艦隊の咆哮 〜戦場を彷徨う鋼鉄の漂流者〜   作:正海苔

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今回は初の11256字を記録しました。
結構疲れますがね、皆さんよいお年をお迎えください。




5-7 囚われし者には解放と自由を、悪党には報いと死を‼︎〜後編〜

ASEAN派遣軍第5海上機動隊カムラン泊地ことカムラン国際空港に対しての襲撃作戦の打ち合わせを行おうとした矢先に、艦内電話が鳴り響いたが、その電話をかけて来た本人は、なんと驚いたことか!東京軍令部5課の(あずま)から火急の報せがあると言って、緊急の連絡をして来たらしい。

 

そこで、多目的室に壁に立て掛けてある大型スクリーンに音声映像を流しながら話をすることにした。

 

「おー‼︎(あずま)さん、お疲れ様です。何か問題か何かありましたか?アレでしたらすぐ様黒木達を東京へ速達(・・)でお送りしますが?」

 

出雲が2人に(黒木・滝谷)対して腹黒い物騒な発言をしたが。東は意外な返答をした。

 

「いや〜、こちらに送られても総長が受け取り拒否(・・)すると思いますよ。話は変わりますが、急ぎの報告をする為に勝手ながら直接連絡しました。今、総長が傍にいますので、変わりま…」

 

檜垣は東達の通信を割り込むようにして、こう伝えた。

 

「東よ、少しばかり待ってくれないか?」

 

出雲達は一瞬にして冷や汗をかきながら、深海凄艦化した艦娘達を総長達に見られないように大急ぎで匿うようにしたが、東も何かを悟ったかのように顔をニヤつかせていた。

 

「わかりました。総長もすでに気付いていますのでそのまま(・・・・)で大丈夫ですよ」

 

そう言って、音声通信から映像通信に切り替えてもらい軍令部総長が画面に写り出しては、出雲に向けてこう言い放った。

 

「出雲、前回の急な依頼を引き受けてくれてありがとうございます。お陰で兵站輸送が迅速に捗れます。」

 

「いやいや、やるべきことをやっただけですよ。それより総長自身、直接連絡することがあるとなると…何か(・・)ありましたね」

 

「お察しの通りです。すでに黒木君達から話は聞いて貰っているはずだから、前置きは無しの本題から話そうかね」

 

どうやら、総長達はすでに黒木の所に()の艦娘達を出雲へ連れて行ったことを、横浜基地柴崎司令から話を聞いていたみたいだ。当然、出雲達4人がこれから(・・・・)先何をやらかすのかは先刻承知していたみたいだ。

 

「2カ月ほど前に前任の提督は何者かに殺害され、後任としてカムラン泊地に配属した提督は兵器派の将校だ。だが真相を探るととんでもないことに兵器派が事前に艦娘を暗殺者に仕立て前任者を…つまり擁護派の提督を事故と見せかけて殺したようだ。そして、今でも彼女達は兵器実験台にされ兵器派共の性奴隷化されているし、薬物密売や売春もある。もちろんその艦娘たちは提督の…ここまで言えば、わかるな?そこでだ。真実究明のために君達4人に表向きにはその基地の視察調査に行ってもらいたい、もちろん軍令部総長の命令といえば基本的に黒木君の持つ権限を行使できるから安心してくれ、施設自体は旧カムラン国際空港を基地として再利用されたものだ。また幾つかの施設が増強と改築がされているのが、こちらの監視衛星写真(LIDAR衛星写真)で確認されている」

 

この事に出雲や艦娘達が驚いた。派閥が違えど最も確実な手段で躊躇わず基地を乗っ取る為なら、平気で暗殺者(艦娘)を送り込むぐらいだった。おそらく出雲や新型兵器を持つ横須賀基地を抑える為に、萩沼提督を事故(・・)に見せかけて暗殺しようと…

 

そして、総長は最後にこう伝えた。

 

