廊下に出たのは良いけど、雄二が何か考えている様子だったので、僕は聞いてみた。
「それで、どうしたの?」
すると雄二は微妙に口ごもりながら言った。
「いや、今思ったんだがな?『あの事』を達成するには、姫路がいるとまずいんじゃないか?」
「え?……あ、そっか!」
雄二に言われて気がついた。僕達が『あの事』を達成するには、姫路さんがいると達成することができない。なら、一体どうすれば……?
「……私に考えがある」
「「うわっ!?」」
僕達が悩んでいると、今はAクラスにいるはずの翔子さんが現れた。
「めんどくさいからツッコミとかは全部見逃す!翔子、さっきのはどういうことだ!?」
「……そのままの意味。2人とも、耳貸して」
そう言われ、僕達は疑問に思いながらも翔子さんの話を聞いた。
その発想には、驚きを隠せなかったけど……。
「……確かにそれなら、『あの事』を達成できるね」
「だな。翔子、その案もらうぞ」
「……構わない。そのために用意した考えだから」
僕達は翔子さんにお礼を言って、先生が来る前に教室へと戻った。
*
「お待たせしました。それでは坂本君、君が最後ですよ」
先生は新しい(?)教卓を持ってくると、雄二にそう言った。
雄二は前に出ると、僕とアイコンタクトを交わして、皆に向かって言う。
「代表の坂本雄二だ。代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ」
雄二は間を置くと、AクラスとFクラスの設備の差について話した。
「……不満はないか?」
『大ありじゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
「そんな中で、聞きたいことがある。明久」
僕は雄二の言葉にうなずき、皆に『あの事』を教える。
「僕と雄二は『学力が全てじゃない』ということを証明したいと思っている。だけど、よく考えてくれ。このクラスには姫路さんに続いて、かなりの有力者がいる」
「俺たちは考えた。そんな中で試験召喚戦争をしても結局は学力に頼ることになってしまう。ならどうするか?」
雄二がそう言うと、兄さんが話に加わってきた。
「つまり、召喚獣の操作能力で勝とう、ってことか?」
「そうだ。それなら皆にでもできるだろう?」
『た、確かに……』
『それってつまり、俺でもAクラス代表を討ち取れるってことか!?』
『それってスゲーんじゃねーか!?』
よし。だんだん皆の士気が上がってきてる。あともうひと押しだ!
「そうだ!僕達で文月学園の歴史に新たなページを載せてやろうじゃないか!」
『おぉーーーーーーーーーーーーっ!!』
皆のこの反応を見て、僕達は互いを見て笑いあった。
さあ、Aクラス対Fクラスに向けての試験召喚戦争の幕開けだ!!
~経久SIDE~
明久達、廊下に出てまで話すことだから何かと思っていたが、まさかこれが目的だったとはな……。
俺はどうしても口元が緩むのを抑えきれなかった。
けどまぁ、俺もやってみたいなと思っていたから好都合だ。
「あ、だけど明久って、『アレ』はどうするんだ?」
俺はついそんなことを口に出してしまった。危ねぇ、誰も聞いていなくて良かった。
でも今考えても仕方ない。明久と一緒に住むんだから、その時聞けば良いか。
ああもう、今の段階でもすっごい楽しみだ♪
経久が言った『アレ』とは!?
謎のままで終わりましたが、次回もお楽しみに。