それは作者もか。バレットといい、新作の事件簿といい…
黄昏時の高台の広場は、何時でも町の景観を一望できるスポットとして、よくデートの場に選ばれる。
今宵の口もまた、
その中で唯一の男性、ウルキオラ・シファー。石膏像のような白く硬質な肌と、無機質な整った面貌。腰に差された一振りの刀。一般人では視認すら不可能な、超がつくほど高位の純霊体。
女の方は、群衆のすべてが一様に同じ有様。左右不均一なツインテール、鮮血と暗闇から具象化されたようなドレス、左目の瞳は黄金の時計盤。そして、濃密な血のニオイと、人間の領域を超越した霊力。最悪の精霊〈ナイトメア〉時崎狂三。
方々のクラヤミからも幾重に響き合う囁き。地面の陰影より這いずり出て来る
しかし、奴らの纏う空気は、獲物を前に舌舐めずりする狩人気取りのそれ。一応、此方のことは
「さてさて、まずは下拵えといきましょうか。」
そう言って前衛の数体が古式の短銃と歩兵銃を構え
パァンパァンパァンパァンパァン
「…縛道の八十一・断空」
・・・仕方ない、ヤるか。
「ひとつ…いや、念のためふたつ残しておくか…」
適当に
「雷鳴の馬車 糸車の間隙 光もて此を六に別つ――縛道の六十一・六杖光牢」
これでまずは一体捕縛。
全方位から一斉に弾幕が張られるが、
お返しにと
「――縛道の三十・嘴突三閃」
2体目を捕獲する。
「…この程度か?所詮は分身。どれだけ嗾けてこようと、俺を倒すことは出来ん。…いい加減、さっさと出て来い。その気が無いのなら、とっとと失せろ」
どこかに隠れて様子を窺って居るであろう本体に言い放つ。
それを聞いた連中は忌々しげに顔を歪め、負け惜しみの戯れ言と発砲。
先ほどの弾丸以上の霊圧が込められていたが、あえて無防備状態で受けてもノーダメージである。
「これ以上はこちらとしても面倒だ。撤退しないというのなら、戦闘続行の意思ありと見なし、殲滅にかからせてもらう。…どうする?」
ウルキオラは斬魄刀に手を掛けつつ、霊圧と殺気を放つ。
連中も霊圧を上昇させるものの、流石に勝ち目が無いと判断したのか、影の中に撤退していく。
嘴突三閃で磔にしていたほうは影に沈んでいったが、六杖光牢で捕えていたほうは残ったので良しとしよう。
ようやく静寂を得た夜の高台広場。そんな中
⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠―――――
けたたましく町中に鳴り響くサイレン。
ウルキオラはその意味をよく知らないが、面倒事の予感がして、やや顰め面になる。
「きひひひひ。まもなく、ASTがやって参りますわよ?さあ、どうなさいます?」
「…ASTとは、パワードスーツを纏った妙な気配の人間共か?」
「より厳密に言えば、
「……ああ」
この期に及んで否定して見せたところで意味など無い。
「・・・・・だが、話をするのに時間を急くのは性に合わん。まず先に、排除するか…」
戦いに美学を求めるな。死に美徳を求めるな。己1人の命と思うな。護るべきものを護りたければ、倒すべき敵は背中から斬れ。
かつての宿敵達であった死神連中は学院生時代からこの心得を学ぶという。
人類の精鋭部隊らしいASTとやらは、はたしてどうだろうか?
しかし、意気揚々と飛んできた連中は相変わらずウルキオラを知覚できないままだった。
あれでは交戦したところで、戦力調査にもならない。実力や勝負以前の問題だ。
とは言え、ウルキオラの
あの仰々しい装備は伊達や酔狂では無いらしい。
残りの雑魚共は
話を訊く前に殺されるのは少し困る。
連中が引き金を引く前に
しかし、存外にダメージは少ない。下位席官の死神程度なら一撃で半身を消し飛ばすに足る威力なのだが…
連中をよく見てみると、己の周囲に障壁のような力場を形成している。
強いて例えれば、一部の妖怪が有していた領域型の『畏』に近いか。
それの御陰なのか、反応速度も防御能力も生身の限界を超えた域にまで引き上げられているようだ
「ふむ。この世界の人間も中々興味深い真似をするものだな…」
それでも、やはりウルキオラの敵では無い。全員を墜としきるまで数分とかからなかった。
しかし、連中の装備品は確かに驚異的だったが、戦闘能力としては大したものでは無かった。個としては
撃墜し、戦闘不能になった連中の周囲の空間が歪む。あっという間に消失した。おそらく、後方支援要員が空間転移で回収したのだろう。
出歯亀も失せた。この場に残っているのは、ウルキオラと精霊ナイトメアと呼ばれた女の2名だけ。
「・・・さて、訊きたい事も多く出来た。俺の質問に正直に答えてもらおう。拒否も黙秘も認めん」
デートは、まだ続くーーー
狂三を強化するとして、どの方向で行くかな?
痣城みたいに鬼道に特化させるか、スタークみたいに
なお、何れにせよ分身体は特攻要員な模様