「もし、それが本当なら艦娘達を救出し、提督とその子飼いの部下共々を捕縛又は殺害してくれ、だが問題はベトナム人民陸軍(・・・・・・・・)がそのカムラン泊地を警備しているが…当然、その基地を警備しているベトナム陸軍は全員、提督に買収されている為、奴らは2日以内に証拠を抹消する為にベトナム軍を使って彼女達全員を殺害する気だ!気をつけてくれたまえ…あらゆる妨害や武器を持ち君達に立ち塞がる者に対しては、実力を持って排除し撃滅をせよ‼︎手段は問わない」

 

この総長の正式(・・)な言質と許可を受けた時に、出雲達4人は歓喜したのだ。これで正面(・・)からの作戦に出られると…

 

4人は画面越しだが、総長に対して敬礼しこう伝えた。

 

「「「「了解いたしました!吉報をお待ちあれ」」」」

 

「頼んだよ、それと私の妻からも君達に話したいことがあるようだ。通信代わろう」

 

総長から通信を代わったのは、()艦娘の「大和」こと総長の奥方、矢崎真弓少将だった。

 

「私のように人間として第2の人生を歩めるのは、ほんのごく僅かなのです。退役どころか厚生施設に送られるのがほとんどでした。黒木さん、檜垣さん、滝谷さんそして出雲さん、どうか私と同じ艦娘達を助けて下さい」

 

そう言うと通信が終わり。黒木は出雲の耳元で何かを話した後、出雲が艦娘達や出雲幹部達に向けてこう言い放った。

 

「矢崎元帥からカムラン基地の制圧許可が正式に降りた!やるべきことは2つ、艦娘達の救出並び身柄を確保!そして、その提督とそれに関わる愚か者共の首だ‼︎明日の夜に艦娘達が殺される前に基地を抑える、いいな!」

 

それに艦娘達と出雲幹部が口を揃えて「ハイ!」と答えた。同時に艦を夜中にカムラン沖20キロの地点までに移動させることにした。南沙諸島からカムランまで直線距離にして約600キロあるが出雲の速力と光学迷彩、アクティブ・ステルスシステムを使えば、ベトナム軍やカムラン泊地の監視レーダーに探知(・・)されること無く移動出来ると…だがここで暫し問題が起きた。査察時期と強襲部隊突入のタイミングであると、一歩間違えば失敗に終わるそれだけは避けたかった。

 

意外にもかかわらず萩沼提督から出雲に連絡が入ってきた。どうやら加賀達がシンガポール(チャンギ海軍基地)に残っていた萩沼提督に連絡を入れて事情を話したみたいだ。なんと提督の叔父、真田大将もこの件に協力してくれるようでその理由を詳しく聞くと、そのカムラン基地の内偵をしていたらしく何れにしろ査察を送り込む手筈だったらしい為、そこで出雲達4人が軍令部からの査察官として基地に向かうと話しだが…真田大将はその案に賛成し「なら、カムラン泊地の筋向かいに偵察隊が使っていた。隠れ家を使いなさい」というまさに破格の支援を得られたことと空港施設の見取り図を提供してくれた。

 

そして、出雲海兵隊主力を基地の東側にある海岸線から上陸させようという案で夕方頃には纏まり更に作戦の概要としてはまず。払暁時に無人偵察機を出撃させて、基地上空1万5千mから周辺の監視と出雲達を支援を行い、基地南側には市街地へ続く橋がある為、1300時に査察官に偽装した出雲達が南側から基地に進入後、付近に潜伏していた海兵隊先遣隊が南側のゲートを制圧、この時に警備兵から衣服と装備をすり替える。

 

 

海兵隊は揚陸艦艇に分乗し待機させて、戦闘(・・)が始まれば強襲上陸を開始し基地乱入後、基地施設を制圧その後は何がどうなるかわからない(・・・・・・・・・・・・)本当の出たところ勝負になるということだけだったが…予定外の事に(味方の裏切り御免)になろうとは。

 

 

 

 

 

 

24日1800 カムラン沖 25キロ地点

 

 

