34話 精霊
東京湾岸近辺、暁の水平線が眼を灼く。そんな中
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けたたましく鳴り響くサイレン。
可及的速やかに避難する群衆を尻目に逆行する女が居た。左右不均一なツインテール、鮮血と暗闇から具象化されたようなドレス、左目の瞳は黄金の時計盤。そして、濃密な血のニオイと、人間の領域を超越した霊力。
「あらあら。
次の瞬間には、影に消えていた。
ウルキオラの眼に映った光景は、大規模な爆心地としか形容できないものだった。
広く深いクレーター、大きく歪んだ空間、周囲に散乱した瓦礫。真実、紛れもなく爆心地に他ならない。
例えば、
そこで、何やら可笑しな連中が文字通りに飛んできた。人間…ではあるようだが、妙な質感の気配だ。霊圧では無く、『畏』とも少し違う。身に纏う武装、パワードスーツと言うヤツだろうか?
連中は光剣や銃火器を構えながら彷徨くばかりで、明確なアクションを中々起こそうとしない。どうも、何かを探しているようだ。爆心地に居るままのウルキオラをスルー、と言うより気付いてない様子だ。
そこで漸く思い至った。今の自分は、
つまり、余程の霊感が無ければ存在を認識できないという訳だ。そして、あの連中には今のウルキオラを視れるだけの霊感が無い。計器類を使ってもなお、僅かに漏れ出る霊圧を補足出来ないようだ。
クレーター付近を未だ彷徨いている人間共。此方を認識さえ出来ていない為、排除は容易いが、現状で倒したところでメリットは無い。
観察していると、連中の主な使用言語は日本語だった。顔立ちも日本人のそれ。つまり、ここは未知の異世界では無く日本である可能性が高い。恐らくは平行世界の、それも幾何か未来と推測できる。その点については、収穫だった。
結局ウルキオラを認識できず終いで、撤退していった。
霊力、空間震、精霊、AST、ウィザード、リアライザ、ロスト。幾つもの気になる単語が使われていた。
・・・それに、周囲一帯の
……先ずは消耗の回復を図りつつ図書館なりで自分で情報収集することに。奴等の側から接触してきたなら、その時は相応の対応をすればいい。
図書館で開館から閉館まで一通り書物を漁ってみたが、やはり別世界であるようだ。大まかな歴史の流れは大体同じだったり、貨幣がそのまま同じな辺り、平行世界と言うヤツだろう。
空間震とやらについても、概要程度は知れた。二〇数年前にユーラシア大陸におきた特大の超常災害、以降は世界各地で中小規模の空間震が発生し、シェルターが一般にまで普及しつつある有様だという。
しかし、精霊、AST、ウィザード、リアライザ、ロスト等については分らなかった。
いや、単語本来の意味と連中の会話の流れから何となく想像は出来る。だが至極当然ながら情報は正確な方が良い。
そんなことをつらつらと考えながら、当て所なく歩いていたら高台の広場にまで来ていたらしい。
街が黄昏に差し掛かり、濃影と緋光のコントラストに彩られる。陽は地平に沈み、月が宙に昇り往く。昼と夜が入れ替わる瞬間、逢魔時である。
「くすくす」「あら、あら」「きひひひひ」「あらあら、まあまあ」「あはははぁ」「ああ、嗚呼」「食べ応えのありそうな御方ですわぁ」「ええ、なかなか美味しそうですわねぇ」
「―――そうだな、一番手っ取り早いのは、
ウルキオラの存在自体がこの世界に馴染んだのか、自身の変容を感覚的にだがある程度理解を進めたからか、来た当初と比べて随分と安定している。
大気中の霊子も現世にしてはかなり濃く、重霊地の空座町とほぼ変らない位だろう。
消耗はまだ回復しきっていないが、戦闘になったところで先ず負ける事はあるまい。
元
時崎狂三
識別名:ナイトメア
総合危険度:S
空間震規模:C
霊装:C
天使:S
STR(力):109
CON(耐久力):80
SPI(霊力):220
AGI(敏捷性):103
INT(知力):201
身長:157cm
スリーサイズ:B85/W59/H87
マテリアルより抜粋
精霊って能力的には各勢力の上位勢にも匹敵しそうな気がする。『天使』が霊圧差で無効化されてる描写チラホラあるけど、充分に破格と言える性能だし。
ウルキオラの相方は誰がいい?
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時崎狂三
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本条二亜
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アルテミシア・ベル・アシュクロフト
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五河士織
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その他
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特になし