虚無の魔神   作:千本虚刀 斬月

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17話 弐條城

 

 

 

 

 

 羽衣狐達は閉館間際の弐條城に向かっている最中である。

 

「ウルキオラよ、お主は京を支配した暁にはどのような世を望むのじゃ?」

 

「・・・俺は支配や統治には興味が無い。お前達の好きにすればいい。」

 

「お主には何か望むものは無いのか?」

 

「そうだな、強いていうなら宿敵である黒崎一護との決着を後腐れ無くつける事が出来れば特に言うことは無いな。」

 

羽衣狐は嘆息しながら

 

「・・・まあ、予想通りの答えではあるが相変わらず欲の無い奴じゃのう。」

 

「それよりも次の弐條城が最後の封印だろう。あまり気を抜きすぎるなよ。」

 

「ああ、わかっておるとも。今度こそ宿願を果たし、理想の世界を創り上げるのじゃ。」

 

 

 

 

 

 

 一行は弐條城の地下にある鍾乳洞「鵺ヶ池」にあっさりと到着した。守護者たる陰陽師が一人も居なかったためである。単に務まるものがもう居ないのか戦力を温存しているのかは判らないが。

 

鵺ヶ池はしめ縄が張り巡らされ大量の札が貼り付けられていたにもかかわらず、封印で解き放たれた京中の怨念が池の水を常闇のような黒に染め上げていた。

 

「ここが羽衣狐様が最初にやや子〝ぬえ〟を産んだという妖気終焉の地、鵺ヶ池」

 

「なつかしい、ここにたまる怨念が妾に力をくれる。封印を解き、やや子を産めと言うてくれている。永かった・・・あと五日だ」

 

鵺ヶ池の中央に君臨する羽衣狐にしょうけらが感極まったらしく跪き

 

「おお!おお!マリア様、ついに〝主〟を産むのですね」

 

さらにウルキオラの方に向き

 

「魔王サタンよ、闇の聖母に大いなる慈悲と加護を」

 

「おいコラしょうけら、いちいち変なあだ名つけんじゃねぇつってんだろ!?このナルシストのクソ野郎が。面白くもなんともねーぞ!」

 

「私は真剣だ、茨木童子。そのために我等は努めているのであろう?」

 

「もう!二人ともケンカばっかりして!」

 

「フフフ、仲悪いのぅあの二人。しかし、あの方の前では同じ方向に向きを変える。」

 

「京を制圧して魔都とし、妾のために生き肝を集めてまいれ。よいな?」

 

「「御意」」

 

「狂骨、お前はここで羽衣狐の補佐をするつもりか?」

 

「え、うん。そのつもりだけど・・・」

 

それを聞いたウルキオラは狂骨にタブレット端末をわたす。

 

「ならばこれを渡しておく。各封印地に設置されているカメラの映像を閲覧することが可能だ。くわえて、センサーやカメラに何か引っかかればアラームが鳴るように設定してある。」

 

「おおー、すごーい。」

 

「うむ。文明の利器という奴もなかなか侮れんのぅ。」

 

「・・・のんきなものだな。」

 

ウルキオラはそう言い残して忍者達を連れて出撃した。

 

その数分後、第七の封印・柱離宮のアラームが鳴り響いた。通信端末には首の無い男が妖怪達を紐で吊し上げる様が映し出されていた。

 

 

 

 

 

 第六の封印・龍炎寺にて死霊の集合体である陰摩羅鬼が修学旅行生達を罠にはめて狩ろうとしていた。そこに一組の男女がまったをかける。

 

「てめぇらがこの寺の妖だな?死ね!殺取・蛇行刃」

 

だが男の紐が陰摩羅鬼を八つ裂きにする直前に紫電の斬撃が塀をぶち破り男に向かって飛んできた。男は咄嗟に後退することで躱すが陰摩羅鬼を仕留め損なう。

 

配下の鬼達を引き連れた茨木童子が舞い上がった粉塵の中から姿を現す。

 

「てめぇ等かぁ、柱離宮の奴等を殺ったってのは。名を名乗れ。」

 

「奴良組所属、首無。」

 

「同じく奴良組所属、毛倡妓!」

 

「ハッ、威勢の良い奴等だ。・・・それと、下っ端共ぉ。いつまでもぼんやりしてねぇでその生き肝をさっさと羽衣狐のところに待っていけ。コイツ等は俺がヤる。」

 

「!!――――待て!」

 

「ああ?なんだ、そのヒモは?鬼發・鬼太鼓!!」

 

茨木童子の放った雷鳴の矢は女のサポートによって躱されてしまう。

 

「一人でつっこんでいってもコイツ等には勝てないよ!!攻めんのがアンタ、守んのがアタシ。私たちは一人では弱いんだから。」

 

「・・・ああ。二人で一緒に戦おう。」

 

「・・・・・話は終わったか?なら死ね。」

 

「さあさあ、いくよ首無!!かかってきな鬼ども!!あんたらの首・・・こいつと同じにしてやるよ!!」

 

配下の鬼達が一斉に襲いかかる。だが毛倡妓と首無の卓越した連携によって押し戻される。

 

「ググ、強い」「たしかに厄介だ。だが」「ああ、あの御方と比べれば畏れるに足りぬわ」

 

「なっ!そんな馬鹿な・・・」

 

「私たちの畏が通じないっていうの!?」

 

茨木童子は二人が怯んだ隙を突いて仏斬鋏で毛倡妓を髪ごと胴体を両断する。

 

「!!?紀乃――――!!」

 

「安心しろ。てめぇもすぐに逝かせてやる。」

 

「テメェだけは絶対に許さねぇ!殺す!!殺取 ・螺旋刃!!」

 

首無の必殺を茨木童子は響転で回避してのけた。

 

「まだだ!殺取・蛇行や」

 

その攻撃を繰り出そうとしたところで何者かに背後から心臓を貫かれる。

 

「こんな奴らを相手になにを遊んでいる?」

 

「今トドメを刺すとこだったんだよ、鬼童丸。」

 

「鵺の誕生までもう四日を切っている。さっさと次に行くぞ。」

 

「チッ、ちょっと待ってろ。―――鬼太鼓・乱れ打ち!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 奴良組所属、首無及び毛倡妓     再起不能により戦線離脱

 

 

 

 

 




なんとなくヴァイオレンスな気分だったのでついやってしまった\(^O^)/


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