(ふね)は予定どおりの地点に姿()を隠したままで到着した。出雲は今回戦力が二手に分かれる為、出雲幹部と海兵隊…そして今回参加する艦娘達(深海凄化含めて)と最終確認の打ち合わせを行っており、そこで黒木が全員に向けて話し始めた。

 

「まず。潜伏先の隠れ家に向かうのは出雲達4人と艦娘10名に、海兵隊200名で車両はスーブル級2隻にそれぞれ戦車並び装甲車を含めて9両ずつ搭載、更に基地強襲上陸部隊としてスーブル級14隻、LCAT12隻、海兵戦闘航空旅団を総動員する。一番の問題は警報システムがベトナム軍に直結している為、行動開始前に3箇所の警備室を制圧又は爆破しないと、とてつもなく面倒くさいことになる。そこで明日(・・)の1300時に査察官に偽装した我々が基地内部に侵入後、すでにパラシュートで降下し現地入りした先遣隊(グリム)20名が、南側のゲートと警備室を制圧してもらう。北側の警備室は我々が施設内部を制圧後に無人偵察機に搭載した空対地ミサイルで爆砕する。強襲部隊は警備室の爆砕音を確認後に上陸を開始してください」

 

最後に出雲が全員に向けてこう話した。

 

「まぁ、この際パスポートなんかいらないよ〜。それを使わずにタダ(・・)でベトナムに()入国するからには、もしベト公共(ベトナム軍)に捕まったら…命の保証は無いがな」

 

打ち合わせを終えて副長に艦の指揮権を預けてから。艦長私室で装具を準備しそれらを即使えるよう白い粒子となって異次元空間に消えていった。これで武器系統(・・・・)が即取り出せて使用可能になったので、すぐ様ウェルドックに直結する車両甲板に向かおうと艦長室を出て通路に出たら「…出雲さん…」と誰かに背後から呼ばれて振り返ると、飛鷹と隼鷹、雲龍姉妹と阿賀野姉妹がそこいた。

 

彼女たちの他に前回の作戦で参加した艦娘達は全員、出雲艦内に残ってもらい出雲幹部妖精達の支援に充ててもらった。

 

「阿賀野は、出雲さんが帰って来るまで艦を見張っているよ〜」

「出雲、私たちと同じ仲間を助けてください。お願いです」

「ぴゃあっ、出雲さんお願いだよぅ〜」

「出雲さん、貴方が帰ってくるまで私たちがこの艦をお守りします」

「出雲…気をつけてね」

「出雲…死ぬんじゃねーぞ!」

 

「分かってるよ、俺はそう易々と死なないよ!艦の留守を頼んだぞ」

 

そんな中で別れ際に雲龍が「出雲さん…前払いだけど」と言って、出雲の唇にキスをしてきたのだ、突然のことに出雲は驚いたが…出雲は早足でウェルドックに向かっていった。

 

 

 

 

1915 出雲艦内第2ウェルドック

 

 

ウェルドックに到着するとすでに3人と海兵隊は、装具点検と準備を終え揚陸艇に乗船しようとしていたらしい。

 

出雲艦内の武器庫や海兵隊の保有する銃器類や対戦車火器系統は西側系統(アメリカ製・イスラエル製)東側系統(ロシア製)等を混成装備した異種的な部隊で、特にレミントンACR(アサルトライフル)を主力に当てている。この銃は主要パーツや弾倉を組み替えれば5.56ミリや7.62ミリNATO弾

更に各種AK用弾薬(5.45ミリや30口径ロシアン弾)が使える為、作戦内容によっては現地調達が出来る利点があるので重宝している。

 

そんな中、檜垣は出雲に声をかけてきた。

「出雲…今回の作戦、成功するかは半々…だが!お前と海兵隊の加勢なら十分勝機はある。」

 

「全くだな。だが…戦略に長ける黒木に、戦術に長ける滝谷とお前に、そして戦闘に長ける俺の4人が手を組めば、この世でできないことなんざないんだろうからな」

 

