エヴァに憧れて   作:バケツ@プリン

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*多少なりとネタバレ要素を含んでいる恐れがあります。

*主人公がメタいのは申し訳ありません。

*展開が少し早かったり、遅かったりします。

*原作シーンのところどころをカットしています。


見慣れた天井

「信二君、今は歩くことだけを考えるのよ」

 

「はい」

 

そうだ……

エヴァに乗っているんだ……

俺は半信半疑ながら歩くことを考える。エヴァは歩いた。

 

「歩いた……!」

 

歩く……歩く……

「いいわ! そのまま使徒を迎撃して!」

 

「了解!」

 

飛んだ無茶振りだとか、いきなりの実践なのにとか思わなかった。エヴァに乗ってるんだからーー

 

「初号機! プログレッシブナイフ装備!」

 

「やれる! うぉぉぉ! ……あれ」

 

「初号機! ビルに衝突!」

 

「ちょっと! 何やってるのよ、早く起きなさい!」

 

俺はとっさに起き上がろうとしたが、エヴァが動かない。それをチャンスと思ったのか第三使徒が歩み寄ってくる。アニメの二の舞じゃないか!

使徒は初号機の顔を掴み、持ち上げた。更に右腕を掴んで握り潰そうとしている。

 

「っああああ! くっそ! 痛い……!」

 

ボギッ。

 

それは初号機の腕が折れた音なのか、俺自身の腕が折れたのか分からなかった。使徒の攻撃が止むことはない。

 

「初号機! 右腕損傷!」

 

「防御システムは!?」

 

「駄目です! 作動しません!」

 

「放せ! 放せ! 放せ! 放せぇ!」

 

無駄だとは、分かっているが抵抗をする。しかし、エヴァが動かない。いやエヴァを動かすことが出来ない。そして……

 

「初号機! 頭部破損! 損害不明!」

 

「ここまでね……作戦変更! パイロットの回収を最優先に!」

 

「ダメです! 信号、届きません!」

 

「信二君!」

 

ーーえっと、なんだっけ。

 

俺は街のど真ん中に突っ立ている。いや……エヴァに乗って立っている。

不意に初号機の顔がビルに反射して、頭部の装甲が剥がれていることに気づく。こちらを見ていた。

そういえば……シンジ君、ここで意識を失ったんだよな。

 

「あんた!何ボケっとしてんの!」

 

え? 母さん?

 

「ぅあああああ!」

 

ーー病院、ベットの上に寝ている。

 

「俺は知ってる……この天井を」

 

それからというものの、あらゆる検査を受けた。最後に精神科に寄って、検査は終了となった。

右腕は治っていた。別に目が見えなくなったというものもない。エヴァの力なのか、それとも…… そんなことを考えているとミサトさんが迎えにきた。

 

「どう? 気分は」

 

「ええ、勿論最悪ですよ」

 

「そう……」

 

ミサトさんの後に続くように、病棟を歩いていくと玲が運ばれていくのが、横目で見えた。容姿はそこはかとなく綾波レイに似ているのだが、髪の色は赤みのかかった茶色。ツインテールだ。

 

「あらぁ、レイに興味持っちゃったの?」

 

「そんなことあるわけ……!」

 

実の妹に興味を持ってしまったらおしまいだ。モラルとか色々問題があるが、とにかく駄目だ。

 

「レイに、手を出したらタダでは済まさんぞ」

 

「親父!?」

 

どこからとなく親父の声が聞こえた……気がした。

 

そして、俺の生活スペースとなる場所が冬月さんから説明された。一人部屋の個室、全然悪くない条件だったが俺は願望があった。

 

「一人で!? ですか…?」

 

「問題なかろう。あの者との生活はできんだろう」

 

「しかし…… 信二君はそれでいいの?」

 

「はい、一人の方が気楽ですよ」

 

案の定、ミサトさんが引き取るという話を持ち出した。俺は心の中でガッツポーズ、飛び跳ね回った。

ミサトさんの車に乗り込み、コンビニへと向かった。

 

「ミサトさん、ミサトさん、俺はこれ食べたいです!」

 

そう、シンジ君と違って俺は、インスタント食品が大好きだ。勿論カップラーメンも大好きで、味噌味だ。

 

「あらぁ、気が合うわね。 私もこれにするわ」

 

各々好きなものをたくさん買い、ある場所へと向かった。

そこは、見晴らしのいい展望台のような場所だ。そこから眺める景色は少し寂しさを感じる。だが、そう思ったのもつかの間、ありとあらゆる場所からビルが出てくる。

 

「ここが、第三新東京市。 あなたの守った街よ」

 

「俺が……守った……」

 

そしてミサトさんの住むマンションに着いた。「ただいま」と元気よく言い、俺はついにミサトさんの家へ!

嬉しさは5秒で消えた。

 

「ちょっち、散らかってるけど」

 

「まじかよ……俺の部屋より酷いなんて……」

 

「ビールとかしまっといてー」

 

「はぁい」

 

氷、つまみ、ビール、冷凍食品。それらのものが冷蔵庫を埋め尽くしていた。

 

「これで……一人暮らしを出来るのか」

 

何はともあれ、飯の時間だ。もちろん、カップラーメンとか唐揚げとか、俺の好きなものを並べる。ミサトさんも焼き鳥、枝豆といったお酒のアテを並べた。

 

「「いただきます!」」

 

「ん、っはあ! 仕事終わりはこれよね!」

 

「流石ミサトさん! いい飲みっぷり!」

 

「んふふ、こうやって誰かとご飯食べるの、楽しいでしょう?」

 

まぁ、実際一人で飯を食うことが多かった。母さんや親父、玲と一緒に食うことなんてほとんど、なかった。仲が悪いわけじゃないんだが時間が合わないとか色々、理由はあった。

 

「さて、次はジャンケンよ!」

 

「げ!」

 

ミサトさんとのジャンケン大会! 全敗!

 

「公平な結果ね」

 

あまりにも不公平だ。俺はジャンケンが弱すぎて話にならないくらいに勝てない。結果、掃除当番、料理当番、ゴミ出し係は全部俺の役目。働かざるもの食うべからずか。

 

「ま、風呂にでも入って嫌なこともぱーっと洗い流しちゃちなさい」

 

ーー風呂場にて、ペンペンが居た。

 

「うぉぉぉ! ペンペンがいる! ミサトさん、ペンペンが!」

 

「内の同居人、名前はその通りペンペンよ」

 

「本当に、お風呂に入るペンギン居るんですね!」

 

「それより、前、隠したら?」

 

何を馬鹿なことをしてるんだ、俺。とりあえず、風呂に入った。二日振りか、三日振りか分からないが、とても気持ちいい。そして天井を見ながらこう言った。

 

「見慣れた天井だ……」

 

風呂を上がり、俺専用の信ちゃんのお部屋で横になった。

 

「これからどうなるんだろう……まさかアスカちゃんまで俺の学校のクラスメイトだった、なんてオチになるんじゃないか」

 

天井を見ながらそう考えてると、何故か涙が出てきた。

その時、部屋の扉が開いた。

 

「信二君、あなたは立派なことをしたの これからも頑張ってね」

 

俺はその言葉を励みに、改めてエヴァのパイロットとして頑張ることを決意した。




続く

(戦闘シーンは少なめです、見所の暴走のシーンはすみません、カットです……)
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