インフィニット・オルフェンズ   作:モンハン大好き

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ヒューマン・デブリ

鉄華団とタービンズが兄弟の盃を交わした後、俺と三日月はおやっさんと共に地球へ向かったイサリビとハンマーヘッドを見送っていた。何故俺達が歳星に居るのかは俺達の機体バルバトスとハルファスの整備がまだ終わっていなかったからだ。

 

「行っちゃったね」

「ああ、行っちまったな」

「なんだあ?寂しいのか?」

 

俺と三日月のつぶやきにおやっさんが聞く。

 

「うん、寂しいよ」

「ふっ。バルバトスとハルファスの整備が終わればすぐに追いつけるじゃねえか」

「まあね」

「そうですね」

 

おやっさんと話しているとテイワズの技術者のおじさんが来た。

 

「おーい、三日月君、一夏君。阿頼耶識のシステムチェックを始めるよ」

「うーっす」

「分かりました」

 

俺と三日月は返事を返して俺達の機体に向かった。そしてシステムのチェックを終わらせた俺達は休憩所で待機していた。

 

「それにしても、なんで俺達の機体を整備してくれたんですかね?」

 

俺は火星ヤシを食べながらおやっさんに聞く。

 

「俺が聞いた話だと。テイワズのボスが三日月を気に入ったらしいぞ」

「気に入ったって。三日月、お前何かやったか?」

「別に何もやってない。あのおっさんは爺の気まぐれだって言ってた」

 

……あの人、気まぐれ一つでそこまでしてくれるのか?まあ、ありがたいから良いけど。

てか三日月、テイワズのボスであるマクバードさんをおっさん呼ばわりはまずいんじゃないか?

 

「そういえばおやっさん、俺達はどうやってイサリビを追うんですか?」

「テイワズから輸送機を二機提供されるらしいぞ」

「輸送機?」

「ああ。確か名前は『クタン参型』って言ってたな」

「へ~、じゃあそのクタン参型ってのでイサリビを追いかけるんですか?」

「そういうことになるな。ま、整備が終わるまで時間はある。それまでゆっくりしようや」

「そうですね」

 

とはいっても暇だな。

 

「そういえばさあ、一夏って家族居るの?」

 

ここで三日月が何かを思い出したかの様に言い始めた。

 

「どうしたんだ?いきなり」

「前オルガが家族って言ってたことを思い出して、それで一夏の家族の事を聞いて無かったから気になった」

「そういやあ、俺もあまり知らねえな。俺が知っているのは三日月と互角の操縦技術と読み書きができるってことくらいだな」

「確かにそれくらいしか話してないですね」

「それでどうなの?」

 

三日月の言葉に俺は少し考える。まあ、異世界の人間ってのを話さなければいいよな。

 

「ああ、居るよ。姉が一人」

「両親は?」

「いません、俺が物心がつく前に姉と一緒に捨てられました」

 

俺がそう言うとおやっさんは暗い顔になる。

 

「……すまん、変な事を聞いて」

「別に気にしてません。今さら会いたいとは思わないですから。それに、鉄華団っていう家がありますから」

 

俺がそう言うとおやっさんは笑みを浮かべながら「そうか」と言う。

 

「一夏の姉か。どんな人なの?」

 

ここで三日月が聞いてくる。

 

「凄く厳しい人だな。どんな仕事も完璧にこなすし、俺なんか歯が立たないくらいに強い」

「え、一夏より強いの?」

「ああ、めっちゃ強い。その強さから周りからブリュンヒルデなんて異名を付けられていたな。本人は嫌がってたけど」

「ほ~う、大層な異名だな」

 

姉の異名を聞いたおやっさんはそう呟く。

 

「まあ、その反面。家事は全く出来なかったな。俺が料理を分かりやすく教えたはずが失敗してたし」

「そうなんだ」

 

そんな話をしているとテイワズの技術者のおじさんが休憩所に来た。

 

「お~い!三日月君、一夏君、バルバトスとハルファスのオーバーホールが完了したよ!」

 

それを聞いた俺達は立ち上がりモビルスーツ格納庫に向かった。

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

 

 

格納庫に着いた俺達はクタン参型に格納した状態で歳星を出発してイサリビを追いかけた。

ちなみにおやっさんは三日月のバルバトスを詰んでいるクタンの操縦席に乗っている。

そしてようやくイサリビに追いつきそうな時、さらに向こうに複数のリアクターの反応があった。

一つは昭弘のグレイズ改だが他の三つは知らないもので恐らく敵だろう。

 

「おやっさん、このまま突っ込む」

「はあ!?おめえ何言って……」

 

大体の状況を把握すると三日月はクタン参型をさらに加速させる

 

「これのコントロール、そっちに返すね」

「ちょっ、おい待て!俺は操縦なんて…おわあ!?」

 

