艦隊の咆哮 〜戦場を彷徨う鋼鉄の漂流者〜   作:正海苔

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4-4 艦隊の報恩報復、シブヤン海大空襲

0600 サマール沖

 

「遅いな〜、何かあれば連絡するはずなんだが」

 

シブヤン海側経由でサマール沖に到着するのはサンベルナルジノ海峡だけであり、スリガオ海峡と同様に東側で待ち伏せをしていたが…

緊急でリフレクト(・・・・・)から通信が入り内容を聞いた途端にショックを受けた。何しろ沈没寸前(・・・・)で通信しているのである。

 

「…出雲はシブヤン海を通過して、側面から突き破る気だ…先に(・・)地獄で待つ…それから」

「なんだ?」

例の(・・)件は出雲に話した。奴なら彼女達のことうまくとりなしてくれるだろう」

「分かった。俺も後から行くかもな」

「先に気長に待つよ」

 

このリフレクトとシャドウは同型艦だが、異世界(・・・)の同胞である、その片割れが沈められて心半ば悔やんでいた。

 

「シャドウさんどうします、隊を2つに分けますか?」

「もうじき、グアムに待機していた第二陣が間も無く来る。それからでも遅くは無いだろう…が念の為半数をシブヤン海で待機してください、接敵後は戦闘は可能な限り避け、サマール方面に退避、こちらと合流してください」

「分かりました。」

 

シャドウ自身は的を射るように正確についた。下手をすればお互いが座礁やら衝突(出雲なら普通にやり兼ね無い)がはらんでいた。

 

0730 ルソン島北西 200キロ

 

出雲達はシブヤン海に入る前の打ち合わせを行っていた。

突入ルート(・・・・・)である。歴史通りにミンドロ海峡経由でシブヤン海へ入るか又は、ベルデ島水路を突入して行くかだった。

 

結果、出雲が先行して後者のルートを通り光学迷彩(・・・・)を使用し偵察、残りの艦隊は前者のルートで通る事にした。その際、出雲がシブヤン海で敵艦隊を捕捉した場合、伊勢達に報せ、航空隊を出し敵艦隊へ襲撃する事で合意した。

 

そして現在…1330

出雲sido

 

予定通り出雲は単独で行動し…ベルデ島水路の東側バコ・チコ島に隠れて警戒と監視に付いた。

「綺麗な海だな、こんな所でドンパチやっているのが馬鹿みたいだよ」

「本当に綺麗な所です。作戦終了後にここいら辺でバカンスを過ごすというのはどうです?」

 

「作戦終了後にみんなに聞いてみ…「艦長、こちらCIC予定外(・・・)の客が来ました。数は58隻程内、大型艦艇は20隻確認しました。」よし、伊勢達に連絡して航空攻撃の要有りと伝えて、空母はいる?確認出来た?」

 

「今の所、レーダー画像で確認するとありません戦艦部隊(・・・・)を主体とした部隊です。こちらからの火力支援(・・・・)はどうします?目標距離200キロありますが…」

「残存艦艇が退避しなければ(・・・・・)だ…背を向けているのは必要無いだろう…」

「分かりました。」

 

同時刻 横須賀・大湊艦隊sido

 

艦隊は打ち合わせ通り、コロン島の北側、ミンドロ海峡を通過する地点にいたが…だがその直後、出雲からの連絡を受け艦載機による攻撃をしてくれと報らせが入った。

 

どうやら敵艦隊は、シブヤン海の東側に待機しているという内容であり。

航空攻撃を1回程(・・・)してくれという内容だった…もし残敵が退避しなければ後は出雲自身(・・・・)が行うというものである。

そして、それぞれの飛行甲板(・・・・)では待っていましたとばかりに艦載機を準備していたのである。

 

そして、艦娘達から発進許可が下りるとそれぞれ艦 艇 達(空母・航空戦艦)搭載(・・)したカタパルトから一斉に艦載機を射出(・・)した。

 

第一次攻撃隊

伊勢・日向・扶桑・山城

艦戦 迅風 各16機(合計 64機)

艦攻 天星 各16機(合計 64機)

 

飛鷹・隼鷹(搭載機数108機)

艦戦 迅風 各40機(合計80機)内40機護衛機

艦攻 天星 各40機(合計80機)

