艦隊の咆哮 〜戦場を彷徨う鋼鉄の漂流者〜   作:正海苔

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5-2 南海の夜明けと悪友と緊急依頼

18日 0540 シンガポール チャンギ海軍基地

出雲艦内 艦長私室

 

ムクッ、カチッ

「…ん〜、まだ6時前か…シャワー浴びてコーヒーを飲むか」

ベッドから起きようとすると…

 

ムニュ「ムニュ?」

「う〜ん」ダキュ

「はぁー、仕方ないな。」

 

出雲の身体が動かないと思って左右を見ると、出雲の右腕を飛鷹が左腕を隼鷹がそれぞれ抱き枕代わりにして寝ており、

どちらも下着すら着てない(・・・・)状態ですやすやと寝ていた。

 

「…仕方ない、(スルスル)おりゃ」ヒョイ

 

布団を2人の肩まで掛け直すと私室に備え付けてある浴室でシャワー浴びて艦内作業服に着替えて、執務室から見るシンガポール朝日を眺めながらコーヒーを飲むと、執務室のカーテンを捲りながら思った。

 

「あの2人(飛鷹と隼鷹)2週間振り(・・・・・)だからと言って、ベッドの上でまぁギシギシパコパコと動きながらストレス発散したものよ、お陰で寝たのが3時前(・・・)だというのに…まぁしかし、艦娘寮から俺の家に住み始めてから2人共、昨日の宴会で酔っ払った挙句堂々と艦娘達全員の前で、飛鷹は「私達3人(飛鷹と隼鷹と出雲)の関係は双方合意の上での2股(・・)で同棲中です…」と答えちゃったし、どうしよう。」

 

あれやこれ考えても仕方ないのでデスクの上に置いてある報告書を持って見ていると…

 

「おはよう出雲。」

 

声をかけて来たのは飛鷹だった。

どうやら起きてすぐシャワー浴びたのか湯気が立ち込んでおり、いつもの服装では無くバスローブを巻いて来た。

ふと、壁に掛けてある時計を見ると時刻は0645になっていた。

 

「あぁ、おはようコーヒー飲むかい?」

「えぇ、頂くわ」

「どうぞ」カチャン

「ありがとう」ニコッ

 

書類を持って応接用のソファーに座るのはいいが…何故か飛鷹は出雲の左側に座り込んだ。

「(おいおい飛鷹!なにちゃっかりと隣に座るの?反対側空いてるじゃん‼︎しかも俺の左腕を自分の胸に当たっているぞ。)」

 

「出雲、思ったこと顔に出てるよ〜それにこれ貴方だから当ててるのよ。」

「そうだぞ出雲、あたしと飛鷹がいれば両手に花ってヤツじゃん‼︎しかも出雲は絶倫だから大丈夫よ、アッハッハ〜」ガシッ

「何がアッハッハ〜だよ、まったく」

艦息(・・)腹上死(・・・)は絶対にやだし、まぁ艦息兼化物だからいいか…)

 

そう言って来た隼鷹もシャワー浴びて来たのか飛鷹と同じバスローブを巻いておりしかも飛鷹から7回、隼鷹からも6回、合計13回も精気を搾り取られたが如何にか2人が、そのまま寝付いたので内心は助かったと。

 

ここに日本国からASEAN派遣軍として提督と艦娘達が派遣されており旧シンガポール海軍チャンギ海軍基地は現在、日本国が借用して運用している更に戦闘での損傷による補修工事や岸壁係留時には、国内の造船所や港湾施設を借りて使用している。

もちろん、ASEAN派遣軍の本部はシンガポール国内ダウンタウン・コア地区にある為、通信指揮系統・物資兵站集積所としても最適な場所だ。

 

ここ、チャンギ海軍基地(第1海上機動隊)を筆頭にジャカルタ(第2海上機動隊)ブルネイ泊地(第3海上機動隊)タウイタウイ泊地(第4海上機動隊)

カムラン泊地(第5海上機動隊)スラバヤ基地(第6海上機動隊)パリクパパン基地(第7海上機動隊)高雄基地(第8海上機動隊)海南島泊地(第9海上機動隊)更に分遣隊としてペナン島基地が設立している為、戦力的には2個鎮守府に匹敵する更に深海棲艦の出現により国際空港は軒並み閉鎖されており現在は日本軍(自衛軍)が間借りしている。

 

ガチャン

 

「ん?なんだ出雲?まだお楽しみの最中だったのか、なら改めて出直すが…」

「あ、おはようございます。何かありましたか?」

「おはよう出雲?貴方、私達みたいなお姉さん達とは火遊び(・・・)しないのかなぁ〜?」

 

「長門さんはともかく陸奥さん、それは言っちゃダメでしょうそれと飛鷹と隼鷹いい加減着替えてこいよ!」

「分かったわ、後で朝食一緒に行きましょう」

 

2人はいつもの服装に着替える為に出雲の私室へ戻っていった。そして、出雲は大湊(・・)所属の2人に聞いてみた。

 

「それでお二人はどんなご用件で?」

「あぁーそうだった、朝食の時間過ぎても来なかったから呼びに来たんだよ」

「え?」

 

