オルガ達と合流した俺達は直ぐに宇宙港へ向かおうとするが全て封鎖されているせいで足止めを喰らった。
「宇宙港が封鎖?」
「どうするオルガ?これじゃあ、イサリビと連絡が取れたとしても」
「・・・・・・」
ユージンはオルガに聞くがオルガは考える素振りを見せる。
その後、取り敢えず広場に戻るとそこに設置されていたテレビにはニュースが映し出されていた。
デモ隊による暴動の鎮圧と伝えながらその戦闘の様子を映しているが当事者である俺達からすればどう見てもなぶり殺しにしているようにしか見えなかった。
「なあオルガ、なんか出来る事は無いのか?俺達」
「出来る事って何だ?」
「だから何か手伝うとか、一緒に戦うとかよ……」
「駄目だ。何度も言わせんな」
映像を見たユージンは自分たちに出来る事は無いのかとオルガに聞くが拒否されてしまう。
「テイワズの指示ってのは分かるけどよ。見て見ぬふりってのは……」
「おっさん達、言っていたじゃねえか!俺達の事、騎士団ってさ!英雄で希望の星なんだぜ!」
「駄目だ!俺達の仕事は依頼主を無事に地球まで送り届ける事だ!」
「そうだよ!ここまで来て目的を果たせなかったら……」
「でもよ!」
今の現状を放っておけないユージンとシノ。
目的を果たす事を優先するオルガとビスケット。
二つの意見がぶつかり合う中、今まで黙っていたクーデリアさんが俺達に話しかけて来た。
「皆さん。私は、このまま地球へ向かえません」
「「「な!?」」」
それを聞いた俺達は驚愕した。
そしてビスケットが慌てた様子で何故そんな事を言うのか理由を聞くとこう答えた。
「私が地球へ目指したのは火星の人々が幸せに暮らせる世界を作る為に行動しました。けど、火星だけじゃ無かった。
ここの人達も同じように虐げられ、踏みつけられ、命さえも……。そんな人達を守れないのなら、立ち上がれないのなら、そんな私の言葉など聞くわけもなかった」
クーデリアさんはあの時の光景を思い出したのか悔しそうな表情で拳を強く握りしめる。
そして顔を上げると覚悟を決めたかのように真っすぐ俺達を見る。
「私は戦います。例え一人になろうとも、もう逃げない二度と……」
「お嬢様……」
普段とは違うクーデリアさんの様子にフミタンさんは目を見開いたまま固まっていた。
「お、オルガ!お嬢様もこう言ってるんだし!」
「ここでやらなきゃ、かっこ悪いだろ?」
「え!?ちょ、ちょっと待った!そんな簡単に……」
ユージンとシノは少し戸惑った様子でオルガに言い、ビスケットはそんな二人を止めようとする。
そんな三人をよそに、オルガは俺と三日月に意見を求めた。
「……ミカ、一夏、お前はどう思う?」
「俺はオルガが決めた事をやる。……けど、このままやられっぱなしってのは面白くないな」
「俺も三日月と同じだ。あいつ等に何かやり返さないと気が済まない」
「……たく、お前らは」
俺と三日月の考えを聞いたオルガは頭をガシガシと掻きながらため息を吐く。
「まあ、どの道このままじゃあ、埒が明かねえしなぁ。やるか!」
「よっしゃ!」
「そう来なくっちゃよ!」
「まあ、このまま待ってても捕まるだけだしね」
「うん」
「よし、行くぞお前ら!」
「「「おう!!」」」
そうして俺達は別の宇宙港に向かうため移動を開始した。
だが今起こっている騒動のせいで宇宙港に行くためのエレベーターは全て使用出来なくなっていた。
「やっぱり民間のエレベーターは全滅だね。どうするの?」
「メンテナンス用なら、まだきっと」
「おーい!君達!」
後ろから声を掛けられ、後ろに振り返るとさっきのニュースで報道していた女性と二人の男性が居た。
おそらくこの人達は報道スタッフなんだろう。
「だれだ?」
「あれ?あの女の人、さっきニュースに出ていた」
スタッフの一人がクーデリアさんに話しかけて来た。
「君、あの時デモ隊の中に居た子だよね?」
「私ですか?」
「良かったらちょっと話を聞かせて貰えないかな?」
「悪いけど先を急いでんだ」
「そういうこと」
スタッフの一人がクーデリアさんに取材をしようとするがオルガとシノは取材を拒否する。
「いや、少しだけでも良いんだ。個人的には今回の報道は一方的過ぎると思っている。どこまで出来るかは分からないが君達、労働者側の声も出来るだけ伝えたいんだ」
「だから急いでるって」
「待って下さい!」
オルガはしつこく聞く報道者たちにイラつきながら断ろうとするが急にクーデリアさんが声を上げると俺達の前に出た。
「私の声を届けてくれるのであれば望む所です。その為に火星から来たのですから」
「火星?」
「あんたは?」
「クーデリア・藍那・バーンスタインと申します」
その言葉で報道者たちは驚いていた。
オルガはクーデリアさんに何か言おうとする。
だがその直前にビスケットがオルガを止めて小さい声で何かを伝え始めた。
―――――
オルガ達はイサリビとハンマーヘッドに通信した後、報道スタッフの専用ランチに乗り込んだ。
ビスケットが伝えていたのは報道者には専用のランチがあり、それに乗ってイサリビに向かうという提案だったらしい。
俺と三日月は、おやっさんとダンテがバルバトスとハルファスを積んだクタン参型に乗ってこっちに来るとオルガから聞き、ノーマルスーツを着て宇宙へ出た。
「えっと、指定の場所はここか?」
俺は周りを見渡す。
すると向こうからバルバトスを乗せたクタン参型が来た。
『三日月、待たせたな!』
通信で三日月に話しかけるおやっさんに三日月は頷き、バルバトスに乗り込む。
『じゃあ一夏、先に行く』
バルバトスに乗り込んだ三日月はそのまま戦闘区域に向かった。
俺はそれを見送り、おやっさんにある事を聞く。
「おやっさん、俺のハルファスは?」
俺はここに無いハルファスの事を聞く。
確かダンテが持って行くと聞いてたはずだが。
『あ、あ~、その事なんだけどな……』
「おやっさん?」
『取り敢えず乗れ、直ぐにイサリビに戻る』
「え?あ、分かった……」
色々と聞きたい事があるが、取り敢えずおやっさんの言う事を素直に聞く事にし、クタン参型に乗り込む。
「あの、おやっさん」
「なんだ?」
「何かあったんですか?オルガからハルファスはダンテが届けるって聞いたんですけど」
「ああ、実はな。お前の機体をダンテがクタン参型で届けさせる予定だったんだが、機体の調整をしていた時に何故かあいつはノーマルスーツに着替えててハルファスのコックピットに向かったんだ」
……え?
「聞いてみたらお前の機体に乗り込んで直接届けようとしたらしくてな」
ちょっと待て、ダンテが俺の機体に乗ったって事は……まさか。
「んで、システムを起動させた瞬間、機体のフィードバックに耐え切れずにダウンした。それでダンテの代わりに他の奴に頼もうとしたんだが全員忙しくて手が回らず、結局お前の機体を届ける事が出来なかった。すまん」
おやっさんは申し訳ないといった様子で謝る。
そして俺はこの話を聞いて思った事を口にした。
「……何やってんだよ、ダンテ」
――――
その頃、ダンテは。
「う~~~」
「全く、一夏のハルファスに乗るとか。馬鹿だろ、お前」
「うるせぇ、乗りたかったんだよ。あとなんで看病してるのがメリビットさんじゃなく野郎なんだよ畜生」
「……今すぐ宇宙に放り出そうか?」
「すいません、冗談です」
医務室で団員に呆れられながら看病されていた。
――――
イサリビに戻った俺は直ぐに出撃し、急いで三日月の下へ向かう。
その途中、四機のグレイズが行く手を阻む。
「邪魔だ!」
俺はバズーカとサブアームのガトリング砲を撃ってグレイズを二機破壊し、もう一機は左腕のスパイク付きナックルシールドで殴り飛ばす。
残りの一機は俺の後ろからバトルアックスを振り下ろすが両肩に増設したスラスターを前に向けて吹かし、宙返りをするかのように回避。
そしてバズーカを数発撃ち込んで破壊する。
敵を片付けた俺は三日月と合流する。
「三日月」
「一夏、遅かったね」
「悪い、ちょっと色々あってな」
周囲を見渡すと、モニターにオルガ達が乗っているランチが映った。
「オルガ達は出たみたいだな」
「じゃあ俺達はもう一仕事するか」
「ああ」
俺と三日月はこちらに向かって来る敵を倒していく。
三日月はメイスで敵を叩き潰し、俺はガトリングとバズーカで敵を落としていく。
そして弾切れとなったバズーカとガトリングを捨て、右腰に装備していたアサルトライフルを持つ。
「次は……!」
突然上から攻撃を受ける。
見上げると大型のランスを持った機体が高速で突っこんで来た。
「なっ!?」
俺は何とか回避しアサルトライフルで敵に狙いを定める。
「!?」
敵がこちらに向いた瞬間、俺は目を見開いた。
(あの形状、俺や三日月と同じガンダムフレーム)
俺は舌打ちをしながら敵にアサルトライフルを撃つが速すぎて当たらない。
どうやらラフタさんの百里と同じ高機動型らしい。
更に別方向からどこか見覚えがある紫色の敵が襲って来る。
「一夏!」
三日月は援護しようと滑空砲を構えるが大型ランスを持ったガンダムタイプが突撃して妨害する。
俺は目の前の敵に太刀を振り下ろすが左腕のクローで受け止められる。
(やっぱ、他の奴らとは違うか)