 

 

2035 カムラン湾入口付近

 

 

出雲達を乗せたスーブル級改(ホバークラフト)は航海灯などを点けず。無灯火(・・・)でカムラン湾入口から北へ10キロ程の上陸地点に向かって航行しており当然、無灯火で更に湾内には多数の生簀が浮いていた為、スーブル級の操舵手達は慎重に湾の奥へ侵入して行った。

 

檜垣達はヘルメットに暗視ゴーグルを装着して、上陸地点として指定した場所にストロボが点灯されているのを確認し艇長に「上陸をお願いします」と話し、目標の地点に乗り揚げるとスーブル級のハッチから、4人が先に上陸をしその後安全が確認され次第、車両を揚陸する手筈だった。

 

そんな中、茂みの中から1人の現地人らしき男性がこちらに近づいてきた「黒木さん、檜垣さんお待ちしておりました。」と敬礼をしながら檜垣達に話しかけてきた。

 

「あんたか?基地内偵していたのは?」

 

「はい、そうです。カムランにようこそ。どうぞこちらへ「ちょい待て‼︎」…何かありました?」

 

「和、迎えが来る(・・)という話し…聞いたか?」

 

「いや、無いが…まさか!「チッばれたか!ならば」」

 

なんといきなり男性は深海凄艦(・・・・・)に化けて、黒木に襲いかかったが…「…遅いんだよ…馬鹿めが!」黒木は腰に吊り下げていた日本刀を抜き、その男の首を斬り飛ばした。

 

「和…これはもう、俺達…ベトナムに侵入してるのバレてるからさこりゃ冗談抜きで、すぐ作戦決行したほうがいいかもな」

 

出雲の言葉に、黒木は檜垣にこう話し始めた。

 

「英二、まさかと思うがすでに内偵(こいつ)、買収されたのかあるいはだよ?それで情報が…となればヤバイぞ!正行(出雲)‼︎」

 

「おうよ‼︎」

 

出雲は艇長に「艦に連絡、直ちに強襲部隊を総員出動させろ!」と命令を出し4人は再度乗船をして更に北へ5キロ程北上し、そこから上陸を果たそうとしていたいたが…

 

「オイオイ、英二?あんた何処を通ってるの?ここは()じゃないでしょうが!しかも道路上を走って、畑を横切ってるしね!」

 

「こまけぇ事は気にすんなよ!正行。チョットだけ()からずらして走ってるだけだろうがよ!気にすんな」

 

「イヤイヤイヤイヤ、普っ通に気にするぞ!それ⁈てかこいつの帰りはどうするんだよ!あんた。あれをこれをプランBと言ったが!おまえが言ったBはな!B(バカ)のBだよ‼︎」

 

「だから、いざとなったらこいつ(・・・)を基地の中に突っ切ってもらって海に出でてそのまま艦に戻る!そんだけよ?文句あるか?それとも運転変わろうか?」

 

文句言い合いながら橋の下では無く、海岸線から道路上を走って更に畑を横切って別の海岸線に出たが。だがこれに気付いたカムラン泊地の警備兵(ベトナム軍)から装甲車の攻撃を受けたが…スーブル級改には30ミリCIWS(AK-630M-2改)を片舷に2基ずつ搭載してある為、即時反撃に移り機銃手が「艦娘()に代わってお仕置きじゃぁ、ヒャッハー」と叫びながら30ミリ砲で反撃を開始した。その仕返しにあったBTR-90(装甲車) 6両と兵員60名程が敢え無く全滅して行った。

 

同時時刻に基地南側ゲートの警備兵40人は北側の戦闘に意表を突かれたのか。攻撃許可が下りた出雲海兵隊20名の奇襲攻撃により敢え無く制圧され。同時に南北にある警備室と泊地司令塔中央警備室が無人偵察機から発射した空対地ミサイルで爆破されていった。

 

 

