリーマンでした