天才と二重人格と世界一過保護な兄と   作:ゆん

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9ヶ月も更新しないですみません(土下座)

他のも頑張って更新していくので、しばしお待ちください(土下座)

できたら今日他のも更新しますが、無理だったらすみません(土下座)



第14話 始まってしまった特別試合

俺は気を失ってしまった明久を壁に寄りかからすように座らせ、皆の方へと戻った。

 

「では、これより4回戦を始めます……と、言いたいところですが……」

 

「5回戦のうちFクラスが3勝……どう足掻いてもこっちの勝ちだよな?」

 

雄二は先生の言葉に被せるようにそう言うと、まるで悪役のように笑みを浮かべた。

 

うん、本音言ってもいいよな?

 

そう思った俺は、同じことを考えていたであろう秀吉とアイコンタクトをとり、真顔で雄二を見た。

 

「雄二、絶対にそんな顔を明久に見せるんじゃねーよ? 起きた時にまたぶっ倒れたらどーしてくれんだ」

 

「頼むから、明久の体調を崩さないでほしいのじゃ」

 

「お前ら酷くねーか!?」

 

え、だって雄二だし。別によくね? ま、それはどうでもいいけど。

 

話を戻して、と。雄二の言った通りこの後Aクラスが2勝したとしても、結果的に3勝している俺達の勝ちになる。

 

さて、プライドの高いAクラスはどう出るのか……見物だな。

 

そう思っていると、無言でこっちを見ていた星奈がため息をつきながら前に出てきた。

 

「確かにどう足掻いてもこっちが負けなのには変わらない、それはわかっているわ。だからこそ、私の要望を聞き届けてはくれないかしら?」

 

「要望……? それは構わないが、内容によっては断るぞ?」

 

「大丈夫よ、安心して。被害者は1人しか出さないようにするわ。ねえ、経久?」

 

「……やっぱりか」

 

俺はそう言って苦笑する。そして頭を掻きながら前へと出た。

 

星奈は普段大人しいし、基本誰にでも優しい人気者だ。

 

でもこういった勝負ができ、そして近くに俺がいる時は、何故か俺に負けず劣らずの戦闘狂へと化してしまうのだ。

 

俺は仕方ないと思いながらため息をつき、若干目を輝かせている星奈に目を向けた。

 

「やるのは構わねーよ? でも……最初から全力で行くからな?」

 

「ええ、私も本気で相手をするわ」

 

俺達はお互いにそう言って、好戦的な笑みを浮かべながら対峙した。

 

「それでは、これよ「「サモン!」」りって、遮らないでください!」

 

なんか珍しく先生が叫んだような気がするが、今の俺達にはそんなことなどどうでもよかった。

 

別に俺はあいつみたいに戦闘狂なわけではない。まあ、皆にはよく『常識のある戦闘狂』って言われてるけど、さ。

 

でも、それでも、たとえこの1回きりだったとしても!

 

「「勝負!」」

 

 

すっげー胸が高鳴るほど、楽しみなんだ!

 

 

〜秀吉SIDE〜

 

あれから10分後、2人の戦いぶりを見て、ワシは思わず顔を引きつらせた。

 

「おいおいおい……いくらなんでも激しくやりすぎだろ!」

 

「…………被害が尋常じゃない」

 

隣では雄二とムッツリーニも呆然と呟き、同じように顔を引きつらせていた。

 

2人は最初こそ自分の武器で攻防しておったが、今はAクラスの設備はおろか、周りにいる人達まで巻き込んでおる。

 

「まさか……ここまでやるなんて……」

 

先生に至っては、2人が壊した設備が合計でどのくらいかかるのかを想像したらしく、ブツブツと呟きながら顔を真っ青にしてしまっておる。

 

ワシはそんな先生に苦笑しつつ、小さくため息をついた。

 

あの話(・・・)、免除にならないといいがのう……」

 

ただそれだけを、祈っていた。

 

 

〜経久SIDE〜

 

「おまっ、それは反則だろ! どう考えてもずりーって!」

 

「もうここまできたら関係ないんじゃないかしら?」

 

「んだと!? だったら、こっちだってやってやらぁ!」

 

俺達はそう言いながら、周りを巻き込む大乱闘をやっていた。

 

たまに「やめろー!」とか「その辺にしておくのじゃ!」とか聞こえるけど、そんなの気にしてられっか!

 

勢いに乗った俺は近くにあった何かの物体を持ち上げさせて、思いきり投げた。しかしそれはあっさりとかわされる。

 

それを見て舌打ちをした俺は、やり方を変えて物理的に攻撃しようと突進させるが、俺の集中力が切れかかってしまったのか、召喚獣は途中でガクンと倒れてしまう。

 

星奈はそれを見てクスリと笑い、ゆっくり俺と召喚獣に近づいてくる。

 

「もう……最初から全力で戦うからよ?」

 

「うっせーな! そう言ったからには……ん? ちょっと待て!」

 

俺は星奈の言葉に疑問を抱き、首を傾げる。

 

(今『最初から全力で戦うから』とか言ったか? じゃあ、まさか……!)

 

俺はある1つの考えに至り、顔を引きつらせながら星奈に問いかけた。

 

「まさかとは思うが、お前……」

 

「そのまさかだと思うわよ?」

 

「やっぱり全力で戦ってなかったのか!?」

 

俺がそう叫ぶと、星奈は再びクスリと笑ってこう言った。

 

「確かに私は本気で(・・・)相手をすると言ったわ。だけど全力で(・・・)相手をするとは言っていないわよ?」

 

「どんな屁理屈だよ、それ……!」

 

「悪かったわね、屁理屈で。だからそのお詫びに――――全力で、いくわよ!」

 

「ちょっ……!?」

 

俺は慌てて制止を試みるが、やはり星奈はそれを無視して召喚獣を突進させた。

 

何の構えもしてなかった俺の召喚獣はあっさりと星奈から強烈な一撃をくらった。

 

瞬間、フィードバックが俺の体に跳ね返り、あまりの痛さにその場にうずくまった。

 

「いっ……てぇええええええええっ!! おまっ、強すぎだろ!?」

 

「あら、ごめんなさい。観察処分者だって知らなかったわ」

 

そう言って星奈は楽しげにクスクスと笑った。

 

あんにゃろー……絶対に知ってやがったな、俺が観察処分者だって……!

 

とりあえず文句を言ってやりたいが……とりあえず、だ。

 

 

 

「マジいってぇえええええええっ!!」

 

 

 

俺の叫び声が、学園中に響き渡った。

 

 

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