敵はライフルからバトルアックスに持ち替えて振り下ろし、俺はシールドで防ぐ。
すると敵が接触通信で話しかけて来た。
『そこのパイロット、聞こえるか!』
「ん?」
『答えろ!貴様らは何故、クランク二尉を殺した!』
「クランク?………!お前、あのおっさんの部下か何かか?」
『そうだ!貴様らが居なければ、クランク二尉は』
「そっちが先に仕掛けて来たんだろうが」
『だまれ!』
敵はワイヤークローで拘束し、バトルアックスを振るう。
とっさにシールドで防ぐが敵は何度もバトルアックスを振り続ける。
「この!」
背部のサブアームを展開して腰後部にマウントさせていたナイフを引き抜いてワイヤーを切断する。
「はあぁぁぁ!」
拘束を解いた俺は太刀で敵の胴体を切り裂く。
「……浅いか」
装甲が欠けているのを見て、当たる直前に後ろに引いたのだろう。
俺は太刀をもう一度構える。
「一夏!」
突然シノの声が聞こえた直後、全身ピンク色という派手な色をしたグレイズが敵にバトルアックスを振り下ろして来た。
敵はそれを同じバトルアックスで受け止める。
『!このリアクターの反応、クランク二尉のグレイズ!?』
「こいつはそんなだせぇ名前じゃねえ!このシノ様の流星号だ!」
シノはそう叫ぶとスラスターの出力を上げて、敵を押し続ける。
『あの厳格だったクランク二尉の機体をこんな下品な色に……許せん!』
敵は押し返してバトルアックスを振るうがシノはそれを避ける。
その隙に俺は太刀からアサルトライフルに持ち替えて攻撃する。
すると敵は不利だと判断したのかどこかに行ってしまった。
「逃げたか」
「追うか?」
「いや、此処を離れたらイサリビを守れない」
「それもそうか」
「それにしても、シノはやっぱりその色なんだな」
俺はシノが乗っているグレイズ改を見る。
色もそうだけど名前が流星号って、相変わらずシノのセンスは変わっているな。
「へへ、いかすだろ?」
「……そうだな」
正直、その色はどうかと思うのだが。
そんな事を思っていると、オルガから通信が来た。
『一夏、シノ、また敵が来た!援護してくれ!』
「分かった、直ぐに行く」
「おう、任せろ!」
――――
イサリビの近くで敵を迎撃していた俺とシノの目の前にはギャラルホルンの戦艦が数十隻あり、そこから無数の敵が出撃し、こっちに向かって来ていた。
「おいおい、何だよあれ」
「ちょっと待て、流石にこれは無いだろ」
目の前にある光景に顔を引きつらせていると別方向から三日月が見慣れない機体を連れて戻って来た。
「一夏、シノ大丈夫?」
「ああ、今のところはな」
互いの状態を確認し合った後、俺は三日月の隣に居る機体の事を聞いた。
三日月が言うにはその機体は昭弘が乗っているらしく、名前はグシオン・リベイクと呼ぶらしい。
そんな話をしている間に敵はかなり近くに来ていた。
「凄い数だな」
「どうする?」
「逃げて~」
「逃がしてくれるんならね」
俺達はオルガからの指示を待っていると、突然モニターに映像が映し出された。
その映像を見て俺達は目を見開いた。
『皆さん、私はクーデリア・藍那・バーンスタインです』
映像に映されているのは俺達と一緒に行動していたクーデリアさんだった。
機体説明
ハルファス(第三形態)
ブルワーズ戦後に改修された形態
両肩に可動式のスラスターユニット、背部左右にタービンズから提供された開閉可動式大型ブースターと大型プロペラントタンクを二基追加し、腰部のスラスターをマン・ロディの脚部スラスターを改造した大型ブースターに換装することで機動力を大幅に強化。
だがその分推進剤の消費量が大きくなり、稼働時間が少し短くなった。
武装はブルワーズ戦で失った左腕のワイヤークローの代わりに先端にスパイクを付けた百里のナックルシールド、腰部のスラスターにマウントされたナイフ、百錬の130㎜アサルトライフルを追加している。
武装
太刀×1
ナイフ×2
ナックルシールド×1
ワイヤークロー×1
130㎜アサルトライフル×1
バズーカ×1
ガトリング砲×2
前回の投稿からかなり空けてしまってすみません。
理由としては現在リアルで色々忙しくなっていて、とある会社に入社して仕事をしたり、モンハンXXをやり込んだり、この話をどうするか色々悩んだりしていました。
あとアニメ、鉄血のオルフェンズの最終話で三日月や昭弘が死ぬところを見た時、かなりショックでした。
でもイオクが潰された時はざまぁーー!m9(^Д^)って思いましたね。
PS.三日月がバルバトスのリミッターを解除した時、これブルーデスティニーに似てね?っと思ったのは自分だけですかね?