時計を見ると時刻は0720で、遅刻である。

 

「…やっべ、(ドンドン)おーい飛鷹、隼鷹マジで急げ遅刻だぞ‼︎」

ガチャン

「「え?」」

 

うっかり扉が開いたのか、そこには着替え途中の2人がいたしかも下着姿で…

「「…………」」

「あっ?…すまん」

プルプルプルプルプルプル(お怒りMAX)

「「出雲のエッチ〜」」バッチコーン

「濡れ衣だ〜」(涙)

 

0735 出雲艦内大食堂

 

「ワッハッハ〜!出雲どしたの?その顔(・・・)

「出雲?何をやったらそうなったの?」

一足先に檜垣と八雲が艦内の食堂に来ていたが……出雲の顔を見た途端に笑い出した。何しろ出雲の両頬は真っ赤な手形(・・)がくっきり残っていた。

やられた本人は咀嚼する度にヒリヒリするので、スープと野菜ジュースで我慢していた。

「…英二、これは不可効力というヤツさ……気にすんな」チラチラ

「なるほど、不可効力(・・・・)か…誰にやられたの?」

 

ポリポリ

 

これ以上英二や八雲に言われるのも癪なので正直に話した。

「飛鷹達が着替えている部屋のドアを間違って開けちまったんだよ!」

「なるほどね」チラチラ

 

出雲にビンタを喰らわせた2人(・・)は顔を真っ赤にしながら食事をしていた。どうやら向こうもこちらと同じことを聞いてるみたいだ……昨日の夜戦(・・)を含めてみたいだが……

「んで?ダウンタウン・コア地区にいるはずのお前が何故?艦内(・・)に?」

「朝飯食べてから司令長官用執務室で話そうか……例の通信(・・・・)の正式な発表案を総長から提督とお前に直々に話して来いとだ。」

「分かった。萩沼提督には?」

「既に話してある。」

 

出雲は食堂にあるデジタル時計を見ると0805なっていたので……

 

「0830に執務室に集まろうか?メンバーは俺、八雲、提督、信濃、シンディー、大湊基地の大和、武蔵、高雄、愛宕そして英二この10人だ。」

「分かった。それじゃ後ほどに」

0900 出雲司令長官用執務室

 

予定通りに、メンバーが集まったので檜垣中将から前置きなしの本題に入ってもらった。

 

「横須賀基地、大湊基地のみなさん前回の作戦、海軍並び軍令部を代表してありがとうございます。早速本題にはいります……まず、ここシンガポールで4日程、補修と休息を取ってもらい横須賀基地所属艦艇の役6割は大湊基地のみなさんと共に日本に向かう輸送艦隊180隻の船団護衛をしてもらいます。」

 

みんなが騒ぐ中で檜垣は話しを続けた。

 

「本来ならASEAN派遣軍からトラック諸島向けの輸送艦隊を護衛してもらうはずですが…作戦前にセレベス海で発生した戦闘により、護衛艦隊に損害がありました為、急遽横須賀基地の艦隊にこの輸送艦隊護衛をやってもらう事になりました。」

 

出雲以外はみんなその事に驚くなか、八雲が檜垣中将に質問した。

 

「中将、そうなると一体誰を(・・)トラック島諸島向けの護衛艦隊旗艦をやってもらうのですか?」

「これを出雲にやってもらう事に軍令部は正式決定(・・・・)をした。」

「日本向けの輸送艦隊出発は1週間後に予定、更にトラック島諸島向けの艦隊出発は今から10日後に決定しています。萩沼提督には日本向けとトラック諸島向けの艦隊編成案作成をお願い致します。」

「わかりました。」

 

周りがその話しになると出雲は提督に話し始めた。

「提督、あなたは八雲と信濃、シンディー達と共に日本に帰還して下さい。」

 

この内容に提督は驚いたし、それに永く横須賀基地を開けていては残っている艦娘達の心配もあるなと実感していた。

 

「……わかりました。出雲、艦隊編成案の作成お願いね」

「了解です。八雲、信濃、シンディー提督とみんなをお願いね」

「任せとけ、出雲」

「先に日本で待っています。」

「出雲、飛鷹と隼鷹には何て言うの?」

 

シンディーの言う事にも、充分理解はしていた。

この事は直接(・・)話すしか方法がないと……

 

「檜垣、あんたはどうするんだ?」

「俺は出雲に乗り組んで各提督の交渉に付くよ」

「分かった。頼むわ」

 

そして一度解散をして、出雲は艦長執務室に戻り艦隊編成案の検討と作成を行う事にした。

 

だが…(おおやけ)の話しが終わり解散して行く中で、檜垣は出雲を呼び止め執務室(・・・)で話したい事があると言ってきた。

 

