Charlotte(ルルーシュver)題名考え中   作:@まきにき

9 / 9
評価が赤くなっていて驚きました....びっくりです。まさにガスだね、と昔のCM思い出すくらい驚きました。
沢山の評価や感想をありがとうございました。


今回の話しは原作には登場しない能力者のお話です。まぁ筆者は小説知識皆無なので小説でもしいたら許してください。


新たな能力者

友利の過去を知った翌日。

 

友利は普段と変わらず教室に入り無言で席に座って窓の外の何処か遠い場所を見ている。

 

教室の窓が開けられて風が友利の髪をなびかせる。

 

あんなに小さな少女が過去どれだけ多くの重荷や苦しみを背負ってきたのか話を聞いただけで分かったとは言えなかった。

 

言ってはいけないと思った。それほど重く辛い過去を経験しており、そしてそれは俺と歩未にも関係している事柄だった。

 

俺はずっと歩未の笑顔を見れればそれでいい。

 

だけどもし歩未に危害を加えるものがいるとするなら.....俺は------------------。

 

「乙坂さん?」

 

「あ、ああ。高城か」

 

「どうかしましたか?なにやら思い詰めていましたが」

 

「いや何でもないよ。それより高城、今日昼休みに、ご飯食べ終わったら付き合ってくれないか?」

 

「それは構いませんが何か用事ですか?」

 

「用事というほどでもないよ。ただ生徒会室にチェス盤があったから久し振りにやりたいと思って。だめかな?」

 

「そうでしたか。全然構いませんよ!ですが、私こう見えても少し自身があるので覚悟しておいた方が良いですよ!」

 

「あはは、怖いな」

 

「あれー?お二人ともどうしたんですか?」

 

「ゆさりん!おはようございます!」

 

「はい♪おはようございます♪」

 

「おはよう」

 

「それでなんのお話をしていたのですか?」

 

「いえいえ、昼休みに少し乙坂さんと勝負をしようと誘われただけですよ。良ければ是非ゆさりんも見に来てください!」

 

「ええ!ゆさりんも見に行っていいんですか!?」

 

「勿論です!」

 

「わーい!ありがとうございます♪」

 

 

 

 

 

 

生徒会室(昼休み)

 

俺と高城は昼御飯を食べ終わり生徒会室に来ていた。

生徒会室には、俺達の他に友利と柚咲がいた。

 

 

「えーと、乙坂さん。貴方が昼休みに生徒会室に来るなんて珍しいですね、何かあったのですか?」

 

「いや、生徒会にあるチェス盤を借りてもいいかな?」

 

「それは構いませんが...高城とやるつもりですか?」

 

「ああ、久し振りにやりたくなってね」

 

「はぁ...そうですか。どうぞ御自由に、ただあまりやり過ぎないようにしてくださいね。後がめんどくさいので」

 

「高城は自信があるように言っていたけど強くないのか?」

 

「えーと...弱くはないですが私とやって6割り私が勝っている、という所でしょうか」

 

「そうか」

 

「なので、やり過ぎないようにしてくださいね」

 

「ああ、でも現実の厳しさを教えるのも大事じゃないかな?」

 

「さて!ゆさりん!私の勇姿を見ていてください!」

 

「はい♪楽しみにしてます♪」

 

高城は柚咲に対して腕捲りをしながら自信満々にしている。

 

「はぁ....まぁそうですけど。というか以外と乙坂さんって意地が悪いですよね?」

 

「ははは、そうかな?」

 

 

「で、では!乙坂さん!勝負といきましょう!」

 

「ああ、よろしく頼むよ」

 

高城と向かい合うように椅子に座り机にチェス盤を置く。

 

「先行はお譲りしますよ」

 

眼鏡をあげながら先行を譲ると言ってくる高城に余程自身があることが分かる。

 

「あーと、言い忘れてましたが昼休みは残り10分ですのでそれまでに終わらせてくださいね」

 

「ああ、問題ない」

 

「ほほお、かなり自信があるようですね!最初はd4ですか...それなら私はd5に置かせていただきます!」

 

 

「友利さんは、どちらが勝つと思いますか?」

 

「間違いなく乙坂さんでしょう。むしろ高城が何を思って乙坂さんに勝てると思ったのか疑問に思います」

 

「そんなに強いんですか?」

 

「そうですね....高城より私の方が強いですけど、乙坂さんは私より強いと思いますよ」

 

「乙坂さんって実は凄い人だったんですね~」

 

「どうなんすかね....」

 

「どうなんだろうな、ほんとに」

 