そして速度を維持したままバルバトスをクタン参型から発進させ、明弘の下を向かう。

いきなりクタン参型の操縦を返されたおやっさんはうろたえているが、俺はそれを無視してクタンから分離せず明弘の下へ向かう。

そして何故かモビルワーカーを背負った明弘のグレイズ改に接近した時、丁度バルバトスにテイワズから提供された太刀で敵と思われる緑色のモビルスーツのコックピットを貫いていた。

すると残った二機の内一機がバルバトスに向かって発砲しながら接近して来た。三日月は倒した敵を盾にして防ぎ太刀を抜いて蹴り飛ばし敵にぶつける。

その隙に俺は昭弘のグレイズ改を俺のクタンにしがみつかせて、敵から距離を取りつつ明弘たちの状態を確認した。

 

「昭弘、大丈夫?」

「おう、何とかな」

「三日月さん!」

「え?なんでタカキが」

「昭弘さんと哨戒に出てたんです。そしたら…」

「あの丸い変なのに襲われたんだな」

「その声、一夏か?とにかく助かったぜ三日月」

「礼はいいよ。一夏、昭弘とタカキを連れてイサリビに戻って。殿は俺がやる」

「分かった」

「あれはどうする?」

「あれ?」

 

昭弘が見ている方に向けるとおやっさんが乗っているクタン参型だった。

 

「あ、おやっさん・・・」

 

俺は通信を繋ぐとおやっさんのうめき声が聞こえた。

 

『ぐおぉぉぉぉぉぉ、た、助けろ~~・・・』

「ああ、まあ敵からは離れているし、回収は後でも良いでしょ」

「鬼かよ・・・」

 

…まあ、頑張ってくださいおやっさん。大丈夫、骨はちゃんと拾いますから。

 

そうしている内にさっきのモビルスーツ二機が追って来た。

 

「一夏、行ってくれ」

「分かった!」

 

俺は後ろの二機を三日月に任せ、クタンを加速させる。

 

「三日月さん」

「あいつなら大丈夫だ。今のうちに…!」

 

ここで別の反応が複数確認する。後ろを向くと先ほどのモビルスーツ三機とそれより一回り大きく背中にハンマーのようなものを装備した機体が襲って来た。

 

「新手か」

「昭弘!こいつらは俺がやる!」

「分かった!」

 

昭弘は俺から離れ、イサリビに向かう。俺は旋回しクタン参型を展開させる。

武装は右手にバズーカ、左手にガトリングを一つずつ、背中のサブアームにはマシンガンを二つ、肩には大型ブレードと太刀を装備している。

 

「くらえぇぇぇぇ!」

 

俺はクタンに搭載されている機関砲とバズーカ、ガトリング、マシンガンを敵に向けて一斉射撃をする。

だが敵は思ったより速く、数発は当たるが遠かったせいかあまり効いて無かった。

だが四機の内三機の動きが他とは違うことに気づいた。

 

「この動き、俺達と同じ阿頼耶識か?」

 

俺は相手の正体に気づき舌打ちをする。

すると二機のモビルスーツが昭弘の下に追いかけ始めた。

 

「行かせるか!」

 

俺はその二機を追いかけようとするがハンマーを装備した敵がそのハンマーを振り下ろしてきた。

 

「く!邪魔だ!」

 

俺はそれを回避してバズーカとガトリングを撃つが躱される。

 

「…やっぱりこいつは邪魔になるな」

 

俺はクタン参型から分離し、ガトリングとバズーカを捨て、大型ブレードで斬りつけるが弾かれる。

 

「…速いうえに装甲も硬いのか。厄介だな」

 

俺はそう言うと敵はハンマーを振り上げるとそのハンマーの後部から炎が噴き出し、かなりの速度で振り下ろしてきた。

 

「な!?」

 

俺はとっさにブレードで防ぐが、刀身にひびが入りそして砕けた。

 

「!…くそ!」

 

俺はブレードを捨て、左肩に装備した太刀を取り出す。すると敵の後ろから三日月の乗るバルバトスが敵に滑空砲を撃ちながら来た。

 

「三日月!」

「一夏ごめん。おそくなった」

 

そう言うと三日月は太刀を振り下ろすが弾かれてしまう。

 

「ち、使いにくい」

 

三日月はうっとうしい様子で言う。

 

「一夏!三日月!」

 

今度はラフタさんが敵に発砲しながら来た。すると敵は信号弾を出し撤退した。

 

「ラフタさん助かりました」

「助かったよラフタ、飛ばしてきたから推進剤がもうやばかった。それで、明弘は?」

「あ…それが…」

 

