女心は複雑怪奇   作:はるぴー

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Episode 1 委員会とは面倒なものである

さて、適当に図書委員を選んだらとんでもない仕事内容だった事に気付いた俺、北条春也。

 

今日は初めての委員会がある日だ。一体どんな修羅場が待ち受けているのか…

 

「まあ適当に上手い事楽な仕事を選びやっていくか。」

 

「お前という奴は…」

 

友人Aが呆れたように言う。だが何が悪い。人間楽な仕事を選ぶのは当然だろうが。

 

「そもそもだ友人A君、君は人のこと言えるのかね?」

 

そう、この友人A、委員会などこの3年間で一度もやっていない。

 

その上俺以上に勉強時間も少ない。なのにかなり成績はいい。

 

腹立ち...はしない。なぜなら俺のほうが成績が上だから。

 

「友人Aって呼ぶのやめい。それとな、俺は自分のことなど棚に上げる性格だ。文句言うな。」

 

「ダメだこいつクズだ...。」

 

友人A、開き直るな。

 

まあ茶番はさておき教室につく。

 

さて本日は授業があるのだが、その多くは新学期必ず行われる検診などに費やされ、

 

普通の授業はあまり行われない。その数少ない授業はたいてい授業のやり方の説明、

 

あるいは教材の配布などに費やされる。

 

授業の大半を半分脳の休息に(つまり睡眠である)費やし、さて帰ろうとする。

 

「放課後...何もないよね。委員会とか知らないな~」

 

現実逃避、これに勝る武器はない。

 

「現実を見ろ馬鹿野郎。」

 

そういって俺の頭を叩く友人A。

 

現実に引き戻され仕方なく俺は心機不転(つまり乗り気ではない)、

 

委員会の活動場所である図書館へ向かおうとする。

 

すると声がする。

 

「春也、委員会の場所って図書室でいいんだよね。」

 

声がする方向に振り向くとそこには一人の女子がいた。

 

長い茶色の髪をポニーテールにした背の高い少女。

 

その顔は可愛いと言えるのか...俺にはわからないが。

 

確か名前は..鷹瀬未紗といったかな?

 

中一では同じクラスで、席も近かったのでたまに話したが、中二でクラスが離れてからは接点なかったな...

 

それはさておき、最大の疑問は。

 

「いやそうだけど...なぜそんなことを?」

 

答えはまあうすうす察知しているのだが、確認のため。

 

「いやだって、私も図書委員だし。」

 

えっ、初耳なんですけど...

 

何故か、俺は図書委員をやると手を挙げた。その時他には誰もいなかった。

 

だからそのまま寝てしまった。誰がもう一人になるのかとか、考えるはずもなく。

 

「先の先を読め」

 

俺の友人Cが小学校時代に言った言葉である。今になって実感した。この言葉の正しさ。

 

委員会は男女一人ずつ。そこにおいて相手が誰か、これものすごく重要なことなのに。

 

「まあ、俺先図書館行ってるから。」

 

彼女は支度ができてなさそうだったので俺は先に行こうとしたのだが...

 

「待ってよ~。」

 

え?

 

今なんと?

 

「置いてかないでよ。」

 

「いやあ、どうせ行先同じだし、先行ったっていいじゃん。」

 

「ねえお願いだから...」

 

そこまで言われたら断るわけにもいかないので、彼女の用意ができるまで待つとする。

 

のだが..

 

遅い。とにかく遅いのだ。二分が経過した。そんなに帰りの用意って時間かかるの?

 

挙句の果て他の女子と話をしている。人をわざわざ待たせてるんだから早くしてよ...

 

と口に出しては言えない。

 

そして

 

「ごめんね、待たせちゃって。さあ行こう。」

 

ようやく用意は終わったらしい。

 

「まあ、別に気にしてないよ。それよりさ、なんで待ってなんていったの?」

 

それが俺の疑問である。一緒に行く意味はないと思うんだが。

 

「だって...寂しいじゃん。」

 

寂しい?たった数分一人で行くだけでしょ、何が寂しいの?

 

そしてその寂しさは俺なんかが一緒にいるだけでなくなるの?

 

疑問だらけ。これだから女子の感情というのは理解しがたい。

 

「えー、たった数分一人で移動するだけで寂しくなるの?そんなに寂しがり屋なんだね。」

 

と俺がからかうように言うと、

 

「うるさいな、寂しいものは寂しいの!」

 

いや、怒ることないでしょ。一緒に行ってあげてるんだから。

 

「えー、ついて行ってあげてるのに怒るとか酷くない?」

 

「もう!」

 

彼女は若干不機嫌になってしまった。え、これ俺が悪いの?

 

まあ図書館へ向かうのだが、俺は普通のペースで歩く。

 

しかし、

 

「歩くの早いー。待ってよ。」

 

え?俺普通に歩いてるんだけど?

 

「俺普通に歩いてるって。」

 

「私にとっては速いの!」

 

うーんあれかな、やっぱり歩幅が違うからかな。

 

けれど、そういう場合って男が合わせなきゃいけないのかな?

 

世の中男女平等を謳いながら男に厳しいんじゃない?理不尽だ...