「いきなり出てきましたね」

 

「だってもう勝負見えてるんだろ?あまり柚咲には見られたくないだろうしな」

 

「そうっすね。ただ貴方が見たかっただけな様な気もしますが?」

 

「気のせいだよ、それよりどうしてルルーシュは2手目でキングを動かしてるんだ?」

 

「さあ、私には分かりません。ですがd5から始める展開は、クローズドゲームと言われていてとても難しい責めです。私はあまり使いたくない攻めかたですね。キングを最初に動かすのはキャスリングと言ってキングを安全な位置に置き変えるときに使うのですが....乙坂さんの場合はキングを前に出して...どちらかと言うとキングを司令塔みたいにして使っていますね...あんな攻めかた怖くて私では不可能です」

 

「へえー...なんかよく分かんねえけど凄えんだな」

 

 

 

 

「残り時間は4分か。クイーンをe7に移動してチェックだ」

 

「くっ......き、キングをc7から....d6に」

 

「ポーンをc5に置いてチェックメイ「バタンっ」.....」

 

「さーて協力者が現れたので終わりです。早く閉まってください」

 

「ああ」

 

俺がチェックメイトと言う前に協力者が現れた。

 

「わ、私がここまで簡単に....」

 

「大丈夫ですよ、高城。柚咲さんは全然見てませんでしたから。代わりに美砂さんが見てましたので」

 

「ふんっ、まぁ最後まで諦めなかったのは良かったんじゃねえのか?」

 

「ゆ、ゆさりん!...いえ、今は美砂さんでしたね。ありがとうございます」

 

「別にあたしはなにもしてないし...」

 

「皆さん、そろそろ始まるので静かにしてくださいー」

 

 

毎回思うが髪の毛で顔が見えないがこの学校でこいつみたいな奴見たことないが一体誰なんだ?

 

「能力は...精神感応」

 

「精神感応.....てことはテレパシーって事か?」

 

「はい、そのようですね。ですが、だとしたら....」

 

「ああ、今回俺は不利になる」

 

「どうしてだ?」

 

「頭を使うタイプの乙坂さんにとって、精神感応、つまりテレパシーは頭の中で何を考えているのかバレてしまうのです。ですので頭で考えている事が筒抜けになってしまっているのでは頭を使うタイプの乙坂さんでは不利になる、と言うことです」

 

「ふーん。成る程な」

 

「だがどんな能力にも欠点はある。欠点を探せばなんとかなるかもしれない」

 

「そうっすね。取り合えずはここに行ってみるしかないっしょ」

 

「ここは...学校ですね。かなり遠いですが千葉県の紅葉山高校と書かれていますね」

 

「それじゃあ、全員千葉駅に向けて出発するぞー」

 

千葉県か....今回も泊まりになるかもしれない。もしそうなら.....。

 

「なあ、友利」

 

「分かってますって。もう既に歩末ちゃんも行けるように手配してますので。それに明日から祝日で学校はお休みですからね」

 

「そうか」

 

「ほーんとにルルーシュって妹の事大好きだよなぁ。あたしも柚咲の事大好きだからわかるけどよぉ」

 

「当たり前だろ、歩末は俺にとってたった一人の家族だ」

 

「ん?ルルーシュには両親はいないのか?」

 

「っ!美砂さん、それは!」

 

事情を知っている友利と高城は急いで美砂に駆け寄って口を塞いでいる。

 

「別に構わないよ。それに言わなくちゃいけないことだとも思うしな」

 

「乙坂さん...」

 

「え、えと....話しずらいことなら無理に話さなくてもいいんだぜ?ほら、話したくないことの1つや2つあるし」

 

俺は首を横に振ることで話す意図を伝えて話し出す。

 

 

「俺と歩未の親は、俺達がまだ幼いときに離婚したんだ」

 

「.......」 

 

三人とも聞きずらい話しなのに誰一人下を向かずに聞いてくれている。

 

「母親の方に引き取られたんだけど、その母親も育てられなくなったのか、俺達の親権を遠方に住むおじに渡したせいで二人暮らしを余儀なくされたんだ」

 

「そんなことって.....」

 

「だから俺と歩未には親はいないし、家族は俺と歩未の二人だけ」

 

「.....」

 

話が終わると、まるでお通やの後のような雰囲気になってしまった。

 

「わ、悪い....ルルーシュ」

 

「なんで美砂が謝るんだよ」

 

「流石に....デリカシーが無かったから」

 

「ぷっ、ははは」

 

「な、何笑って」

 

