虚無の魔神   作:千本虚刀 斬月

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18話 ぬらりひょん

 

 

 

 

 現在、弐條城は騒然としていた。土蜘蛛によって壊乱したはずの奴良組が再び活気付き、花開院の陰陽師達と共に各寺の京妖怪を蹴散らして再封印しているのである。

 

鏖地蔵などは慌てふためきながらも指示を飛ばしていたが、第三の封印・鹿金寺を再封印されたと報告を受けて卒倒しかけていた。

 

そんな中でも、羽衣狐は鵺ヶ池で生き肝を貪っていた。奴良組の快進撃も余興程度のものであり、狂骨が持つタブレット端末に映し出される相剋寺の様子を薄く笑いながら見ている。

 

(相変わらず遊びが好きだな。懲りない奴だ。)

 

ウルキオラがそう思ったところで映像が途切れる。どうやら土蜘蛛が本気を出すために立ち上がったらしい。

 

羽衣狐は配下の妖怪が女達を連れてきたのでその生き肝を喰らう。数分後、配下達が再び騒ぎ出す。

 

「騒がしいな、どうした?」

 

「・・・おそらく相剋寺での勝負が付いたのだろう。」

 

「確認してまいります。」

 

「それには及ばんよ。土蜘蛛の負けじゃ。・・・ワシの孫等にまっぷたつにされての。」

 

「何奴!!」

 

「!!貴様は・・・ぬらりひょん!」

 

「そうじゃ。久し振りじゃのう、羽衣狐。」

 

「・・・まさか俺の探査回路をすり抜けてここまで接近するとはな。これ程の芸当が出来る者など護廷十三隊の隠密機動にさえ居まい。やはり貴様は侮れん。」

 

「おーおー、ずいぶんとほめてくれるじゃねえか。・・・それで、ここが産卵場所かい?」

 

「ぬらりひょん、老いた身でありながらわざわざ一人で来るとはのう。よほど死にたいようじゃな?」

 

「あんたに会って確かめたいことがあってな。てめぇがうちの二代目を殺したのかい!?」

 

ぬらりひょんは殺気を放ちながら羽衣狐を睨み付ける。

 

「だとしたらどうだと言うのだ?闇が再びこの世を支配する。我等の宿願が果たされるまでもうすぐじゃ。その前ではそのような些事、どうでもよかろう?」

 

それを聞いたぬらりひょんはため息をつきながら殺気を納める。

 

「よーうわかったわ。ワシらとあんたらとは、やはり相容れんようじゃな。」

 

「どうした?やらんのか?」

 

「見ての通りワシはもう老いた。なんで、あんたらの相手は若い連中に任せるとするわ。覚悟しとくんじゃな。」

 

「生きてここから帰れると思うたか?ぬらりひょん」

 

その瞬間、黒い疾風が扉を破って侵入する。そして、ぬらりひょんに攻撃しようとしていた羽衣狐に襲いかかる。

 

「!!!」

 

だがソレは白い閃光によって阻まれる。

 

「俺が高速で近づいてくる貴様の存在に気が付いていないとでも思ったか?黒崎一護。」

 

「別に奇襲を掛けようと思ってたわけじゃねえげどな。総大将のクセに無茶苦茶するコイツを迎えに来たんだよ。」

 

「おう、すまんな一護。だが、無茶というならおまえさんも大概だと思うぞ?」

 

「・・・・・傷の方は癒えたようだな。どころか、僅かながらも霊圧が上がっている。しぶとい上に死にかける度に強くなるとは、どこぞの戦闘民族のような奴だ。」

 

「うるせぇよ!・・・まあアレだ、あんま人間達を舐めてんじゃねえぞって事だ。」

 

「ところで黒崎一護。先程から頑なに羽衣狐から目を逸らしているな。貴様の霊圧ならばコイツの魅了程度ならレジストできるはずだが?」

 

「ああ、一護はこう見えて童貞だからのぅ。女の裸を見慣れておらんのさ。以外と初心で奥手なんじゃよ。」

 

「うるせえっつてんだ!!だいたい今はそんなこと言ってる場合じゃねえだろ!」

 

顔を紅くしながらでは今一説得力が無いが、いっていることは間違ってはいない。実際に羽衣狐の陣痛が始まったのだから。

 

『母上、母上様。早く出たいです。もっと、もっと血肉がほしいです。妖の上に、人の上に立つのに・・・こんな状態では出るに出られません。』

 

「おお、おお!おおお!」

 

『もっと生き肝を!はやく、はやく!はやく!!』

 

「おお、よしよし。もうすぐじゃ清明、かわいいわが子よ。今、こやつ等を殺すでな。そのあと、食事にしような。」

 

「これが鵺ってやつか。こりゃ確かにヤバそうな霊圧だ。」

 

「一護、お前なんか余裕じゃの。」

 

「余裕なんて無ぇさ。単にもっとヤバい奴を知ってるってだけだぜ。なあ、ウルキオラ。」

 

「・・・それで、この状況でどうやってここから脱出するつもりだ?」

 

いつの間にか二人は取り囲まれていた。羽衣狐の陣痛が始まったのを察して駆けつけてきたのだろう。

 

「しんじらんねぇ、また糞虫が出やがった。」

 

「にがさない」

 

「何故いつも、出で来るか。なぜ、我等の邪魔をする。」

 

「・・・こりゃあ絶体絶命の大ピンチってやつかの?」

 

黒崎一護も虚化し、二人は背中合わせで刀を構える。だがその膠着状態はがしゃどくろの闖入によって崩れ去る。

 

「はごろもギツネサマ~~~~~!!くしぇものはどこですかぁ!くってやるじょお――――――」

 

がしゃどくろはバカ丸出しででかい図体に見合った大口を開ける。

 

(・・・バカが。肉も内蔵もないクセに喰ってどうする。)

 

案の定、黒崎一護はぬらりひょんを抱えてがしゃどくろの隙間をすり抜けていく。

 

「バカどけ!!」「邪魔しないでよ!」

 

ウルキオラも同様にしゃどくろの隙間をすり抜けて追跡する。

 

漸く追いついた頃には二人は外に出る寸前だった。直ぐ側には鏖地蔵がいるようだが足止めなど期待できない。

 

「チッ!・・・仕方ない。」

 

ウルキオラは、鏖地蔵も一緒にまとめて虚閃で薙ぎ払うことにした。だが、やはり二人は仕留め損なった。二人はそのまま堀川に落ちていく。

 

結局、まんまと逃げられてしまったのだった。

 

 




次回は鬼達のターン
その次でついにウルキオラがレスレクシオンする予定
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