本当ならもっと早く投稿するつもりだったんですが。
風邪を引いてしまって中々進みませんでした。
けど、今はもう完治しましたので大丈夫です。
俺と三日月は手に持った竹刀で打ち合っていた。
「はあ!」
三日月は真っすぐ俺に打ち込もうとする。
「せあっ!」
「なっ!?」
俺は三日月の竹刀を受け流して後ろを取り、そのまま三日月の頭に打ち込む。
ちなみに防具はちゃんと付けているので怪我をすることは無い。
まあ、三日月は嫌がっていたが。
「俺の勝ちだな」
「そうみたいだね」
俺達は床に座り込む。
「これで五勝四敗一分けか」
「凄いね一夏、あんな動きが出来るんだ」
「まあな、こうゆうの小さい頃からやってたからな」
「例の篠ノ乃流って奴?」
「そうだ。それより三日月も凄いぞ。数回やっただけで直ぐ覚えるんだからな」
「いや、まだだよ。もっと頑張らないと」
三日月はそう言いながら着ている防具に触れる。
「……ところでさぁ」
「ん?どうした?」
「これ、どうやって外せばいいの?」
三日月は首を傾げながら俺に聞く。
(……そう言えば教えてなかったな)
その後、俺は三日月に防具の外し方を教えながら片付けた後、シャワー室に向かった。
―――――――
しばらく経った後、俺達はブリッジのモニターに映るコロニーを見ていた。
「あれがコロニーか」
そうつぶやいていると後ろからアトラとクーデリアさんとフミタンさんが入って来た。
「わぁ~!あれがそうなんですか?」
「だってさ」
「へぇ~!」
凄いテンションが高いなアトラは。
「ドルト2ってのは正面のあれか?」
「ああ」
「同じ様なのがいくつもあるじゃねえか」
「ドルトってのはアフリカユニオンの公営企業だ。あれ全部がドルトって会社の持ち物なんだ」
「そん中で俺達が行くのはドルト2って事か?」
「んじゃあ、あっちのは?」
「だから「ドルト3」?」
「地球から来た工場経営者達が住む高級住宅街とその人達向けの商業施設があるんだ」
「へぇ~!良く知ってんなビスケット」
ビスケットの博識さにみんなは感心していた。
「三日月、何を見てるの?」
アトラは三日月に話しかけながらモニターを見る。俺も同じように目を向けるとそこに青い惑星が映っていた。
「あれって、地球!?」
アトラは驚いた様子で叫ぶ。
「ああ、そうだ」
「そっか、地球って綺麗なんだな」
「本当、宝石みたい」
「そうか?なんか美味そうじゃね?」
「何でも食いもんにすんじゃねえよ」
各々地球を見た感想を言う。てかシノ、地球を食い物に見えるってお前の目は一体どういう風に映ってんだよ。
「あと少しってとこで悪いな。テイワズに依頼された荷物を届けたらすぐに向かうからよ」
「いいえ、それも大事なお仕事ですから。それより、お願いがあるのですが」
「?」
「皆さんがドルト2でお仕事をしている間、フミタンと一緒にドルト3へ行って来てもよろしいでしょうか?」
「お嬢様?」
「ドルト3へ?」
「ええ、商業施設があるなら少し買い物をしようと思って」
「お嬢様それは……」
「良いでしょ、フミタン?色々買って置きたいものがあるし、何より買い物なんて久しぶりなんだもの」
「それは……分かりました。ではご一緒に」
ん?なんかフミタンさんの様子がおかしかったような……気のせいか?
「え、買い物?良いな~」
「なら、アトラさんもご一緒に」
「!本当ですか!!」
「流石に女だけって訳にはいかねえな。ミカ、一夏、付いてってくれねえか?」
「分かった」
「うん、良いよ」
「み、三日月が!?でも……」
「何があるか分からねえし、あんたは大事なお客だ。ま、あんたが付いてりゃあ滅多な事は無いだろうからな」
オルガはフミタンを見ながら言う。
「あの~オルガ、俺もそっちに付いてって良いかな?
