ラブライブ!サンシャイン!!×仮面ライダードライブサーガ 仮面ライダーソニック 作:Master Tree
隼斗「おい作者!」
ますつり「なんだぁ隼斗?」
隼斗「最近、新人ライダーのゲイツなんとかってやつがいるらしいな?」
ますつり「ゲイツリバイブな。パワータイプでオレンジ色の剛烈とスピードタイプで青色してる疾風の2モードがあるぞ。」
隼斗「そうそれだ!なんか姿少し見たんだがよ、あれ俺とイメージモロ被りじゃねえか!スピードタイプってのも………」
ますつり「まあ先に出たのはこっちだが……所詮こっちは2次創作だ。公式どうこうは言えねえよ。」
隼斗「でもよ、未来予知超えられる速さっつーけどよ、その疾風。流石に俺よりは遅いだろ!」
ますつり「あー、それなんだがな隼斗。」
隼斗「なんだよ。」
ますつり「お前の方が遅いぞ。」
隼斗「…………え?」
説明しよう!ソニックの強化フォームである最強形態ブレイヴソニックのスピードは設定上100mを1.55秒に対しゲイツリバイブ疾風は100mを0.9秒なのである!!
隼斗「向こうの方が、速い………?」
ますつり「まあ心配すんな少年よ。お前は更に強くなる。速くなる。それこそ俺が今まで作り上げてきたキャラたちの……誰よりもな。」
隼斗「…………速く?」
見てみると作者の手元には一台のスマホが。
ますつり「このデータによれば、ブレイヴソニックには隠された秘密のシステムが……」
隼斗「おいそれ言っちゃダメなやつだろ!!」
この前見たゲイツリバイブ剛烈(モモタロスver.)を結構気に入った作者。
妄想でゲイツリバイブ疾風(隼斗)とか考えてました。コラボとかがあればワンチャン…
大変長らくお待たせしました!異世界ディケイドにハマりすぎてこっちが手につかず………
コラボ控えてるし急がねば!
本当はこれジオウまだやってるときに投稿する予定で書いてた。
まさかゼロワンワンクール終わるまで投稿しなかったとは……
これまでのサンシャインサーガ!
雨の日の帰り、犬を拾った善子達。
だが、善子は自分の住む家の事情からその犬を梨子に預ける事にする。
しかしそんな梨子も大の犬嫌い。なんとか頑張りながらもそのお世話をするのだが……
数日後。その犬の飼い主が見つかる。
だが、拾った本人善子は飼い主は本物ではないのでは、あの犬との出会いは運命だと信じて疑わず……
結局善子はその犬の事を諦めた。
だが彼女も、そして梨子も信じているようだ。
どの人にも、見えない力はあるのだと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、今日は地区大会の会場発表の日。
一年生、二年生の7人が部室にいた。
「来ました!」
『!!』
ルビィの開くパソコンに表示された場所。
そこは見覚えのある場所だった。
「見た事あるずら!」
「ここは……前回ラグナロクが行われた約束の場所…!!」
「私達が突破できなかった地区大会……」
「あの時と同じ場所、か………」
「あの時のリベンジ、だね。」
「……………。」
千歌はその画面を真剣な表情でジッと見ていた。
前回大会では突破できなかった地区大会。
それも同じ会場で行われるのだ。気が引き締まる感じなのだろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
同時刻、生徒会室。
三年生+隼斗(と01)が現在の状況について確認していた。
「57人?」
「そう。今日現在、入学希望者は57人。」
「一応半分は越してるのか………けど100目標とするとまだまだ足りてねえ……」
「ですが、この1ヶ月で10人も増えていないという事ですのよ?」
「鞠莉のお父さんに言われた期限まではあと1ヶ月も無いって事だよね?」
「ええ。ラブライブ地区大会が行われる日。そこまでに100人到達していなければ…今度こそ、あとはnothingデス。」
「……最低でも、あと…43人か。」
「つまり、次の地区大会が………」
「Yes.Last Chance……………」
「そこに賭けるしかない、ということですわね。」
「そうなるな。いよいよ追い込まれたか…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「one.tow.three.four!one.tow.three.four!チェンジして!UP!UP!!
