虚無の魔神   作:千本虚刀 斬月

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ぬらりひょんの孫
1話 開幕


――――――――――虚夜宮(ラス・ノーチェス)の天蓋の上で、一人の破面(アランカル)がその命を鎖そうとしていた。

 

 

     

 その破面は第4十刃(クアトロ・エスパーダ)ウルキオラ・シファー。

 

彼は黒崎一護に敗北した。だが、黒崎一護は止めを刺すことを拒んだ。

 

「こんな・・・・・・こんな勝ち方があるかよ!!!」

 

(ようやくお前達の心とやらに興味が出てきたところだったんだがな。)

 

傍らに居た井上織姫に手を伸ばしながら問いかける

 

「・・・俺が怖いか女・・・」

 

「こわくないよ」

 

井上織姫は、そう答えながら俺の手をつかもうとしたが、寸前で此方の限界が訪れた。

 

灰塵と為りながらも俺は確かに「何か」を感じていた。

 

そうか この掌にあるものが――――――――心 か

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識が覚醒する。

 

(俺は完全に消滅した筈だ。何故意識がある?)

 

体の調子を確認する。

 

刀剣解放第二階層(レスレクシオン・セグンダ・エターパ)は辛うじて維持できている。

 

しかし、内臓の多くが失われたままである。

 

霊圧も残りカス程度。最下級大虚(ギリアン)と同程度だ。

 

(此処が何処だか知らないが、大気中の霊子濃度が随分と濃いな。虚圏(ウェコムンド)には劣るものの重霊地である空座町と同等以上だと?)

 

 ふと人間の気配がしたので、様々な疑問を一先ず棚上げして確認すると、そこには豪奢な着物を着込んだ一人の女が立ち竦んでいた。

 

(霊圧から推測するに、恐らく井上織姫のような人間の能力者といったところか)

 

「質問に答えろ女、此処は何処で貴様は何だ?」

 

女は怯えながらも答えを返してきた。

 

「此処は京の都。わたしはとある公家の娘で名を珱と申します。」

 

 

 

 

 驚いた事に珱と名乗ったその女は、僅かに震えながらも傷の治療をさせろと言って来た。

 

理由を尋ねると、怪我人を放置するのは忍びないかららしい。

 

(危機管理能力の足りん奴だ。まあ、敵意は無いようだし、どの道このままでは俺は死ぬ。なら)

 

「好きにしろ」

 

治療中も質疑応答を繰り返した。もっとも、大半はウルキオラからの一方的なものだったが。

 

結果として、元の世界とは法則も理も違う完全な異世界である可能性が極めて高いと判断せざるをえなかった。

 

なにせ元の世界には(ホロウ)や死神はいても魑魅魍魎や妖怪など存在しなかった。少なくともウルキオラの知る限りは。

 

実際、黒腔(ガルガンタ)は開くことができず、探査回路(ペスキス)で感じ取れた周囲の霊圧は珱姫の話を裏付けるものであった。

 

そうして考えを纏めたところで、どうやら治療は完了したらしい。

 

「それ程時間が経っていないのにあれだけの傷を癒すとはな。大した能力だ。」

 

しかしこの女、能力といい性格といい井上織姫を想起させる。だからなのか、あの時のように手を伸ばしていた。

 

「――――――俺が怖いか女」

 

珱姫は僅かな間呆けていたが、それでも

 

「いいえ、魔神様。私はこわくありません。」

 

確かに、この掌を掴んだのだ。

 

気がつけば俺は帰刃(レスレクシオン)を解除し

 

「借りが出来たな。この借りは必ず返してやる。それまでは詰まらん事で死ぬなよ?」

 

などと、柄にも無いことを口走っていた。

 

だが、この感覚は存外に―――――――――――悪くない

 

 

 

 

 

 

 




自分で書くのって、想像してた以上に難しい(´・ω・`)
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