「美砂がデリカシーなんて言葉を知ってるなんて思わなくてついね」

 

「も、もう.....ルルーシュの意地悪....」

 

「はい、はーい。良い雰囲気の所、大変申し訳ないのですがー。そろそろ支度して行きたいのですがよろしいでしょうか?」

 

「あ、ああ。そうだな」

 

「い、良い雰囲気ってなんだよ!」

 

「ああ...一瞬、美砂さんが可愛いと思ってしまった、私はどうすれば....いやでも体はゆさりんなのですから問題ないはず....ですが肝心な中身は美砂さん......ああああ!!」

 

「引くなっ!」

 

 

友利が高城に突っ込みをいれていると美砂が此方に近付いてきた。

 

「な、なあ....この間の約束覚えてるか?」

 

「約束?」

 

「ほ、ほら....その喫茶店に行くって話」

 

「あ、ああ。勿論覚えてるよ」

 

「そ、そうか...」

 

美砂の頬は少し紅く瞳は涙が溜まっているのか潤っており、何時もより妖艶的だった。

 

「今回の依頼が終わったら....一緒に食べに行ってくれないか?」

 

「あ、ああ構わないが」

 

「.......二人で、だぞ?」

 

「........歩未を一人にさせるわけには....」

 

「大丈夫だ。高城に頼むから」

 

高城...俺なんかを誘わないで高城を誘ってやれば高城も喜ぶと思うが.....。

 

「高城は誘わないからな?」

 

「......あ、ああ」

 

有無を言わさない圧力を感じて口ごもってしまう。

 

「それで良いのか?」

 

「....分かった。約束だしな」

 

「.....ヨシ........」

 

「?何か言ったか?」

 

「い、いや!なんでもねえよ!そ、それじゃ絶対だからな!」

 

「あ、ああ」

 

「あれー二人とも何か話してましたか?」

 

「いいや、なんでもねえよ。それより高城は?」

 

「少し強く蹴り....飛ばし過ぎたみたいで伸びてますが問題ありません」

 

高城......少し不憫に思えてくるな。

 

「それで、またタクシーで行くのか?」

 

「いえいえ、そんな遅いのではいきません!」

 

 

 

 

 

 

 

「今回は特急で行きますっ!」

 

いつの間にか歩未も合流して現在特急券片手に駅のホームに俺達はいる。

そして何故か柚咲は、マスクと眼鏡を着用している。

 

「柚咲さんは目立つのでマスクと眼鏡をしてもらってます」

 

「あの~...私あまりこういう変装は好きではないんですけど~」

 

「めんどくさいのでそのままでいてください」

 

「うう....」

 

どうしてか、今日の友利は柚咲に厳しい気がする。

 

「はぁ~、眼鏡とマスクをしていてもゆさりんはかわごふぉっ!?」

 

「んな大きな声で名前言ったら変装してる意味ねえだろうが!」

 

友利の回し蹴りが高城に炸裂して高城は今日も何度目か吹っ飛んでいた。

 

「さーて、高城は放っておいて駅弁買いにいきましょ、お腹空きました」

 

「そ、そうですね。ゆさり「ああ?」はぅ....私は何て名乗れば....」

 

「ここでは、そうですね....友理(ゆり)とでも名乗ってください」

 

「は、はい....」

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

友利と柚咲の会話を遠くで駅にある椅子に座って見ていると後ろから誰かに話しかけられた。

 

「あ、あの!もしかして乙坂ルルーシュさん...ですか!?」

 

「あ、ああ。そうですけど....もしかして」

 

この声とこの顔には覚えがあった。

 

「は、はい!月野凪です!」

 

「久しぶりですね」

 

「は、はい!と、突然転校してしまったので....その何かあったのか聞きたかったのですけど失礼かと思って、折角メールアドレスも交換してもらったのに聞けなくて....」

 

どうやら突然転校してしまったことで心配してくれていたようだ。

 

俺は最初の高校に一日しか在学していなかったので誰からも覚えられていないと思っていたけどそうではなかったみたいだ。

 

「学校では何か話を聞きましたか?」

 

「い、いえ!先生に聞いても分からないとしか言われなかったので.....」

 

成る程。

あの場所で俺が問題を解いてしまったからカンニング容疑で転校してもらったとは公言できなかったわけだ。

 

そんなことしたら訴えられても仕方がないしな。

 

「そうか....家の事情でね、やむ無く転校することになったんだ」

 

「そ、そうだったんですか....。あ、わ、私聞いてはいけないことを....すいません!」

 