Oh!good !ここの腕、もう少し合わせたいね!花丸はもう少し上げて!そう!よし!
じゃあインターバル後個人でね!」
「全員、水分補給しっかりな!休める時にしっかり休めよ!!」
今日の沼津での練習。
地区大会に向けて、全員気合いが入っていた。
「疲れたずらぁ………」
「大丈夫花丸ちゃん?」
「ずらぁ……」
「おっ!全国大会進出が有力視されてるグループだって!」
「なになに⁉︎そんなのあるの?」
「ラブライブはスクールアイドルの甲子園。最も注目を浴びるイベントと言っても過言ではないからな。予想する人も少なくはないんだろ。」
「どんなグループがいるの?」
「前年度大会に出たグループはもちろんいるみたいだし……あっ」
曜が見つけたのはSaint Snow。
「Saint Snow…」
「前回大会では地区予選をトップ通過シ、本戦…決勝デモトップ10入り。
あの2人もかなりのヤリ手だナ…」
「姉の聖良は今年3年生。最後の大会で優勝を目指している、か…」
「あの2人も気合入ってるだろうな…」
「他にはどんなグループが?」
「他は……あっ!」
他のグループについて見ていると、そこにはAqoursの名前が。
「Aqoursいるじゃねえか!」
「オー…」
「『前回は地区予選で涙を飲んだAqoursだが、今回の予備予選でのパフォーマンスは、全国大会出場者達に引けを取らない物だった。今後の成長に期待したい。』」
「…頑張らねえとな。」
「うん!」
「このヨハネの堕天使としての闇能力を持ってすれば、その程度造作もない事なのです!」
「そう!造作もないことなのです!…ハッ」
おなじみヨハネ…もとい善子の堕天使節。
だが今回は何故か梨子まで一緒になっていた。
「流石我と契約を結んだだけの事はあるぞ、リトルデーモン、リリーよ!」
「無礼な!我はそのような契約結んでおらぬわ!!」
「こいつらこの数日で何があった?」
「リリー?」
「これが堕天ずらか…」
「うゅ。」
「違う!!」
「welcome to hell zone!」
「待てぃ!」
「なんか楽しそう!」
「千歌ちゃんまで⁉︎」
「同胞が増えてテンション上がってるみたいだな。」
「ゆーて俺っち達もダゼ?ある意味。」
「だな。」
そう談笑していると、ルビィがまたスマホでサイトをみていた。
「今回の地区予選は会場とネット中継でのお客さんの投票で結果が決まるんだって。」
「へぇ、って事はわりとすぐ結果出るのかもな。」
「何日も待つよりはいいじゃん!」
「そんな簡単な話ではありませんわ。」
「え?なんでだよ?」
その話を遮ったのはダイヤ。
何やら深刻そうな表情をしていた。
「会場には出場校の生徒達が応援に来ていますのよ。」
「それってつまり…!」
「生徒数が多い学校が有利になる…俺達からしたらかなりその点でのハンデが大きいって事になる。」
「厳しイ戦いになる…って事ダナ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その夜、浦の星地下のキリカラボにて。
「なるほどな。それは確かに最もだ。」
棒状のお菓子をまるで煙草のように口に加えながら、お気に入りの回転椅子に座っていた霧香が隼斗が話していた。
「生徒数の数の差…そこに関しては、残念だが現状の我々では埋めようがない。」
「どうにかできないか?一時的にでも人を増やしたり、それか…「君は不正してでも勝ちに行きたいのか?」…だよな。悪い、今のは忘れてくれ。」
「我々が勝つ方法は一つ。パフォーマンスでその差を埋める。だが…私もここ数日の練習を見ていて思うが…今のままではそれは少し難しいだろう。何かこうもうひとこえ有れば…」
「もうひとこえ……」
ふと、脳裏にある景色が浮かぶ。
いつだったか、アレを見たのは……
『これ、フォーメーションのやつか?へぇ…これ3人の時に全部?』
『これは………?』
『っ………昔のやつ。今度の地区予選にもしかしたら使えるかもしれないけど……やっぱり今のみんなには使わせられない。』
そうだ、アレがあった!