更に同じ頃、出雲CDCで報せを受けた副長達は即時海兵隊に出動要請を下した。その分艦内のウェルドック周辺では、強襲部隊が慌ただしく出撃準備に入っていた。裏切り者共に対し、殺意を露わに剥き出して…

 

 

「オイオイオイ!ずいぶん出撃時刻が早いぞ‼︎」「しかも艦長達はすでに一戦‼︎始めてるぞ!」「密入国がバレたらしい」「そう言っている間にも艦長達があぶねーぞ‼︎」「こうなったら艦娘達だけを助けて、黒提督だろがベト公(ベトナム軍)だろうが、奴らを皆殺しだ‼︎いいな!」「買収にしろスパイにしろよ!俺達を敵に回して寝返った奴はそう易々と逃げられるものか‼︎」「いやいやいや皆殺しは駄目だよ。せめて背後関係が知りたいから捕虜が必要だよね?ねっ?」

 

 

出撃予定の海兵隊は血気盛んに激おこ(・・・)だった。騎兵隊のように上陸しようとした矢先に現地の偵察隊が寝返ったた為、作戦が根底から変えざるを得なかったのだが…いざとなったらそこは、出雲達独自のアドリブ(・・・・)でやり抜くという無茶苦茶な方法だった。

 

当然、この話をCDCで聞いていた艦娘達20数名(・・・・)が上陸する海兵隊に勝手に同行していった。自分達も何か手伝えないかと…

 

更に同じ頃、カムラン泊地側では提督が兵器(艦娘)達とお楽しみをしている最中に副官から緊急の報告を受けていた。

 

ここ、カムラン泊地の提督を務める祖谷川(いやがわ)という海軍中将はデブ男で親が海軍高官で。祖父は政治家という家系としては問題(・・)は無いが…所詮、親の七光りで金と親の力が無きゃ生きていけないというまさに社会の屑だった。そこで親のコネで兵器派にゴマスリや賄賂を送り続けて現在の地位に就いた。当然、ベトナム軍に賄賂や買収に密輸、果ては艦娘達を出世の道具や性奴隷化し、用済みになったら人体実験や提督達の慰み者にされていた。彼ら兵器派にとって艦娘は所詮、替えの効く人間の姿をした生ける兵器(・・・・・・・・・・・・)に過ぎないのだと。

 

出雲達が南沙諸島のミサイル破壊に向かう前に、この基地から艦娘達を送り込んでは対艦ミサイル基地に向かわせたのだ。成功するれば地位と栄誉が与えられると勝手判断し派遣しては、対艦ミサイルの前に惨敗した…自分の無能さを認めずに、だが艦娘達の地獄はここからだった。基地帰還と同時に、提督達からの暴力と強姦の被害にあい、いつか擁護派の人達が助けに来てくれると信じて…因みにカムラン泊地に在官する艦娘達は86名、内40名は本土側の基地にいた()ブラック基地(鎮守府)の艦娘達だった。だが…本来の提督は祖谷川では無く緒方少将という擁護派の提督だったのだが、何者かに暗殺されてしまい代わりに送られたのがこの祖谷川提督だった。

 

そして今、自分達を捕縛する為に査察官に偽装した。特殊部隊(出雲愚連隊)がやって来るとあの手この手で籠絡し寝返らせた偵察隊(・・・)からの情報を聞き出しては、基地全てに戦闘準備に入らせてたのだ。

 

「クソッ!あの兵器共めが死んでいなかったか!」

 

「提督。どうしますか?」

 

「グエン将軍に連絡して、すぐ来るように言えっ!」

 

「ハッ、それではどちらにもなり損ねた兵器共はどうしますか?」

 

「決まってるだろうが侵入者を撃滅し、後で我々の鬱憤を晴らしてから処分するだけよ」

 

提督を相手に泣きながら痣だらけになっていた「衣笠」と「加古」は、心の中でようやく青葉達が横須賀に到着して助けを連れて来てくれたと…

 

 

 

 

 

 

2035 カムラン基地 正面ゲート入口

 

 

 

