千年魔京編まで逝けたらちゃんと黒JKモードの9尾羽衣狐様を出すから!?
羽衣狐(はごろもぎつね)――――――――――京妖怪を統べる大妖怪・8尾の妖狐。転生妖怪と呼ばれる特殊な妖怪。
時代の節目に現れては幼年期の人間を依代にして取り憑き、依代が成熟した所で体を完全に支配する。
依代自体はあくまで人間である為、肉体が滅びれば本体は次の依代を求めて彷徨う。
また、それを繰返す度に尾が一本つづ増え、力も上昇していく。
ウルキオラが大阪城で対面しているのはそんな妖怪であった。もっとも、だからといって萎縮するようなウルキオラではない。
「貴様が羽衣狐とやらか?」
相変わらずポケットに手を突っ込んだまま、感情の読み取れない瞳を羽衣狐に向けている。
この態度に取巻きたちが多少ざわめいたが、羽衣狐は泰然としたもので
「如何にも。妾が羽衣狐と呼ばれる魑魅魍魎の主に相違ない。して、お主の名は何と言うのじゃ?」
「・・・・・・・・・ウルキオラ・シファーだ」
「ほう、変わった名じゃな。その身なりといいお主、南蛮の妖かえ?」
「まあ、そんなところだ。」
(実際の所は、異国どころか異世界なのだがな。)
とウルキオラは小さく呟いた。
そこで鬼童丸が恭しく頭を垂れながら羽衣狐に進言する。
「羽衣狐様。このうるきおらの力は土蜘蛛にも比肩し得るもの。うるきおらの協力があれば悲願成就はより確実なものとなりましょう。」
「まずは、その悲願とやらの内容を聞かせろ。手を貸すかどうかは其れから決める。」
その悲願とは反魂の術を達成せんとするやや子・安倍晴明を羽衣狐自ら出産する事だと言う。俄かには信じがたい話しである。
だが、羽衣狐や鬼童丸らの話しを訊いて行く内に信じざるを得なくなっていった。
「うるきおらよ、お主の力を妾達に貸してはくれんかの?」
ウルキオラとしては当初はそこまで乗り気ではなかった。だが、今の話しを聞いて気が変わった。
井上織姫が言っていた心の繋がり。その「絆」の力によって黒崎一護は艱難辛苦を乗り越え、遂には自分をも斃してのけた。
こいつ等と共に居れば、もしかしたらそれを理解できるかもしれないと思ったのだ。
「いいだろう。鵺による人間の支配などは如何でもいいが、貴様ら母子の絆とやらには興味がわいた。その行く末、見届けてやろう。」
「ただし、俺は貴様の下につく気は無い。あくまで対等な協力関係だ。」
それを聞いて取巻き達の中には憤る者も少なからず居たが、羽衣狐が黙らせた。
「よい。既に土蜘蛛という前例もおる。協力してくれるのならそれでかまわぬ。」
「妾はお主を歓迎するぞ?うるきおら」
こうしてウルキオラと羽衣狐の協力関係は結ばれた。
ウルキオラが大阪城で羽衣狐と条約を交わした翌日の夜の事。ウルキオラは城下町を見て回っていた。
もっとも、月が綺麗とか町並みが気に入ったとかの情緒あふれる理由ではない。単なる地形の下見である。
正直、ウルキオラとしては町が瓦礫の山と化そうが住人が死に絶えようが瑣末な問題である。だが、あの女狐には
「この辺り一帯は妾の膝元じゃ。あまり派手に暴れてもらっては困るぞ?」
と釘を刺されている。
(まず在り得ないと思うが、十刃級の力を持つ相手と戦う事になった場合、町中では不利だな。その時は上空で戦う事にでもするか。)
そう考えを纏めていると、不意にある霊圧を感じ取った。コレには流石のウルキオラも驚愕した。
「バカな・・・!この霊圧は・・・何故貴様がこの世界に居る?――――――――黒崎一護」
仮に、コチラの世界で黒崎一護と再会しても戦闘になるとは限らない。だが、戦闘になる可能性は低くないだろう。
感知した黒崎一護の霊圧を分析し、過去の戦闘の記憶と照らし合わせた結果、ウルキオラはそう判断した。何より、破面としての本能と直感がそう告げていた。
(その可能性が在ると解っていながら対策を怠るなど愚昧のやる事だ。黒崎一護が相手なら尚更な。)
この黒崎一護は『劇場版BLEACH 地獄篇』のちょっと後くらいです。