「いい事思いついた!博士、鳥は⁉︎」
「その辺にいるはずだが…」
「借りてく!!」
「あっ…!終わったら返せよ!メンテしないとだから…」
「わーってるって!!」
隼斗は何かを思い出し、駆け足でラボを飛び出していった。
「やれやれ…若いってのはいいねぇ…」
1人取り残された霧香は、更に袋からもう一本追加でお菓子を取っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……」
1人海の近くで黄昏ていた果南。その手元には『Aqours ダンスフォーメーションアイデアノート』と書かれたノートが1冊。
「やっぱりそれしかないかもね!」
「…!」
振り向くとそこには鞠莉とダイヤの2人が。
「ですわね。」
「懐かしい…。まだ持ってたんだ、ソレ。」
「まさか…やるなんて言うんじゃないだろうね?」
「まさか…やらない、なんて言うんじゃないでしょうね?」
「っ…」
「状況は分かってるでしょ?それに賭けるしか方法は無い。」
「でも…」
「私、あの頃の気持ちと変わってないよ。」
「鞠莉…」
「今回は私も鞠莉さんに賛成ですわ。学校の存続の為に、やれる事は全てやる。それが、生徒会長としての義務だと思ってますので。それにこれが、ラストチャンスですわ。」
「…でも、出来る事じゃない。これは出来ない事…」
「そんな事はない。あの時ももう少しだった。もう少しで…」
「でも出来なかった。それどころか、鞠莉の足まで…」
「それは、私がいけなかったの!果南に追いつきたいって、頑張り過ぎたせいで…」
「そうですわ。それに今は9…いえ、11人もいる。私達だけではありませんわ。」
「…駄目。やっぱり駄目だよ!…届かない物に手を伸ばそうとして、その所為で誰かを傷つけて…それを千歌達に押し付けるなんて…っ!こんなの…!!」
そう言うと果南は、その手に持っていたノートを海に投げ捨てる。だが…
「…!!」
鞠莉は木の柵を踏み台にそのノートをキャッチしようと飛び出した。
「鞠莉さん!!」
ノート諸共海に落ちるかと思ったその時……
「っしゃラッキー!!目的のものが向こうから来てくれるとは!!」
大きな音を立てて海を斬り裂き、一筋の流れ星の如く彼女達に迫る一条の蒼く輝く光が。
それは宙を舞っていたノートを掴み取り、海に落ちかけていた少女をもキャッチしてみせた。
鞠莉が目を開け、顔を上げてみると……
「っ……ハヤト…?」
そこには彼女がよく知る仮面のヒーローが、自慢げに彼女の方を向いていた。
「ったく…なにをやってるのかと遠目で視てたら、果南姉ちゃんは急に目的の物を捨てようとしてるし、鞠莉がそれを取ろうとして海に飛び込もうとしてるんだもんなぁ…超特急のブレイヴで来て正解だったぜ。」
「隼斗さん…!どうしてここに?」
「いやぁ何、俺もちょっと姉ちゃんに急用があって。どうやら、みんな用件は同じみたいですけどね…っと!」
鞠莉をキャッチしたそれは、彼女を2人の側に下ろしてやると、自身もベルトからシグナルブレイヴを引き抜く。
すると、装甲の一部が分離、鳥型のメカとして再構築される。
余剰エネルギーが羽根の形となって周囲に舞い散り、ドライバーを閉じると残ったスーツも光となって消える。
そしてそこには、変身者である隼斗がいつも通りの姿で立っていた。
「わざわざ飛んできたの…?」
「いやぁすぐに話したかったんだけどこの時間はもう船無いし。バイクじゃ海は渡れないし。そう考えると今の俺には残された手段はこれだけだったから。」
「…ケータイで連絡すればよかったのでは?」
「マジレスしないでダイヤさん。…ってか、こんなので話したところで姉ちゃん説得するのは無理だな〜って思ったから。だったら直接話したかった。」
「ホント、隼斗はカナンの事になると一直線なのね。」
「一直線過ぎるのもどうかと思うけどね。」
「それが俺の存在意義だから。果南姉ちゃんが困ってるなら助ける。これは、俺の恩返しでもあるから。」
「「恩返し…?」」
「まあ、その話は今はいいんだ。…それより姉ちゃん。話は一部始終聞かせてもらった。それで、これは俺の勝手な意見なんだけど…」
ドライバーを外し、ジャケットのフードに放り込む。そして彼は果南をジッと見つめながら真剣な目で言った。
「…姉ちゃんにとっては、確かにその昔の事ってのは辛い記憶かもしれない。
でも、どうかその事を否定するのだけは…余りして欲しくは無い、かな。だって、ほら!鞠莉とか、ダイヤさんにとっては…それは、大切な思い出の一つのはず。
今はもう3人だけじゃない。仲間達がいる!