出雲は無事に目的地の場所に上陸し車両を陸揚げさせた。車両の内訳は改10式が2両、AMV-ICV(AMV装甲車歩兵戦闘車型)4両、JLTV(重装版)8両、AMV(APC型)2両を揚陸させて、海岸線に向かう強襲部隊を上陸させる為に敷地内でひと暴れする必要があった…だから…

 

「正面入口にT-72戦車を確認!ファイヤ‼︎」

 

改10式戦車2両による敵車両を攻撃を開始し、その直後に随伴していたAMVと機動車に備えつけていた。30ミリ機関砲や50口径ガトリング(GAUー19/B)が一斉に正面ゲート入口に装甲車やチャチな建物や土嚢を2重に被せて立て篭もる敵兵に向けて射撃を開始した。

 

考えても見れば、まず30ミリ機関砲で建物の中にいる敵を壁ごと撃ち抜いたり装甲車を撃って破壊し、更に50口径ガトリング砲は毎分1500発に設定してある為どう足掻いても弾は貫通し兵士の手足が吹き飛び、顔は抉られ、体はバラバラになる。例え生き残ったとしても…

 

「タス…助けて…」と臓物を晒しながらも「嫌だね」と出雲は、銃口を敵兵士の頭に向けて「パァーン」と1発、頭を撃ち抜いた。その後、出雲は1人こう呟いた。

 

「今まで艦娘達に酷い事して、自分だけ助かろうとは…人間(・・)とはなんとも愚かな生き物だ事で…おっと、俺も元は人間だったな(・・・・・・・・)失念していたわ」

 

「艦長。正面ゲート、入口周辺は制圧しました。強襲部隊は間も無く海岸線に上陸するとのことです」

 

「概ね良好だな、強襲部隊は外周部一帯を制圧してくれと海兵隊隊長に伝えて」

「はっ!」

 

「さてと、いきなりだが…本丸(司令塔)を落とさせていただきますか」

 

2125時、司令塔の執務室にいた祖谷川達は混乱に陥った。自分達が上手く敵を引きつけ背後から来る援軍と共に挟撃を仕掛ける。まさに理想的な作戦だったのが…肝心な部隊まだ20キロ先のカムラン市とニャチャン市の境目におり大分モタついていた。

 

「グエン将軍の援軍はまだか!」

 

「はっ!まだのようです。」

 

「こうなったら見せしめに何人の兵器共を殺して、奴らの士気を挫かせねば…」

 

一方、ドアの反対側には出雲達と艦娘10人が配置についていた。

 

正行(・・)。ヤバイねこれ」

 

「うん、さっさと突入しますかな、よっこいしょと」

 

出雲は背面腰左側のRLCSポーチ(ユーリティリティポーチ)から全長76cmほどの細長い筒状の物(・・・・)を取り出して、出雲が携行していたライフル(ACR)の銃口部分に差し込みドアに狙いを定めようとしたら。銃口の先に取り付けた物の疑問に思った戦艦水鬼(古鷹)は出雲に質問して来た。

 

「出雲さん、それはなんですか?」

 

「よくぞ聞いてくれました。これはSIMON(サイモン)と言って、ドア破砕専用の特殊用途ライフルグレネードだよ、まぁ見てなさい」

 

出雲は80m先の両開きのドアに狙いを定めて発射した。

 

「妙に静かだな?おい、お前警備室に確認して来い」

 

「わかりました」

 

そう言って副官がドアノブに触れようした瞬間、ドアがいきなり爆発しその勢いに乗り出雲達は執務室に突入し、祖谷川達と対面した。

 

「こんばんは〜三河屋のさぶちゃん(・・・・・・・・・)で〜す。大人しくしてくださいね〜、一様。女を強姦して無抵抗の屑共を皆殺し(・・・)しましたでは何かとマズイんでね」

 

「貴様ら、なんの目的だ?」

 

「一様、査察ってヤツですかね〜」チラッ

 