ラフタさんの歯切れが悪く言う。それに俺は胸騒ぎを感じた。

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

イサリビに戻った俺は目の前の光景に言葉を失った。

そこには先に帰還したグレイズ改と装甲がひしゃげたモビルワーカー、その中から降ろされたタカキと仲間たちが居た。ダンテがタカキのインナースーツを開くとそこから大量の血が溢れていた。

 

「タカキ!タカキ!」

「うるせえ!とりあえず閉めろ!スーツが血を止めてたんだ!」

「兄貴の船から医者がやって来る!それまで持たせろ!」

「持たせろって言われてもよ!」

 

仲間たちがうろたえている中、金髪の女性がタカキを治療し始めた。

 

「輸血パックと消毒液、あとはメディカルナノマシンの投与準備を。早く!」

「「「「は、はい!!」」」」

 

皆は指示に従い、慌ただしく動いた。その後、タカキはその女性、メリビット・ステープルトンさんのおかげで一命を取り留められた。

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

俺とオルガと三日月はタカキの様子を見ようと、医務室に来るとそこにメリビットさんと昭弘が居た。

 

「……罰が当たったのかもしれねえな」

「罰がどうしたって?」

 

昭弘の呟きにオルガは聞くと振り向いて来た。

 

「お前ら」

「昭弘。お前がタカキの事を自分のせいだと思っているならそれは違う。あれは俺が指示を出した」

「ああ、悪い」

「なんからしくないな。昭弘」

「…そうだな。らしくねえんだよ俺は。ヒューマンデブリらしくねえ」

「何だそりゃあ?」

「……弟が、居たんだ」

「弟?」

「昌弘つって、ヒューマンデブリとして俺とは別々に売り飛ばされた。迎えに行くって言ってたのによぉ。いつの間にかどうせもう死んでると勝手に思い込んでた」

「その、弟は?」

「タカキを襲ったモビルスーツに乗っていやがった」

 

そうか、あの時のモビルスーツに昭弘の弟が乗っていたんだな。

 

「俺、最近楽しかったんだ。お前らと鉄華団を立ち上げて、一緒に戦って、『仲間の為に』とか言ってよ。姉さんたちにしごかれるのも楽しかった。楽しかったから、俺がゴミだって事を忘れてて。……ヒューマンデブリが楽しくて良いわけがねぇ。だから、罰が当たったんだ!」

 

昭弘は忌まわしそうに言う。

 

「そっか、俺達のせいで明弘に罰が当たっちゃったんだ」

「これは責任を取らないとな、オルガ」

 

三日月と俺がそう言うと明弘は慌てる。

 

「ん、ああいやあ、そう言うわけじゃ「そうだな。鉄華団が楽しかったのが原因ってことは団長の俺に責任があるな」な!?違う、俺が言いてえのは!「責任は、全部俺が取ってやるよ。昌弘って弟の事に」何を言って?「お前の弟は、別に望んで俺達の敵になったわけじゃ無いんだろ?」

「それは、分からない」

「どの道、お前の兄弟だっていうなら、俺達、鉄華団の兄弟も同然だ。なあ、そうだろ?お前ら」

 

オルガがどこかに視線を向けながら誰かに聞く。明弘は医務室の入口の方に視線を向けるとシノ、ビスケット、ユージン、おやっさん、ダンテの鉄華団の仲間たちが居た。

 

「あったりめぇだろ~」

「なんの話かと思えばよぉ?」

「水臭えにもほどがあるだろ?」

「だね」

「んじゃ、責任の取り方をみんなで考えようか」

「お、お前ら」

 

すると医務室が騒がしくなり始めた。

 

「あ、あの~」

 

突然のタカキの声に昭弘は視線を向ける。

 

「なんか~、うるさくて寝てらんないんですけど」

 

そこには今まで眠っていたタカキが目を覚ましていた。

 

「「「「「「…た、タカキ!(さん!)」」」」」」

 

年少組の子たちが一斉にタカキの所に行く。

 

「え、あれ?」

「おお~!気いついたか!」

 

他のみんなもタカキが目を覚ましたことに喜びまた騒ぎ始めた。俺と三日月とオルガの三人は温かく見守っていた。




機体説明

ハルファス(第二形態)

機体の色



テイワズ戦でほとんどの装甲を破壊されたハルファスをテイワズの技術者が数少ない厄祭戦当時の資料をかき集めて本来の姿に復元させた。
ただし、復元されたのは外装のみで当時の性能には至ってない。
機体の色は資料によるとハルファスは元々青系統のものになっていたらしい。
武装はテイワズから新たに提供された90mmマシンガン、バズーカ、ガトリング砲、太刀を追加されている。


武装

大型ブレード×1


ワイヤークロー×2


太刀×1


120㎜ライフル×2


90mmマシンガン×2


バズーカ×1


ガトリング砲×1
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