俺達だっている!」
「隼斗…?」
「…あの時3人が夢見た景色。今度こそ、完成させようよ!!俺、言ったでしょ?後悔させないって!俺が生きている限りは、姉ちゃんに少しでも後悔なんてして欲しくないんだ!その為なら、俺は…俺は自分の全部を出す事を惜しまない!だから…!!」
そう言って勢いよく頭を下げ、そのノートを果南に差し出す隼斗。そう、彼は誓った。
自分が愛する人の夢、それが果たせるかもしれない最後のチャンス。
それを掴む為なら、自分は……
「隼斗、私は…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日の練習にて。
『新しいフォーメーション⁉︎』
「そうだ。2年前…この3人だけだった頃の旧Aqours時代、考えられていた物。」
「でも、それをやろうとして鞠莉は足を痛めて…それに、他のメンバーの負担も大きいの。今、そこまでしてやる意味は…」
「ある!言ったでしょ?やれる事はやるんだって!昨日も散々言ったのに!」
「隼斗はそう言うけどね!何度も言うけどアレは…」
「はいはいお二人とも、こんな所で喧嘩しないでください。」
「「だって姉ちゃん(隼斗)が!!」」
「なんです?」
「「…すいませんでした…」」
ダイヤのひと睨みで即座に沈黙する2人。
その光景を見ていたメンバーも「おお…」と感嘆の声を上げていた。
「そんなのがあったの⁉︎やろうよ!それ!ねぇ果南ちゃん、そんなのがあるなら今使わないでどうするの?私最初に言った!絶対に諦めたくない!」
「…でも、これはセンターを務める人の負担が大きいの。あの時は私だったけど、今の千歌にそれができるの?」
「大丈夫。やるよ、私!」
千歌は果南の手を取り、真っ直ぐに見つめて言ってみせた。
「決まりですわね。果南さん、あのノートを渡しますわよ。」
「今のAqoursをbreak throughする為には、必ず越えなきゃならないwallがありマース!」
「今がその時かもしれませんわね。」
「…言っておくけど、私が危険だと判断したら私はラブライブを棄権してでも千歌を止めるからね。」
果南は何がなんでもやるという姿勢の千歌を見てとうとう諦めたのか、ノートを取り出すと千歌に手渡した。
「なに、俺も協力は惜しまない。
みんなで完成させるんだ、今度こそ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その夜…
旅館の居住エリア内。隼斗の自室にて。
「……」
夕食後、特にやる事も無いのでベッドに寝っ転がって天井を見上げていた隼斗。
その隣では01が羽を休めていた。
「トレーニングは今日の分済ませたし、宿題も特に無し。暇だな…」
『ー。』
01も主人の言葉に同意を示すかのように首を縦に振っている。
「そういや本当に今更だけどお前の名前…個体名とは別の名前考えてなかったな…呼びやすい名前か…いつまでも鳥ってのもなんだかなぁ…」
すると、ドスン!と突如衝撃が音を伴って響いた。