出雲達はベッドの上にいた2人を見て、同行した艦娘達に指示して救護にあたらせてから黒木は祖谷川に本題をぶつけた。

 

「オイ?残りの艦娘達は何処にいるんだい?」

 

「彼奴らは反対側の施設にいる」

 

「本当かい?嘘だったら」

 

黒木は祖谷川の左手を抑えつけて、出雲になるべく重たい物を持って来いと伝えると…何処からか金槌を持って来て、祖谷川の左手小指(・・)に狙いを合わせると…

 

出雲は躊躇い無く金槌を振り下ろした(・・・・・)

 

グシャ

 

「イ、ギャァァァァァ〜、アッ、アッ、指が〜」

 

「あら不思議、小指が潰れたわ(・・・・)、もう一回聞くよ。本当にその施設か?でねーと、どっかしらの指が消えるぞ(・・・・)〜」

 

このやり取りに艦娘達はあまりの恐怖に震え出した。祖谷川達の暴力や強姦よりももっともっと恐ろしい物を見てしまったと…

 

「本当だ!本当にその施設だ。」

 

「よしよし、分かったよ。正行、頼む。俺と滝谷達3人はこの野郎から書類と証拠を押さえる」

 

「OK任せろ40人程、俺と一緒に来い‼︎」

 

「待って出雲さん、私達も一緒に行くよ」

 

「分かった。頼む」

 

そう言われ建物内部を30分程、散策しているとあちこちから銃声や砲声(・・・・・)が断続的に聞こえて来た。どうやら海兵隊主力部隊(強襲部隊)がベトナム軍相手に戦闘を継続していると…そして別方面で交戦中の海兵隊から「基地制圧、完了」と無線報告が入った。

丁度に大広間前のドアに辿り着き先程と同じような手段でドアを破壊後、突入したが…そこで見た物は艦娘達は首に鎖を繋がれたまま男共に犯され続けていたと、それを見た出雲は…主犯以外は捕縛する予定だったが…

 

「俺が間違っていたわ、ここの奴ら(男共)は皆、屑共だ!…鏖殺(みなごろし)だ!ここの連中は全員(・・)…鏖殺だ」

 

出雲が大広間でブチ切れしていた同じ頃、執務室と反対側にある自室の隠し金庫の中から大量の書類と証拠が出てきた為、それをファイルにまとめていた。黒木は同行していた海兵隊に指示を出しながら書類を拝見していた。

 

「洗いざらい押収しろよ〜、一切合切何も残すな」

 

「それにしても、膨大な量の証拠だなぁコレなんか見てみ、和」

 

そう言われ、滝谷から書類を受け取り内容を拝見していた。その内容は、日本に展開する反政府勢力と兵器派、テロリスト(愛国者)に引き渡す。武器や爆薬等の類いでありその数は膨大な物だったがどうやら日本に行き渡る前だったらしくこの基地の倉庫に保管してあるらしい、更に人体実験の報告書や人身売買や売春、密輸等、洗いざらい出て来た。更に数名の擁護派(・・・)側の将校がこれに関わっていたことが押収した書類で明らかになった。書類を見終わった黒木は溜息を吐きながら、こう呟いた。

 

「これじゃ擁護派も兵器派も関係(・・)ないわなぁ」

 

これに滝谷も相槌を打ちながら「全くよ」と話した。

 

バァーン「黒木さん、滝谷さん大変ですよ!」

 

慌てて来た兵士に事情を聞くと…

 

「艦長が生き残った兵士を広場に集めています。皆殺しだとかなんとかで…」

 

その話しを聞いた3人は、檜垣を先に広場に向かわせて後から向かうと話した。檜垣の内心では出雲は最初から皆殺しにする構えだったと…

 

正行(出雲)…お前はそういうことをまだやっちゃダメだ。お前は根は優しいし真直な奴だ。むしろ艦息がやっちゃいかんだろう…そんな事は(・・・・・)俺の役目だ‼︎ねじくれや歪みは俺がやっておくさ、なぁにこの世界ではいつもの事よ(・・・・・・・・・・・・・)