 

まあそんなこんなで図書館に入るのだった。

 

委員会はあの会議室でやるそうだ。

 

「全員そろうまであの椅子に座って待っていてください。」

 

と先生が言う。そこには長テーブルと十数人座れる椅子が。

 

もうすでに何人か座っているようだ。

 

そしてその中の一人が、俺の顔を見た瞬間こういった。

 

「意外だねえ、君が図書委員に入るなんて。僕のライバル君。」

 

そういったのは違うクラスのYだった。

 

「まあ、せいぜい頑張りたまえ、よろしく。」

 

といってYは手を差し出す。なんだろう、この男、物言いが痛々しい。ライバルってなんだよ。

 

「ああ。」

 

まあ手を握っておく。

 

「うーん、でも意外だよ、春也って委員会とか入るタイプじゃなさそうだし。」

 

そういったのはYと同じクラスのXという女子。毎年図書委員やっていてしっかりしているので委員長やってる。

 

まあ今年も彼女が委員長かな?

 

ていうかえー、俺ってどんなイメージ持たれてるの?

 

まあ適当に選んだし、入りたいわけじゃなかったんだよねー。

 

そんなこと言えないが。

 

「まあ、一度やってみたいと思ったんだよ、委員会とかさ。」

 

そういって繕っておく。こういうときは上手い事理由つければなんとかなるのさ。

 

「本当~?なんか適当に選んだとかじゃないの?」

 

前言撤回。未紗、なんで俺の心を読むの?てか信じようよ俺のこと。

 

「いやいや違うって、俺そんな信用されてないの?」

 

「うん。」

 

酷い...

 

「まあ君なんかよりはよっぽど信用されてるよ。ね?」

 

「うるさい!」

 

そういって俺は椅子を蹴られる。さっきさんざん言った癖に、こっちがちょっと煽るとこれだ。

 

女子はやはり理解できない。

 

「なんか、二人って仲いいね。」

 

「うんうん。」

 

Xさん、Y、勘違いしないでくれ、誰がこんな女と仲がいいと?

 

まあそんなこと口には出さないが。

 

「そんなわけないでしょ!誰がこんな奴と。」

 

いや、思いっきり口に出さないでよ。

 

傷つくでしょ。

 

 

 

そうしているうちに全員そろい、委員会が始まった。

 

「えー、まずは仕事内容を説明します。」

 

今度こそしっかり聞いておこう、前回は寝てたせいでとんでもない事態を巻き起こしたから。

 

「まず主な仕事は、図書館の業務の手伝いです。昼休みと放課後の6時、つまり閉館時間まで、

 

本の貸し出し、返却や、書架の整理などを手伝ってもらいます。」

 

放課後6時?じゃあ部活とか行けないじゃん。てか忙しくね?下手すりゃ生徒会とか学級委員より。

 

「もちろん毎日やるわけではなく、当番は1週間ごとに交代制、それで割り当てはこんな風です。」

 

プリントが配られる、どれどれ...、え?

 

そこにはどの週にどのクラスがやるか書いてあった。ふーん、月あたり一週間程度ね。

 

まあそれは問題ない。意外と少なかった。しかし...、クラスごとってことは、未紗と二人でってことかよ...

 

絶対やってける気がしない。

 

 

 

「それと、委員長や副委員長を決めます。」

 

委員長は3年生、副委員長は1,2年から一人ずつ選ぶそうだ。まあ俺はやらないだろうな。

 

そして委員長はスムーズに決まる。その後は活動目標とスローガンを決めるそうだが...

 

スローガン決めなきゃいけないの?目標だけでいいじゃん。

 

「んで、スローガン何にする?」

 

予想通り委員長となったXさんが聞く。

 

「うーん。」

 

皆悩むが、やはりそう簡単には出てこない。

 

俺も悩む、どうしたものか、適当に上手い事考えよう...

 

 

俺はふと思いついた。

 

これなら...これなら万事解決だ!

 

俺は意を決して口を開く。

 

「一つ、良い事思いついたんだ。」

 

「何?」

 

その方法とは...

 

「去年のスローガンを使えばいいんだよ。」

 

すると皆がずっこけたような顔をした。

 

「適当すぎ。」

 

「いやそれじゃばれるでしょ。」

 

あえなく却下

 

「くそ、俺の会心の案だったのに...」

 

というわけでまじめに考える俺。スローガン。何か妙案があるか...?

 

俺はまたも思いついた。

 

「『Welcome the Library』はどうかな?」

 

どうだ、今度こそまともな案を出したが。

 

「いいんじゃない?」

 

「うん、私もいいと思う。」

 

「いいんじゃないのー、春也がそんな良い名前思いつくとか意外~。」

 

みんな認めてくれたようだ。一人だけなんか酷いが。

 

というわけで、スローガンは難なく決定。そして目標もさっさと決まったのであった。

 

まあ俺のおかげだな。

 

「これで、図書委員会の活動を終わります。」

 

委員長の号令とともに委員会が終わる。

 

みんな帰りの準備をしている。すると、

 

「この後どうする?」

 

とYが呼びかける。一緒に帰ろうということなんだろうけど、

 

「俺は部活ある。」

 

「私は報告にいかなきゃ。」

 

「私友達と一緒に帰る約束してるから。」

 

というわけで別れを告げ、それぞれの目的地へ向かう。

 

こうして第一回目の委員会は終了。このあとどんな災難が待ち受けているのやら...

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