「なんだ?地震?」
『いてて…思ったより難しいな…』
襖越しに聞こえる声。
アイツ家の中で練習してんのか…俺達はともかく他の客に迷惑じゃないのか…
『千歌!うるさいって…『うわぁぁ⁉︎』』
今最高に大きな音したけどまぁ気にするほどじゃねえか…ってか今絶ッッ対美渡姉にぶつかったな…?しかもドタバタ音がする…あの2人追いかけっこしてんな……このまま放置したらそれこそ迷惑だ、仕方ない…
「鳥、アイツら止めに行くぞ。」
『ー。』
了解、ご主人。とでも言うかのように01は彼の肩に乗ると、共に部屋を出た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「よっ…とと……うわぁっ⁉︎」
あの後なんとか2人を止め、練習場所を砂浜に移した。
「ダメだダメだ!もっと体全体使って!」
「全体…分かった!」
俺なりの解析だが、今回のフォーメーションはかなりアクロバティックな要素が強い。
そこで、俺は千歌の専属コーチとしてアメリカで得た技術を使い指導する事になった。
のだが…
「うわっ⁉︎」
これが中々難しい。あの果南姉ちゃんですら難しいと考えさせただけの事はある。これはかなり苦労する事になりそうだ……
_____________________________________________
「心配?」
「…やっぱり、こうなっちゃうんだなって…隼斗も、戦いなんかがある中で普段の練習とはまた違った事をやる事になったし…」
「ソコはまあ、あの子がやるって言い出したんだし。…でも、やりたかったね。私達3人で、アレ。」
「それなら、なんで千歌達にやらせるの?まるで押し付けるみたいな…」
「千歌っちならできるって信じてるから。
今のAqoursなら、必ず成功する。果南だって信じてるでしょ?」
2人は遠くからただその練習風景を見守っているだけであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「千歌ー!頑張ってー!!」
あれから早くも1週間が経過した。
今日は体育館でスペースを借りての特訓。
もちろんマットは敷いて安全を確保した上でだ。
だが今回も上手く行っていなかった。
千歌は勢いよく前のめりにマットに倒れ伏していた。
「大丈夫⁉︎」
「大丈夫…大丈夫…っ!もう一回!」
「そろそろ休憩しない?5日もこんな調子じゃ体壊しちゃうわよ?」
「ううん、大丈夫!もうちょっとで掴めそうだから…」
息を切らしながらそう答える千歌をメンバーは全員心配そうな目で見ていた。
「地区大会まで残り2週間なんだよ?ここで無理して怪我したら…」
「うん、分かってる。でも、やってみたいんだ。…私、最初にここで歌ったときに思ったんだ。みんながいなかったら何もできなかったって。
ラブライブ地区大会の時も、この前の予備予選の時も。みんなが一緒だったから頑張れた。学校のみんなにも、町の人達にも助けられて…だから、少しくらい恩返しがしたい!