 

2300時、満月が照らす広場では、出雲が生き残った兵士600名余りを倉庫前に引き出していた。一方、大広間に艦娘達58名は後から来た26人の艦娘達に保護されて治療を受けていた。

 

そして、出雲も基地武器庫からM134を持ち出していた。

 

「艦長‼︎撃たせてくれ‼︎早く‼︎」「殺らせてくれ‼︎」「奴らを生かしとく義理は無いですよ‼︎」

 

「殺…」ゴッ…ドサァ

 

「ふー」どうにか檜垣は間に合い、出雲を殴り気を失わせた。回りは何が起きたのかさっぱり分からなかったが。檜垣は躊躇わずに海兵隊に指示した。

 

「殺せい…」

 

檜垣は禍々しい眼光で兵士を睨みつけては、更にこう言い放った。

 

「皆殺しだ!今まで彼女達を散々弄んで今更、武器を捨て投降し命乞いをして助かる筈と思ったら、大間違いなんだよ‼︎あんたらはこいつらを生きた兵器と見做して様々な命令や実験をして、更に犯したんだろう⁈ならば殺されても文句は言えないよ〜、死ねい死んでベトナムの土となって御国の為に奉公せぃや、構えぃ‼︎」

 

そして様々な命乞いが続くなか…

 

「撃て」

 

海兵隊400人の銃殺隊の前に逢えなく射殺された。

 

「って〜」ムクッ

 

「ありゃ起きたのか?艦息は頑丈だなぁ」

 

「お前?まさか!」

 

「兵どもは始末しといたわ、お前がこの世界(人間相手)でやるのはまだ早過ぎる。その時は俺がカタをつける遠慮はいらないよ〜、俺の手はこの世界に来てとうの昔に真っ黒になっているさ、数えきれ…」

 

バッコーン…ドサァ

 

出雲は一時的に人間(・・)の能力に戻し、檜垣に向けて思いっきり殴った。その後すぐ元に戻ったが…出雲は檜垣に怒りながらこう言い放った‼︎

 

「英二よ!…そんなこと俺は知るかぁ‼︎そんなこと俺に関係は無いわ‼︎」

 

檜垣は座ったまま出雲を見ていたが、その後に出雲が右手を差し出して起き上がった。

「(まさか逆に殴られ(・・・)るとはなぁ、思ってもみなかったわ)」

 

2人のやり取りが終わった頃に黒木達がやって来ては、こんな質問をした。

 

「喧嘩、終わったか?」

 

「いや喧嘩じゃない」

 

「そうだ。喧嘩じゃないさ」

 

「そっか、よしよし夜が明ける前にここを離れようか?」

 

「そうだなぁ、さっさと離れようか。ここの艦娘達は一旦収容して、シンガポールに提督達に事情を話そうかその方がいいだろう?」

 

そう黒木に話しをして、すぐさまここを離れる前に艦娘達は自分達の荷物を持って来いと話し。海兵隊は撤収準備と押収品(薬物以外)を運べるだけ運べと指示して残った物は倉庫毎焼き払うことにした。押収品だけ(・・)なら出雲乗組員と海兵隊が3か月半凌げるほどである。

 

乗船前に出雲は、例の能力で深海凄艦や深海化(・・・)した58名の艦娘達を元の姿に戻すことが出来たが…能力面では全員、深海凄艦化やその姿になっていた者や鬼姫級になった者は、そのまま力を受け継いだ。

試しにすでに、深海凄艦から艦娘「古鷹」に戦艦水鬼の姿になってもらえるかとお願いしたところ、見事にその姿(・・・)に早変わりしたのだ。

 

翌日の25日 0130時にカムラン沖を出発し同日1400時にシンガポール、チャンギ基地に帰還した。

 

シンガポールに着くまでのその間、赤城や加賀達4人をベッドの上でサキュバス化した彼女達を相手にしなければいけなかった。飛鷹達が起こしに行った時は既にミイラ化していたという。

 

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