頭を深々と下げて謝罪をしてくる月野さん、悪い子ではないのだろうが駅のホームで女子高生に頭を下げさせている、男子高校生とか周りの目が痛い。

 

「え、えーと...月野さん。俺は気にしてないから頭を上げてください」

 

「で、でも....」

 

少し頭を上げて此方を伺うように見つめてくる月野さん。その瞳には涙を浮かべている、真剣に謝っていることは充分すぎるくらいに伝わってくる。

 

「構わないですから。それにこんな場所で頭を下げられては周りの目も痛いので....」

 

本音を言うと一度大きく頭を上げて目を大きく見開き大声で「すいませんっ!」と言って、また頭を深く下げた。

 

「乙坂さん?」「ルルーシュ?」

 

今の声を聞いたのか聞こえたのか友利と恐らく美砂になった変装柚咲、現在は友理だったか。が近付いてきた。

 

「あ、いや...これは」

 

今の状況を怒られるのではないのかと思い便宜を図ろうとすると二人からは全く関係のない言葉が返ってきた。

 

「「その女の子はどなた(誰)ですか?(だ?)」」

 

二人とも笑顔だが目が笑っていない。

 

助けを求めようと高城を見るが伸びていて目覚める気配はない。

 

何か使えるものはないかと周りを見渡すが、此方を向きコソコソと話をしている奴等だけ。

 

「あ、歩末は?」  

 

そうだ、歩未は何処だ?さっきまで一緒にいたはず。

 

「あー歩未ちゃんならおトイレに行っていますよ。先程行ったばかりなのでもう少しかかるかと」

 

「それでその子はどなたですか?」

 

「.....前の学校の知り合いだ」

 

「え、えと!月野凪と言います!乙坂さんとは.....えーとー....お友達以上の関係になれたら良いなって思ってます!」

 

「と、友達以上.....?」

 

「ルルーシュ.....これはどういうことだ?」

 

何故俺が責められているのか分からないが現状を見て言い返してはいけないことだけは分かった。

 

「あ、あの!お二人は乙坂さんの”お友達”ですか?」

 

「わ、私は....」「あ、あたしは...」

 

二人して同時に俺を見てくるが見られても困るので目をそらすと歩未が此方に走って向かってくるのが見えたので俺はこの空気に耐えきれなくなり離脱することに決めた。

 

「あ!歩未戻ってきたんだな」

 

「あ!ちょっと乙坂さん、待ってくださいよ!」

 

「ちっ....逃げたな」

 

 

特急も来てこれで安心して千葉駅に迎えると思ってた。

 

だが。

 

 

俺の左隣は友利右隣は歩未、席を空けて美砂その右隣が高城ではなく何故か月野さんだった。

 

高城は俺達の後ろの席で未だに伸びている。

 

「はぁ.....高城と柚咲さんを一緒に座らせると五月蝿くなると思って席を離しましたがそれが裏目にでるとは...」

 

どうやら友利の策略だったようだ。

 

「でも俺と高城で座れば良かったんじゃないのか?」

 

「それがですね~.......まっ良いじゃないですか」

 

「良くねえよ!どうしてあたしがここなんだ?」

 

因みに歩未には今回は、柚咲の親戚が一緒に来ると言ってある。

 

「では、あゆと席を代われば問題ないのですぅー!」

 

「あ、歩未ちゃん、良いのか?」

 

「はい、なのですぅー!あゆは何時もゆさりんの歌声に助けられているので、ゆさりんの親戚の友理さんに恩返しなのですぅ!」

 

「あ、あの!私も乙坂さんと一緒に座りたいです!」

 

「余ってないので諦めてください」

 

「い、嫌ですっ!ずるいですっ!私、乙坂さんに告白しました!フラれましたけど....で、でも!何もしてない人達より権利はあると思います!」

 

「乙坂さん、それは本当ですか?」

 

「本当だけど....」

 

「はぁ....そうですか。というか何故貴方も特急に?」

 

「私は実家に帰省するために帰るんです」

 

「どこまで帰るんですか?」

 

「千葉駅までですけど.....」

 

「......貴方、もしかして兄弟とかいたりしませんか?紅葉山高校に通ってたり」

 

「え?直輝お兄ちゃんの事を御存じなんですか?」

 

「これは....」

 

「友利は、月野さんの兄弟が怪しいと思っているのか?」

 

「まだ分かりませんが合点がいく点が少々多いので....あの、貴方の、その直輝さんは何か特別な事を高校でしてたりしませんか?」

 

「い、いえ...特には」

 