突然ビスケットが言い出す。
「え?別に構わねえが」
「ありがとう」
「いっぱい買っちゃいましょうね、クーデリアさん!」
「え、ええ!」
「うはー楽しみー!そうだ!この前歳星で買った服を着て行こう!」
「い、良いじゃないでしょうか」
凄いテンションだな。よっぽど行きたかったんだな。
そしてイサリビがドルトコロニーに近づいた所で俺、三日月、ビスケット、クーデリアさん、アトラ、フミタンさんは小型艇でドルト3に向かった。
―――――
「へ~凄いなこりゃあ」
俺は三日月達と一緒に歩きながら周りを見る。洋服や小物、さらに日用品と何でもあった。
「所でお二人共、最後に体を洗ったのはいつですか?」
突然クーデリアさんが立ち止まって三日月、ビスケットに聞く。
「いつだっけ?」
「確か四日、いや五日前?」
「ええ~~~!!?」
ビスケットの問いにアトラは驚愕していた。
「……前から思っていました。艦内に漂う、その……匂いが……」
「そういえば、確かに臭いかも。特にみんなが集まっている時、うっ!?ってなるし」
「そうかな」
「そんなに臭い?」
「うん、臭い!雪之丞さんなんて近くにくるだけで目がつ~んって痛くなるし!」
あ~確かに。おやっさんの体臭は少しきつかったな。
「てか、何で俺達なんだ?」
「普通、一夏にも言うんじゃないの?」
「一夏さんからは変な匂いはしないから問題ない」
二人の問いにアトラは何故か得意げに言う。
「え?そうなの?」
「まあ、毎日シャワーを浴びてるからな」
「そう言えば一夏だけ匂いが違ってたな」
「とにかく、衛生環境は大切です。皆さんの着替えと洗剤や掃除道具を買って、この機会に艦内を綺麗にしようと思ったんです」
「うん、賛成!私も手伝います!」
そう言ってアトラとクーデリアさん、そしてフミタンさんは近くの店に入り、俺達の着替えや洗剤などを選んで籠に入れ始める。俺、三日月、ビスケットは買い物が終わるまで入口の所で飲み物を飲みながら待機する。
「何見てんの?」
三日月は周りを見渡すビスケットに聞く。
「え?ああ。憧れだったんだ。小さい頃ここへ来るのが」
「小さい頃?」
「話した事無かったけど俺、このコロニー郡の出身なんだ」
「え?そうなのか?」
「うん、住んでたのはドルト2のスラム街だけどね。父さんと母さんが朝から晩まで工場で働いてて、貧しかったよ。地球圏と言っても、暮らしは火星の人達と変わらなかった」
そうだったのか。こうして聞くと火星も地球も同じなんだな。
「あと、ここには僕の兄さんが働いてるんだ」
「ビスケットの兄さん?」
「うん、もうずいぶん長いこと会ってないけどね。事故で父さんと母さんが亡くなって、俺とクッキー、クラッカは火星の婆ちゃんに引き取られることになったんだけど、学校に行ってた兄さんは勉強が出来て、会社の偉い人の家に引き取ってもらったんだ。あれから連絡は取ってないけど、まだドルト3に住んでるのかな?」
「……連絡取ってみたら?」
三日月はそう言うとビスケットは「え?」っと言う
「ああいや、でも急に連絡を取ったら困るかもしれないし「困るわけ無いじゃない!」え?」
いつの間に来ていたのか、アトラがビスケットの前に立って怒った様子で言う。
「何で連絡してあげないの?兄弟なんだからお兄さんだって会いたいに決まってるよ!」
「アトラ……」
「私もそう思います。このまま会わずにここを去ってしまわれたら、きっと後悔が残るのでは?」
クーデリアさんも兄への連絡を勧めるがビスケットはまだ迷っていた。
「……連絡しても良いんじゃないか?ビスケット、本当は凄く話したいんだろ?」
「……うん、分かった。連絡をしてみるよ」
どうやら決心がついたみたいだな。……けど。
「その前に買い物を済ませた方が良いじゃないか?」
俺はアトラとクーデリアさんに視線を向けて言うと二人は「あ!」っと思い出したかに言う。
「ご、ごめんなさい!直ぐに終わらせます!」
「行こう、クーデリアさん!」
「はい!」
二人は慌てながら戻って行った。
そして買い物を終えた後、俺達は近くにあった公衆電話でビスケットは兄に連絡していた。
「なあ、一夏」
突然三日月が俺に話しかけていた。
「ん?なんだ?」
「一夏は連絡しないの?一夏の姉さんに」
「ああ、別にいいよ。何処に居るのは分からないから連絡のしようが無いから」
そもそもこの世界には居ないから連絡しようにも出来ないし。
「そっか」
「ねえ、何の話?」
俺達の話に気になったのかアトラが話しかけて来た。
「一夏も姉に連絡したら?って話しただけ」
「え?一夏さんもお姉さんが居たんですか?」
「まあな」
こんな感じで話しているとビスケットが少し嬉しそうな様子で出て来た。
「ビスケット、どうだった」
「うん、これから会いに行く事になったんだ」
ビスケットは何処か浮かない様子で言う。
「あんまり嬉しそうじゃないね」
「ああ、いや。嬉しいけど……」
「何か思う事があるのか?」
「うん、あまりにも住んでる世界が違い過ぎて、どんな顔して会えばいいのか」
成る程、まあしょうがないか。久しぶりに会うんだから緊張するに決まってるよな。
「……私、余計な事をした?」
「そ、そんな事無いよ!俺が意識し過ぎているだけで……」
「……一緒に行こうか?」
「え?」
「二人きりよりその方が話しやすいんじゃない?」
「あ、いやでも……」
「うん!そうしようよ!それで気持ちがほぐれるんだったら……」
途中でアトラは申し訳なさそうにクーデリアさんの方に視線を向ける。
「?」
案の定クーデリアさんは首を傾げる。
「ごめんなさいクーデリアさん。後の買い物、任せて貰っても良いですか?」
「え?ええ、もちろん」
(……前から思ったんだけどアトラってかなり強引な所があるよな)
その後、ビスケットとアトラは兄に会うために別行動をすることになった。
最近の悩み。
ハルファスの形態変化をこの先どんなものにしようか迷っている。