「それで呼び止めた理由は?」

正行(出雲)、今から話すのはトラック諸島の提督から確認された情報だが…現在、トラック諸島は半包囲状態になっており更に未確認だが超兵器が1隻確認している。」

「マジか?」

「間違いないよ、基地航空隊が偶然見つけたんだ。」

「よく撃ち落とされなかったな?この世界の航空機(・・・)じゃ、ミサイルに狙われたら即、昇天確定!間違いなしだろう?」

「パイロットの話だと、敢えて故意に見逃したんじゃないかってさ」

「どの道、俺に対する当てつけだろうな」

「すまんが…やってもらえるか?」

「いいよ!一度トラック諸島に行ってみたかったしね」

「すまん、お前ばかり嫌な役回りさせて…」

「構わんよ英二任せとけ、どの道お前も一緒に各地の交渉でついていくんだろう?」

「元よりそのつもりよ、しかし因果な物だな」

「?」

「前の世界で統一を企む枢軸や連合との三つ巴を戦って、元の世界に帰れたと思ったらこの世界に飛ばされ、しかも深海凄艦とやらと戦っている……皮肉なもんだな」

「全くだよ、だけど超兵器を倒して深海凄艦との戦争を終わらせない事には変わりは無いだろうけどさ」

18日1300出雲艦長執務室

 

ーカタカタカタカタ、カチカチー

 

出雲は提督から頼まれた戦力配置を考えていた。

だが…そうなかなか決まる物じゃない、出雲は執務室のパソコンに記録してある。所属艦娘の内容を確認していた、

 

「檜垣はあの時、呼び止めた理由(・・)が嫌でも分かったわ」

出雲は執務室の時計を見るとこう呟いた。

「今頃、提督がみんなに話しているんだろうなぁ」

 

同じ頃萩沼提督は横須賀基地所属の艦娘達を食堂に集めて、今回の輸送艦隊護衛を話していたが…みんなはい判りましたと、素直になれなかったのだ。

 

仮に自分達が出雲と行動したいとしても、私情を挟んでまで彼女達を作戦に組み込むかどうか提督は決めかねていた。

 

「今、出雲が編成案作成考えているから今回(・・)ばかりは彼に従ってちょうだい、いいね?」

 

提督からの話が終わると、みんな口ずさんで出雲の所へ行こうと話した。

 

「ちょっと待て!お前ら何処へ行くんだ。落ち着け‼︎」

 

声を叫んだのは長門だ。彼女自身も出雲と共に作戦に出たかったが、戦艦側がいきなり先頭に立って出雲の所へ行くのはまずいと…そして彼の決定に従おうと陸奥と共に話し合って決めたのだ。

 

「今から出雲に押し掛けた所で、何の意味もないぞ!」

 

長門の言葉に響いて、皆思っていた事を口に出して言った。

 

「じゃあどうしろと言いますの?」

「そうだよ!僕達が安全な場所にいて出雲さん一人だけで危ない橋を渡らせるのは嫌だよ。」

「アタシだって出雲の兄貴に超近代化改装をしてもらって、まだ直接前線に出てないし、礼だって言ってないんだぞ!」

 

「それでも耐えてもらいたい‼︎」

 

大声を出して静まらせたのは、他らなぬ八雲だった。

彼もまた、出雲に助けられた借りをまだ返しきっていない。

 

「今は出雲の判断を待とう、それからでも遅くは無い」

1520

出雲はCDCから近い士官室に各艦艇に乗り組んでいた妖精を呼びだして今回の作戦の事を話し、その答えを聞いていた。

 

その妖精とは山口、小沢、大西、ミッチャー、田中、木村、伊藤の7人の事で、更に松田(副長)(砲術長)森下(航海長)有賀(水雷長)猪口(砲雷長)の出雲幹部の5人が同席している。

特に木村を除くの彼らはレイテ防衛戦前にこの世界に妖精として、参加しており彼らから見て日本かトラック諸島のどちらかへ参加してもらうかの相談をしていた。

 

「では、第1、第3機動戦闘群の艦艇と残りの4個戦闘群から抽出(ちゅうしゅつ)した艦艇でトラック諸島の輸送艦隊護衛として参加で、いいですね」

 

その案を聞いて田中妖精(田中頼三)が質問してきた。

 

川嶋少将(出雲)、トラック諸島向けと本土(日本)向けそれぞれの旗艦を誰が?」

「日本向けには八雲と信濃が受け持ちます。トラック諸島へは出雲が、ただ……」

「ただ?」

「この艦は最前衛について現在、包囲中(・・・)の深海軍艦隊を撃破しなければなりません、そこで指揮系統を2つに分けます。」

「2つに分けるとは、どういう事だい?」

「はい、正確に言うならば輸送艦隊旗艦と護衛艦隊旗艦ですね」

 

出雲は今いる妖精達に詳しく説明した。

 

「輸送艦隊旗艦は文字通り輸送艦の航路安全確保を行い、護衛艦隊は深海軍艦隊との戦闘に真っ先(・・・)に投入されます。」

「…ふむ、なるほど艦長は艦娘達に変わって自ら火の粉を被る(・・)と言う訳ですね」

 

ポリポリ

「…副長には隠し通せないかな?」

「長年の経験…って奴ですからな、となると発表は明日の朝ですか?」

「今夜中には編成案作成は終わるだろう、忙しくなるのは明日からだなぁ、とりあえず明日から宜しく頼みます。」

 

翌日の朝、大食堂に張り出された編成案を見て艦娘達は一部では納得したが不満があっと言う。

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