「そうですか....何か部活に入って活躍したりとかは?」

 

「特に無いと思いますけど....いきなりどうしたんですか?」

 

「いえ.....もし良ければ貴方の家にお邪魔しても良いでしょうか?」 

 

「え.....それは」

 

「勿論、乙坂さんも一緒に行くので」

 

「っ!......分かりました」

 

「では千葉駅に到着したら、お邪魔させてもらいますね」

 

「分かりました。でも先に両親に電話しておきたいので少し席を外しますね」

 

月野さんは座席から立ち上がり電車の連結スペースで電話をかけている。

 

「それにしても困ったな」

 

「おや、いつの間に」

 

隣を見ると歩未ではなく、いつの間に移動したのか美砂が座っていた。

 

「ルルーシュお兄ちゃんは、モテモテなのですぅー!」

 

「そんなんじゃないって....」

 

「まっ、その話しは置いといて。どうするつもりなんだ?」

 

「そうっすね....一応お宅を見せてもらって判断するしか無いと思います。それに相手の能力は此方の考えは筒抜けになってしまいます。出来るだけ他の事を考えながら行動しましょう」

 

「分かった」

 

「たくっめんどくさそうだがしかたねーか」

 

「いえいえ、貴女は柚咲さんに戻ってもらっても構わないのですよ?」

 

「ああ?そしたら正体がバレちまうだろうが」

 

「いえいえ、ホテルで待っていてもらっても良いと言っているのです」

 

「断る」

 

「それなら仕方ありませんね。何か対抗策を考えて置いてください」

 

「お前はあるのか?対抗策」

 

美砂が友利に聞くと不適に笑みを浮かべた。

 

「勿論っす。見えなければ聞かれないと思いますから能力を使って最初から見られないようにするっす」

 

成る程な。

 

確かに精神感応の能力なら相手の姿を見るのは必須になりそうだしな。

 

後は.....俺達全員の能力は完璧ではない。

 

例えば俺なら乗り移る時間は5秒程度。(この能力には秘密がありそうだが)

 

友利なら一人にしか使えないということ。

 

高城は距離もスピードを関係なく真っ直ぐに突っ込んで止まらないこと。

 

柚咲の場合は、柚咲の意思では美砂を呼び出せず美砂の判断で乗り移り発火の能力も美砂が使えるという所だ。

 

それなら、精神感応に関しても完全な能力ではない可能性が高い。

 

 

もし能力を使って一度に得られる情報に限りがあるとすれば、幾つもの考えを瞬時に頭で考えれば考えを読まれなくなるかもしれない。

 

「くっ.....それならルルーシュはどうするんだ?」

 

「俺は....そうだな。幾つかの考えを瞬時に思い浮かべて負荷を与えてみる。能力が完全ではないなら何処かに隙があるはずだから」

 

「そうっすね。意外と有効かもしれません」

 

「あたしは....燃やすか....」

 

「燃やすなっ!バカの一つ覚えみたいに火をつけるな!」

 

「ならどうすればいいんだよ!」

 

「.....友利の後ろにいるっていうのはどうだ?」

 

「私の後ろですか?」

 

「ああ。勿論移動中は無理だけど部屋とかに入って話をするときとかは可能だろ?」

 

「成る程.....仮に精神感応の能力が相手を正しく認識して使用するものなら....私がいることで阻害されて能力が発動できず逆にパニックにさせることも可能かもしれませんね」

 

「ああ」

 

「あのー...あゆにはどういう話なのかさっぱり分からないのですがー?」

 

「あ、ああ。あゆはホテルで高城の事を見ててくれるか?俺達は少し行くところがあるから」

 

「わ、分かったのですぅー!あゆ、しっかり待ってるのですぅ!」

 

電話を終えたのか月野さんが此方に戻ってきた。

 

「ごめんなさい、お待たせてしまって」

 

「いえいえ、それでどうでしたか?」

 

「はい。うちに来るのは問題ありません。ですが私には先程言ったように兄弟がいて、おにい.....兄なのですが、きっと驚くと言われたのですがそれがなんなのか分からなくて....兄の事を知ってそうだった、貴方達なら何か御存じではありませんか?」

 

「さあー分かりませんが。御家族の方が久し振りに帰省してくる月野さんに対してサプライズでも用意しているということではないでしょうか?」

 

「そうでしょうか.....」

 

 

驚くことか...やっぱり何かありそうだな。

 

 

 




チェス回でした。ルルーシュならこの回は入れたかったのです、すいません、チェス自分自身弱いので途中経過はかけませんでした!

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