怪我しないよう注意するから、もう少しだけやらせて!」
そう言って元の場所へと戻っていく千歌。
果南も、そして隼斗やみんなも止める事なくそれを見守っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日の夕方。
また砂浜で練習しているものの、中々上手く行かない。
「気持ちは分かるんだけどね…やっぱり心配。」
「だよね。」
「じゃ、2人で止めたら?私より2人が言った方が千歌には効くと思うけど。千歌には。」
「そうは言っても…」
「隼斗がねぇ…」
「隼斗くんの場合は果南さんが効くだろうから……」
「うわっ⁉︎」
「…なんだかなぁ…教える事は全部言ったはず…まだ何か足りないのか?」
「うん、コツは掴めてきたんだけど…」
「考えないと…考えないと……」
「アレを止めるのは難しいかも。」
「2人とも、すっごく集中してるしね。」
「…隼斗」
「隼斗?」
「隼斗君がどうかしたんですか?」
「コレやるってなったとき、隼斗言ったんだ。」
『今度こそ、完成させようよ!!俺、言ったでしょ?後悔させないって!俺が生きている限りは、姉ちゃんに少しでも後悔なんてして欲しくないんだ!その為なら、俺は…俺は自分の全部を出す事を惜しまない!だから…!!』
「後悔させない…」
「なんというか、隼斗らしいと言えばらしいんだけど…」
「そういえば気になったんだけど…隼斗君ってどうしてそこまで果南さんに尽くすんだろう?」
「確かに…昔はいつも誰かの…というかいつも果南ちゃんに隠れてオドオドしてた隼斗がどうして…」
「多分、それこそ私だと思う。…梨子は知らないだろうけど…隼斗、昔はとっても弱かったんだよ?」
「隼斗君が?…前に聞いたことがあるような…ないような…」
記憶を探るが、中々思い出せずにいる梨子。そんな中、果南は話し始めた。
「すっごく弱虫で…泣き虫で…虐められてる事も少なくなかったと思う。
隼斗が同性の友達そんなに多くなかったってのもあるだろうけど、そんなのが理由で…で、その度に私が助けて。
隼斗はきっと、それを必要以上に重く受け止めちゃってるのかな。
だから、あんな風に……」
「考えても仕方ねぇ、俺がやる!」
「隼斗くんが?」
「こう見えてもできるんだっての忘れたか?見てろ千歌、俺のやり方!」
「うん!!」
「自分を削ってまで私に尽くしてる。」
「そうだったんだ…」
「果南ちゃん、止めないの?」
「止めない、っていうか…止められない、かな。一度突っ走ったら止まらない。ある意味今の千歌と同じで…」
「おお…!っとと…っつぁ!!」
ドサッ!と音をたてて隼斗が着地する。が、勢い余って尻餅をついてしまった。
「「「おお……」」」
2年生の3人の声が重なる程驚いていた。
「よく言えば、頼もしい。強くなった。けどいつか壊れちゃいそうで…それが不安でもあるって感じかな。」
「…隼斗君は、壊れないと思いますよ。」
「え?」
「隼斗君、すごいから。」
「まあ、確かにすごいけど…」
「ただ単にすごいんじゃないです。果南さんの為に自分を奮い立たせる勇気。強くなるっていう覚悟の強さ。それを貫く意志の強さ…それを全部ひっくるめてすごいんですよ。」
「…そっか。そう言えばいつだったか言ってたっけ……」
『俺は確かに無鉄砲で、負けず嫌いで…………時々だけど姉ちゃんや、千歌や、曜。みんなを振り回す。でも俺は…俺は姉ちゃんの事を、心から愛してる。その気持ちがある限り、俺は不死身だよ!』
「あ、愛してる…」
「だ、大胆だね…隼斗君。」
「でも、それ聞いて少し安心した。隼斗も、それに千歌も。頑張ってはいる。けど…」
「うわぁっ⁉︎」
「っと!」
着地をミスした千歌を隼斗が受け止める。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう…隼斗くん。」
「惜しいとこまでは行ってるんだよなぁ…」
思わず俺もその場に座り込む。
ふと見ると、千歌が海の向こうの夕陽に手を伸ばしているのが見えた。
それを真似るかのように俺の手も自然と伸びていた。手の届く所にあるかのように見えて遠い。今の状況と同じようだ。