 

艦戦 制空 40機

艦戦 爆装104機

艦攻 爆装 80機

艦攻 雷装 64機

 

合計 288機の第一次攻撃隊(・・・・・・)驕敵(深海凄艦)を殱滅し、そしてかつて自分自身(艦の姿)の雪辱を晴らす為に向かって行った。

 

シブヤン海 1420

 

攻撃隊編隊速力320ノット(592.64キロ)で敵艦隊に向かうこと約40分程。事前に出雲がレーダーによる航空管制誘導行い目標に向けて指示しそして…

 

「こちらフライング・ダッチマン(出 雲)警告、敵直掩機120機をレーダーで確認、高度4500、艦隊直上を飛行中、制空隊は敵直掩機の迎撃に当たれ、以後各航空隊指揮官の指示に従い任意に攻撃せよ各機兵装自由、戦闘開始」

 

その一言を(・・・)合図に制空隊の機体から増槽を切り離し、直掩機の排除に掛かり、残りは敵艦隊に向かった。

 

「こちら艦攻隊指揮官、敵艦隊を発見、大型戦艦12隻を含む58隻を視認、攻撃隊最優先で戦艦を沈めるぞ!」

「飛鷹艦戦隊、こちらは随伴艦艇の対空火器無力化に掛かる。」

「こちら山城艦攻隊、飛鷹隊に続く敵外周駆逐艦の制圧を開始する」

「ル級に捕捉…ロケット弾斉射」

 

天星には5連装ロケット砲が8基計40発が搭載してあるこれを受けたル級の右舷側対空砲座は軒並み壊滅した…いやサーモバリック(燃料気化)弾頭で半数が吹き飛んでしまい、迎撃不能だった。

 

「へ〜、やるじゃん、ならば…目標はタ級fsに合わせるか、アリゾナ(真珠湾)撃沈以来だが、よう〜い…もらったぁ」

 

天星から誘導爆弾2発を投下し、たちまちタ級fsの艦橋部付近に直撃し瞬時に轟沈した。

イ級にロ級更にホ級やリ級、ネ級達そして戦艦達も必死に対空砲火を上げ迎撃するが、艦戦や艦攻からの問答無用(・・・・)の機銃掃射とロケット砲攻撃でたちまち剥ぎ取られていき、更には艦橋にロケット弾の直撃で上半身が無くなるか焼死体(・・・)なるかのどちらかが後を絶たなかった。

 

対地・対艦ロケット砲弾にはHEAT弾使用か又は、サーモバリック弾頭使用のロケット砲弾を搭載している。

トドメには1t誘導爆弾の爆撃か、音響誘導魚雷の雷撃の2つしかなかった。この天星に搭載した誘導爆撃は赤外線誘導(・・・・・・・・)が有り、音響誘導魚雷は磁気信管(・・・・)を搭載している。

 

どちらか(後者)これに捉えられば最後である、対魚雷防御かフレアをばら撒かない限り無理な話だが…

同様に直掩機120機も既に残存機が10機足らずしか残らなかったのだった。

何しろ相手を烈風(・・)と見間違えて仕掛けたのが運の尽きだ。

 

出雲が開発した2種類(・・・)の艦上戦闘機は重武装と重装甲更に高機動高速力を高め文字通り一撃離脱(・・・・)を主体にした戦闘機である。

 

だが開発者(出雲自身)にしてもいずれレシプロ機では限界(・・)があると確信している為、後日自費開発することにした…艦娘達に暴露(ばれ)強請(ねだ)られたが…

 

そして、攻撃隊が縦横無尽に暴れ回り、全てが終わるころには数隻の駆逐艦が来た道を引き返して行き、攻撃隊も母艦に帰還した。

 

出雲sido

 

「艦長、伊勢から入電です」

「内容はなんと来ている?」

「内容は…第一次攻撃隊敵艦隊の9割並び直掩機を全て撃墜せり…と…追伸、パイロット妖精一同、新型艦載機開発ありがとうございます」

「最高の謝辞ありがとう…と伝えて」

「分かりました」

「よし、シブヤン海で艦隊と合流するか…そろそろ八雲達もエンガノ岬(現地入り)近くだろう、上手く行けばいいが…」

 

 

 

 

 

次話に続く

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