「さあ、守っておくれ。純然たる、闇の下僕たちよ!!」
羽衣狐の命令を受けた京妖怪達は一斉に襲いかかろうとするが
「させるかよ!!―――――月牙!!天衝!!!」
黒崎一護によってまとめて薙ぎ払われた。
「一護!おせぇじゃねぇか。」
「悪ぃな、リクオ。まあ、真打ちは遅れてやって来るってヤツだ。あの鵺ってのが不完全で戦えねぇ今のうちにヤるぞ!」
「そんな真似をさせると思うか?黒崎一護。」
「・・・・・安心しろよウルキオラ、テメーの相手は俺以外にはできねぇんだからな!」
「・・・そうか。ならば――――――」
周囲が一変していく。
「なっ!・・・ここは、
ウルキオラや羽衣狐達は白亜の塔の天辺にいる。
「その通りだ。今この城は怨念の蓄積によって造られた幻影のようなもの。ゆえに、強固なイメージによって空間そのものを塗り替えることも可能というわけだ。」
「へっ!俺とテメーの因縁にケリつけるにはもってこいな舞台ってわけだ。」
黒崎一護は油断無く左手を顔に添える。対するウルキオラは
「―――――――鎖せ『
ウルキオラの
完全な状態となった頭部の兜、純白のロングコート、漆黒の双翼。そして、無明の深海に放り込まれたと錯覚するほどに濃く重い霊圧。
流石に黒崎一護だけは既に識っていただけあって呑まれること無く即座に仮面を出して剣を構える。
「テメェ等!!動揺してじゃねぇ!構えろ!意識を張り巡らせろ!この先、一瞬も気を緩めるな!!」
黒崎一護の言葉で妖怪達は我に返る。だが、ソレはウルキオラにとっては実に些末なことである。どちらにしても結果に大差は無いのだから。
「・・・この舞台に有象無象は必要ない。失せろ」
ウルキオラは霊圧を余すこと無く指先に集約させ、深黒の極光を撃ち放った。
「
真っ先に反応できたのはやはり一護だった。
「月牙天衝!!!!!」
次いでリクオが動く。
「奥義・明鏡止水"桜"!!」
だが、六秒の拮抗ののち、圧し負ける。
その間に雨造と竜二が水の障壁を張り、雪女のつららと冷麗が凍らせる事で強固な壁と成す。しかし二秒で崩れ去る。
雅次が改良型金屏風を展開し、破戸の式神・強毛裸丸と青田坊と猩影と土彦が全力で支える。
そして、二秒後
「ほう、黒虚閃に耐えるとはな。成る程、ゴミの寄せ集めというわけでも無いらしい。」
妖怪達の大半は満身創痍といった有様ではあるが、ウルキオラが想像していた以上の数が生き延びていた。
(黒崎一護が軽傷なのは想定の範囲内だ。だが、他にもそこそこの奴等が何匹かいるな。今のように連携をとられると少々面倒だな。体勢を立て直す前に潰すか。)
ウルキオラは再び指先に霊圧を収束させていく。
「!!・・・嘘だろ。あいつ、あんなのを何発も撃てるのかよ・・・」
「クソッ!させて、たまるか――――!!!」
黒崎一護は全力最速の瞬歩で黒虚閃を放たれる前にウルキオラの真正面まで移動した。仲間達を巻き込まないようにするためだ。結果としてその判断は間違いでは無かった。
ウルキオラは目の前にいる黒崎一護に標準を合わせ直す。黒崎一護も剣に月牙を纏わせる。
「黒虚閃」
「月牙天衝!!」
三秒程の拮抗はするが、やはり月牙が圧し負ける。しかし黒崎一護はその三秒間で攻撃範囲外までの離脱を果たしていた。
二人の戦いに妖怪達は魅入っていた。それは羽衣狐でさえ例外では無く
「へっ、スキだらけだぜ。仰言・金生水の花!」
咄嗟に気付いた茨木童子が迎撃するが、飛沫で濡れる。
「チィ!まあいい、やれ。魔魅流!」
「滅!!」
電撃の威力は高く、かつての茨木童子であったなら倒れはせずとも相当なダメージを負っていただろう。だが
「ハッ、ヌルいんだよ。アノ野郎のはこんなもんじゃねぇ。もっともっとシビれたぜぇ!」
鬼童丸も新しい刀を携え、奴良リクオに挑む。
「この瀬登太刀と姫鶴一文字であれば我等の剣戟にも充分ついてこれるだろう。さあ、ゆくぞ!!」
「まる たけ えびす に おし おいけ
あね さん ろっかく たこ にしき
し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう
せきだ ちゃらちゃら うおのたな♪
お姉様の邪魔はさせない!いくよ、がしゃどくろ!!」
「ああ~~~い!!」
ウルキオラはフルゴールで月牙の斬撃を受け止める。黒崎一護は高速機動を活かしたヒットアンドアウェーを繰り返し、黒虚閃を撃たせまいとしている。平均速度はウルキオラが上だが、瞬発力では黒崎一護が僅かに上である。
「どうした、もう息が上がり始めたのか?まあ、後先考えずに常時全力では当然か。」
「悪ぃがそいつは見間違いだ。むしろ、漸く身体が温まってきたところだぜ!!ハアアアァァ!!!」
二人は一際派手にぶつかり合った。
瀬登太刀-----日光のある法師が、二荒山神社からこの太刀を担ぎ出し、今度の戦に勝つかどうかを占ったという。占いは、太刀を川に投げて流されたら戦は負け、流されなかったら勝ち、というものであった。
法師は読経した後、神仏に念じながら大谷川に太刀を投げこんだという。すると、太刀は見事立ち上がり、川瀬に逆らって登ってきたという。法師等は大いに喜び、勇気百倍して戦陣に打って出たところ戦は大勝利であった。それからその太刀を「瀬登太刀」と号した。
日光二荒山神社では御神刀として取り扱われており、柏太刀、祢々切丸とともに三口の大太刀とされている。
姫鶴一文字-----磨上げに出したところ、夢に姫君が現れ磨上げしないよう懇願されたという。姫の名を尋ねると「ツル」と答えた為、その後「姫鶴一文字」と号したという。