すると、ずっと見ていた果南姉ちゃんがこちらに来た。
「隼斗、千歌。」
「果南ちゃん(姉ちゃん)…」
「2人とも、約束して。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その夜。
ベランダに出た梨子は、向かいにある千歌の家の方を見ていた。
「梨子ちゃん?」
そこに、千歌の姉である長女の志満が現れた。
「志満さん!千歌ちゃんは?」
「なんか、少し練習してくるって。隼斗君引っ張ってったわ。」
「隼斗くんまで⁉︎こんな時間に…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「よっ…っぁ!!」
聞いた通りに海の方へ行ってみると、そこには練習している千歌、そして隼斗。
加えて曜が遠くから座って見守っていた。
「千歌ちゃん…」
「梨子ちゃんに頼むと止められそうだからって。わざわざ隼斗くんも律儀にそれに付き合ってさ…」
「でも、2人ともこんな夜中まで…」
「そりゃあんな事言われたらね…」
遡る事数時間前、夕方の練習中。
「千歌、それに隼斗も。…約束して。明日の朝までにできなかったら、諦めるって。
よくやったよ、2人とも。けど…もう限界でしょ?」
「そんな事…っ」
反論しようとした隼斗の足元がふらつく。
ずっと千歌に付きっきりで彼自身も何度かやっていた影響が少し出たのだろう。
「隼斗くん!」
「ほら、隼斗だって…」
「まだやれる!もう少し…もう少しなんだ…!だから…!!」
「それは私の為?それとも千歌の為?」
「っ…自分の為だ!協力するって言ったんだ、こんな所で諦めるなんて…!」
「それで無理して欲しくないの。隼斗には、戦いだってあるんだから。
余計な寄り道で迷惑をかけたくないの。」
「余計な寄り道…?…それ、本気で言ってるの…?」
「……」
「だったら断る。これは俺がやるって決めたんだ。ここで投げ出したくは…ない!」
そして現在に至る。
「果南ちゃんは昔やってたから、尚更分かっちゃってるのかもね。これの難しさが…」
「もう少し…そこっ!」
「わっ⁉︎」
「「惜しい!」」
「ああっもうっ!!」
砂浜に仰向けに倒れる千歌。
隼斗もそこに駆け寄る。
「何がダメなんだろう…」
「動き自体は間違ってなかった。できそうな所までは来てるんだが…!」
「2人とも!」
そこへ見ていた梨子と曜も駆け寄り、千歌の手を取った。
「千歌ちゃん、落ち着いて、練習通りに!」
「できるよ、絶対できる!」
「隼斗くんも、そろそろ休んで。教えれる事は全部教えたんでしょ?後は千歌ちゃん次第。ここまでにしよう?」
「…分かった。」
隼斗も梨子と曜に連れられゆっくりと歩いてその場を離れた。
そして、千歌が深呼吸し再挑戦しようとした時…
「千歌ちゃーん!(千歌!)」
声がした方を振り向くと、そこには1年生の3人+憐が。
「頑張るずらー!」
その声援を受け、千歌は再び走り出す。
足を踏み込み、飛び上がる。
が…
「ああっ⁉︎」
またしても失敗。勢い余って倒れてしまった。
「ああっ!できる所だろこれ!!」
「今までで1番惜しかったのに…!」
隼斗も悔しさを露わにしていた。
彼女の練習を1番近くで見てきただけに本人と同じぐらいに難易度は理解している。
それがあと少しのところだったのだが…
「(なんでできないんだろ…梨子ちゃんも曜ちゃんも、それに隼斗君までこんなに応援してくれてるのに…!)」
それでも諦めたくない。何もしてない。まだ何もできていない…彼女の中で悔しさが渦巻いていた。
「まだだろ…」
「隼斗くん…?」
梨子と曜の2人に連れられ、座り込んで休憩していた隼斗が突如立ち上がり、思い切り息を吸い込む。
そして、夜にも関わらず気持ちそのものを彼女にぶつけるかのように大声で言い放った。
「まだやれるだろ!高海千歌!!」
「っ!」
その大声にその場にいた全員が耳を塞いでいた。
「ちょっと隼斗君!うるさいわよ!」
「あ、あぁ悪い…んんっ!…千歌、お前の気持ちはそんなもんなのか?ここまでバラバラの色だらけのAqoursを引っ張ってきたお前の力は!」
「…でも…」
「確かにお前の言う通り、お前1人じゃ、何もできなかったかもしれない。普通
荒くなっていた息を整えると、隼斗はまた話だした。
「…さて、突然だけど問題だ。今、こうして俺達がいられるのは、誰のおかげだと思う?」
「それは…学校のみんなでしょ…?それに、曜ちゃんや梨子ちゃん、町の人達やみんな…「合ってはいるが不正解だな。」…なんで?」
「1番大事な人を忘れてませんか?」
「1番…大事な人?」
「今のAqoursができたのは、誰のお陰?」
「最初にやろうって言ったのは、何度部を作るのを断られても、それでも諦めずに何度も何度もトライしてたのは、どこの誰だよ?」
曜や梨子が言うのに続き、隼斗もやれやれと言った表情で言ってみせた。
他の誰でもない。もしも他の誰かがこの部を、このスクールアイドル作っていたとしても今のAqoursは作れていなかっただろう。
「千歌ちゃんがいたから、今があるんだよ。その事は…忘れないで!」
「自分の事を普通だって思い続けてた人が、諦めずに進み続けて…それができるって、すごい事なのよ!すごい勇気が必要だと思う!」
「そんな千歌ちゃんだから、みんな頑張ろうって思える!Aqoursをやってみようって思えたんだよ!!」
「なーにが普通怪獣だよ。ここで捨てとけ、そんな変な称号。
お前は千歌、高海千歌。Aqoursのリーダーで…俺が認めたスクールアイドルだ!!」
「恩返しとか考えなくても、みんなワクワクしてるんだよ!千歌ちゃんと一緒に、自分達だけの輝きを見つけられるのを!」
「新たなAqoursのWAVEだね。」
振り向くとそこには3年生の3人も来ていた。
その中心には果南が立っていた。
「千歌、時間だよ。準備はいいね?」
その言葉の後、近くにいた隼斗は千歌の肩をポンと叩く。
「…行ってこい!」
「うんっ!!」
力強く頷くと、千歌は呼吸を整え、助走をつけて走り出す。
みんなが見届ける中、朝日が昇る。
それと同時に千歌は地面を蹴り______
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして迎えた地区大会当日。
「随分ボロボロダナ、ハーさん。」
「うっせえ。これでも確実にするためにあれから自分でもやってみて特訓してたんだよ。
それで負った傷だ。別に大したもんじゃない。」
「だといいけどな。ほら、始まるぞ。」
俺、憐、そして顧問(名目上)の霧香博士。
3人が関係者席で見守る中、いよいよAqoursのパフォーマンスが始まった。
曲目はもちろん新曲。
その名もMIRACLE WAVE。
鞠莉の言っていたWAVE、それが決めるきっかけの一つになっていた。
そして、ここからが本番。
曲のサビ前、うつ伏せ状態になるメンバー達の上を…
千歌は側転、バク転、更にはバク宙で飛び越えてみせた。
「ッシャア!!!!」
歓声に湧く会場。
思わず俺も裏でガッツポーズしてしまった。
新しい未来 掴めるんだろうか?
信じようよ MIRACLE WAVEが
MIRACLE呼ぶよ
この曲の一節に、そんな歌詞がある。
諦めずに挑戦し続けたみんなは、千歌は。
奇跡を掴み取ってみせたのだ。
その光景を見た俺の目には、一筋の伝う何かが…なんだこれ
「…隼斗、君…」
「ハーさん…泣いてる?」
「バッカお前…別に。あいつらならやるだろうとは最初から思ってたけど、ちょっと安心しただけだ。」
「素直じゃないねぇ、君も。」
「けど、俺今思ったよ。本当に今更だけど、日本帰ってきて良かったーって。」
だって、今まで見てきた星空と同じぐらいの綺麗な輝きを目にする事になるなんて、思いもしなかったのだから。
次回に続く。
待たせたな!(待ってない)
まさか半年以上(1年)も投稿していなかったとは…結局今年も年内完結は不可能という結果になってしまいました。本当に申し訳ない。
どうにかこうにか冬休み中にあと2.3本投稿できたらなとは考えているので、調子を取り戻しながらになるからスローペースではありますが、どうかよろしくお願いします!
それでは次回もお楽しみに!